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タイ語リスニング誕生まで本ブログは「タイの地方高校」ですが…2019年のタイの某県で日本語キャンプ中に起こした怪我で帰国し、その後コロナ禍もかさなりブログはお休み中ですが、今回番外編として、最近上梓した『タイ語リスニング』について(自慢話しみたいになって申し訳ないのですが)、作成に足掛け11年かかったということに免じ、私個人のメモリアルとして回想させていただければと思います。『タイ語リスニング』は旧バージョン(全25課ほど)があり、もともと2011年に上梓した『タイ語スピーキング』の
タイの地方高校―さらば!プラチン&ブンカン来年度戻る予定であったプラチンカンラヤーニー高校に戻れなくなった。今年度は4年前の卒業生が教育実習に来る年、一番多くのクラスを受け持っていたので、「先生、なんでいないんですか?」といったチャットをもらい返信に苦労した。来年も現在の先生が続投すると方針が変わり、1年生から教えてきた生徒の晴れの卒業を見届けられなくなった。今年度の件は誤解によるもので非は私にあるが、来年プラチンブリ―に戻るという約束だったが戻れなかったのは、何らかの学校側の都合によるこ
タイの地方高校-暫しの別れ(その2)5月にプラチンカンラヤーニー高校を1年間離れることになった。けっこう辛い別れであった。またいろいろと5年生に試してみる準備もしていたので残念だった。あとは6年生のN5最終仕上の準備、高学年の大会の種目追加など…以前のブログにも書いたかもしれない。そして東北の果て、ブンカン公立高校にやって来た。2か月目も終わり、大体のレベルが把握でき、クラス別のいい授業が出来る手ごたえを感じていた。後期後半からは特別授業も予定しており、さて教材の印刷と思った矢先。8
タイの地方高校-7月のできごと今日は7月の出来事をランダムにふり返っておこう。先週の金曜から入安吾で4連休。入安吾とは「雨期入り」のことで、古代インドでは偶然同じ地域を遊行中の僧侶が一時的に建屋を作り室内で修行を行ったことに由来する。とりあえず「入安吾」を記念した4連休。雨時々雨先ずは「雨」、当地はラオスの山が近いせいか、雨が降り止まない。7月はほぼ毎日、それも終日雨が続く。少し内陸に行くと、スコールがやめば晴れる。ウドンに遊びに行った先生に電話したところ快晴らしい。火曜から
タイの地方高校-興味に応えるススメブンカン高校の中間試験が今日で終わった。18日から20日までの3日間であるが、実は外国語の中で、日本語・中国語・ベトナム語・韓国語はこの3日に行わず、試験の前後に行う。期末試験は前倒しで行うらしい。日本語は半分試験終了したが、残りは来週を使って行う。授業の方法について「あれっ」と思うことがあった。この学校では、細かいこと-例えば、時刻・時間の言い方、家族、歳の言い方、ものの数え方など-は徹底的に覚えさせられている。それと自己紹介だ。先日、この高校を紹介し
タイの地方高校-30年前のタイへタイムトラベル時代逆行30年タイ東北地方の果てと言ってもいいブンカンに来て来週で1か月になる。この地に来て感じたことは「30年前のタイがそのまま残っている」ということだ。30年前を感じたのは(タイ人気質もそうであるが)「タイ語の挨拶」からだった。東京外大時代に、タイ人は出会ったとき「こんにちは」というのではなく「ご飯食べましたか?」などと言うと習った。多くのタイ語の教科書にもそう書いてあるが、わたしは懐疑的だった。タイに住んでいてもあまり聞い
タイの地方高校-個性別クラス授業最初に抹香臭い話。浄土三部経の一つに『仏説阿弥陀経』というお経があり、その中に「青色青光黄色黄光赤色赤光白色白光」とある。それぞれの色はそれぞれの光を放っているという意味だが、この色は高校生であれば「学生ひとりひとりの個性」だと思う(青い色が赤の光を放つことは「青」という性格を歪めていることになる。青色は青い光を出してこそ「青」の個性が輝く…そんな意味らしい)。その個性を肯定的に取るか否定的に取るか-これは個人の自由だが、個人的に「個性」にいい悪いとい
タイの地方高校-ブンカン高校2週目を終えてブンカン県に来て2週間が経った。6月10日にブンカンの地に来て以来、日に3~4度と夜間の強烈なスコール、どんより曇った日々。まるで雨季末期の様相を感じていた。昨日金曜、やっとすっきりと晴れ気分爽快であった。この2週間で各クラスの様子、学校の運営、職員室の人間関係に至るまで大体把握できた(ように思う)。以下私見である。クラス通常2週目になると煩くなるクラスが多い。これは周囲の学校の先生も言っていたが、ここブンカン校では例外だった。出席が
タイの地方高校-新しい学校での1週間転勤先、それはタイの東北部ノンカイ県から分かれた77番目の県。ブンカン高校である。最果ての地であるがタイに残された最後の楽園とでも形容したい。全校生徒2800人、男女比率は女性の方が7割とタイの高校の女性上位はここでも同じだった。さて、既に授業が始まって約1か月後に赴任、それまで2人のタイ人日本語教師(とボランティア)の方でやっていたらしい。6月10日にホテルで打ち合わせ、11日から授業開始。教材のコピーはまだできていないので、今週はさりげなくレベル
タイの地方高校-新たなる出発この1か月タイ語の「ラーコーン(さようなら)」という表現は、もう再び会うことがない場合に使うことが多い。カラオケ屋に行くと一体、何曲の「ラーコーン」があるのかと呆れてしまう(失恋の曲に多い)。日本語の場合、授業が終わって「さようなら」、学食で「こんにちは」、そして下校時に再び「さようなら、またあした」ということが多い。日本語の「さようなら」はタイ語ほど重い意味ではないと感じる。今年度、事務の手違いでこれまでの高校で働けなくなった。1年待つのは辛い。し
高校としばしのおわかれ2661年度新学期スタートと勢いづいていたのだが、学校やエージェントの県に提出する書類に決定的なケアレスミスがあり、結果今期は学校に行けなくなった。6年間やってきて7年目の第2幕の開幕と同時に今期は閉幕となった。学校曰く「書類上の問題でどうしようもない、1年待ってほしい」とのこと。だれが悪いわけではない、私がたまたまジョーカーを引いてしまった-そう思うことにする。隣接校に行くことになっていたが、今期から日本人教師の採用枠はないとのこと。あとから聞くほど「なるほど」と
タイの地方高校-スマホの時代に想うスマホは便利当校の生徒達も何かにつけてスマホを使っている。宿題の資料作りのダウンロードからゲームまで、その姿は日本のそれと変わらない。私の場合、タイではどうしてもリアルタイムの連絡や調べ事に必要なのでスマホも各種アプリを使っているが、日本では一応休暇ということで使わない。いまだにガラケーの携帯だ。通話とアラームだけで十分、とても気楽である。ところが最近、日本でもアイフォンの必要性を感じできた。休暇とは言え、多少の仕事や(限られた期間なので)友人・恩師
番外編-タイ仏教に想う(4回目)あすはお釈迦様の誕生日今、日本に一時帰国中。3月中旬からほぼ2か月が休暇期間。その休暇も半分終わった。この長い休みのちょうど半ば頃の4月8日に「花まつり」がある。お釈迦様の誕生日だ。なぜ4月8日が釈迦の誕生日か?-一説には「(例えば:車が)おシャカになった(壊れた)」の「シャカ」から来ているらしい。理由は駄洒落のような話なので省略するが、江戸時代に出来た言い回しらしい。以来、4月8日は不動の日である。「日本人は一度決めたことは変更しない」のではなく先の
英語タイの高校では主にイギリス英語が主流だ。私も含め、中高年の方々が学んだBenやLucyが登場人物だったあの英語である。現在使っているタイの教科書はカラフルで、日本に関する記述もある。内容は会話部分がわりと充実しているように感じた。ところで、タイでは早ければ幼稚園から英語を学ぶ。中学1年までに8年ほど英語をやっていて、高校卒業までに多ければ14年も英語をやるのにgo-went-goneなど活用ができない学生が多く、外国人職員室に何度も呼び出されている。聞けば、不定詞・動名詞あたりから
ものの本によれば、ユダヤ人のジョークに次のようなものがあるらしい。この世で一番大切なことは?ヤーウェ(ユダヤ教(開祖))-頭だよキリスト-愛だよマルクス-食べることだフロイト-性(欲)さとここまできて最後にアインシュタイン曰く-「全て相対的」…とオチ。上記5人は全てユダヤ人である。さて当校はどれだろうか?食事の前の煩さ当校の4限(低学年)と5限(高学年)は授業にならない。次のコマが昼休み-要は食べる時間だからだ。「耐える」というタイ語はあるが、耐える教育がなかな
歌から言葉の興味へ当校では朝6時すぎ頃から開門する。学生の朝は早い。私たちのバンも渋滞や洪水がなければ7時10分頃学校に着く。校舎に入ると(迎えの?)BGMがかかっている。主に欧米とタイの曲が多い。BGMは7時50分に校歌が流れるまで続く(従って7時50分以降は一応遅刻になる)。学生証をパネルにタッチするだけで出欠が分かる仕組みだ。このBGM、後期に入ってからAKB(タイではBKN)の「恋するフォーチュンクッキー」が毎朝流れ出すようになった。タイ語バージョンだ。タイの題名は「クッキー・
皆様のご尽力で今年度の業務が全て終わりました。あっという間の1年、少しふり返っておこう。-変化の兆候があった年-*今年は中1と高1がメインだった(来期は中2と高2)、初々しいい中学1年生を迎えた年。新高校1年生(4年生)が旧3年生と机を並べた。初めて日本語に接する学生が一番多い年。最初が大事な年でもあった。*後期体育祭延長のため短縮授業が多く、前期は勉強、後期は行事という構図が鮮明になった。前期12回授業ができたが、後期は半分の6回、中には4回というクラスもあった。来期は統一
最初に「平仮名」ありき知人の現地ベテラン教師がこんなことを言っていた。「jicaやパートナーズなどから補助教員として1-2年派遣され、タイの高校が気に入り現地採用になった人には、1年かけてもいいので(カタカナは要らないので)平仮名だけ教えさせるのが一番だ」とか?すると最初は「それだけでいいのですか?文法は教えなくてもいいのですか?」と言うらしい。そして半年もしない間に「もうだめです、できません」と言うのがオチのようだ(勿論、全員がそうではない)。実際、この先生はjicaあがりの先生や自
最後の授業写真は事前収録タイの高校で最後の授業に感慨深くなる教師・生徒はあまりいないだろう。最近は冷房なしでは(絶対)寝られない季節になってきた。気象予報ではこのまま猛暑のソンクラーン(水掛祭り)に向かうとか。こんな中で、別れの辛さを演出できるのは、わざわざ部屋を暗くして行う「卒業式」くらいだ。これまで「日本では卒業式の後に授業はしないので休講」と決めていた。ところがひとつ忘れていたことがあった。「最後の授業」の撮影(?)であり、通常1月の中旬に「最後の授業」を既に収録(?
一生に一度の卒業式6年生(高3)と3年生(中3)の卒業式が終わった。毎年同じやり方だが学生にとっては一生に一度のこと。そして教師にとっても、相手は毎年違う生徒なので一生に一度の行事だと言える。今回で6回目。この学校に来た年に入学した1年生が卒業するので感慨深い1日となった。当校は「卒業式」→「残りの授業(1週間)」→「期末試験」の順に行われ、「卒業証書授与式」は3月31日に6年生と3年生だけで行われる。しかし「卒業式」に出ている学生は既に卒業が内定しているので「期末試験」をやる意味が
この時期は人事開始2月末で期末試験が終わる。そんな今、どの高校も来期の人事を考える時期でもある。職員室には、新人教員の応募書類などが置かれている。新人・中途併せ、空きがあるなしにかかわらず募集をしているようだ。当校も県内2番目の進学校と言われていたが、2年前、県内4位かもという噂が流れ教務課も慌てだしたようだ。実際、何をもって順位を決めるかも不明だ。O-Net(全国統一模試)か?しかし学校によってはO-Netに参加しないところもある。進学率か?多分そうかもしれない。いずれにせよメイ
体育祭-行事は出会いの場体育祭はキラー・シーといい「キラー」が「スポーツ」、「シー(シィー)」は「色」という意味だ。タイでは5色、当校も「赤、紫、薄緑、黄色、ピンク」で構成。この色の体操着は各クラスによって変わり、中学から高校に移るときに色が変わる。体育の科目のある日は、家から体操着で通学するが、工場も同様で作業着で通勤することが多い。さて、昨年度は故ラーマ9世崩御のため、体育祭は禁止(原則、カラフルなものは禁止で黒が基調だったからだ)。今年は喪明けをうけて当校では昨年の分を取り返
日本語を始める中学1年生は最初に習う中1での日本語学習が非常に重要である-そんなこと正月早々言われなくても分かっている-と言われそうだが、今回のブログで、備忘記録としてメモしておきたい。「また平仮名の話し?もう飽きたよ、お前のブログは平仮名の話しばかりじゃないか」とのお言葉。これはタイ語専攻のある大学教授や日本語専門の先生からだ。最初は、「そこまで言うなら一度現場でお手本を…」と口の先まで出かかったが、自分のできないことを他者に強要してはいけない」が私の師匠(某仏教学者)の訓示だ。こ
新年仕事始めはナコーンナ―ヨック県から仏暦2561年が始まり、最初の仕事となったのは、隣接県ナコーンナーヨックでの中東部大会の準決勝戦の審査だった。日本語だけでなく、英語・日本語・中国語を中心に、韓国語・フランス語・ドイツ語があり、英語は3日間かかるらしい。その他に国語・テクノロジー・数学・古典舞踊なども同県の他校で開催される。中東部地区の学生が集まる大きなイベントだ。既に昨年9月の地区予選に全敗し脳裏から消えかけていた日本語の準決勝審査員を年末命じられた。今回の準決勝はこれまでの海
恒例のクリスマスパーティー行事の多い当校のフィナーレはクリスマスパーティーだ。主催は外国語科。午前中を使い各言語に別れて舞台で踊ったり、ブースで各国の軽食を食べたり、別ドームでディスコをやったりで、いろいろと楽しい1日(半日)である。中国語科は餃子の作り方教室をやっていた。日本語科はケータリングでいつもの寿司やおみくじなど、実際「七夕祭り」と9割が同じ内容のワンパターンだ。この行事、クリスマスを祝うというより、クリスマスを冠したプチ文化祭といえる。外国人教師は毎年オープニングにクリ
年末あれこれ毎年この時期に日本に連絡すると「今年も押し詰まってきましたね」「あわただしくせわしくばたばたしています」「昨年はお世話になりました」「来年こそはxxxしましょう」等といった定形フレーズがメールの文頭にある。1年中暑いこちらでは、「押し詰まる」「あわただしい」という意味がピンとこない。昨年は…といってもいつのことか具体的でないと分からないし、お世話をした覚えもない-とうとう私自身痴呆症になったのかと思う。「来年こそは」と言われても31日までは何もせず1日から頑張るのか?…と思うこ
頭を使え!の発端数年前いつも、ある5年生のクラスに「頭を使え」とよく言っていた。その背景は当時も今も、単に教科書を書き写すだけの宿題だ。特に社会・国語・数学(の一部)に多い。書くことも大切で一概に全否定はしないが度が過ぎる。私の日本語の授業中は間に合わない宿題を完成させる時間になっている。これは高学年になるにつれて量が多くなる。相棒のタイ人のおばさん先生担当の日本語クラス(4年6組)も、例えば平仮名の「あ」を50個書かす宿題を今もやっている。これらの作業に共通することは、「頭を使わ
もうすぐ日本語検定あと数日で日本語検定試験。目下、追い込みの段階で、3人の生徒を4時50分まで特訓中。この3人中2人は幸いにも学校の近く、あとひとりはオートバイで遠方に帰る。日本語検定5級演習は、朝の特別授業に参加するための必須条件で、今回は、先のブログで述べた南タイから来た2年生、それと5年生と6年生から計3名だ。学年差こそあれ、それぞれ持ち味が違う。2年生の転校生Pさんは日本語を毎日2時間南タイの学校でやってきた。日本人教師もいたらしく、日本語で日本語を習っている。大体のこと
日本語最初の難所今年は1年と4年の17クラスがメインである。1年生は初めて日本語と接する記念すべき年。4年生も転校組も3分の1が初めて日本語を学ぶ。この17クラス、いま日本語の難所に向き合っている。先ず、1年生。1年生はこの段階で平仮名が読めれば、後の進行が早くなる。そこで、「あなたはがくせいですか?」「はい、がくせいです」「いいえ、せんせいです」の「がくせい」にあたる部分に「せんせい」「にほんじん」「タイじん」を入れ、できれは「にほんごのせんせいはだれですか?」「ヨシダせん
タイに戻ってはや2週間以上が経ち、授業も2週目に入っている。新旧入れ替え年のため1学期は、どのクラスとも「お見合い」的な雰囲気だった。本格始動は2学期から。2学期の状況をお話しする前に、少し私の周囲に起こったことからメモしておこう。南タイから来た生徒1学期の最終日近く、元外国人職員室のボスから電話があった。このボスとは5年も一緒に働いていたので気心は知れている。昨年、定年退職を迎え、現在、自宅で悠々自適であるが、当県では隠然たる勢力を持ち、発言権も色褪せていないゴッドマザ