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2.スパルタ指導…月・火〈月曜日:1日目〉先週で学年末の試験も終了し、中学2年生の学校生活も残りわずかとなってきた。学校は午前中で下校となり、その後、空たち陸上部はpm1:00~4:00までグランドで練習が行われる。部活終了後は昨日の約束通り、家に帰らずそのまま久藤整形外科を訪れた。待合室のイスに座っていると、「空くん、こっちから入って。」受付のお姉さんが、スタッフ専用と書いてあるドアを開けてくれた。「ちょっとこの部屋で待っててね。」医局に通され、優しそうな笑顔でイスを勧め
1.反省の色なし3月に入り、少し春の気配が感じられるようになってきた、のどかな日曜の昼下がりのこと。恒は愛犬ゴールデンの女の子チャオと、少し離れた公園に立ち寄った。ベンチに座って、チャオに水を飲ませ日向ぼっこをしていると、公園の隅にある公衆トイレから、学生服を着た男の子が出て来た。部活帰りか、これから向かうのか、大きなスポーツバッグを持っている。その子はチラッと恒の方を見たような気がしたが、そのまま公園から出て行ってしまった。“ん?何だ、空じゃないか?”空の家と学校を結ぶ行程
4.悠一への報告〈土曜日:6日目〉土曜日、久藤整形外科は午前中で診察終了となる。空は午後からの部活を終えて、いつもと同じぐらいの時間に病院を訪れた。ドアを開けて中に入ろうとすると、背後からトントンと肩を叩かれた。振り向くと、走って追いかけて来たようで、ハアハアと息を切らしながら部活帰りの海が立っていた。「空、今日私も一緒に勉強見てもらう。」「えー、ダメだろ。」「何で?いいじゃん。」「恒先生、きっとダメって言うぞ。」「私、頼んでみる。」中からドアが開き、恒が顔を出した。「
1.できるまでやるからな!1月末の土曜日、午前中で陸上部の練習を終えた星は、そのまま電車に乗ってヒップハートへ向かい、今日も眞木野にしごかれることを覚悟して、入り口のドアを開けた。星が着替えてトレーニングルームに入ると、眞木野は部屋の端の方に鉄棒をセットしていた。星は嫌な予感がして、「何するの?」と聞くと、眞木野はニヤリと不吉な笑みを浮かべて答えた。「午前中に高也が来て、「今どきの中学生は、逆上がりができないヤツがゴロゴロいる」ってぼやいてたから、ここに通ってるお客さんに試
前評判が良かったので、今回はとても大きな期待を持って弁護士さんに会いに行った。良い人だったらそのまま依頼しようと考えていた。でも結論から言うと期待外れだった。一番問題だと感じたのは『モラハラ』に関して否定的だったこと。これまでのエピソードを伝えたのだが、反応はいまいちだった。「おじさんはね、そういう言葉は嫌いなんだ」と唐突に言われ、「今は何でもかんでもハラスメントって言うけれど。昔なら普通だったことがいっぱいあるんだよ」と諭すように言われた。
1.お尻に注射6月の第1日曜日、あおいろ中学の運動会が行われた。空も海も運動会大好きっ子で、今日は目一杯、汗を流した。そして中学生の運動会のもう一つの楽しみと言えば、終わった後の打ち上げ。途中で急に、どしゃ降りの雨が降ってきたけれど、興奮している彼らにはまったく関係がなかった。普段やや冷めている空だが、今日はハメを外してクラス男子全員でバカ騒ぎをしていた。夜ごはんのとき、「運動会どうだった?盛り上がったか?」と悠一に聞かれ、海は、「うん、すごく楽しかったよ。」と元気に答えたが
映画を観だしていくうちに、お説教臭く感じることが時々あります。今回はその中で最後まで観てしまった映画をご紹介。「ゴヤの名画と優しい泥棒」TheDuke監督:ロジャー・ミッチェルケンプトン・バントン役:ジム・ブロードベントドロシー・バントン役:ヘレン・ミレン2022年公開「生きる」LIVING監督:オリヴァー・ハーマナス脚本:カズオ・イシグロ原作:黒澤明橋本忍小国英雄『生きる』ロドニー・ウィリアムズ
4.もう嫌だ!「何で?」星が驚いて尋ねると、「あっ、うん。ちょっと気になって。時間あったから。」はにかみながら首をかたむけ、顔をのぞき込まれた。いったい月美は、いつからこの場所にいたのだろう?何時に終わるか分からないのに、外でずっと待っていてくれたのか?この辺りは大通りに面しているので暗闇という感じではないが、10月の夜の空気は冷ややかで、1人で長い時間たたずんでいるのは物寂しかったに違いない。中に入って待合室にいてもよさそうなものを、そんなことをしたら、眞木野から過保護だと責
~夏休み特集part2~1.恒のめいっ子お盆も終わり、夏休みも後半に突入した。日曜日には空の陸上の大会と、海のバスケの大会が同じ日に重なってしまい、最後の大会には何が何でも応援に行こうと決めていた悠一は、掛け持ちでそれぞれの会場を行き来した。恒もまた、自分が診ている3年生の最後の試合ということで、悠一に同伴して1日を応援に費やした。空は長距離の選手で1500mに出場し、入賞することはできなかったものの、2年ぶりに自己ベストをマークして、応援席からも空の嬉しそうな顔を見ることがで
5.きっちりと!「おしおきしてください。」という5人の気持ちを汲みとって、慶は考えを改めた。「遼太郎、ここ。」まずは遼太郎の名前を呼び、慶は自分のひざをポンポンと叩いた。「えー、ひざの上かよ。まじか・・・。」「おまえ、反省したんだろ?早くしろよ。」「昨日みたいに、立ったままじゃダメなのかよ?」「ああ。今日はじっくり叩いてやるから、こっちの方がやりやすいんだよ。」「じっくりっていうのは、厳しくってことか?」「まあそうなるだろうな。」「オレ、長く叩かれるより、強い
2.違和感トレーニングを終えた星は、着替えを済ませてヒーリングルームに移動した。次は勉強の時間だ。「普段、家庭学習はどんな風にやってる?」眞木野に聞かれると、「学校の宿題と家庭教師の宿題だけしかやってない。」「授業の予習、復習は?」「やってない。」星は気後れする様子も見せずに堂々と答えた。「中2だったら、そういう習慣はつけた方がいいんじゃないか?月美先生は何も言わなかったのか?」「月美先生にもよく言われてた。」「それでもやらなかったってことか?」「だって部活が終わっ
3.許されない往復ビンタされ、頬に手を当てたまま床に突っ伏している魁に向かって、「ほっぺた打たれたら、次はどこ叩かれるか分かってるだろ?いつまでも待たせるな。」眞木野は感情のこもらない冷たい口調で言うと、魁の二の腕をつかみ立ち上がらせた。ローテーブルに両手をつかせて、お尻を突き出す体勢をとらせると、短パンとパンツをガバッと脱がした。腰に手をまわして身動きできないように押さえつけ、次の瞬間、バッチィーーンッ!!「ううぅッッ・・・」うめくような重たい声が魁の口からこぼれた。
1.まだまだ序の口土曜日、今日から星のヒップハート生活が始まった。午前中は部活があり、そのまま家に帰らず電車に乗った。pm12:50星は不安と期待を胸に、ヒップハートのドアを開けた。受付にいた眞木野から、「こんにちは、星くん。」と声をかけられ、星も「こんにちは。」とあいさつをした。Tシャツと短パンに着替えてトレーニングルームに入ると、「星くん、まずこれからの話をしような。お母さんとも電話で話したけれど、勉強とトレーニング、それから生活面全体の面倒を見させてもらうということで
2.お説教とおしおき“恒先生、本気でお尻叩く気なの?”恒は海の前にイスを持って来て座ると、「さあ、ふてくされてないで、何から聞かせてもらおうかな。」と意地悪そうに微笑んだ。“恒先生のその素敵な笑顔、目尻が少し下がって優しそうで、グーッと吸い込まれてしまいそう。いつもなら大好きなんだけど、今はとってもムカつくし、これから先の展開を考えると、怖くてまともに見られない・・・。”「じゃあまず、月曜日の夕方、来れなかった理由を聞こうかな?委員会が長引いたからだっけ?これは本当のこと?そ
6.まあまあ好きなお説教翌日、日曜の朝、海はコーヒーの香りで目を覚ました。リビングに行くと、恒が朝食の用意をしていた。「おはようございます。」「海ちゃん、おはよう。よく眠れた?」「はい。」「朝ごはん、トーストで大丈夫?」「はい。」「顔、洗っておいで。」海はいつ『おしおき』という言葉が飛び出すのか、ドキドキしながら顔を洗い、差し障りのない会話をしてごはんを食べ、後片付けを手伝った。自分が何か言う度にビクッとする海を見て、恒は笑いを押し殺し、シラッとした態度を装った。「
4.素直におしおきを受ける気持ち久藤整形外科の待合室、恒、海、花憐、周の4人がそれぞれの場所に座ると、恒はまず張本人の花憐に向かって、落ち着いた様子で話し始めた。「花憐ちゃんとは学校の検診で顔を合わせたぐらいだから、普段どんな子なのかよく分からないし、花憐ちゃんも先生のことあまり知らないよね?海ちゃんから、悪い評判は聞いてると思うけど。だけど今日のことに関しては、きっちりとお説教させてもらうよ。」「はい。」花憐ははっきりと返事をした。「3つ言いたいことがある。1つ目は、夜遅
若い男性と話す、ということがあまりない日常を送っているので、なんだかとっても楽しい。彼も既婚者だがセックスレス、という話も聞く。なんか、男性と話をすると絶対レスなのだが。なぜ夫婦でしないのだろう。どうなってんの、日本男児。結婚って愛する男女が好きなだけセック.スしていいっていう制度じゃないのか!(んー、ちょっと違うのかな、私の観点)私はしてますよ。それでは、足りないだけで。まあ、そんなこんなで盛り上がってはいたのですが。急にマスター、真顔でぶっこ
1.新生活スタート蓮ヶ谷海(はすがやうみ)12才、明るくて好奇心旺盛、負けず嫌いな女の子と、双子の兄、蓮ヶ谷空(はすがやそら)同じく12才、スポーツ万能、しっかり者、ちょっと照れ屋の男の子を取り巻く物語。空と海は母の楓(かえで)と3人で暮らしている。双子が2才のときに父と母は離婚し、その後父親には1度も会っていないので、顔も覚えてないし、今どこで何をしているのかも分からない。楓は離婚後、年の離れた兄を頼って、あまめま市に移り住んだ。今までの生活が一変したのは、3月の半ば。長野県の安
1.好奇心からの喫煙『百害あって一利なし』悠一はタバコには超うるさい。もちろん自分は吸わないし、未成年者の喫煙に関しては、声を大にして反対している。普段から空と海にも、「絶対にタバコは吸うなよ。20才になってからでも、絶対に手を出すな。オレと一緒に生活している中で、万が一、吸ったとしたら、今までで一番厳しいおしおきをするからな。」2人とも耳にタコができるぐらい言われてきた。まわりにタバコを吸う人はいないし、海はタバコの臭いが大嫌いだったから、縁のないものだと思っていた。“それな
2.よわしのおしおきスタイル学校に着くと、海たち3人はそのまま生徒指導室に連れて行かれた。海、拓斗、環太が並んで座り、テーブルを挟んで向かい側に、よわし、たかやん、3組担任の小春先生が座った。「おまえら、またずいぶんと大胆なことをしてくれたな。」怒るというよりは、呆れ返った顔をしてたかやんが言った。「拓斗、どういうことか説明しろ。」拓斗は成績優秀だし、リーダーシップをとるタイプなので、この3人の中ではどう見ても教師からの信頼が一番厚い。それでもガチガチの優等生というのではなく、
6.慶のおしおき天野さんの話が終わると、グループごとにテーブルについた。まわりに目を向けると、グループによって雰囲気がずいぶん違っていた。笑い声が絶えず、楽しそうに1日を振り返っている班。真剣に意見を出し合って、明日の目標を立てている班。シーンと静まり返った中で、大学生リーダーからのお説教を聞いている班。星たちC班は、もちろん先程の続きから。「さあ、1人ずつ話してもらおうかな。秋歩からでいいか?」慶は右どなりに座っている秋歩を指名した。秋歩「はい。午後はテーマ研究の時間で、
2.実は、あおいも・・・休憩後10分ぐらい車を走らせると、目的地に到着した。木々の葉は赤く色づき、下の方には小川が流れていて、自然を満喫できる絶好の場所だ。家族連れや友達同士で訪れているグループが何組かいて、にぎやかな雰囲気に包まれている。少し遅れて恒たちの車も到着し、みんなでバーベキューの準備に取りかかった。みんなお医者さん、ちょっと怖い集団。だってお肉を切りながら、この間の手術の話とか、メスとか注射とか麻酔とか、空と海が普段聞き慣れないような恐ろしい言葉が飛び交っている。2人はド
今週は色々大詰めで、なんだか一人バタバタしている私です。しかも昨日が木曜日だと思い込んでしまっていて、夜に主人が帰って来てから気がついたくらい、朝からずーーーっと勘違いしてました金曜日に絶対外せない大事な会議があるんですが、危なく今日行きそうになってましたꉂ🤭色々危なかった〜〜色々書きたいことも溜まってるんですが、文章がまとまらなくて、書いては消して···書いては消して···って感じで旬を過ぎちゃって(笑)ハルの大会のことも書いてはいるんですが、めっちゃ途中。。いつか書く!!明日か
3.反省するということよわしはまず、海に向かって話し出した。「海言ってたよね。「もう卒業するまで、お尻を叩かれるようなことはしません!」って。あれつい先日の話だったと思うけど、これで2度目のおしおきになるよね?海のこと信じていたかったのに・・・。」よわしのがっかりした感じが、言葉と表情の両方からひしひしと伝わってきた。「海は今回のこと、悪かったって反省してる?それとも、そんなに騒ぎ立てることじゃないのにって思ってるのかな?」「反省してます。」軽く答える海を見て、よわしは
1.お互いに影響し合って月美はあおいろ中学での教育実習を終えて、今日pm3:00ようやくヒップハートに予約を入れることができた。実習は精神的、肉体的にかなりハードだったが、やり遂げたという達成感は月美にとって大きな糧となった。失敗も多々あり誇らしく語れる結果にはならなかったが、それでも貴重な経験、素晴らしい思い出として心に深く刻み込まれた。少し時間が経つと、今度は虚脱感にさいなまれた。文化祭や修学旅行、部活の最後の大会など、大きな行事のあとにやってくるアレである。事前の準備や練習が
3.大人のおしおき悠一は仕事帰りに恒の所に寄った。pm7:00過ぎ、ちょうど診察が終了して、スタッフのお姉さんたちが片付けをしていた。恒は海に会った後、すぐに悠一にラインを送った。それは、仕事が手に着かずにいる悠一を安心させるためであり、夕方わざわざ自分の所に立ち寄らなくてもいいようにと思ったからだ。「恒、今日は悪かったな。」「海ちゃん、大丈夫そうだぞ。」「ライン見た。助かったよ。」「ちゃんと悠一と話をするって約束したから、早く帰って聞いてやれ。」「ああ。・・・恒、もうすぐ仕
4.大人の責任魁が出て行くと急に店内が静まり返った。芳崎も「お疲れ様です。」とあいさつをして帰ろうとすると、「南、ちょっといいか?」軽い調子で眞木野に呼び止められた。“どうでもいいような話なら明日にまわすだろうから、面倒くさいことに違いない。”芳崎は妙な胸騒ぎがして、眞木野をおだて上げる作戦に出た。「さすが春臣さんですね。魁のヤツ、相当こたえてましたよ。あれだけ厳しくできるっていうのは信念を貫く強い意志がないと」途中で「おい。」と遮られ、普段そんな風に他人を持ち
1.新キャプテン空と海は中学3年生となり、1、2年生とはクラスも変わり、新たな気持ちで新学期をスタートした。空と海のツインズは、小・中学校を通して初めて同じクラスになった。3年生では三者面談や入試説明会など保護者が出席する機会が多くなるため、忙しい悠一のことを考え、2人いっぺんに済むようにと学校側が配慮してくれたようだ。3年4組、担任二谷強士先生、通称よわし。空は初めて受け持たれるが、海は去年に続き2年目となる。相変わらず、見た目は細くて頼りない感じがするが、生徒の気持ちをよく理解し
1.見られる恥ずかしさ6月中旬、日曜の昼すぎ、たかやんがヒップハートを訪れた。数日前に修学旅行から戻り、そのお土産を届けに・・・というのは口実で、本当の目的は眞木野に頼みごとがあってやって来た。あおいろ中学3年生の修学旅行は2泊3日で京都を訪れたが、連日おしおきが必要な問題が相次いだ。(詳細は『海・空』中3の第4話をご覧ください。)1日目の事件。問題児→蓮ケ谷海&その友達→花憐と紗也の話。夜3人はお酒入りのお菓子を食べ、紗也の具合が悪くなってしまう。先生にバレておしおきされる
2.おしおきVS注射星はバスを見送ると、急に焦りを感じた。“えっと・・・今、何時だろう?ひょっとして僕、大変なことしちゃったかも・・・。”時間を確認しようとしたけれど、時計は持っていないし、まわりを見回しても分かるものは何もなかった。星は大急ぎで病院へ向かって走り出した。赤信号をじれったく感じながらも、決して信号無視することはなく、その間に頭の中を整理した。お弁当を食べ終わってトイレに行き、外へ出た時点ですでに集合時間の10分前だったので、それから30~40分経っているのは確かだ