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ミョンウォルの意味ありげな言葉を何度も頭の中で繰り返しながらヨンは、筆をとっていた。『あの方の・・・ウンスの願いが叶う・・・それは一体・・・』ヨンは、ウンスの願いを思い浮かべる。『ま、まさか・・・?』ヨンは、立ち上がりウンスの部屋へ向かおうと部屋の入り口の前に立った。「旦那様。遅くなって申し訳ありません。傷の手当をいたしま・・・旦那様・・・?」傷の手当をするために部屋にやってきたパソンはヨンの様子に言葉を止めた。『あ、ああ・・・パソンか・・・』ヨンは、パソン
鉄原・チェ家の屋敷ミョンウォルから、嬉しい知らせを聞いたヨンとウンスは、静かに喜びをかみしめていた。「ヨン・・・もしかしたら・・・」喜びをかみしめながらウンスはヨンに話しかけた。『そうかもしれませんね・・・フォンが・・・俺たちのもとに帰ってくるのかもしれません・・・』ヨンは、ウンスに優しい表情で告げる。「私も、そう思うの・・・だから、私の夢にフォンが来てくれなかったのかも・・・だって、帰ってくる支度に忙しかったと思うから・・・」ウンスは、愛おしそうにお腹に手をあてる。
鉄原に向かう途中にある、旅籠に、夕暮れにたどりつくと先に、宿を確保していた、パソンが宿の奥から出てくる。「旦那様、奥様。此方でお部屋をご用意いたしました。ここの宿には、温泉が湧いているそうです。一時ほど、借り切りにしておきましたのでごゆるりとお寛ぎいただけると思います。」『わかった。世話をかけた。お前たちも、ゆっくりと休むがいい。』ヨンは、パソンの気遣いを労うとソヨンからユリを抱きとり、ウンスとウォンソンを伴って宿の中へと入って行く。宿の中に入ると宿の主が、深々と
宿の部屋で、少しばかりの休息をとると宿の主が再び、顔を出した。「お客様。お待たせいたしました。夕餉の準備が整いました。どうぞ、宴会場へお出で下さいませ。」宿の主が、扉の前でお辞儀をしながら告げた。『手間をかけた。案内を頼む。』ヨンは、ユリを抱きあげ、颯爽と部屋を出ていく。その後ろを、ウンスとウォンソンが手を繋ぎついていく。宿の主は、パソンから、開京の両班としかきいておらず、ヨン達の素性を知らなかった。まさか、高麗軍上護軍のチェ・ヨン一家だと気づきもせず、変わった
小川の川辺で、ひと時の休息をとると再び鉄原へ向けて、旅を続ける。ウンスとウォンソン、そしてユリは馬車に乗りこむ。昼餉を食べ、お腹がいっぱいになったウォンソンは、馬車の緩やかな揺れに、心地よい眠りに誘われる。「ウォンソン・・・眠っても大丈夫よ。ほら、こちらにいらっしゃい。」ウンスは、ウォンソンを隣に座らせると膝枕をして、寝かせた。「ははさまのおひざ・・・とっても・・・いいにおい・・・がします・・・」嬉しそうに話ながら、ウォンソンはそのまま眠ってしまった。「あらあら・・
翌朝。パソンとテマンが予想していたようにヨンとウンスは、少し遅めの朝餉を二人で食した。朝餉を食したあと、ヨンは、パソンとテマンを呼ぶとその後の旅程の打ち合わせをする。『昼前に、宿を立つ。その後、途中で一か所立ち寄り鉄原の屋敷へと向かう。パソン。先に鉄原へと向かって屋敷の差配を頼む。テマンは、昨日と同様、馬車の御者を頼む。』ヨンは、的確な指示を与えると出立の準備をしているウンスのもとへ戻るため、部屋を出ていこうとした。『パソン。良い宿を選んでくれた。感謝する。』
鉄原の屋敷に来て2日目の朝。穏やかな朝をヨンとウンスは迎えていた。ウンスは、気持ちが少し落ち着いてきたのか夜、ぐっすりと眠れているようだった。『機嫌がよいようですね・・・』早朝の庭を散策しているヨンは隣を歩くウンスに聞いた。「ウフフ・・・この2日ほど・・・ぐっすり眠れて・・・体調が良いからかも・・・」ウンスは、ヨンに微笑みながら言う。『そうですか・・・ならば、鉄原まで来たかいがありました。』ヨンも、ウンスの笑みに微笑み返す。「でも・・・ううん・・・なんでもない・
ミョンウォルが、ウンスの薬湯を煎じて部屋へと持ってくる。ミョンウォルは、部屋へ入るなりいつもと違う雰囲気を察した。「ウンス様。薬湯でございます。」ミョンウォルは、その雰囲気に気付かない振りでいつもと変わらない素振りで薬湯を卓の上に置いた。「ありがとう、ミョンウォル。えっとね・・・ちょっと、聞きたいことがあるんだけど・・・」ウンスは、ミョンウォルに礼を言いながら自分の中で芽生えたある疑問をミョンウォルに聞こうとした。「はい・・・そろそろ、お聞きになられるかと思って
ウンスの言葉で、宿の主の家族と宿の使用人たちがヨンとウンス、ウォンソンとユリが出立の時を待つ部屋へと集まってくる。あるものは、嬉しさのあまり、頬を紅潮させ、あるものは、緊張のあまり、額に汗を滲ませていた。『此度は、世話になった。また、機会があれば世話になることもあるだろう。』ヨンは、ウンスに促され宿の主の家族と宿の使用人たちに声をかけた。「とっても良い宿ですね。お食事も美味しかったし、温泉も・・・私たちの我儘にも快く応じてもらえてとても嬉しかったです。また
チェ尚宮の元に、開京に鉄原滞在延長の知らせが届いた。ヨンは、チェ尚宮への文に、ウンスの願いが叶うまで、鉄原に滞在するとそれは、近いうちに叶うと認めていた。チェ尚宮は、その文を読み何が起きているのか、それを思案する。思案顔のまま、王妃の前にいることも忘れるほどに、心を奪われていた。「チェ尚宮・・・?どうしたのです?何か、心配事でもあるのですか?」王妃は、花を活けながらチェ尚宮に聞いた。「王妃様・・・失礼をいたしました。今朝がた、鉄原の甥から文が届き・・・暫く鉄原に滞
開京坤成殿では、王と王妃、そしてチェ尚宮が典医寺、チャン侍医の言葉を聞いて喜々とした雰囲気に包まれていた。「王様。チャン侍医のあの言葉・・・きっと、お義姉様がお子を授かる兆しがあったに違いないかと・・・」王妃は、自分の事のように喜んでいる。「王妃。落ち着きなさい。まだ、授かったと決まった訳ではない・・・侍医は、喜ばしい知らせ・・・と言っていただけだ。しかし・・・それが真のことであれば・・・これほど喜ばしいことはない・・・」王は、王妃を落ち着かせながらも喜びをその顔
鉄原では・・・ミョンウォルは、毎朝の脈診と、日に3度の薬湯に加えてウンスに鍼灸を施し始めた。ウンスは、その鍼灸治療にどんな意味があるのかそれを考えている。そして、ある異変に気付いた。「えっ?ちょっと・・・待って・・・確か・・・鉄原に来てからは・・・それに・・・かれこれ・・・」ウンスは、手作りの手帳型の暦を開いて指折り数えている・・・「あら・・・?え?でも・・・」ウンスが手帳型の暦を見ながらブツブツ言っているとヨンが扉をそっと開けて部屋に入って来た。『ウン
日が西に沈みかけた頃ヨンとウンスは、鉄原のチェ家の別宅に到着した。ヨンは、チュホンから降りると馬車の扉を開けた。馬車の中では、ウンスとウォンソンが、身体を寄せ合い、眠っている。アイルは、馬車が止まり、別宅に到着したことに気付いていたが気持ちよさそうに眠るウンスとウォンソンを起こせずにいた。「あの・・・旦那様・・・」アイルが、申し訳なさそうな声でヨンに頭を下げる。『アイル・・・構わぬ・・・ユリを先に、屋敷の中へ・・・』ヨンは、ユリを抱きとり、アイルを先におろす。
ヨンは、ウンスが温泉を楽しんでいる間もあたりの気配に神経を配っていた。気配を探ると、こちらからも、向こうからも見えないところで、警護をするテマンやパソン達の気配を感じる。その気配に、ヨンは少し安心するとゆっくりとウンスの傍に近寄って行く。「ヨン・・・とっても気持ちがいい温泉よ・・・ウフフ」頬を紅潮させながら近づいてくるヨンに、ウンスが手招きをする。『確かに・・・疲れが取れるようです・・・それよりも・・・』ヨンは、ウンスの隣に座るとウンスの身体を引き寄せ、自分の
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*****************************猛烈な台風が、関西を襲いました。皆さま、被害に遭われていませんか?これから台風が接近する地域にお住いの皆さまどうか、安全確保をそして安全第一でお過ごしください。****************************ウンスは、神妙な顔でミョンウォルの前に座る。ミョンウォルも、真剣な顔でウンスの話を待っている。「ミョンウォル・・・ここ数日、夢にでてきてくれないの・・・」「夢・・・でございますか?」ウンスの言葉
河原で、火を熾し、昼餉の準備に忙しく動き回るヨリの回りをウンスがちょろちょろと付きまとう。「奥様・・・危ないので、彼方でお待ちください・・・」興味深々なウンスの様子にヨリが苦笑を浮かべながら言う。「え、だって・・・高麗ではどういう風にするのか気になるんだもん・・・」「奥様・・・それでも、危ないので彼方で大人しくお待ちになってください。」ヨリは、楽しそうなウンスの様子に思わず頬を緩めてしまったが気を取り直して、少しキツ目に言った。「あ、ヨリ、怒った?わぁ~ごめんな
典医寺にもどってきたチャン侍医は、ミョンウォルを、休憩室へと呼んだ。「ミョンウォル。少し、話を聞きたいのですが・・・」「奥様のことですね・・・」ミョンウォルは、チャン侍医の言葉を聞く前に言った。「そうです・・・奥方に一体何があったのですか?」「チャン侍医様・・・私も、鉄原に向かう前にご相談したいと思っていました。実は・・・奥様の夢に・・・今まで現れていたフォン様がお見えにならなくなったと・・・そのことで、お心をお痛めになっておいでなのです・・・」「フォン・・
屋敷の中居間に入ると、ヨンは、ゆっくりとウンスを降ろした。「もう・・・ヨンったら・・・降ろしてって言ったのに・・・鉄原のお屋敷の皆にちゃんと挨拶できなかったじゃない・・・もう・・・恥ずかしい・・・」ウンスは、頬を膨らませながらヨンに怒ってみせた。『フ・・・そのように、頬を膨らませて・・・まるで、貴女は幼子のようですね・・・』ヨンは、ウンスの膨れた頬をツンツンとしながら微笑んでみせる。「また・・・そうやって、子ども扱いして・・・ヨンなんて、知らない!!」ウン
鉄原では・・・ミョンウォルが、最新の注意を払いながらヨンとウンスが穏やかな休日を過ごしている。ウンスは、当初の予定より長くなっている滞在を、不思議に思っていた。「ねぇ・・・?ヨン?そろそろ、開京にもどらないと・・・いくら、ヨンの怪我の療養もかけてるって言ってもいつまでも、お役目休んでられないんじゃない?」縁側で書を読むヨンにウンスが声をかけた。『そうですね・・・確かに、そろそろ・・・』ヨンは、ウンスの薬湯を持ってきたミョンウォルに視線を向けながら呟く。「ウンス様・・
「フォンが・・・会いに来てくれないの・・・何も聞こえないし・・・夢にも・・・あんなに、近くに感じていたのに・・・」ウンスは、この一月余りの間フォンを感じることが出来なくなったことをヨンに告げた。ヨンは、涙を隠そうとするウンスを抱き寄せる。『ウンス・・・この一月余り・・・余り眠れていないようでしたね。フォンのことが気になっていたのですか?』抱きしめられた腕の中、ヨンの優しい声にウンスは、黙って頷いた。『そうですか・・・それで、ミョンウォルに相談を・・・?』ウンスは
「はい♪ウォンソンもニコっ♪ははさまもニコっ♪ちちさまも・・・ニコっ♪おそらのうえで、フォンもニコっ♪ってしてます。」ウォンソンは、小さな手をいっぱいに広げて、空を見上げた。ヨンは、ウォンソンの仕草に思わずウンスの顔をみた。ウンスの瞳にみるみるうちに涙が溢れてくる。「ははさま・・・?どうしたのです?ちちさま・・・ははさまが・・・」『ウォンソン・・・大丈夫だ・・・』ウンスの涙に、ウォンソンは泣きそうになりながらヨンに助けを求める。「ウォンソン・・・貴方には、
翌朝、チェ家の屋敷の門からチュホンに跨るヨンとウンスとウォンソン、ユリを乗せた馬車が鉄原へと出立した。その一行には、パソンをはじめヨリ、アイル、ソヨンと数人の使用人、そして、ミョンウォルがつき従っている。ウンス達を乗せた馬車の御者はテマンが自慢げに務めていた。「上護軍・・・鉄原までに、一度、宿をとりますか?」テマンは、馬車を操りながらチュホンに跨るヨンに聞いた。『ああ・・・そうだな・・・確か、道中に、温泉に入ることが出来る宿があったはずだ。』ヨンが、テマンに話
パソンの心配をよそに鉄原への旅は、賑やかに続いている。時折、馬車の窓を開けウンスがヨンに話しかける。ヨンは、ウンスの話に眉間に皺を寄せながら、首を良きに振ったり楽しそうな笑みを浮かべたりしている。パソンは、その様子を見て要らぬ心配なのかもしれないと考えを改めた。開京の屋敷を出立して暫くたったころ、太陽は中天に差し掛かっていた。ヨンを乗せたチュホンと馬車は、街道の脇道へと入って行く。パソンは、すぐにそれに気づくと、馬車の横から前に出ていく。「旦那様・・・」『ああ、
宿の主の案内でヨンとウンス、そしてウォンソンとユリが宴会場へと入って行く。すでに、宴会場には、パソンとヨリ、ソヨンにミョンウォル、数人の使用人たちが行儀よく座り待っていた。『皆、待たせた。皆には、世話になっている。ささやかながら、感謝のしるしだ。遠慮は無用だ。』「皆。いつもありがとう。さぁ、冷めないうちにいただきましょう。ヨンとウンスの声に皆の顔が綻ぶ。そして、賑やかな夕餉が始まった。ヨンとウンスは、ウォンソンとユリに食べさせながら、互いに微笑み和やかな時を
今日のブログに書きたいなと思うことをぎゅっとしたら、最高の表現になりました☺️💓芽生えを尊重し、本気で最高を望む。行動は続けられる優しさで。わたしたちの中に何かが芽生えたときに、これができたら幸せに進みます。逆に言うと、このどれかができていないと苦しくて叶わなくなります。【芽生え】・自分の芽生えを尊重しているか・そんなのできるわけないと諦めるか【望み】・本気で、こうなったら最高♡を望むか・他人軸や評価を気にしたり、中
暮らしと算命学*「親剋型の親子間」何処のご家庭でも、親と子は基本的に相性が良いものと思われていますが、これは殆ど親の方が勝手に思い込んでいるに過ぎないかも知れません。心情的には、そう思いたいとか子供への期待感から、そんな風に思いたいのはよく分かります。が、決してあなたのご家庭にケチをつけているのではありません。親にしても子供にしても、人間の精神が狂うと例え親子でも、敵対してしまうこともあるのです。人間は生まれて1年で、「天の気」を宿し、2年目に「地の気」を宿します。そして3年
前回ブログをアップしてから1週間も経ってましたビックリ^^;毎日時間があっという間に過ぎちゃいます何かしてる訳じゃ無いのにいや動画サブスクで見ちゃってます良い所は何時でも見られる事悪い所は何時までも見ちゃう事^^;続き物を見てると駄目ですね~^^;自制心のスイッチが見当たりません今日は朝から小雨明日も雨この雨でオクラが芽生えてくれると良いのだけど気温が足りないかも気づいたらアスパラが出ていました脇にビオラ?も咲いています早速収穫して今