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温洋御用邸は昨夜からの強風から開放され穏やかな朝を迎えていた。庭の柳はしなやかに名残の風に揺れている。滴る雫が朝日に輝いていた。『ミン…ミンはいるか…あ、いや皇太后?』『どうされましたか?陛下…今朝は随分とお早いですね』虫の知らせか、邸内の空気の異変を察知した前皇帝陛下は妻を呼んだ。寝所の戸が僅かに開くと、夫を招き入れた。『あ、いや…今日はやけに外が騒がしく感じて…そう思いませんか?』『……そうでしょうか…私には何も。ただ、久方に妃宮の夢を見ました…』『妃宮の?一体どんな夢か聞か
ささやかな目映い光が部屋の中央まで射し込んでいる。東宮の朝は以前と同じ女官や尚宮、内官が集まり賑わいを見せていた。女官の一人が不安気な面持ちで内官へ駆け寄る。『申し上げます。』『ん?何かありましたか?』『はい…実は…』話し始めた女官を差し置き、昨夜を思い出す内官。『殿下は昨夜雨に濡れた様子であったな…風邪など召されてないといいが……。チェ尚宮、念の為お二人に薬湯を用意しておいた方が良いかも知れぬ…』チェギョンの準備に忙しい尚宮を呼び止めた。『はい。コン内官。すぐに準備させます
『ウッティレート医師、チェギョンが妊娠とは確かなんですか?確かだとしても何か他に病気があるわけではないのですか?頻繁に倒れるのは何か』『いえ、妊娠初期は様々な症状がでます。妃宮様の場合は典型的と言えば典型的ですが数値も著しく悪い訳ではありません、、食事が摂取出来ない事が何より心配ですがでは、殿下見てみますか?』『見てって…見れるのか?だったら是非』『妃宮様先程は見られるのはお嫌だと言われましたがどうされますか?』『だって恥ずかしいし』『何が恥ずかしいんだ!』『だって』『先生お願いし
久々の東宮殿はあの頃より増して開放感のある明るい佇まいを見せた。この空間との別れを、チェギョンは惜しむ間も与えられないまま取り急ぎ宮を去った。騒動の渦中に泡沫のように消える事を余儀なくされた。思い出の残るこの場所に再び舞い戻った。緊張した面持ちで、チェギョンはかって知ったる石畳を歩いた。『足元、気をつけろ』『分かってる!』過干渉な夫に辟易しながら辺りを見渡した。いつ何時、主である妃宮が戻ってきても良いようにと女官達が甲斐甲斐しく毎日の手入れに気遣っていた証拠が其処彼処に伺える。『妃
天井を仰ぐチェギョンは胸が軋み、切り刻まれた様な痛みが襲っていた。紛れもなく今我が身が存在するのは、久方ぶりの【妃宮の部屋】。宮家に嫁し、東宮妃として此処に迎えられたばかりのあの頃と寸分変わりはなかった。だが、今は随分と変わって見える。ここだけでなく、目に映る全てが何処か違って見え心許ない気持ちを味わう。『他人の部屋みたいだわ…』呟くとチェギョンは孤独感を払拭するように臍より僅かに下った部分にそっと手を当て、ホッと一息の深呼吸で精神の安定を図った。シンは新婚らしい夫婦の睦みも味わう前に
―――これで良かったの…?閉められた窓の外から聞こえる歓声のざわめきを感じながら、チェギョンはその小さな胸にもう何千回と問いかけた事柄を、再び取り出し、繰り返した。例え、答えが『NO』だとしても、引き戻すことなど不可能だと彼女には分かっていたけれども。「用意はできたかな?」男らしい声が聞こえ、チェギョンは振り返った。チェギョンが考えていたよりずっと近くに、シン王子が花婿らしい黒と白の完璧な装いで立っていた。「ええ、殿下」長く豊かな睫毛が、チェギョンの美しい薄茶色の瞳を覆い隠してしま
チェギョンは改めて皇帝陛下である義姉、へミョンに呼ばれ、彼女の自室にいた。皇太子のスキャンダル、妃宮と義従兄ユルとの噂、皇太子夫妻の不仲説が王室を揺るがし、廃位、廃妃問題が勃発した。義誠大君との権力争いから宮廷内での放火事件まで起き、それを収める為にチェギョンは国を出た。皇太子妃の不在の間、さぞ王室は無事に平静を取り戻しただろうと想像していた。しかし、へミョンによれば、世論の反感緩和は一筋縄ではいかなかったらしい。『考えが甘かったみたいね…貴方を国から追い出せば反省したと国民は皇室を許すだ
公務を終え帰路に着いたシンは静かな筈の東宮の奥から聞こえる不自然な音に不審を感じながら更に歩みを進めた。この広い宮殿の中でも二人の新居となった東宮は珍しく洋風に造られている。周辺は父が帝位についたと同時に入宮し、幼き頃より慣れ親しんだ景色。当然ながら建造物はどれも歴史的な価値がある。丹青の彩と白い砂、赤松、柳、ハンノキ…深き緑に普段なら癒される。妃宮との安らぎの場所でもある。中央のパティオから左右に夫妻のそれぞれの部屋がある。一先ずは原因を突き止めようと妻の部屋に向かう。『!!』入り
日の落ちた東宮殿は女官や内官が慌ただしく行き交う。『いたか?』厳しい口調で女官の一人を呼び止め、女官は思わず肩を竦めた。『いえ…殿下申し訳ありません…』女官は深々と頭を下げる。『……』自室を右往左往し、更に思いついた様に突然チェギョンの部屋へ向かうシン。大きな音を立て扉を開く『…何処に行った!』シンは立ち止まるとチェギョンのベッドへ腰を下ろす。天井、カーテン、部屋の様子を見渡すと溜息を漏らした。彼女が帰還した途端に色彩を取り戻した妃宮の部屋に改めて妻の存在感を知る。『…チ
「シーンっ」若き王太子は自分の名を呼ぶ声がして、振り返った。白い宮殿の壁しか見ない。「シンったら、ここよ」顔を見なくとも彼にはわかった。王太子である自分を『シン』と呼ぶ女性は、この世でただ一人だけ―――彼の愛しい妻―――なのだから。王太子は手をかざして顔を上げた。彼の目に飛び込んできたのは、3階の窓から身を乗り出して自分へ手を振る妻のチェギョン妃だった。「チェギョン!危ないぞ」「大丈夫よ」―――何が大丈夫なもんか。こちらの気も知らないで。気が付くと彼は走り出していた。「シン?」
『尚宮お姉さん…どうしよう…』肩にかかる髪が風に揺れる。俯き、拗ねたように唇を尖らせた。『どうなさいましたか?妃宮様…』従うべき主の気持ちの浮沈を敏感に感じとるのも皇太子妃に仕える尚宮の仕事。本音を隠した主人の心の機微を察知するのは至難の技である。特にイ・シンに於いてはコン内官にしか見せない心の内がある。内官の宮での信頼感はそこからも伺い知れる。しかし、チェ尚宮は平然を取り繕う。チェギョンの感情の起伏を平坦にすべく考案したのはチェギョンの悩みについて感情を入れないこ
1人東宮殿で残されたチェギョンは除け者にされた様で時間の経過と共に苛立ちが増加していた。『大体、ヨナは私の友達よ?なんでシン君がつれてくのよ…』半ば開き直りで友人を救出に向かう気持ちで邸を後にした。『妃宮様、お出掛けでしたらお車で…私どももお供致します』ボディガードであるイギサの1人がチェギョンの足を止めた。『……ええ。お願いするわ。車回してください』『はい。ただ今』『とりあえず待ってるから早くしてね。あ、それから、私の部屋にある赤い箱を持ってきて貰いたいの』『赤い箱ですか?』
皇太子が婚姻をして、3ヶ月が過ぎた頃韓国芸術高校で、下校する皇太子を友人の御曹司達がお見送り中。皇太子を一目見ようと群がるギャラリーに聞こえる様に嫌味を言っている。ギョン「アヒルはまだ来て無いのか?」イン「皇太子を待たせるなんて、何様だよな」ヒョリン「シン、乗馬クラブにいつ行けそうなの?」シン「…」ギョン「あーやっとお出ましみたいだ」下駄箱の方を見ると、チェギョンが友達と笑いながらこちらに向かっているところだ。ファン「あれ?あの車、初めて見るよね」シン達を撮影していたファンが
『シン!チェギョンっ!』女皇帝陛下になった筈のへミョンは二人に駆け寄った。つい二、三日前に公務に赴く前の挨拶をかわした無表情な弟よりも、久方の義妹、チェギョンに飛び付いた。『女皇帝陛下!陛下がそんな事でどうしますかっ?』柱の影から皇太后が顔を出す。『わ、母上じゃなくて皇太后陛下いいじゃない姉妹の久々の再会よ?ここは家族の部屋なんだから!さぁ、入ってシンも母上とあれ?父上は?妃宮知ってる?』『あ、、はい。あれ?先程までこちらまでご一緒して・・』妃宮はいつの間にか消えてしまった舅を
夜風がタイの街を駆ける。街路には国花でもあるゴールデンシャワーがひしめき咲いている。透けそうな白い茉莉花は風に揺れ夜露が香りを幾分薄め鼻腔を擽る。辺りは水気を帯びた土の香りを漂わせ、一層不可解な夜を創造する。タイ訪問の公務の最中、シンは母国を追われた従兄、ユルと再会を果たした。ホテルの一室、広いリビングに置かれた長いソファに腰かけ、窓辺に立つ従兄を静かに見つめた。『皇太后様が体調を崩されたとは…容態は大丈夫なのか?』本気で心配しているユルをシンは不思議に思う。何故、彼が叔父や叔母で
宮は薄暗い雲に包囲されているようだった。現に後日ある一定の時間、宮の上空の雲が渦を巻いていたと世間を騒がせた。チェギョンはシンや慌ただしく消えたヨナを思い不安を覚えていた。『お前はここにいろですって。。。何よ…ヨナは私の友人よ!』意を決すると立ち上がる。シンはヨンジンなる青年に対峙していた。コン内官も然り。『君は何処からきたんだ?』『どこから…って…まぁマカオに住む前はこの辺りだけど』『先程、姉上からの連絡で分かったことだが、防犯カメラを解析した。この東宮殿へは正門からの訪問では
シンは走った。良く磨かれ、ツルツルと滑る回廊も長い脚で一気に駆け抜ける。後ろからついてくる侍従長のハモンドに走りながら振り返り、「ハモンド!歩いて付いて来い。お前が怪我したら、宮殿中が困るんだ」一言叫ぶと、前を向いて一直線に走って行った。10分前にチェギョンが階段でつまずき、足首をひねったと報告が入った。幸い骨折ではなく、しばらく足が腫れるだろうがそれが治まれば大丈夫だと医師の判断も添えられていたが、シンは報告を聞くなり部屋を飛び出した。今日に限って広い敷地の端にある王室附属の美術館で
むせるような花の香りと水気を帯びた熱い空気が辺りを包んでいた。観衆の見守る中、専用機のタラップを静かに下りる。近付いてきた一人の少女が小さな花の束を差し出す。受け取ると感謝の挨拶をする。少女ははにかみながら笑顔で手を振った。いつか見た光景と重なる。眩しく輝く太陽の下、シンは目を細めた。『殿下、この後歓迎の儀が行われ、パレード、それからホテルへと参ります』コン内官は簡単なスケジュールを伝えた。『あぁ、分かった・・』人々は大きく手を振りシンを歓迎していた。かつては皇太子としてこの国
最近のシン王太子は、機嫌がいいと誰もが気づいていた。機嫌が良いと言う控えめな表現よりはむしろ、舞い上がっているといった少々大袈裟な表現でも構わないぐらいだろう。実際、シンは浮かれていた。そう、どうしようもなく。自分でもやや調子に乗りすぎだと分かっているものの、ついつい鼻歌が出てしまうのは止められなかった。側近である侍従長ハモンドはそんな自分を嬉しそうに見ているのだから、敢えてしかめ面を作ることもないだろうと、シンは自分に都合のよいように結論付けた。その理由?決まっている。妻であるチェ
ジェームズ国王の言葉に、チェギョンは固まった。シンはなんて答えるつもりなのだろう。兄の顔を見つめることができない。チェギョンは皿に視線を落とし、アスパラガスにかかる黄色のソースを熱心に見つめることにした。「兄として、複雑な想いであることは確かです」沈黙を保っていたシンが口を開いた。―――『兄として』ね。「ふむ。それでは、一人の男としてはどうなんだ?」ワイングラスをテーブルに置き、国王はゆったりと椅子の背に体を預けている。チェギョンは視線を動かして国王の表情を見つめた。普段と同じ平然
シンの寝室はまるで彼自身を表しているかのように、余分なものを一切省いた、どこまでもシンプルな部屋だった。「ショールームみたいな部屋ね…」クスリと小さくシンが笑った声で、チェギョンは自分が思わず声に出していたことに気づき、頬を染めた。―――私ったら、なにをやっているの?普段は、慎ましやかで思慮深い女性だと言われている自分が、うっかり本音を漏らすなんて。それも当の本人の前で。彼が面白がってくれてよかった。「申し訳ありません、殿下」彼女が礼儀に沿った“正しい返答”をしたというのに、
季節は移る。宮殿内を吹き抜ける風は暑さを和らげていく。かつて顔を合わせば良くない感情を互いに向け合っていた幼い皇太子夫妻は今はなく、紆余曲折の後徐々に溶け合い、今では側近達が困惑するほどの熱愛ぶりである。公務の合間を縫っては妊娠中の妻の様子を見に東宮に戻る。愛妻家の夫となったシンを内官は感慨に浸り見ていた。2人の住む洋風の建物は王朝文化からはかけ離れてはいるもののこの宮廷に新しい風を運んだ新婚夫婦らしいものだと内官は返り見ると1人頷いた。『コン内官…』硬い表情で公務を終えたシンが内官に
シンの滞在するホテルの一室。一際重厚な扉の前には物々しい雰囲気で護衛官・イギサが立つ。チェギョンにも本国では三名の女性イギサが付く。タイへの公務中のシンを訪ねたユルはかつて皇太子だった。僅か5歳の頃まで皇太子として景福宮で暮らした。父・孝烈皇太子が急逝したため第二皇位継承権の叔父が帝位に就くと皇太子の位は従兄弟であるシンへと移行した。そして、母ファヨンと共に宮廷を追われた。それさえ無ければチェギョンの許嫁は本来、義誠君と呼ばれたユルであった。そんな昔に思いを馳せながらシンは口を開いた
友人達はそれぞれに昔語りを始める。春の庭は開放され時折冷たい風が邸内を駆け巡る。『あのさ、妃宮様。。』『ファン君?』『あー、、えっと…こないだシンに電話かけさせたの俺。最近発掘した新人女優…まぁけど…ごめんな。知らなくて。そんな事になってるとは…ただ本当にアイツ…シンが元気なかったのは気になったからさ。』非礼を詫びに来たシンの友人にチェギョンは微笑んだ。『…私が居なくても。シン君には大事な友達もいるし。大丈夫かと思ってた』『なになに?シンの話?』ギョンとインもやって来る。『そう
赤いダマスク織りのワンピースを着た女性と、シンが“とても親しそうに”話し込んでいた。チェギョンは二人が気になって仕方がなかった。シンと参加した彼の友人たちのパーティは、居心地がいい。チェギョンの友人たちよりも年齢層が上だからだろうか、はしゃぎ過ぎた浮ついた雰囲気はなく、行儀よく飲み食いをして会話を楽しんでいる。昔から社交的だと言われてきた。自分でもそう思っている。知らない人たちが集まっていても、すぐに打ち解けることができる性格だ。今日もその性格が幸いして、愉しい時間を過ごしていた。そう「い
「チェギョン、行こう」「う、うん…。あの、ゼイン、またね」シンは妻の肩を抱き会員制のカフェテラスを出た。ゼインがチェギョンを見つめていることは知っている。そしてシンの背中には、鋭く憎しみさえ感じられる視線を向けていることも。妻の肩を強く握った。「シン君…?どうしてそんなに怖い顔をしているの?」チェギョンが心配そうに顔を覗きこんできた。普段のシンならゆったりとした笑みで妻を安心させるところだ。けれどもゼインの挑戦的な視線が忘れられない。チェギョンには自分という夫がいるのだ。何を今さら自分
シンが学校に到着し、車を降りるといつものメンバーが迎えてくれる。前は御曹司達だけだったのだが、最近はギョンが無理やり引っ張って来る形で、ガンヒョン達も一緒にいる様になった。朝からチェギョンに会い挨拶をすると、今日一日のヤル気が湧いて来るので、シンはとても楽しみにしているのだが、チェギョンは寝坊して遅れて来ることも多かった。そういう時は無意識になのだが、チェギョンが来るまで雑談をしながらも、その場を離れない。仲間もわかっているので何も言わずに付き合ってくれる。今日もそんな一日の始まりだっ
『明日ね…』『あぁ、明日…』シンとの電話を切った直後からチェギョンは言い知れぬ不安に襲われていた。『妃宮様?』無言のまま携帯を耳に付け静止した妃宮にチェ尚宮は声をかけた。『妃宮様、どうかなさいましたか?何か心配事でも…』尚宮の声に気付く気配もなくゆるやかに長い髪を不安に揺らしながら主は携帯を見つめる。それから気を取り直したように顔を上げると再び携帯を耳に当てた。『あ…もしもし…お久しぶりです・・コン内官?チェギョンです…。はい。私も尚宮も元気ですよ。え?シン君が画像を?・・ありが
「最近ふさぎ込んでるね」シンが声をかけると―――かなりの勇気がいる言葉だ。結婚が嫌だと言われたら、どうしたらいいだろうか―――、チェギョンが顔を上げた。その可愛い顔が困惑している。老舗のカフェはほどよくライトが落とされ、彼女の髪を普段より1トーン暗くしていた。そのせいだろうか、彼女が大人びて見えるのは。「ふさぎ込んでいるよう見える?」「十分にね」シンの言葉に彼女が、両手で持ち上げていたティーカップに視線を落とした。「……ふさぎ込んでるわけじゃないけど」長い睫毛が上がり、突然彼をまっす
『結婚しないか』ある日の午後、無人の教室の片隅で彼女に告げた。ヒョリンは瞳を丸くして、それでも冷静に答えた。『私達はまだ学生よ?』確かに彼女の言う通り、現実的に無理がある。皇族の結婚は早く黙っていれば勝手に妃を決められる。宮家の言いなりになり知らない女と結婚するのは癪に触る。皇太子という特殊な立場故に一般的な常識が皆無かまたは欠如した思考に陥りやすかった。『結婚』の発言自体、皇太子として生きてきたシンにして余りに突発的である。ヒョリンからすれば驚いて当然の申し出だった。厳しいしきた