ブログ記事2,809件
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。まず500hPa高度・渦度解析図の見方を簡単に説明しますと、「500hPa高度」とは、高度が何メートルのところで500hPaの気圧となるかを等高度線で結んで表現しています。実線は60mごと、太実線は300mごとに引かれています。500hPa高度が高い部分は高圧部、逆に低い部分は低圧部となります。一方、「渦度」というのは大気の流れの回転するありさまを数値化して表現した量をいいます。図の網かけ域は反時計回りの回転を示す正渦度域で北半
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第32回試験・専門知識(a)図Aの「極東域の500hPa東西指数時系列図」を見てみましょう。東西指数とは500hPa面における北緯40°と北緯60°の高度差の平均を表し、偏西風の蛇行の程度が東西流型か南北流型あるいはブロッキング型を表す指標のことをいいます。東西指数が「高指数」のときは南北間の気圧傾度が大きく、したがって偏西風が強いため蛇行が小さいことを示し、「低指数」のときは逆に南北間の気圧傾度が小さく、し
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、台風の一般的な特徴について述べた文の正誤を判断する内容の問題です。早速(a)から見ていきます。(a)まず初めは、台風の中心付近の気温について、「一般気象学」p237図8.29「1964年10月1日、飛行機観測によるハリケーン・ヒルダ(Hilda)の気温偏差の鉛直断面図」を見ながら考えてみます。図によりますと、台風の中心付近は、海面高度から対流圏界面付近まで周囲の大気より気温が高い特徴が見
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(a)本番の試験で焦っている状況の中ですと、基本的な問題でもうっかり間違えてしまう可能性があります。自信のある問題をある程度解答して少し落ち着いたところで問題をよく読みますと大丈夫だと思います。本文では誤っている箇所が2つあります。数値予報図において保存量とみなすことのできる物理量は鉛直p速度ではなく、渦度で、なおかつ高度は700hPa付近ではなくて500hPa付近です。(例:第48回試験実技2図6500hPa
こんにちは、リキュウコートです。#197今回も動画の解説を行います。今回の動画は、ブラックソリッドカラーの「雨染み除去」の模様です。※№134の動画でご確認下さい。いつものディーラーより依頼を受けたものですが、いつも電話で概略の説明を受けるのですが、新車から4年程経過したブラックソリッド塗装で、新車時にガラスコーティングを施している車の磨きであると説明がありました。症状は?との問いに、ボディ全体が雨染み状態であり、磨きを行っているお店で相談をしたが「絶対に完全な
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・専門知識(a)数値予報において、前回の計算によって得られた予報値のことを「第一推定値」とよんでいるのですが、それを観測データによって修正することにより大気の初期値を求めています。修正の重みとは、例えば格子点と観測点が近いほど重みが加わりますし、逆に遠いほどその重みは小さくなります。また、観測点におけるデータそのものについても世界中から入ってきますので、精度の悪い観測による怪しいデータも含まれていることもあ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、数値予報の誤差について述べた文の下線部の内容が正しいか誤りかを判断する問題です。早速(a)から考えてみます。(a)まず解析値の精度についてですが、観測データは空間的に不規則に分布していることから、豊富に観測データがある場所と乏しい場所とで偏りがあります。観測データが豊富な場所では、個々の観測データにおいて観測機器による誤差や観測値が局地的な気象状態を表わしている場合などがあるものの相対的に
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(a)客観解析は解析値の第一推定値、すなわち前回の計算によって得られた予報値を新たに得られた観測データによって修正する処理です。したがって用いられるのは「前回の計算によって得られた予報値」であり、気候を表現する気象統計である「気候値」は用いません。数値予報では、このように客観解析で得られた解析値から重力波ノイズを除去して初期値化を行い、その初期値から数値計算を行なって予報値を求めて、その予報値はまた新たな観測データによ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)(b)まず、「一般気象学」p192、図7.24『冷気が暖気の下にもぐりこみ、位置のエネルギーが減ることを示す模式図』を見ながら考えてみます。温帯低気圧の発生・発達に結びつく約数千km規模の偏西風帯の波動のことを「傾圧不安定波」とよんでいます。この傾圧不安定波がもしも起こらないとしますと、ジェット気流を挟んで赤道側では吸収する太陽放射エネルギーが宇宙空間へ出ていく地球放射エネルギーよりも大きく
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(a)数値予報プロダクトの格子点値は格子の中心に対応する地点の値をピンポイントで表しているのではなく、格子に対応する水平の2次元あるいは水平と鉛直の3次元の格子点周辺の領域を代表する値を表しています。したがって、本文の内容は誤りということになります。(b)全球モデルにおける計算領域は地球全体を対象としていますので、境界がなく、大気の流れを全体的に取り扱うことができるわけですが、メソモデルは日本とその近海の限
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識(第33回試験・実技試験1・図1より2008年5月12日21時黄海にある1012hPaの低気圧が寒冷低気圧)(a)中心付近において、周囲よりも気温が低い「寒気核」を持つ低気圧を「寒冷低気圧」とよんでいます。対流圏上層において、偏西風の蛇行が大きくなり、設問にあります北半球の場合では、南側に蛇行した部分が偏西風帯から切り離されて形成されます。本文の、「強い温度経度をもつ温暖前線と寒冷前線
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識長期予報では、空間スケールの大きな大気の流れに関わる偏西風や気圧の谷、シベリア高気圧や太平洋高気圧などの動向を予測の対象とし、この問題では1月の1か月平均の事例ですが、5日以上の期間における平均的な大気の状態が平年と比べてどうなるかを予測するため、「平均天気図」を用いています。では、問題のある年の1月の月平均における「500hPa高度・平年差」と「海面気圧・平年差」の2枚の図を用いて順に検討して
こんばんは。明日(6日)は第47回試験の合格発表ということですが、「てるてる風雲録」ではよく試験問題を採りあげて書いていることもありますので、「合格しましたぁー!!」など、嬉しい便りがたくさん来たらいいなぁ~。なんて思いながら問題を考えてみたいと思います。レーダーエコー合成図を見て850hPa相当温位の図を見るのか、逆に850hPa相当温位の図を見てレーダーエコー合成図を見てどれとどれが対応しているのか、大きく2通りのアプローチのしかたがありますが、ここでは、僕が受験時代からやり
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識まず、ア〜ウの鉛直分布の細実線で示されている、「飽和相当温位」とは何か、簡単に触れておきたいと思います。ある空気塊が水蒸気で飽和していると仮定して求めた相当温位のことを「飽和相当温位」といいます。例えば、ある空気塊の相当温位と飽和相当温位との差が小さいほど、その空気塊は飽和に近いことを表しています。(a)本文で「およそ6時間後に周辺でダウンバーストと思われる突風が観測されている。」とあることから、発達した積乱
こんにちは、リキュウコートです。#57これまでの記事では、マルチコート剤(アンダーコート)とガラスコーティング剤(トップコート)の組み合わせによる活用事例について解説してきましたが、今回からは、マルチコート剤(アンダーコート)×ミラーコート剤(トップコート)の組み合わせによる活用事例について解説して行きたいと思います。今回は第一弾として、「新車時の1年毎保証としてのコーティング施工として使用」の活用事例について解説したいと思います。【組み合わせ】:マルチコート剤(アンダーコ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)まず本文では、日本海北部の低気圧に伴う雲域について、「中心付近には中下層の雲渦がみられ、その北側にはバルジ状の厚い雲域がある。」とあります。文の後半にある「バルジ状の厚い雲域」が存在していることから、日本海北部の低気圧は発達期またはそれ以降の閉塞期(最盛期)のいずれかに絞られてきます。さらに、今度は水蒸気画像に着目しますとわかりやすいのですが、低気圧の中心に向かってその後面から暗域が入り込ん
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識(a)問題の冒頭にありますが、中高緯度偏西風帯のジェット気流が大きく南北に蛇行・分流し、その状態が概ね一週間以上の長い期間にわたって続くときに、大規模な高気圧が発生し、停滞することがあります。このような現象のことを「ブロッキング」といい、これに伴って発生する高気圧のことを「ブロッキング高気圧」といいます。このブロッキング高気圧は背が高く温暖な高気圧で、発生しますと、周辺を含めて同じような気圧配置が長期間続き、長雨
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、数値予報から、メソモデルおよび局地モデルについて述べた文中の下線部の正誤を判断する内容の問題です。本題に入る前に、数値予報モデルの概要を簡単に触れておきたいと思います。(気象庁HP:気象に関する数値予報モデルの種類より)(気象庁HP:メソモデル・局地モデルの領域(左図)と、メソモデルの地形(右上図)と局地モデルの地形(右下図)より)気象庁では、予報の目的に応じて複数の数
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(a)図Aの500hPa高度・偏差の予想図では平年偏差についての情報を読み取ることになります。平年偏差とは平年値からの差を意味し、図の白い領域は等圧面高度が平年値を上回る領域で「正偏差域」、また、陰影部の領域は平年値を下回る領域で「負偏差域」といいます。正偏差域は平年値よりも等圧面高度が高いということで、高温傾向を示し、負偏差域は平年値よりも等圧面高度が低いということですので低温傾向を示しています。これを踏まえて、本文を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)数値予報モデルは、本文にありますように、予報領域に応じたモデルに用いる時間間隔(ステップ:「タイムステップ」・「積分時間間隔」ともいいます。)ごとに大気の状態の計算を繰り返して将来の状態を予測するという構造になっています。気象庁の現業における数値予報モデルの仕様では、全球モデル(格子間隔20km)で400秒(6分40秒)、メソモデル(格子間隔5km)で20秒となっています。したがって、下線部
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います・第61回試験・専門知識(a)(気象庁HP:令和5年度数値予報解説資料集p45)より)地球大気において、風向・風速、気圧、水蒸気量などといった物理量は流体をなしており、連続的な分布をしています。しかし、数値予報を行うにあたって、この状態ではコンピュータで取り扱うことが困難です。そこで地球大気をコンピュータでどのようにして表現するのかというところで、「地球大気中において数多くの値が連続的に分布している」と考えて、東西・南北・鉛直の3
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識:@:まず初めに、「天気予報ガイダンス」について、簡単に概要を述べておきたいと思います。天気予報ガイダンスの目的は大きく2つあり、一つは①「天気翻訳」、もう一つは②「誤差修正」です。①天気翻訳数値予報において数値予報モデルの各格子点の物理量が計算された結果、予測値すなわち数値予報プロダクトが出力されるわけですが、これは天気そのものを予測しているわけではなく、これと実際の天気との関係を見いだし、両者を結び付
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、北半球の偏西風帯におけるジェット気流について、亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流の2種類のジェット気流の特徴や前線帯との対応などに関する問題です。早速、(a)から見ていきます。(a)まず初めは、ジェット気流の風速が下流ほど強くなっている領域、すなわち、ジェット気流が加速している領域と、ジェット気流の風速が下流ほど弱くなっている領域、すなわち、ジェット気流の風速が風下ほど減速している領
こんばんは。早速ですが。考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)まずは、利用者Aの「気温が30℃を超えると、かき氷の需要が増えるので、翌日の最高気温の予報精度が高い方の気象会社と契約したい。」という要望にXとYどちらの予報会社と契約するのが適切か見てみます。このケースでは気温ですが、気温の他に、降水量、降雪量、風速といった具体的な数値で示す予報のことを、「量的予報」とよんでいます。この量的予報の精度評価には、平均誤差(ME)と二乗平均平方根誤差(RMS
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)数値予報の計算における数値予報モデルの初期値は客観解析から作成されていますが、この初期値には、観測誤差などの影響でわずかな誤差が含まれています。このため、仮に数値予報モデルが完全なものであるとしても、その初期値に含まれるわずかな誤差が時間とともに増大し予測結果に大きく影響してしまいます。この結果、総観スケール現象の予測可能な時間は2週間程度といわれており、予報には限界があることになるわけです。この
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識まずはじめに、ラジオゾンデとはどういう観測機器なのか簡単に概要について触れておきたいと思います。ラジオゾンデは、気圧、気温、湿度等の気象要素を測定するセンサを搭載し、測定した情報を送信するための無線送信機を備えた気象観測器です。温度計と湿度計は、ラジオゾンデから突き出たアームに取り付けられており、気圧計や無線送信機、電池等は、ラジオゾンデの本体(白色発泡スチロールまたはプラスチックの収容箱)内部にありま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)アンサンブル予報の概要につきましては、前回の問題編で触れましたが、メソアンサンブル予報についてさらに補足しますと、メソアンサンブル予報(MEPS)は、メソモデル(MSM)の予測に対して信頼度や不確実性などの情報を付加することを目的に運用されているシステムです。水平方向の格子点間隔は5km、鉛直方向の格子点間隔は76層で、予測の実行頻度は1日4回(00時、06時、12時、18時UTC)で39時間先ま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、ウィンドプロファイラ観測において、ある日の12時の地上天気図の状況から天気図中にある(a)、(b)、(c)の各地点はどの高層風の時系列に当てはまるか、という問題です。まず、この「ウィンドプロファイラ」とはどういう観測機器なのかについて簡単に触れておきたいと思います。(美浜のウィンドプロファイラ2019.02.04「美浜のウィンドプロファイラへゆく。」より)ウィンドプロフ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(a)パラメタリゼーションとは、本文の通りですが、数値予報モデルの時間・空間分解能以下の小さい現象が格子点の物理量に影響を及ぼす効果を見積もって、格子点の物理量に反映させて予報精度を高める作業のことをいいます。したがって、本文の内容は正しいということになります。(b)(気象庁HP:第4章数値予報モデルp29より)数値予報モデルに使用される基本方程式には、水平方向の運動方程式、非静力学平
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識初めに、図の夏のモンスーン期(6月〜9月)の200hPa及び850hPaの流線関数の平年値の読み方から簡単に触れておきますと、各図の下の凡例に着目しますと、青色が濃くなるほど負の値で反時計回りの流れ、北半球では低気圧性循環(南半球では高気圧性循環)が強くなり、逆に赤色が濃くなるほど正の値で時計回りの流れ、北半球では高気圧制循環(南半球では低気圧性循環)が強くなることを示しています。(a)これを踏まえてチベット