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関節周囲の挫創や熱傷は瘢痕拘縮による関節可動域制限や成長障害を来たします。広範囲に瘢痕組織に置き換わった場合は醜状を残します。手指掌側の瘢痕は屈曲拘縮により日常生活に支障を来すほか、小児では成長障害をきたすため、全層皮膚移植による解除を行います。採皮部は何処でも構わないですが、色素沈着を残し外観が良くありません。この解決法として足底皮膚の移植を行うと、質感が良好でシワも再生し遜色なく仕上がります。そ
顔面は外傷にさらされやすい部位です。皮膚のみの損傷にとどまらず、顔面骨骨折や脳などの重大な損傷を伴うことも多々あります。軟部組織損傷は後回しになりがちですが、そのような場合でも、可能な限り愛護的に組織を温存処置することが将来の結果を大きく左右します。多く人が治療後に問題にするのは外観上の醜形です。シートベルト着用が義務化される以前は、フロントグラス損傷と呼ばれるU字型弁状創が、顔面に多発する症例が多く見られました。顔面からフロントグラスに突っ込み、戻るときに破損したガラスに
【他院での手術】異種軟骨によって鼻中隔延長術と同時に鼻翼軟骨を切ってより鼻を高くする鼻尖形成が行われていました。【来院目的】術後1ヶ月鼻中隔延長術を行ったにもかかわらず効果がなかった上、鼻尖の一部が凹んできたので入れた軟骨の除去とキズの治療目的で来院しました。患者様は入れた軟骨を除去したあと、同時に鼻尖の高さを維持する手術を希望されましたが、ご家族より「修正手術の必要はない。軟骨を取り除く手術のみを行って欲しい。」と申し出があり、軟骨除去術と右鼻
1ヶ月前、他院で耳甲介軟骨による鼻中隔延長術を受けたのですが、鼻尖が高いので、2週間後、同クリニックで移植軟骨の減量をさらに受けました。しかし鼻尖が依然として高く感じ、また延長術で鼻先が下がったので、当院を受診されました。以上に加え、鼻尖鼻翼境界の陥凹、鼻尖鼻柱偏位についても気にされていました。同じ執刀医で2回の手術を受けており、下外側鼻軟骨(鼻翼軟骨)の強度と形態については、全く保証がないため全摘を選択せず、減量術となりました。また患者様は全摘による鼻
昨年9月26日、11月25日に報告した患者様のその後の経過です。他院で鼻尖形成術と小鼻縮小術を行い、その後別のクリニックで鼻尖部の修正を2回行いました。ところがアップノーズと鼻孔の狭小化を発症し、当院で修正手術を行いました。↓術前正面↓術後1週間抜糸時一般的に術後1週間では術後の腫れがまだ残っており、アップノーズが悪化したように見えます。患者様にとっては不安な時期であり、心配はいりません。↓術後1ヵ月術後の腫れが改善し、アッ
通常術後の瘢痕増殖は、手術より4ヶ月後がピークで、その後徐々に改善します。瘢痕が残らないようにそのピークを下げることが大切です。鼻の修正手術では同時に瘢痕を減量することがあり、この場合、術後2週間程度で手術侵襲による腫れは改善します。患者様によっては術後3~4週間以降、再び腫れるケースがあり、これは組織の浮腫で、指で鼻を30秒程度抑えると凹みます。浮腫は組織の還流障害によって発症するもので患者様から「これが瘢痕ですか?」と質問を受けることがありま
手術したことが気づかれない程度に団子鼻の治療を希望されました。術後2ヶ月で手術した部位に瘢痕を認めましたが、テーピング圧迫固定で術後3ヶ月時には軽快しました。↓術前正面↓術後3ヶ月↓術前右からの斜位‐①↓術後3ヶ月↓術前左からの斜位‐②↓術後3ヶ月↓術前下から↓術後3ヶ月患者様の下から見た写真でも判るように鼻翼軟骨の形成で鼻穴のかたちがすっきりした上、鼻尖は小さくなり、患者様はさりげ
1年間、鼻呼吸ができなかった患者様の手術を行いました。約1年前、他院で鼻尖形成術と小鼻縮小術を受け、修正手術も同クリニックで行われました。修正術後、急激に瘢痕が増殖し、それと同時に鼻孔が拘縮し、気道が狭くなり、鼻呼吸ができなくなったようです。表皮直下は瘢痕となっており、鼻孔縁は縫合不全が原因だったのか上皮化の痕跡で、十分な瘢痕減量は無理と判断しました。過度な瘢痕減量は皮膚血行障害が発症すると考えられ、もはや美容面の改善は困難なケースでした。この
鼻尖縮小術を行った患者様の術後3ヵ月までの経過です。①手術侵襲と炎症による腫れ:~術後約5から7日間赤さもあります↓②創傷回復期血行改善による浮腫:~術後5日から3週間↓③創傷回復期浮腫の改善:~術後10日頃より軽快し、4週間までに改善↓④瘢痕増殖期:~術後3から4週以降↓⑤瘢痕消退期:術後4ヵ月以降↓術前↓術後4日.腫れており①に相当します↓術後7日抜糸腫れはやや改善しましたが、鼻尖の発赤は残っています
右肺転移の手術から2週間程経ち2度目の入院をしました。今度は鳩尾から臍の下まで大きく切って原発のS字結腸の腫瘍と肝臓転移の腫瘍を取ります。術前に大腸カメラで腫瘍部にマーキングをするのですが腫瘍があまりに小さくなっていてカメラで確認出来ず苦労されたそうです。実際の手術でも肝臓転移の腫瘍は100%死滅しており瘢痕状になっていたとお聞きしました。これで順調に回復すれば最後に左肺転移の手術で終わる予定でした。長い治療中にはアメブロで繋がってリアル友達になったちろりさんやサスエンさん、ミサさんに
わきが、多汗症の手術後の傷跡については難しいジレンマがあります。においや汗を減らそうと、ドクターが懸命に手術するほど、傷が残りやすくなってしまうことがあるのです。正確に言いますと、切開した傷跡ではなく治療範囲全体に残る瘢痕や色素沈着が少し残ることがあります。わきがの手術は豊胸手術と同じく腋窩(えきか)のしわに沿って切開するのですが、豊胸手術ではシリコンを入れる際の傷の皮膚に対する負担のみで済みますが、わきがや多汗症の場合、わき毛の生えている範囲すべてが汗腺の密集する部分であり、この皮膚の裏
シリコンプロテーゼ摘出と鼻尖挙上のご希望で、来院されました。4年前他院で、シリコンプロテーゼ(鼻根4.0㎜)留置、ターディー法とストラット法で鼻尖形成術を受けましたが、鼻尖が挙がりませんでした。1年前別のクリニックで、鼻尖が高く見えるように鼻根部3.3㎜のシリコンプロテーゼに交換しました。シリコンプロテーゼに違和感を感じるようになり、また元々鼻尖を挙げる目的で手術を受けたのですが、達成されていないため修正を希望されました。↓左:術前右:修正
1ヶ月前、海外でわし鼻形成術(鼻骨々切り幅寄せ術含む)斜鼻修正術(鼻中隔軟骨切除含む)寄贈軟骨による鼻中隔延長術を受けたのですが、・鼻先、鼻柱のツッパリ感が著しい・鼻先の皮膚が赤くなった・鼻先が違和感を感じる程度に高い・「ウ」「イ」の発音時、鼻先が突っ張り、痛い・アップノーズ・会う人、全員に高さを指摘されると、生活に支障があり、修正希望で来院されましたMRI検査を行ったところ、術前説明を受けていない異物である人工真皮を鼻尖頭側~鼻背部と鼻柱部に留置されていたこと
人の皮膚は一度損傷により瘢痕が生じると、消し去ることは不可能です。傷跡はなくならないと言うことが形成手術の大前提です。形成手術では、目立つ傷跡を目立たなくさせる事が目的になります。目立つ要因として、幅が広く面として存在する、傷の方向が不適当、凹凸がある、色が周囲と異なる、引きつれが見られる、などがあります。これらの要素を個別に作り替えることで目立たなくさせるのです。傷の幅が広い場合や凹凸が目立つ時は、単純縫縮と言って瘢痕部を切除、再縫合し一期治癒を促します。傷を離開させる
術後1年9ヶ月今年も健康診断の時期がやってきました。個人事業主なので国民保険の簡単な健康診断で、市から受診表が届くスタイルです今年はいつもの健診・子宮頸がん健診に加え、歯科健診も全て異常なしでホッとしましたそして、健診は甲状腺と同じ病院でやってもらっているので、ついでに先生に首も見てもらいました。「瘢痕化したんだね。若いからしょうがないね。まあ、もう少し落ち着いてくると思うんだけど」最初、聞き取れずにはんこう…?はんこん…?となりましたが瘢痕化(はんこんか)でした。↓瘢痕(傷
結論からいうと、「関係ない」と医師の判断です。数年前、夜間出産のせいで、指導医が離れてました。研修医が90分をかけて縫合した結果、変な瘢痕を残しました。ただのII度裂傷でしたが、激痛が長く続き、自転車再開は産後1年後のことでした。出産後経った数年間、瘢痕にずっと圧痛がありますが、触らなければ日常生活に影響ありませんでした。が、昨年術後肛門痛が治った途端に、出産時の縫合瘢痕から常に痛みを感じるようになりました。肛門痛と陰部痛に関係があるのか?ペインクリニックと複数
以前報告した患者様の術後6ヵ月までの経過です。PCLメッシュと鼻中隔軟骨で鼻中隔延長術を受けた患者様の修正術1ヶ月後について2022年5月5日に報告しましたが、その後の浮腫、瘢痕増殖、瘢痕拘縮の改善についてです。左画像:修正術前右画像:修正6ヵ月後患者様は当院で以下の修正術を受けました。・シリコンプロテーゼ摘出術・鼻骨々切り部修正術・鼻中隔部メッシュ全摘・延長移植鼻中隔軟骨部分減量術・下外側鼻軟骨修正術+内側脚部軟骨移植術・鼻根~鼻背部真皮脂肪移植術
鼻先が平坦で鼻尖形成を希望された患者様の術後の経過です。2年前開いた鼻翼軟骨を閉鎖し、鼻尖と鼻柱上部に耳介軟骨を移植しました。同時に鼻根から鼻背の隆鼻も望まれたのでシリコンプロテーゼを挿入しました。(この患者様については12月7日に別件で術後2ヵ月までの結果についてご紹介させて頂いてます)↓術前正面↓術後8ヶ月↓術後2年術後8ヶ月で瘢痕が軽減していたのですが、2年経つとさらにすっきりした鼻先になっていました。左右に開いた鼻翼軟骨中
鼻中隔延長術を行った患者様の術後の変化です。鼻中隔軟骨が小さかったので肋軟骨による移植延長術を行いました。↓術前正面↓術後1週間ご希望通り鼻尖と鼻柱は下方に延びました。術後1週間は画像のような腫れが一般的で、鼻先の皮膚は赤くありません。この時点で鼻先が赤いと感染、過度な皮膚の伸展、皮膚の血行障害が考えらえます。↓術後2週間この頃になると腫れは改善します。皮膚の性状によってはむくむ場合もあります(浮腫)。↓術後1ヵ月20日術後1ヵ月頃よ
8年前に他院で鼻尖縮小術を行ったのですが、鼻尖と鼻翼の境界が凹み、その後改善がなかったので当院を受診しました。クローズ法で鼻孔縁を切開し、凹んだ部位を修正しました。↓術前正面赤矢印の鼻尖と鼻翼の境界に陥凹を認めました。↓術後1ヵ月↓術前左斜め前から↓術後1ヵ月↓術前右斜め前から↓術後1ヵ月鼻尖形成で鼻尖と鼻翼の境界に認めた陥凹は軽減しました。また瘢痕増殖期に入ったので若干鼻尖は線維組織で大きくなってきまし
ずいぶんと放置してしまいました😱昨日最後の定期健診に行って参りました〜〜これにてがんセンターへの通院は終了です♪前回ブログUPしたのが3月の定検その後6月・9月と定検があり右手親指のオペした部分より左手の採皮した部分の瘢痕が痒みや痛みが気になり…結局塗り薬は大した効果が無く9月の定検から【トラニラスト】というアレルギー用のお薬きずあとを治療するための内服薬を飲んでいましたんーーんーー採皮部…赤味は無くなったし瘢痕も心なしか小さくなっ
年齢とともに白唇部(人中)が長くなる、もともと長く、すっきしりない・・・といったことで人中短縮術を希望される方がいらっしゃいます。”Liplift”と言われますが、最近では”Nostrilsill"(Nasalsill)を同時に切除されるケースをみかけます。下の画像の赤矢印が鼻孔の堤防であるNostrilsillです。他院でこの部位が同時に切除され、以下の症状を訴えるケースがありました。・鼻汁が流れやすくなった・シャワーを浴びる時、水が鼻孔内に入っ
本来の傷の範囲を超えて大きく成長し、赤く盛りあがった状態をケロイドと呼んでいます。疼痛や掻痒感を伴うこともあります。瘢痕の盛り上がりが縫合部にとどまる場合は肥厚性瘢痕です。原因が分からずケロイドが生じる場合を真性ケロイドと呼んでいます。特にケロイド症例では外科的に切除すると再発し、以前より大きくなることが多いのです。治療はまず保存的治療を試みます。ステロイド徐放性懸濁液のケロイド内注射、ステロイド含有テープを貼布等です。即
グラデーション処置。術後5ヶ月瘢痕は白く目立ちます。形成外科医としては瘢痕の幅を0.5mmくらいに出来れば上出来だと思います。ですので、この傷を切って縫ってもこれ以上の改善は難しいです。ではどうするか?傷の真隣が健常皮膚だからコントラストが立って目立ちます。境界を高周波メスでぼかします。傷が無くなる治療ではありません。傷を新たに作る治療です。瘢痕からなだらかにグラデーションがかかって健常皮膚につながれば目立ちにくくなります。
グラデーション処置術後2ヶ月線状瘢痕を切除しても傷です。例えば幅5mmの傷を切除して丁寧に縫合すれば、幅0.5mmくらいの傷にはできるでしょう。しかし、『0』にはできないのです。症例は人中短縮後の縫合糸痕です。これを切り取っても『0』にはなりません。ではどうするか?点状の瘢痕を作ります。高周波メスで皮膚に小孔を開けます。傷に近い部位は深く、遠くなるにつれて浅く開けます。傷のグラデーションをかけます。すると目立ちにくくなります。
他院で鼻中隔延長術を行ったところ、鼻に陥没したキズが残ってしまい、修正を希望されました。この患者様のような陥没した瘢痕では、その下を剥離し、真皮脂肪移植などをおこないますが、もうキズをつくりたくないと仰り他の部位からの自家組織の採取を拒まれました。そのため皮下剥離と瘢痕弁の移動で修正しました。↓術前の斜め前からの画像↓術後1週間広く皮下剥離を行ったため術直後の陥没部は血行障害を認め暗紫色でしたが、回復しました。↓術前の正面↓術後1週間本来陥
他院で鼻尖形成術と小鼻縮小術を行い、その4ヶ月後と8ヶ月後に別のクリニックで鼻尖部の修正手術を行いました。ところがアップノーズになり、鼻穴が狭くなったため当院にお越しになりました。↓初診時下から鼻柱が瘢痕で太くなっており、鼻孔縁の縫合部に段差がありました。↓斜め下から患者様によると2回目の修正術で赤矢印のキズができたそうです。鼻孔縁を引き上げるための「フック」によって皮膚が裂けた、あるいは誤ってメスで切開してしまった・・・・と推察できます。