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【古文】角髪結ひたまへるつらつき、顔のにほひ、さま変へたまはむこと惜しげなり。大蔵卿、蔵人仕うまつる。ーーーーーーーーーーーーーーー角髪結ひたまへるつらつき、訳)童子の髪型に結っていらっしゃる頬のあたりや、顔のにほひ、訳)顔のつややかな美しさは、さま変へたまはむこと惜しげなり。訳)(元服して)姿をお変えになるのは惜しい様子である。大蔵卿、蔵人仕うまつる。訳)大蔵省の長官が理髪の雑役をつかまつる。【古文】角髪結ひたまへるつらつき、顔のにほひ、さま変へ
春ならぬ木の芽も、いとなく嘆かしきに、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】春ならぬ木の芽も、訳)春ではない、〈木の芽〉ならぬ〈この目〉も、いとなく嘆かしきに、訳)絶え間なく嘆かわしいけれど、【古文】春ならぬ木の芽も、いとなく嘆かしきに、【訳】春ではない、〈木の芽〉ならぬ〈この目〉も、絶え間なく嘆かわしいけれど、◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇■【なら】■【ぬ】■【木(こ)の芽(め)】■【も】■【いとなく】※【いと(
やや深う入る所なりけり。三月のつごもりなれば、京の花盛りはみな過ぎにけり。ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】やや深う入る所なりけり。訳)やや山深く入っている所であった。三月の晦日なれば、訳)三月の月末であるので、京の花盛りはみな過ぎにけり。訳)京都の桜の盛りはみな過ぎてしまっていた。【古文】やや深う入る所なりけり。三月の晦日なれば、京の花盛りはみな過ぎにけり。【訳】やや山深く入っている所であった。三月の月末であるので、
弁の君、扇、はかなううち鳴らして、「豊浦の寺の、西なるや」と歌ふ。人よりは異なる君達を、源氏の君、いといたううち悩みて、岩に寄りゐたまへるは、たぐひなくゆゆしき御ありさまにぞ、何ごとにも目移るまじかりける。例の、篳篥吹く随身、笙の笛持たせたる好き者などあり。ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】人よりは異なる君達を、訳)普通の人よりは格別にすばらしい貴公子に対し、源氏の君、いといたううち悩みて、岩に寄りゐたまへるは、訳)源氏の君が、とてもひどく苦しそ
◆源氏物語~目次~◆『源氏物語』の登場人物一覧『源氏物語』の和歌一覧第1帖「桐壺」の巻■「桐壺」の巻~第1章~父帝と母桐壺更衣の悲恋と母の死■「桐壺」の巻~第2章~父帝の悲しみと靫負命婦の実家弔問■「桐壺」の巻~第3章~藤壺宮の入内と若宮の参内■「桐壺」の巻~第4章~光源氏の元服左大臣の娘との結婚第2帖「帚木」の巻■「帚木」の巻~第1章~雨夜の品定め光源氏と頭中将■「帚木」の巻~第2章~雨夜の品定め左馬頭の女性論■「
「…いみじう忍びたまひければ、知りはべらで、ここにはべりながら、御とぶらひにもまでざりける」とのたまへば、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】「…いみじう忍びたまひければ、知りはべらで、訳)「…ひどくお忍びでいらっしゃったので、知りませんで、ここにはべりながら、訳)ここにおりながら、御とぶらひにもまでざりける」とのたまへば、訳)お見舞いにも参上しなかったよ」とおっしゃると、【古文】「…いみじう忍びたまひければ、知りはべらで、
ほどなき庭に、されたる呉竹、前栽の露は、なほかかる所も同じごときらめきたり。ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】ほどなき庭に、訳)小さい庭に、されたる呉竹、前栽の露は、訳)しゃれた呉竹や、前栽の露は、なほかかる所も同じごときらめきたり。訳)やはりこのような所も同じようにきらめいていた。【古文】ほどなき庭に、されたる呉竹、前栽の露は、なほかかる所も同じごときらめきたり。【訳】小さい庭に、しゃれた呉竹や、前栽の露は、やは
「…『君は、御直衣姿にて、御随身どももありし。なにがし、くれがし』と数へしは、頭中将の随身、その小舎人童をなむ、しるしに言ひはべりし」など聞こゆれば、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】「…『君は、御直衣姿にて、御随身どももありし。訳)「…『頭中将の君は、直衣のお姿であって、御従者たちもいたのですが。なにがし、くれがし』と数へしは、訳)だれそれ、かれそれ』と数えたのは、頭中将の随身、その小舎人童をなむ、訳)頭中将の従者や、その小舎人童を
「…『いで、この葛城の神こそ、さがしうしおきたれ』と、むつかりて、物覗きの心も冷めぬめりき。…」ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】「…『いで、この葛城の神こそ、さがしうしおきたれ』訳)「…『おやまあ、この葛城の神は、危なくこしらえておいたこと』と、むつかりて、訳)と、不平を言って、物覗きの心も冷めぬめりき。…」訳)覗き見の気持ちも冷めてしまったようでした。…」【古文】「…『いで、この葛城の神こそ、さがしうしおきたれ』と
「懸想人のいとものげなき足もとを、見つけられてはべらむ時、からくもあるべきかな」とわぶれど、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】「懸想人のいとものげなき足もとを、訳)「恋人のたいそうみすぼらしい歩き姿を、見つけられてはべらむ時、訳)見つけられてございますとしたら、からくもあるべきかな」とわぶれど、訳)みっともなくもあるだろうなぁ」と嘆くけれど、【古文】「懸想人のいとものげなき足もとを、見つけられてはべらむ時、からくもある
御車入るべき門は鎖したりければ、人して惟光召させて、待たせたまひけるほど、むつかしげなる大路のさまを見わたしたまへるに、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】御車入るべき門は鎖したりければ、訳)お車が入るはずの門は施錠してあったので、人して惟光召させて、訳)従者に惟光を呼ばせて、待たせたまひけるほど、訳)お待ちなさる時、むつかしげなる大路のさまを見わたしたまへるに、訳)むさ苦しい大通りの様子を見渡していらっしゃると、
例ならず下り立ちありきたまふは、おろかに思されぬなるべし、と見れば、我が馬をばたてまつりて、御供に走りありく。ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】例ならず下り立ちありきたまふは、訳)いつもと違って身を入れて通いなさるのは、おろかに思されぬなるべし、と見れば、訳)いいかげんにお想いになってはいないのであろう、と見ると、我が馬をばたてまつりて、訳)自分の馬を差し上げて、御供に走りありく。訳)お供として走りまわる。【