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19.弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?弦捻りは弦を弦枕に食い込ませる方向にかけているので、離れで引っかからないのでしょうか?おそらく、誰もが疑問に思うことでしょう。<仮説10>弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?<検証>この質問を受けることは多いです。ちょっと考えてみましょう。弦枕が引っかかるという感覚は、弦が弦枕から飛び出す前に腕を開く動作をするから起こるのであって、弦が弦枕から飛び出した後、腕を開く動作が起これば引っかかるという感覚は生
54.「角見で押して離れる」という弓道の謎弓道を始めると、ほとんどの人は押し手の「角見で押して離れる」と教わると思います。私もそうでした。しかし、勝手(馬手)で弦をつかんでいるのに、押し手の角見で押して離れるという矛盾に最初は疑問を持つものの、いつの間にかその矛盾を受け入れてしまい、自分も後輩には、当然、そのように指導するようになっていました。そして、押し手の角見で弓を押しながら勝手を開いて離すという動作を身につけて納得してしまいます。タイミングが合っているうちはこれでも良く中りま
6.詰め合いについてここからは、取り懸けを解いて離れる具体的な方法について説明したいと思います。ここからを読むと、おそらく、今までとは違った自分の射技との向き合い方が、できるようになると思います。離れに導くために、会では、詰め合い、張り合い、伸び合いが大切と言います。詰め合い、張り合い、伸び合いとはいったい何なのだろうか?誰しもが持つ疑問なのですが、具体的に表現する人は少なく、感覚論、精神論、伝承などで表すわけです。私は、誰もが体験できるように、できる限り具体的に表現して説
9.会のままの残身についてこれについては、私のような未熟なものが説明できるものではありません。先生が残してくれたレポートをそのまま載せることにします。S56.1.15「会のままの残身」ということについて(1)「手先きの弓」ということ今日では弓は両手さえあれば引けるものと考えているものさえいる。つまり、どうにか弓と弦を張り、引きつけて両手で左右の「釣り合い」をとって、ソッとうまいこと手先で放せば当るものと考えている。つまり「釣り合い」と「タイミング」に注意して「放
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~<張り合い>つづき勝手の親指はそらすの?親指の付け根の関節(三つ目の関節)は手首の近くにあります。押し手で角見に弓力がかかったとき弓と押し手の手の内の十文字ができていなければ、弓力に負けてこの関節で折れてベタ押しになります。ベタ押しでは弓の姿勢をコントロールできないので、親指の付け根の関節から先を弓に真っ直ぐ押せるように、角見部分の皮を握りに巻き込み親指の爪を上に向けるようにして反らす。手のひらの中心が十文字に
29.弓返りに大切なのは弓の捻りさて今回も、いただいた質問にお答えすることにいたします。(「的中率を上げるためにやれること」は検証中のため延期させていただきます)今回の課題は、腕をはらってしまうときにどう対処したらいいかということです。押し手の手の内を正しく働かせることができていれば、必ずしも弓返りしなくても腕をはらうことはないのですが、弓返りさせることに理屈は共通しています。結論から説明します。手の内の中での弓の位置は、弓の捻りをフリーにした状態で30〜45°の位置
16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較さて、今回は弓道のことだけに凝り固まらずに考えることにします。和弓と違って、アーチェリーは実に合理的にできています。的に中るのが当たり前、つまり必中が前提であって、いかに中心に中てられるかを競います。弓道をやっている人の中では、中て射のことをアーチェリーをやっていると揶揄する場合がありますが、これはアーチェリーに失礼過ぎます。和弓より、アーチェリーの方が性能が優れているのは事実なのですから。謙虚に比較し参考になる点に気付
40.的中は矢から学べ学生さんたちの練習を見ていると、よく見かけることがあります。矢所が安定していない人を指導している時、肩や肘の抜け、上がり、下がりなどを会の中にまで、細かに修正しようとしている場面です。当事者にとっては良かれと思ってやっていることであるとは思いますが、私は、この指導方法には疑問に感じます。逆にありがた迷惑ではないかとも考えています。射形を修正するのは詰め合いまでであって、会に入ったあとは、張り合いや伸び合いに集中させるべきなのです。そして、矢所が
55.「角見で押して離れる」という弓道の謎(補足編)もし、AIに「弓道の離れ方」を質問すると、おそらく、押し手(弓手)の「角見で押して離れる」という答えが返ってくるでしょう。今、世の中にある既成情報しか学習できないのですから、それは当然。(実際にChatGPTに質問した答えを、この記事の最後に掲載しておきます)とすると、今、AIが、本当に正しい答えを導き出してくれるかというと、そういうわけではないということになります。これが、AIの落とし穴です。だから、弓道の既成概念も
3.的中について弓道においては的中が全てではありませんが、めざすは正射必中。中らない練習をいくらやっても上達はしません。的中は「的付け通りに矢を飛ばす」という実に単純な物理現象で生み出せます。「的付け通りに矢を飛ばす」ために不可欠な物理的条件は、以下となります。①正しい的付けができていること。②(矢が乗っている)押し手の親指と(弦を番えている)勝手の親指が、動かない状態(会のまま)で、離れの瞬間を迎えること。会~離れこれらの条件が実現できなければ、いくら精神論を語られ
32.的中率を上げるためにやれることいよいよ今回は射技の核心、「的中率を上げるためにやれること」について、お話ししたいと思います。これまで1年間、弓道の的中(射技)の物理的考察で説明してきた一つ一つの因子の的中への影響度を確認し、もっとも相関のある因子を検証し、ある程度の確証を得るに至りました。そのことを説明します。<仮説24>的中率を上げるためには、弓道の的中(射技)の物理的考察で説明してきたことがやれていることを前提として、①胸弦をしっかり付けて、弓を安定させ弓
8.伸び合いについて<伸び合い>これが特に抽象的で難解です。しかし、安定した的中や鋭い離れを生むためには不可欠なものとなります。会の状態は外観では静止状態で、矢束や身体が伸びたりする訳はないのに、伸び合えと言っている。張り合いとは違う表現なので、張り合いとは違うものであることは確かだろうと思います。伸び合いは、人が次の動作を瞬時に行うための瞬発力を発するための溜めであると、私は解釈しています。矢勢を出すためと説明する方もいますが、物理的に考えれば矢の初速に影響を与
21.会では見えない動作がある?動と静、動中の静・静中の動、などといった味わいの深い日本語があります。これをどう感じるかは人それぞれですが、弓道の”会”では、それを実感することができます。<仮説12>会では見えない動作がある?<検証>引き分けから会では、腕を折りたたむ方向から腕を残身へ向かう方向へと、そして、取り懸けを弦が外れないようにロックしている方向から取り懸けが解ける方へと、これら二つの力の方向の変換が必須となります。11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう
20.中りに重要なのは押し手ではないのか?既成概念では中りに重要なのは押し手です。確かに矢の方向を定めるのは押し手です。ただそれだけのことです。離れ(弦を放つ)という現象を起こすのは、押し手ではなく勝手です。これは否定する余地のない事実です。最終的に矢の方向を支配するのは勝手の離れ方になる。これは否定のしようがまったく無いのです。<仮説11>中りに重要なのは押し手ではないのか?<検証>中りには押し手が重要。間違いではありません。なぜなら、会の状態では押しの肩から先
50.取り懸けをミクロに考察してみる(大切な補足編)この時期、大会などで、結果が出せた人、出せなくて悔しい思いをした人、また、メンバーに入れずガッカリした人もいるでしょう。それには、そうなるに至った原因があります。それに向きうかどうかで、これから先の進化を左右します。そういう人たちにこそ、弓道の的中(射技)の物理的考察が参考になれば、幸いに思います。さて前前回、48.スランプの原因を物理的に考察するで弽帽子の首折れを修正できたことに端を発し、49.取り懸けをミクロに
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~<張り合い>つづきさてここで、会での力の釣り合いを式に表すと、以下のようになります。弓力=骨格に加わる力+骨格を支える筋力+α(両腕を残身まで開く力)引き分けが終わった状態では、このαは、ほぼ0です。会の中でこのαを生み出していく、この力の変換を行うことが張り合いということにもなります。αをできるだけ大きくすることによって、鋭い大離れを生むことができるわけです。では、具体的にどうすればいいのか?
10.会での勝手の手の内を考えるここからは、さらに細かな部分の射技の疑問について仮説をたて、妥当性の検証を行っていきたいと思います。勝手の手の内の機能を考えてみましょう。①矢こぼれしないように、矢を保持する。②引き分けのとき、暴発させないように取り懸けをロックする。③軽妙な離れを生む。④弦をブレ無く送り出す。これら、的中に直結する複数の機能を果たさなければなりません。弦を握って離せば良いといった単純なものではないということです。①②③については、これまでに説
52.的中率をさらに上げるためにやれること32.的中率を上げるためにやれることの説明から3年が経ちました。①胸弦をしっかり付けて、弓を安定させ弓をしっかりと引き付けること。②両肘で矢軸線方向に張り、会のままの離れを導く努力をすること。この2つを意識して、精度高く引くことです。特に②は必須です。➡︎肘の張りで離れている的中と説明しましたが、皆さんは、身に付けることができたでしょうか?上記が身についていれば、50%以上の的中は出せるようになっていることでしょう。そう
53.弦捻りのルーティン弦捻りの必要性については、懐疑的な人も多いと思います。弦捻りを知らない人、効かせなくても離れる人、手を開いて(緩めて)離す人々にとってはまったく無用なもの、存在を意識もしていないのかも知れません。しかし、和弓の取り懸け構造での離れの導き方11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くかを読んでいただければ、手を開いて(緩めて)離す人にも有効に作用してくれるものであることは充分理解できると思います。ただ単に捻りを効かせているというだけで、交差させた取り
34.かけほどきを身につけよう部活の中止や弓道場の臨時休館で稽古が出来ない。こんな時には、イメージトレーニングをやってみましょう。まずは、自分の射を撮ったビデオを見て修正すべき部分を指摘して、治った自分を想像していくことは、モチベーションも上がって有効だと思います。そして、この機会にぜひ、手を開く「離す」から取り懸けを解いて「離れる」かけほどきを身につけて、自分の射のレベルアップに踏みだしてみてはどうでしょうか。そこで今回は、かけほどきのイメージトレーニングの方法を紹介し
22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~で、会での力の釣り合いを式で表すと以下のようにとなると説明しました。弓力=弓から骨格に加わる力+骨格を支える筋力+α(両腕を残身まで開く力)このαをできるだけ大きくすることによって、鋭い大離れを生むことができるとも説明しました。しかし、このαの大きさは物理的な力の大きさだけではないのです。えっ!物理的な力の大きさだけではない?何を言ってるのかさっぱりわからない、と思うこ
18.細かい話にはなりますが16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較でアーチェリーとの比較をしました。アーチェリーは的中精度を極限まで求めるので、道具も大事にしています。その点弓道はと言いますと、かなり無頓着です。がしかし、自分の努力の結果となって的へ飛んで行ってくれる矢くらいは、少しは大事に扱いましょう。と言うことで・・・。<仮説9>細かい話にはなりますが・・・?取り懸けの時、矢羽根の扱いは大事にしましょう。<検証>的中にこだわるには、取り懸けの時の矢羽根
49.取り懸けをミクロに考察してみる夏合宿や強化練習が終わり、的中が上がった人とうまく上達できなかった人との差が出てくる頃かと思います。この差は、3.的中についてで説明したように、「的中は「的付け通りに矢を飛ばす」という実に単純な物理現象で生み出せます。」このことを実現できるようになったか否かという単純な差だということに尽きます。的中は、射形の良し悪し、射癖の有無にはあまり相関がありません。流派によって引き方や取り懸け方が違うことが、既にこのことを証明しています。中らない
45.「矢に学ぶ」⑤矢の離れ口初心者で、最初の立ちに入った時は、矢をつがえ、弓を引いて、握った弦をどうやって離したらいいのか?みんなこのような状態であったことでしょう。しかし、稽古を重ねていくと、引き分けから会に入って早々に、押しと勝手のタイミングを合わせて離すことを覚えてしまいます。それだけで、結構、中りが出ます。練習量の多い学生の時にはこれでもいいのですが、社会人になってくると、ぐっと練習できる回数は減って、週に数度、数十射かといった具合になってきます。そうすると、離
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くかはじめにの部分で、射技の中で最も重要な課題は、指を交差させた取り懸け方をどう解くかにあります。これは、難解な知恵の輪を解くことに似ています。力づくで解くか、スムーズに解くか、離れの理屈が解れば迷いは無くなり、残身に思いを向けることが出来るようになります。と書きました。そして、会での張り合いの説明の中で、取り懸けの解き方についても説明してきました。もう少し細かく考察を加えることで、みなさんの取り懸けの解き方への疑問を解消し
薬剤師・アロマ&ハーブセラピスト椛島博子です。毎年この時期になると水いぼの対処法のご相談を多く受けます。水いぼの正式名は「伝染性軟属腫」伝染性軟属腫ウイルスが皮膚で増殖し隆起物ができる病気です。原因はプールなどでの接触感染。ウイルス自体の感染力は強くありませんが皮膚に傷があったり、乾燥して皮膚のバリア機能が低下していると感染しやすくなります。治療法としては物理的に専用のピンセットなどでイボを除去するのが一般的なようです。麻酔のテープやクリームを使うとしても、これは痛そうですね。
7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~<張り合い>張り合いを単純に表現するならば、離れるまで、以下の3つの方向の力をかけ続けている状態となります。これら以外の力が働くと、押し手や勝手がブレて矢は的付け通りには飛び出しません。せっかく整えた的付けを、わざわざズラして離すことになるのです。張り≒押し手で矢軸線上に真っ直ぐ押そうとする力+矢軸線上に勝手を残身の位置まで真っ直ぐに開こうとする力+取り懸けを解こうとする親指を中心としたカケ解きと弦捻り
12.取り懸けで親指を押える位置は?取り懸けで、親指の先端は中指のどこの位置にするのが良いのでしょうか?この質問もよくされます。取り懸けの方法は流派によって違いがあるようですが、ここでは、私が教えられてきたものに、物理的な解釈を加えた方法を説明します。<仮説3>勝手の親指を押さえる位置は中指の第1関節真下が良い?<検証>結論から言います。取り懸けた時の親指の先端は、中指の第1関節真下でないと、軽妙な離れは生まれません。会での取り懸けは、3つの指をほぼ平行に近
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~<張り合い>つづきでは、どうやって取り懸けを解いて離れるのでしょうか?親指と中指をクロスさせた状態で、取り懸けはどうやって解けるのでしょうか。これは難解な知恵の輪を解くことと似ています。暴発させてはいけないが、ブレのない軽い離れでなければならない。完全に相反して矛盾しています。なので、多くの人は、握り込んで暴発を防ぎ、手を開いて離す、となるのは仕方がないと思います。取り懸けを解く離れを生むためにやれるこ
4.離れについて概ね、弓道の離れは以下の3つのパターンに分けられます。①手を「開いて」離す。②手の力を「緩めて」離す。③取り懸けを「解いて」離れる。もっとも多く見られるのは、①です。残身で手が開くのですぐ解ります。私も長い間、この離し方しかできていなかった。②はたまに見かけます。アーチェリーに近い離し方なので、的中が出る場合もありますが、離れで押し手の手首が上がったり、肘が緩んだり、頭や手を弦ではらったりすることが多いようです。全身に力を入れている状態で、指先だ