ブログ記事116件
「きみの背にほくろの星座見つけたり世界が終はるならこんな夜」(橘夏生/歌集『大阪ジュリエット』)キャンディの背中には、星座のようなほくろがある。ウェイヴのかかった長い髪に見え隠れするそれは、宛さながら水瓶から滴り落ちる雫……。初めて肌を合わせた夜、格別な夜、夢にまでみた夜──。真っ白なシーツに揺蕩う湯上がりの金の糸。消え入りそうに震える白い肌。自分を求め、ゆるゆると伸びてくる細い腕。狂おしいほど焦がれた瞬間。絶望の最果てで巡り
フォロワーのゆ○さんに言われてハっと気付いたことがあります。ああああああああ・・・相変わらず浅い人間です、私は皆さんは、とっくにお気付きかもしれませんが記事にしたいと思います。○ゆさん、いつもありがとうございます🙇♀️NYのテリィとシカゴのキャンディは文通していました。スザナに隠された手紙もありましたが、それは劇団宛ての手紙。※下巻218テリィのアパート宛てに出した手紙は、無事に届いたはずですよね?手紙の束は、今は象嵌細工の宝石箱の中に収め
目次は、既に本編を一読した読者の為の詮索用です。あの回だけ読みたいという時にご活用ください副題はネタバレをくらってしまう可能性があります初見の方はこのページを飛ばしモノローグへFINALSTORYの考察は考察へブログ主の草ネタブログは井戸端会議場へ目次11年目のSONNET∻☆・∻☆…∻☆・ロミジュリ読みは濃いピンク字です1章手紙①10年振りの手紙②ハムレットの招待券③出さなかった手紙④待合室で⑤スザナの死⑥妊婦の
あの日以降──、アレクセイ・ミハイロフに関する続報は無い。テリィの言葉に従い、キャンディは全ての新聞から目を背けた。自分の目で事実を確認するまでは、余計な情報には近づかないと決めたのだ──。人の心は壊れ易い。たったワンセンテンスに翻弄され、ずるずると自我は崩壊の一途を辿る。新聞でも雑誌でも、通りすがりの言葉でも。いつまでも消えてくれない耳障りな振り子のように。一瞥で歩き去る者と立ち止まったまま動けない者。逆境に立ち向かえる者と崩れ落ちてしまう者。強靭な者と脆弱な者。
長い考察が苦痛な人の為に、要点だけをドライにまとめた「あのひと考察・総集編」です。※2010年発行の「小説キャンディキャンディFinalstory」を「ファイナル」と表記します。はじめにファイナルでは、キャンディのパートナーは「あのひと」と平仮名で書かれ、「愛する人」の意味で使われています。但し海外版では「Thatperson」や「He」の文字が充てられているケースがあります。しかしThatPersonは「あそこにいる人」の意味なので、名木田先生が意図する「あのひと」とは
あんたには目の前にいる男の虚像しか見えていない──。見て呉れと名声と、その隣でにっこり微笑む居心地の良い空間と。要は光の部分だけ。どんな場所にも、光が射せば影ができる。漆黒の闇ができる。さっきから馬鹿の一つ覚えみたいに、愛しているだの、私には彼が必要だのと繰り返すが、そんなのはただの押しつけだ。闇雲に気持ちをぶつけて成就するなら誰だって苦労はしない。叶わぬ想いとやらに傷ついて、オフィーリアか、若しくはジュリエットか、悲劇のヒロインを演じるのは容易いからな。だけどな。あんたは解って
※投稿日は生誕祭当日ではありません目に映ってたけど、見てなかったよこれは、我らがT・Gが5月祭の時に放った最強フレーズです。バッチリ見ているのに、しらを切っていますね。しかし、この目に映ってたけど見てなかった現象は、よくあることです。例えばアーチーの誕生日いつなのか、ご存じ?知らない?誕生月は知ってる?知らない?私も知らない。興味もございません。でも、本当はみなさん知っているのです。だって、ほら
スザナの訃報を知ったのは、いつになく底冷えのする朝だった。冷たい手に息を吹きかけながら、いつものように新聞を開いた時である。それは天からの雷(いかずち)のようにキャンディの頭上に落ちてきた。同時に、当然ながら、テリィのことが頭に浮かんだ。あの晩──私とテリィは、墓場まで持っていく秘密を共有した。言葉には出さない、無言の誓約。翌朝、駅で別れた以降の彼の消息を彼女は知らない。どうやって病院へ戻り、どのようにスザナに説明をして、その後二人がどんな暮らしをしてい
庭のスズランが満開だ。ユリウスは満足げに微笑んだ。「こっち側の黄色いのは何だ?」「知らないの?」夫の問いに、彼女は呆れたように訊き返す。「ラッパ水仙だよ」「俺が知ってると思うか?」「ふふっ、そうでした」くすり、と彼女は笑った。「こっちでは、春を待ちわびる花って言うみたい」「ふぅん。ロシアでいうスズランみたいなもんか」「うん。でも、この辺がまだ蕾なの。日陰だからかなぁ……。そうだ、ヴァイオリンを弾いてよ、クラウス。音楽は植物の成長に良いって言うでしょう?」
始まりには、終わりがある。けれど大半の人間は、意識下に沈みこませて忘れている。忘れようとしている──。「テリュース、グレアム、グランチェスター……」初めてフルネームで呼んだのは、学院の敷地内だった。呼ぶというより、独り言に近かったかもしれない。「君に呼ばれたような気がしたんだけど……、本当だったんだな」「テリィ!」キャンディが驚いて振り返ると、名前の主が腕を組んで立っていた。いつもの憎らしい──だけど不思議と憎めない──笑みを浮かべて。「私、呼んでないわ」
★★★5-13病院に入ると、一人の女性から声を掛けられた。「あの、RSCのジャスティン・グレイスさんですよね?」面倒だったのでその場は人違いだと言ってかわし、直ぐにサングラスと帽子で顔を隠した。粗方の事情は分かったとはいえ、ジャスティンにはどうしてもキャンディに確認したい事があったのだ。どうして別れ話を受け入れたのか―やんごとなき事情とはいえ、駆け落ちするほど愛していた男を諦め他の女に譲った。そして一度は自分の元を去った男を―・・、他の女を選んだ男を許し、再び受け入れた。納得でき
ピンポンパンポーン・・・。『キャンディ』と『オル窓』の類似点・第二幕をお待ちのお客様へ劇団三頭身、鋭意稽古中です。・・・嘘です現在、当方専属・素人絵描きの進捗が大幅に遅れております。理由何のスイッチが入ったのか、第一幕を上回るイラストを描き出した。理由その枚数は、現在7枚だ。その上、あと1枚描く予定だ。理由殆どの色塗りが終わっていない。しかし、塗らないと気が済まない融通の利かない性格だ理由背景や服のデザインなど、やらなくても良い細部に
水彩の涙なら、いつか溶けるだろう。彼が彼女と、出逢えた刹那とき──人間には二種類ある。大雑把で限定的な分け方をすればの話だが。躰の成長と共に分別がついていく者と、いつまでも子供の心のままの者。キャンディだって、流石にこの歳になって嬉々として木登りをしたりはしない。ごく稀に見事な枝振りの樹を見つけると(昔取った何とやらで)、躰が疼き、ふらふらっと引き寄せられそうになる。しかし。──先ず、あの枝を右手で摑んで、それからあそこの窪みに左足を……。「キャンデ
どこに質問していいか分からないちょっと話したい愚痴をこぼしたいキャンディネタに縛られずご自由にお使いくださいレイクウッドのサンルームをイメージSONNETの目次∻☆…∻☆・明日(2024年3月1日)からしばらくの間、「井戸端会議」のコメント欄はオフとさせて頂きます。また、「いいね」などのフォロー活動も当分の間控えさせて頂きます。🙇♀️※他のコメント欄は開けておきますありがとうご
Gorse(ハリエニシダ)花言葉/屈従。不変の愛。初めてのドイツでの公演に、テリィも参加することが決定した。期間は一ヶ月。演目は、『ロミオとジュリエット』。「君も一緒に行くだろう?」当然のように、彼が訊く。わたしは躊躇なく頷いた。あの人がわたしを離さないように、わたしもあの人から離れない。それは──十年の月日を経て再会し、一緒に暮らし始めてから、二人の間で交わした暗黙のルール。中世と古代が入り混じったような街並み、二本の尖塔が圧倒されるほどに聳え立つ
夜です。「ねえテリィ、初めて逢った時のことを憶えてる?」キャンディは上目遣いに夫を見つめた。「勿論。憶えているさ」テリィの脳裡に、船上での出逢いが鮮烈に蘇る。「あれは強烈だった」「強烈ですって?」キャンディは眉を吊り上げた。「その言葉、そっくりそのままお返しするわ」「あの頃に比べたら、随分薄くなったんじゃないか」テリュースは、妻の柔らかい桃色の頬に触れる。「もう、そばかすの中に顔がある、なんて言えないな」「テリィ!思い出させないでっ」「そんなに膨れるなよ。風船
※凍玻璃(いてはり)/ガラスに付いた水蒸気が凍りつく現象のこと。何を叫んだのか、キャンディは憶えていなかった。玄関のドアを開け放ち、階段を縺れる足で駆け上がり、寝室のドアを開け放ち──。幾度、彼の名を呼んだのか……。バスルームから飛び出してきたテリィは、キャンディをきつく抱き止め、彼女を椅子に座らせて、両肩を強く摑んだ。落ち着け──と。その間も、両手で顔を覆い、いやいやと泣きじゃくりながら首を振るキャンディにテリィは尋ねる。「キャンディ、もう一度よく見
金霞(きんか)……黄金色に輝く朝焼け。又は夕焼け。夕焼けのような朝もやだった。まさかそんなに寝過ごしたのかとテリィは一瞬ひやりとするが、ベッドサイドテーブルの時計を確認して安堵する。カーテンを開けたまま愛を交わし合い、閉めるのを失念して眠ってしまったようだ。──星たちに抱かれながら、貴方に抱かれたいの……。(そうだ……あの言葉にやられたんだった)意識的なのか、それとも夢現の境にいるのか、ごく稀に心臓を撃ち抜くような台詞を彼女は囁く。(まったく……あれが天
DearforeignCCfansWarmWelcome.ItisoneofCandyCandyfansitesinJapan.(❁´◡`❁)Therearemanyfansreadingthissiteandispackedwithalotofinformation.Unfortunately,JapaneseLanguageisdifficult,thusIthinkthatevenify
今さら・でも―キャンディキャンディいつもアクセスいただきありがとうございますブログを最初から読む二次小説を最初から読む11年目のSONNET目次Finalstoryの考察を読む草ネタを読むDearforeignCCfansアメンバー限定記事を読むアメンバー募集はこちら★ブログ主の日常ブログ「井戸端会議場」はココをポチ※井戸端会議はお休み中です小説キャンディキャンディFINALSTO
※夜這い星……流れ星の異名。二週間はちょうどいい……と、唐突にテリィが言った。「あの時は無我夢中で余裕が無かった。その上、十年間待たされた」「やめて、テリィ」キャンディは身を躱そうとする。「そんなことをして、いったい何の意味があるって言うの?」「意味がないことをする──それが休暇の、いや、人生の醍醐味だと思わないか?キャンディ」「意味が分からないわ」「分かるよ、すぐに……」テリィが耳元に息を吹きかけるように囁くと、途端に腕の中の彼女の力が抜けて
P・Sテリィ......好きでした。これは、別れたテリィに書いた(出さなかった)手紙の文末に添えられた言葉です。下巻277この言葉は過去形なのでテリィのことはもう好きではないテリィを諦めたと捉えるも良しテリィを必死で忘れようしているテリィがまだ好きなのね・・と捉えるも良し各々想像力が発動するスレーズだと思います。なのでこの言葉を深追いするつもりはございません今回注目したいのはこの言葉の位置です!!あ
(このまま放したくない……)背後からキャンディを抱くテリィの両腕はいつまでも緩まない。(離れたくない……永遠に)「もう……行くわ、テリィ」キャンディは決意を絞り出した。テリィは重い躰を引き剝がし、「駅まで送る」そう言った。「いいの……。遅くなるとスザナが不安に思うから」「送る!駅まで」「だけどスザナが……」「今は彼女の名を呼ぶな!」テリィは掠れた声で叫んだ。「送らせてくれ……頼む」「テリィ……」キャンディは、やむを得ず頷いた。外は頬
誕生日は過ぎてしまいましたが…「月が滑り落ちてきそう」上弦の月を見上げて、キャンディが言った。テリュース・グレアムは、地上に向かって星の河を緩やかに前進する舟を想像した。薄いグリーンの夜着が淡い光に透けている。その面積が徐々に大きくなる。「カーテンを閉めてくれ」──錯覚だ。「何故?」彼女が振り向く。「こんなに綺麗なのに」「君を攫われそうで、怖い」「……え?」訝しげに微笑む顔。「テリィったら想像力が豊かなのね……きゃッ」テリィは、彼女の両手をシーツに拘束する
FSより30代のキャンディの回想シーン下巻236テリィにいきなり背後から抱きしめられた強く、ほんとうに強くーーもうすこし……このままで……テリィの声。わたしの大好きな深みのあるテリィの声。あのときほど時間が止まって欲しいと願ったことはない。私の首筋を伝わってきたテリィの涙の冷たさ。そしてーわたしを抱きしめたテリィの胸の熱さは今もわたしの中で激しく脈打っている。30代のキャンディが、16の時に抱きしめられた時のテリィの胸の熱さを思い出して、今もテリィの胸の熱さが激しく脈打って
こんにちはいつもご訪問いただきまして、誠にありがとうございます。「文庫ページメーカー」というサイトで、『翼を広げて①』の一部を作成してみました。文字や背景の選択肢が膨大で、楽しいのですが、油断するとあっという間に時間が過ぎるのが難点です文庫ページメーカーテキストを文庫ふうにレイアウトsscard.monokakitools.net背景をイラストに変えて遊んでみました(配置上、「T・G」がどうやってもテリィの顔にかかるため、別枠にしました)『
『あのひと』とは関係がない、ファイナルと漫画の相違点をご紹介します次はテリィ以外の項目をチェック。誕生日はアンソニーが決めてない?©水木杏子・いがらしゆみこ画像お借りしましたキャンディの誕生日は、アンソニーがばらをプレゼンとした日だと思っていませんか?データによるとキャンディの誕生日は5月7日。コアなファンなら誰もが知っています。漫画やアニメでは、アンソニーは本当の誕生日を知らないキャンディに「次に僕と会った時が君の誕生日だ」と言って別れ、新種のばらが