あれはもう四半世紀も前の事です。今と違って春夏秋冬のメリハリがついていて、冬は冬らしく、春は春らしかった時代です。「JR」ではなく、「国鉄」、「電車」ではなく「汽車」そんな時代でした。私にはお付き合いしていた方が居たんですが、とても純朴な方で都会の水は合わなかったんでしょうね。私の出身は千葉の船橋なんで、ほぼ東京なんですが、彼女は青森の五所川原でした。卒業したら地元へ帰って就職するそうです。私にはこのまま東京へ残ってくれと引き止める勇気も自信も度胸もありませんでした。あの日は4月半ばだというのに