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今日はある事例を紹介します。現在46歳になる鈴木さん(仮名)という女性の話です。鈴木さんは平成20年3月(35歳の時)に幻聴、被害妄想、思路障害といった症状が出現し、ある大学病院の精神科を受診したところ、統合失調症と診断されました。そして3か月間の入院生活。その後、病状は一進一退し、投薬も長期にわたりました。再発したこともありましたが、その後安定。しかし、症状がなくなっても服薬は続きました。服薬中はずっと副作用に苦しみましたが、医師からは「統合失調症は一生薬を飲まなければならない」と言
先日、「人間の秘めたるエネルギーと治癒の謎」の記事に以下のようなコメントがあった。この患者さん、すごく自分に似ています。が乳幼児よりアトピーと言われ、内服外用含めステロイドを使用してきた自分のターニングポイントは、イトラコナゾールの内服でした。真菌つまりカビの治療をしたところ、ひどい皮膚症状も、メンタル面も大きく変化があったのですが、処方した皮膚科医すら「わけがわからない」と言い、メンタル医も皮膚症状以外の改善については深く言及してくれません。しかし、自分では妄想気分がなくなり、頭の中
非定型精神病は典型的には更年期以降に診られる精神疾患で女性が多いが、患者数はかなり少ない。過去ログにも記載しているが、「私は非定型精神病の患者さんは診たことがありません」と言う経験豊かな精神科医は、たぶん非定型精神病を双極性障害かパーキンソン病か統合失調症と診断している(と思う)。非定型精神病とは診断していないだけである。経験的には非定型精神病はリーマスで改善することが多いので、確率の高い治療薬の視点で双極性障害と診断する人の診断感覚は悪くない。個人的にはコアな非定型精神病の患
かつて精神科では「初老期幻覚妄想状態」という診断名が付けられることがあった。今回は、この診断名の話。まず初老期なる年代がいつなのかが曖昧である。僕はずっと以前は初老期とは40歳代の中盤から50歳前後くらいをイメージしていた。今は皆けっこう若いので、60歳代前半くらいを指すのではないかと思う。(自信なし)初老期幻覚妄想状態という病態をICD10で探せば全くないわけではないだろうが、おそらく疾患性にピッタリのものはないと思う。初老期幻覚妄想状態とは、幻覚妄想が生じているが、明らか
一般に、抗精神病薬は用量の増加により線形に効果が発現する。しかし一定の量を超えると、もはや効果の上昇は望めず副作用が増えるだけになる。このようなことから少量域で線形だが、大量域では頭打ちになるので完全な線形にはなってはいない。これは定型抗精神病薬でよくみられる。非定型抗精神病薬のうちレセプターにタイトに結びつくタイプ、リスパダールなども概ねこのパターンである。しかし、エビリファイはそうなっていない。エビリファイは必ずしも用量増加に線形に効果が強くなるとは言えない。エビリファイはドパミ
レキサルティは服用後、表情を改善させるなど何も会話しなくても善し悪しがわかりやすい。特に表情の険しさが弱まり、笑顔も出てくるとその人には合っている可能性が高い。この変化が顕れるのは2~3日目くらいである。また不眠などの良くない副作用が出るのも比較的早い。当初よさそうに見えても、その後、やはり良くないこともある。不眠などがなくても、過敏性が出て妄想が惹起することもあるからである。最初の数日で不眠が改善した人は有望である。レキサルティは不眠になる人と、不眠が改善する人がおり、変更する前薬
やはり心の病の人の間でもうつって言えばそんなに悪く言われないのに総合失調症といえば他害のイメージがあって危険だと避けられたれたりもします。私は非定型精神病なので薬をきちんと飲んでいれば日常生活は出来ますが総合失調症の人は心の病の人の間でも病名を言えない人もいます。良い一日をお過ごしください。