季節の変わり目になると、今でも右の手首に小さな痛みがはしる。手首には右から左へと白い傷がうっすらと盛り上がっている。よーく見ないと、皺のように見えるので、他人からは聞かれた事はない。そして、ぼくも痛みが現れるまで忘れていることの方が多い。痛みとはそういうものかもしれない、身体の痛みも心の痛みも、そうであるように、現れてはじめて気がつくものだ。自身の痛みでもこのようなのだから、他人の痛みなどはなかなか分らないと思うのが本当なのだと思ったりしたが、事故に合いそうでもないのだと感じたものだ。ズキッと痛