「視野が広い」事は本当にいい事ずくめなのだろうか?ある厩舎ではレースに出走する競走馬の最終調整が行われていた。「なぁ、バロン、今回は大人しくしててくれよ。何せG1だからな。大勢の人がお前に期待してるんだ。」調教師の池内はバロンに言い聞かせる様に言った。というのも、このバロンは性格に難があり、デリケートに扱う必要があるからだ。「馬の視野ってどのくらいかご存知ですか?350度です。つまり真後ろ以外は全部見えるんです。馬も人間や犬猫と同じで個性がありますからね。おおらかで周りの事なんて一切気にならない