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『両京十五日Ⅱ天命』馬伯庸朱瞻基は、白蓮教徒にさらわれた呉定縁の救出に向かう。于謙は、北京の情勢について対策を練るべく朱瞻基の叔父張泉との合流地点へ単身向かう。呉定縁は、白蓮教徒の仏母から自らの出生の秘密を明かされる。蘇荊渓は、常に控えめながらここぞという時に的確に一行を導くが、心の内に秘める思いがある。四者四様、それぞれ苦難に満ちた旅路。十五日にわたる過酷な日々の終着点は、北京紫禁城。そこで待ち受ける陰謀の真の姿と、壮絶な闘いの結末はいかに。怒涛の後編。前編では朱瞻基
『両京十五日Ⅰ凶兆』馬伯庸時は明王朝の中国。皇太子朱瞻基は、北京から南京へ向かう船上にいた。南京への遷都を計画する皇帝の命を受け、ひと足先に南京に入り新都の足固めをするためだ。しかし南京に到着した途端、朱瞻基の乗った船が爆発炎上。辛うじて難を逃れた朱瞻基だが、その後も次々と命を狙われる。さらに北京に残る父帝や母后にも危機が迫っていることを知った朱瞻基は、敵の目をかいくぐり南京を脱出。北京を目指すことに。敵の蜂起まで残された時間は15日。窮地の中で出会った仲間と共に、1000
先日のカーの古い訳文に閉口したので、以前書いたこの記事を思い出しました。私は40年以上同じ本を持ち続けていますし、しかもその本が、高校生の頃に古本屋で買った物であることが多いわけですからさらに混乱に拍車がかかることになります。クイーンやカーは新訳がたくさん出ていますが、読みたい気もしますし、これ以上同じ本で本棚の場所を取るのはあまりに馬鹿馬鹿しいきまします🤣
特捜部Q―カールの罪状―(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)デンマークの警察小説、未解決事件を扱う特捜班〈特捜部Q〉シリーズ9作目。カールは幸せな生活を掴み、アサドの過酷な状況から脱出し、ローセも絶好調、ゴードンも変わらずで、Qのメンバーが揃っていて、なんだかかつての日常が戻っているかのような様子が嬉しかったですね。アサドの慣用句のような諺のようなジョークのようなラクダへの喩え。毒舌も絶好調なローセの辛辣な受け答え。お調子者でヘタレなゴードン。そしてそん
木曜殺人クラブ逸れた銃弾(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)引退者のための高級施設クーパーズ・チェイス。そこでは毎週木曜に過去の未解決事件について話し合う4人が。4人は人気TV番組に出演していたアシスタントが、あるスクープを追っている最中に崖から車で落ちて死亡したとされる事件の真相を巡って調査に乗り出すのだけれど…。〈木曜殺人クラブ〉シリーズ3作目も絶好調!今回は未解決事件の調査に乗り出したエリザベスが、何者かに脅迫を受けるという事態も並行して描かれてい
渇きの地(HAYAKAWAPOCKETMYSTERYBOOKSNo.1995)Amazon(アマゾン)オーストラリア内陸の田舎町にて、牧師が教会の前で地元住人5人を銃殺、その場で警官に射殺されるというショッキングな事件が起きる。その1年後、記者のマーティンは田舎町の現状を取材に訪れる。そこでマーティンは牧師を擁護するような言葉を地元住民たちから聞くと共に、町外れに住む男から住人たちの言葉を信じるなとの警告を受ける。読み始めてすぐに「あ、これ好きなやつ」との印象を
父親たちにまつわる疑問(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}〈アルバート・サムソン〉シリーズ9作目。待望の新作という事で、読んでしまうのが勿体なかったです。実際、昨年刊行されてから読むまで随分と寝かせてしまいました(笑)。さて、今回は中編4作による連作集という形。サムスンの元に奇妙な依頼人が。その青年は、自分は宇宙人とのハーフであると明かします。そして依頼は無くなった石を探して欲しいというもので、その
皆さんはハヤカワポケットミステリなるものをご存知かしら?ミステリーファンならもちろん知ってるよね。文庫本より少し大きめ、というか細長くて(183㎜×106㎜)本の周りが黄色(天地、小口部分)の翻訳ミステリー小説だ。私は洋画や小説、お酒や音楽、ファッション、絵画など、娯楽的なものは父や伯母の影響を大きく受けて育ったの。あの姉弟、今思い返してもかなりセンスよかったのよ。(母や祖母からは食関係を教えてもらいました。)それらは人生に彩りを与えてくれるものだから、おかげで私も色々
第63回東京名物神田古本まつり-BOOKTOWNじんぼうjimbou.info神田古本まつりの初日を覗いてきた。極力買わないようにするつもりだったのだけれど……(^^;10:45に現着(神保町交差点)。いったん靖国通りを九段下方面へ歩きかけるが、あわてて引き返して、“さぼうる2”開店待ちの列に並ぶ。私で10番目だった。ナポリタンとアイスコーヒーのセット(今日は平日)で早めのランチを済ませ、改めて九段下方面へ歩きながら、街路に並ぶ平台や棚を
眼を開く私立探偵アルバート・サムスン(ハヤカワ・ポケット・ミステリ1792)Amazon(アマゾン)〈私立探偵アルバート・サムスン〉シリーズ8作目。呆然としたラストの前作から13年ぶりに新作が出た時には狂喜乱舞した覚えがあります(笑)。なにせ前作の終わり方が終わり方だったので、果たしてサムスンはどうなったのか気になってしょうがなかったですし、このままシリーズ終了かとやきもきしていたものです。さて、待ちに待った本作ですが、作中でも時が流れており、私立探偵の免許をよ
豹の呼ぶ声(ハヤカワ・ミステリ文庫リ2-11)Amazon(アマゾン)〈私立探偵アルバート・サムスン〉シリーズ7作目。再読ですが、やはりなんと言ってもこのラストですよね~。読み終えて呆然というか、この先はどうなるのだろうと初めて読んだ時はショックというか、放心した覚えがあります。さて、今回サムスンは、インディアナポリス市内で起きている爆弾事件に巻き込まれる事になります。ただし、爆弾事件とはいっても、どれも犯行グループ〈アウトロウ戦線〉によって爆弾が置かれている場
これまた何度目かの再読となる、私立探偵〈アルバート・サムスン〉シリーズ6作目。銀行家の妻の出征証明書が偽造されたものだったことから、その理由を調査して欲しいとの依頼を受けるサムスン。サムスンが調査を進めたところ、それは過去の悲劇を呼び覚まし、やるせない真実と現実を浮かび上がらせます。その様子は、時にユーモア溢れる語り口でもって、緻密なプロットで描かれています。そんな中で印象に残るのは、サムスン自身の生き方そのものとも言える正義感や倫理観で、それはやはり〈美学〉として憧れるものが。
木曜殺人クラブ二度死んだ男(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)1,301〜5,210円未解決事件の調査をして暇をつぶす老人グループの活躍を描く〈木曜殺人クラブ〉シリーズ2作目。今回はエリザベスが元夫のダクラスから、米国マフィアから高額のダイヤを盗んだと疑われていると助けを求めるという、普通のおばあちゃんには手に負えないような事件ですが、それについては前作を読んでいる方には疑問に思わない事でしょう(笑)。とにかくユーモアたっぷりの語り口に、前作以上に
真珠湾の冬(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)1,980円1941年ハワイ、ホノルル。アメリカ陸軍上がりの刑事ジョー・マグレディは、白人男性と日本人女性が惨殺された事件の捜査を始める。手掛かりを追ううちに、容疑者がマニラ・香港方面に向かったことを突き止めた彼はそれを追うが、折しも真珠湾を日本軍が攻撃。太平洋戦争が勃発、陥落した香港で日本軍に捕らえられてしまう・・・。これは良き!大作ですが、読んでいる間はまるで日本の冒険小説を読んでいるのかと勘違い
祖父の祈り(HAYAKAWAPOCKETMYSTERYBOOKSNo.1)Amazon(アマゾン)1,800〜4,400円ウイルスのパンデミックにより、治安は悪化し物資も乏しく荒廃した世界。アメリカのある町に暮らす老人は、悪質な犯罪と公権力の横暴に脅かされながらも、娘や孫と懸命に日々を送っていた…。政府が機能しているのかどうかも分からない世界で、住居もなく配給に頼り、娘と孫と、時には盗みを働きながら、ただ生きるための生活を送る老人。パンデミック
ボンベイのシャーロック(HAYAKAWAPOCKETMYSTERYBOOKSNo.1)Amazon(アマゾン)1,564〜6,475円騎兵連隊を除隊し病院でジム・アグニホトリ二の療養生活の友はシャーロック・ホームズの活躍を描いた本と新聞だった。そんなジムは二人の女性がボンベイの時計塔から転落死した事件の記事を読んで違和感を感じる。被害者の夫アディから事件の調査を依頼されたジムは、敬愛するシャーロック・ホームズに倣い、変装を駆使し、事件の手掛かりを再構成することで真相
マイクル・Z・リューインハヤカワポケットミステリ2022年7月発行久しぶりのリューインです。新刊!リューインは・・パウダー警部補シリーズ「刑事の誇り」とかアルバート・サムスンのシリーズ「A型の女」あるいは「探偵家族」などなど・・私はパウダー警部補が一番好きですが。今回のは「家族」がテーマですので「探偵家族」と一番近いかな。舞台はアメリカ。ウイルスによるパンデミック後の世界。貧富の差が広がり・・・治安は悪化、物資も乏しく・・そんな町で感染により最愛の妻を亡
寒慄【かんりつ】(ハヤカワ・ミステリ1968)Amazon(アマゾン)580〜5,650円10年前、スノーボードの選手だったサスキアが失踪して以来、同じく選手だったミラは久しぶりにアルプスのロッジで共通の知人たちと再会する。しかし、そこに集められた5人の過去の秘密を告発する謎のメッセージが。ゴンドラは動かせず、雪山に閉じ込められた5人は疑心暗鬼になるなか事件が起こる。アルプス山中、スノーボード選手権で姿を消した女性選手サスキア。10年後、当時の関係者5人がこ
ゲストリスト(ハヤカワ・ミステリ(1973))Amazon(アマゾン)1,900〜6,050円アイルランド沖、泥炭と湿地に覆われた孤島にて、メディアで活躍するふたりの豪華な結婚式が開かれる。しかし、誰もが憧れ理想的に見えるカップルへの祝福の裏で、婚礼に参列する参加者のさまざまな思惑が潜んでおり・・・。これは個人的には掘り出し物のミステリでした!アイルランド沖の孤島で開催される結婚式。式を挙げる二人、花嫁は急成長中のオンライン雑誌の創設者で、花婿はテレビ
木曜殺人クラブ(ハヤカワ・ミステリ(1971))Amazon(アマゾン)1,874〜8,305円かつての修道院を中心に現代的な施設が立ち並ぶ引退者用の高級施設クーパーズ・チェイスでは、敷地内の墓地と庭園を開発して新たな棟を建てようとする経営者陣に住人たちが反発している最中、施設の経営者の一人ト二―・カランが何者かに殺されるという事件が発生。そのクーパーズ・チェイスには、趣味で未解決事件を調査する〈木曜殺人クラブ〉の老人たちがおり、現実に起こったトニー・カラン殺人事件の調
評決の代償(ハヤカワ・ミステリ1969)Amazon(アマゾン)1,334〜4,907円刑事弁護士のマヤは、10年前に大富豪の娘ジェシカ・シルバーの誘拐殺人事件の陪審員の一人だった。その際に、犯人として起訴されていた黒人教師ボビー・ノックスは無罪であると信じ、他の陪審員たちに働きかけ、陪審団は無罪評決を下していた。そして現在、新たに事件についてと当時の様子を検証するドキュメンタリー番組が製作される事となり、マヤは撮影場所であり、10年前に陪審員として滞在していたホテルにて、
中学生時代は健康診断の日が待ち遠しかった。別に身体検査で下着姿になってどーたらという話ではない。(^^;その時間がA先生の英語の授業時間とぶつかってくれることを、私はいつも祈っていたものだった。どういうことか?※健康診断の時間がやって来ると、まず、クラスの数人が教室を出て検査会場に向かい、その彼らが戻ってくると、次の数人がまた教室から抜けていくという方式がとられていた。つまり、全員の検査が終了するまでは、常に数人の生徒が不在となる。不在生徒の数をミニマムにすることで授業への影響を最
なんであの頃は、こんな日本語になっちゃっていたのだろう?いくら英語の翻訳小説だからって、カタカナばかり。普通のひらがなや漢字で書けばいい言葉でさえ、カタカナにしてしまっている…。今、読んでいる本は、ハヤカワポケットミステリの一冊、ジョン・ディクスンカー著「毒のたわむれ」(村崎敏郎訳)。初版は1958(昭和33)年、再版が1993(平成5)年。シリーズ1600点突破を記念して復刊されたケース付きのポケミスだ。ただの復刊であって新訳ではないから、昭和33年に出版されたときの表記の
帰らざる故郷(ハヤカワ・ミステリ1967)Amazon(アマゾン)2,310〜5,313円刑務所から出所した兄ジェイソンとギビーは数年ぶりに再会する。しかし、ヴェトナム戦争にて不名誉除隊しドラッグに溺れたうえに刑務所に収監されたジェイソンの帰郷は、家族の中で軋轢を。そしてその数日後、町で起こった凄惨な殺人事件の容疑がジェイソンにかかると、ギビーは兄の無実を信じて行動を起こす。ベトナム戦争帰り、ドラッグにハマりレブンワース刑務所に収監されていたジェイソンが帰郷す
女って強え突然ですが男性のみなさん、どんな女子が好みですか?守ってあげたいヒロインタイプ?それともグイグイ引っ張る姉さんタイプ?2次元ならツンデレやヤンデレもいいかもしれませんね。3次元だとめんどくさいですが。ちなみに私は、かっこいい女性が好きですね。同性として憧れちゃいますね。あと戦う女が好きです。映画版バイオのアリスなんか最高です。そんな「強い女に守ってもらいたい勢」のための小説を、今回はご紹介します。ローリー・リン・ドラモンドの「あなたに不利な証拠として」です。いいですねぇ、こ
ムシャクシャしたので本屋に行った特に後悔はしていない。というわけで、天気も悪いし気分は落ちるしムシャクシャしたのでブックオフに行ってきました。ちょうど15日まで20%offだったので、たくさん買いました。今回はその一部だけをご紹介です。今回は前回と違い、パッションに身を任せてあちこち買いました。なので実用書はナシです。たぶん。まずこちら。ポケミス3冊とライ麦畑とチャンドラーです。ポケミス一覧・ローリー・リン・ドラモンド「あなたに不利な証拠として」・ジョン・ハード「アイアン・ハ
白が5なら、黒は3(ハヤカワ・ミステリ)Amazon(アマゾン)1,218〜5,940円ボビーの目の前に出所したばかりの旧友アーロンが現れる。自身の血に黒人の血が入っている事を隠してきたボビーは、白人至上主義者に変わり果てたアーロンの姿に怯える。更に、アーロンがある黒人青年に対し傷害事件を起こしてしまい、その逃走に手を貸してしまったボビーは警察の捜査にも、アーロンにも怯え苦悩する。読み始めから胸の中がザワザワしたりモヤモヤとしたり、とにかくやるせなくも辛いも
猟犬(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon(アマゾン)1,426〜5,610円17年前の誘拐殺人事件で容疑者が有罪を確定させた証拠。それは捏造されたものとの告発を受け、当時捜査を指揮していたヴィスティング警部は停職処分を受ける。ヴィスティングは新聞記者の娘の助けを借りながら事件を追う。〈警部ヴィスティング〉シリーズ8作目です。とはいえ本書が日本初紹介。その事は、小学館文庫で昨年出たシリーズ12作目となる『カタリーナ・コード』を買ってから知っ