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ヨンの腕の中で、安心した顔で眠るウンスをヨンは、ずっと見つめながら考えていた。恐らく・・・あの光の玉は、フォンの魂のようなものだろう・・・されど・・・では、何故、この方の身体から離れていた・・・?そして、何故、この方の命をも危険に晒すようなことを・・・フォンが・・・あの紅巾の乱以降何かと、この方を助け護っていたはずのフォンが・・・俺たちのもとに戻ることを邪魔したものが・・・?一体、何が・・・ヨンは、想像を超える出来事を思い返しながら、ウンスを抱きしめる。
翌朝。パソンとテマンが予想していたようにヨンとウンスは、少し遅めの朝餉を二人で食した。朝餉を食したあと、ヨンは、パソンとテマンを呼ぶとその後の旅程の打ち合わせをする。『昼前に、宿を立つ。その後、途中で一か所立ち寄り鉄原の屋敷へと向かう。パソン。先に鉄原へと向かって屋敷の差配を頼む。テマンは、昨日と同様、馬車の御者を頼む。』ヨンは、的確な指示を与えると出立の準備をしているウンスのもとへ戻るため、部屋を出ていこうとした。『パソン。良い宿を選んでくれた。感謝する。』
ヨンは、ウンスが温泉を楽しんでいる間もあたりの気配に神経を配っていた。気配を探ると、こちらからも、向こうからも見えないところで、警護をするテマンやパソン達の気配を感じる。その気配に、ヨンは少し安心するとゆっくりとウンスの傍に近寄って行く。「ヨン・・・とっても気持ちがいい温泉よ・・・ウフフ」頬を紅潮させながら近づいてくるヨンに、ウンスが手招きをする。『確かに・・・疲れが取れるようです・・・それよりも・・・』ヨンは、ウンスの隣に座るとウンスの身体を引き寄せ、自分の
ウォンソンとユリに見守られながら滋養のつく粥を、しっかりと食べたウンスのところにミョンウォルが、朝の脈診に訪れた。「ウンス様・・・ずいぶんお顔の色が良くなられました。」ミョンウォルは、安心した表情でウンスの脈診を始めた。「ウフフ・・・そうね・・・意識を失くす前に比べたらずいぶん身体が楽になってるの。」ウンスも嬉しそうにミョンウォルに答える。「そのようでございますね。脈にも表れております。」ミョンウォルは、ウンスの脈診を終えるとニッコリと微笑んだ。『ミョンウォル
*****************************猛烈な台風が、関西を襲いました。皆さま、被害に遭われていませんか?これから台風が接近する地域にお住いの皆さまどうか、安全確保をそして安全第一でお過ごしください。****************************ウンスは、神妙な顔でミョンウォルの前に座る。ミョンウォルも、真剣な顔でウンスの話を待っている。「ミョンウォル・・・ここ数日、夢にでてきてくれないの・・・」「夢・・・でございますか?」ウンスの言葉
河原で、火を熾し、昼餉の準備に忙しく動き回るヨリの回りをウンスがちょろちょろと付きまとう。「奥様・・・危ないので、彼方でお待ちください・・・」興味深々なウンスの様子にヨリが苦笑を浮かべながら言う。「え、だって・・・高麗ではどういう風にするのか気になるんだもん・・・」「奥様・・・それでも、危ないので彼方で大人しくお待ちになってください。」ヨリは、楽しそうなウンスの様子に思わず頬を緩めてしまったが気を取り直して、少しキツ目に言った。「あ、ヨリ、怒った?わぁ~ごめんな
朝餉を食べ終えたチェ尚宮はユリを抱き、ウォンソンの手をひく。その後ろをヨリがウンスの朝餉を、アイルがヨンの朝餉をもって二人の部屋へと向かった。部屋の扉を、チェ尚宮が叩こうとしたとき扉が内側から開く。「起きていたのか?ならば、何故、朝餉を食べに来ない?」チェ尚宮は、扉を開けたヨンに小言を言いながら、部屋の中に入って行く。その隣でウォンソンが、ヨンにペコリとお辞儀をした。「ちちさま。おはようございます。ははさまと、ちちさまのあさげをおもちしました。」ウォンソンが誇ら
ウォンソンとヨンが手を翳すと、ウンスの腹の上の置いた光の玉が、ゆっくりと沈み込んでいく。光の玉が、ウンスの中に沈み込んでいくと同時にウンスの顔色に血の気が戻ってきた。ミョンウォルは、すかさずウンスの脈を診る。「上護軍様・・・ウンス様の脈が・・・」ミョンウォルの声に、ヨンが振り向く。『ミョンウォル・・・?』ミョンウォルは、何も言わずにただ、嬉しそうに頷いた。「ちちさま・・・もう・・・だいじょうぶ・・・ですよね・・・?」ウォンソンは、ヨンの腕の中に倒れこむと、そのまま眠
ウンスの体調は、日に日によくなってきている。ヨンは、日に日に元気になっていくウンスの傍を片時も離れずに過ごしていた。ウォンソンも、また、朝に夕に、ウンスの部屋を訪れては、一日の出来事を、ウンスに話して聞かせたり時には、ウンスに天界の話を強請ったりした。「ミョンウォル・・・まだ、床上げをしちゃだめなの?このままじゃ、我が家の男性陣はこの部屋の住人になっちゃうわ・・・」ウンスは、嬉しいような、困ったような顔で、脈診に来たミョンウォルに告げた。「ウンス様。そろそろ、床上
ヨンが、鍼の上に右手を翳し雷攻を放とうとした時、部屋の扉が開かれ、ウォンソンが飛び込んできた。「ちちさま!!」飛び込んできたウォンソンをチェ尚宮が抱き留める。『ウォンソン・・・少しの間、大人しくしているんだ・・・』ヨンは、ウォンソンにウンスの姿が見えないように、その身体で隠す。「ちちさま!!まってください!!」フォンは、チェ尚宮に抱かれながらヨンの背中に叫んだ。そして、ヨンが、雷光をウンスに施された鍼に流そうとした時、チェ尚宮が驚きの声をあげた。「う、ウォンソン
鉄原に向かう途中にある、旅籠に、夕暮れにたどりつくと先に、宿を確保していた、パソンが宿の奥から出てくる。「旦那様、奥様。此方でお部屋をご用意いたしました。ここの宿には、温泉が湧いているそうです。一時ほど、借り切りにしておきましたのでごゆるりとお寛ぎいただけると思います。」『わかった。世話をかけた。お前たちも、ゆっくりと休むがいい。』ヨンは、パソンの気遣いを労うとソヨンからユリを抱きとり、ウンスとウォンソンを伴って宿の中へと入って行く。宿の中に入ると宿の主が、深々と
「はい♪ウォンソンもニコっ♪ははさまもニコっ♪ちちさまも・・・ニコっ♪おそらのうえで、フォンもニコっ♪ってしてます。」ウォンソンは、小さな手をいっぱいに広げて、空を見上げた。ヨンは、ウォンソンの仕草に思わずウンスの顔をみた。ウンスの瞳にみるみるうちに涙が溢れてくる。「ははさま・・・?どうしたのです?ちちさま・・・ははさまが・・・」『ウォンソン・・・大丈夫だ・・・』ウンスの涙に、ウォンソンは泣きそうになりながらヨンに助けを求める。「ウォンソン・・・貴方には、
典医寺にもどってきたチャン侍医は、ミョンウォルを、休憩室へと呼んだ。「ミョンウォル。少し、話を聞きたいのですが・・・」「奥様のことですね・・・」ミョンウォルは、チャン侍医の言葉を聞く前に言った。「そうです・・・奥方に一体何があったのですか?」「チャン侍医様・・・私も、鉄原に向かう前にご相談したいと思っていました。実は・・・奥様の夢に・・・今まで現れていたフォン様がお見えにならなくなったと・・・そのことで、お心をお痛めになっておいでなのです・・・」「フォン・・
ウンスの言葉で、宿の主の家族と宿の使用人たちがヨンとウンス、ウォンソンとユリが出立の時を待つ部屋へと集まってくる。あるものは、嬉しさのあまり、頬を紅潮させ、あるものは、緊張のあまり、額に汗を滲ませていた。『此度は、世話になった。また、機会があれば世話になることもあるだろう。』ヨンは、ウンスに促され宿の主の家族と宿の使用人たちに声をかけた。「とっても良い宿ですね。お食事も美味しかったし、温泉も・・・私たちの我儘にも快く応じてもらえてとても嬉しかったです。また
「フォンが・・・会いに来てくれないの・・・何も聞こえないし・・・夢にも・・・あんなに、近くに感じていたのに・・・」ウンスは、この一月余りの間フォンを感じることが出来なくなったことをヨンに告げた。ヨンは、涙を隠そうとするウンスを抱き寄せる。『ウンス・・・この一月余り・・・余り眠れていないようでしたね。フォンのことが気になっていたのですか?』抱きしめられた腕の中、ヨンの優しい声にウンスは、黙って頷いた。『そうですか・・・それで、ミョンウォルに相談を・・・?』ウンスは
小川の川辺で、ひと時の休息をとると再び鉄原へ向けて、旅を続ける。ウンスとウォンソン、そしてユリは馬車に乗りこむ。昼餉を食べ、お腹がいっぱいになったウォンソンは、馬車の緩やかな揺れに、心地よい眠りに誘われる。「ウォンソン・・・眠っても大丈夫よ。ほら、こちらにいらっしゃい。」ウンスは、ウォンソンを隣に座らせると膝枕をして、寝かせた。「ははさまのおひざ・・・とっても・・・いいにおい・・・がします・・・」嬉しそうに話ながら、ウォンソンはそのまま眠ってしまった。「あらあら・・
翌朝、チェ家の屋敷の門からチュホンに跨るヨンとウンスとウォンソン、ユリを乗せた馬車が鉄原へと出立した。その一行には、パソンをはじめヨリ、アイル、ソヨンと数人の使用人、そして、ミョンウォルがつき従っている。ウンス達を乗せた馬車の御者はテマンが自慢げに務めていた。「上護軍・・・鉄原までに、一度、宿をとりますか?」テマンは、馬車を操りながらチュホンに跨るヨンに聞いた。『ああ・・・そうだな・・・確か、道中に、温泉に入ることが出来る宿があったはずだ。』ヨンが、テマンに話
チェ尚宮の言葉を背中で聞いたいたヨンの手をウンスの手が握りかえしてきた。『ウンス・・・?気がついたのですか・・・?』「ん・・・んん・・・?」ウンスが、言葉にならない声をだす。『ウンス!!気がついたのなら、目を開けよ!俺の顔を見よ!』ヨンは、握っていた手を強く握りしめながらウンスに声をかける。その声に、チェ尚宮も、寝台の横に駆け寄ると、ウンスに声をかけた。「ウンス!私だ!わかるか?わかるのなら、目を開けよ!」ヨンとチェ尚宮は、必死に声をかける。その声に隣で寝てい
屋敷の中居間に入ると、ヨンは、ゆっくりとウンスを降ろした。「もう・・・ヨンったら・・・降ろしてって言ったのに・・・鉄原のお屋敷の皆にちゃんと挨拶できなかったじゃない・・・もう・・・恥ずかしい・・・」ウンスは、頬を膨らませながらヨンに怒ってみせた。『フ・・・そのように、頬を膨らませて・・・まるで、貴女は幼子のようですね・・・』ヨンは、ウンスの膨れた頬をツンツンとしながら微笑んでみせる。「また・・・そうやって、子ども扱いして・・・ヨンなんて、知らない!!」ウン
鉄原のチェ家の屋敷では・・・ウンスが、少しでも動こうとするとヨンとチェ尚宮が、すぐ傍に駆け寄りウンスを支えようとする。そして、お決まりごとのように・・・『叔母上。ウンスのことは、俺が支える故・・・部屋でゆっくりとしていればよい。』「何を言うか・・・女子(おなご)の身体のことは男(おのこ)のお前にはわからぬであろう。痒いところに手が届くのはウンスと同じ女子(おなご)の私だ。」『叔母上は・・・子を生んだことはなかろう・・・ならば、俺と同じではないか?』「煩いっ!お前
「ウンス!!」「ウンス様?!」チェ尚宮とミョンウォルの声が鉄原の屋敷の中に響く。その声に、ヨンが子供部屋から飛び出してくる。『ウンス?!』ヨンは、チェ尚宮とミョンウォルを跳ねのけるかのように意識のないウンスを抱きかかえる。『ウンス?ウンス!!しっかりしろ!!叔母上!ミョンウォル!!一体何があった?!』ヨンは、ウンスを抱きしめながらチェ尚宮とミョンウォルに、何があったのか聞いた。「今は、まだ何もわかりません。上護軍様。ウンス様を寝台にお運びください。すぐに診察を
宿の主の案内でヨンとウンス、そしてウォンソンとユリが宴会場へと入って行く。すでに、宴会場には、パソンとヨリ、ソヨンにミョンウォル、数人の使用人たちが行儀よく座り待っていた。『皆、待たせた。皆には、世話になっている。ささやかながら、感謝のしるしだ。遠慮は無用だ。』「皆。いつもありがとう。さぁ、冷めないうちにいただきましょう。ヨンとウンスの声に皆の顔が綻ぶ。そして、賑やかな夕餉が始まった。ヨンとウンスは、ウォンソンとユリに食べさせながら、互いに微笑み和やかな時を
ウンスが意識を失って2日目の朝。ヨンは、ウンスの手を握ったまま寝台の横に座り、眠っている。ウォンソンは、ウンスの隣に床を用意してもらい、スヤスヤと眠っていた。ミョンウォルは、ウンスの様子を、一晩中見守っていた。隣の部屋で休んでいたチェ尚宮が朝日が昇る前に、ウンスの様子を見に来る。「ミョンウォル・・・そなた、眠っていないのでは・・・?ウンスのことは、私とヨンが診ている故少し、休んできたらどうだ・・・?」チェ尚宮は、一晩中起きていたであろうミョンウォルに声をかけた。『
ミョンウォルの意味ありげな言葉を何度も頭の中で繰り返しながらヨンは、筆をとっていた。『あの方の・・・ウンスの願いが叶う・・・それは一体・・・』ヨンは、ウンスの願いを思い浮かべる。『ま、まさか・・・?』ヨンは、立ち上がりウンスの部屋へ向かおうと部屋の入り口の前に立った。「旦那様。遅くなって申し訳ありません。傷の手当をいたしま・・・旦那様・・・?」傷の手当をするために部屋にやってきたパソンはヨンの様子に言葉を止めた。『あ、ああ・・・パソンか・・・』ヨンは、パソン
暮らしと算命学*「親剋型の親子間」何処のご家庭でも、親と子は基本的に相性が良いものと思われていますが、これは殆ど親の方が勝手に思い込んでいるに過ぎないかも知れません。心情的には、そう思いたいとか子供への期待感から、そんな風に思いたいのはよく分かります。が、決してあなたのご家庭にケチをつけているのではありません。親にしても子供にしても、人間の精神が狂うと例え親子でも、敵対してしまうこともあるのです。人間は生まれて1年で、「天の気」を宿し、2年目に「地の気」を宿します。そして3年
鉄原の屋敷に来て2日目の朝。穏やかな朝をヨンとウンスは迎えていた。ウンスは、気持ちが少し落ち着いてきたのか夜、ぐっすりと眠れているようだった。『機嫌がよいようですね・・・』早朝の庭を散策しているヨンは隣を歩くウンスに聞いた。「ウフフ・・・この2日ほど・・・ぐっすり眠れて・・・体調が良いからかも・・・」ウンスは、ヨンに微笑みながら言う。『そうですか・・・ならば、鉄原まで来たかいがありました。』ヨンも、ウンスの笑みに微笑み返す。「でも・・・ううん・・・なんでもない・
今日のブログに書きたいなと思うことをぎゅっとしたら、最高の表現になりました☺️💓芽生えを尊重し、本気で最高を望む。行動は続けられる優しさで。わたしたちの中に何かが芽生えたときに、これができたら幸せに進みます。逆に言うと、このどれかができていないと苦しくて叶わなくなります。【芽生え】・自分の芽生えを尊重しているか・そんなのできるわけないと諦めるか【望み】・本気で、こうなったら最高♡を望むか・他人軸や評価を気にしたり、中