国鉄営業路線に最後まで残っていた北海道から蒸気機関車が消えたのは1975年12月だった。しかし、その年の大型連休頃までには北海道内の目ぼしい路線での無煙化が完了し、残る路線は室蘭本線(室蘭ー岩見沢)と夕張線(追分ー夕張)だけになっていた。中でも室蘭本線は蒸機牽引列車本数の多さという点で特筆すべきものがあり、「ひっきりなし」という表現がピッタリであった。しかし、同線は基本的には平坦線で沿線に急勾配区間があるわけでなく、なにはさておいても訪れるべきという撮影ポイントはなかった。だから、石北本線や宗谷