衝撃的だった。復讐としての殺人が2つ。どちらも殺って当たり前、殺られたほうは完全に自業自得だ、ばーかって心底から犯人側を応援したくなる小説。それでも二人の犯人はあまりにせつない。うん、せつないって言葉がピタリとはまる。娘を自殺に追い込まれ、その復讐として大会社のバカ御曹司を殺す母親。そのためだけに生きる姿が崇高以外の何物でもない。復讐は小説の頭で、中盤以降でこの男の非道がどんどん明確になっていく。この殺人現場に一人の少女がでくわせる。この母親を逃がすサポートをする。この少女と母親だった女の逃避行