ブログ記事2,812件
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(a)(気象庁HP:知識・解説>気象衛星・気象観測>ウィンドプロファイラ「データの見方の例前線の通過」より)上図の2015年5月12日の市来(鹿児島県)のウィンドプロファイラの観測と12時の地上天気図の例を使って考えてみます。12時の地上天気図では薩摩半島にある市来はすでに寒冷前線が通過した後であることがわかります。そこで、寒冷前線が市来をいつ通過したのか、ウィンドプロファイラの観測で見てみますと、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)数値予報の計算における数値予報モデルの初期値は客観解析から作成されていますが、この初期値には、観測誤差などの影響でわずかな誤差が含まれています。このため、仮に数値予報モデルが完全なものであるとしても、その初期値に含まれるわずかな誤差が時間とともに増大し予測結果に大きく影響してしまいます。この結果、総観スケール現象の予測可能な時間は2週間程度といわれており、予報には限界があることになるわけです。この
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識(a)(気象庁HP:雷ナウキャストとはより)(気象庁HP:雷監視システムより)(気象庁HP:雷監視システムより)「雷ナウキャスト」は、雷の激しさや雷の可能性を1km格子単位で解析し、その1時間後(10分~60分先)までの予測を行うもので、10分毎に更新されています。また「雷監視システム」は、雷により発生する電波を受信し、その位置、発生時刻等の情報を作成するシステムで、全国3
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、台風の一般的な特徴について述べた文の正誤を判断する内容の問題です。早速(a)から見ていきます。(a)まず初めは、台風の中心付近の気温について、「一般気象学」p237図8.29「1964年10月1日、飛行機観測によるハリケーン・ヒルダ(Hilda)の気温偏差の鉛直断面図」を見ながら考えてみます。図によりますと、台風の中心付近は、海面高度から対流圏界面付近まで周囲の大気より気温が高い特徴が見
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)地上気象観測における「天気」とは、雲と大気現象に着目した大気の総合的状態のことをいいます。初めに、本文を読みますと、『層積雲が全天の8割を覆っている場合は、天気は「曇」である。』とあります。十種雲形では、巻雲・巻積雲・巻層雲は上層雲、高積雲・高層雲・乱層雲は中層雲、層積雲・層雲・積雲・積乱雲は下層雲にそれぞれ分類されてます。なお、対流雲である積雲・積乱雲は下層雲に分類されます。本文にあ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)台風が北上し北よりの寒気が台風の中心付近まで流れ込んできますと、台風自身の暖気核をもつ構造が崩れ、暖気と寒気で構成された低気圧、すなわち温帯低気圧に変化していきます。これを「温帯低気圧化」とよんでいます。(気象庁HP:「台風第7号、第11号、第9号、第10号及び前線による大雨・暴風平成28(2016)年8月16日~8月31日」より)(気象庁HP:台風位置表2016
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)気象庁HPによりますと、予報用語としての「集中豪雨」とは、「同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨。」と説明されています。それでは集中豪雨の水平スケールはどの程度の規模なのか、ここからは、「一般気象学」p159の図6.27「大気の運動の時間・空間スケール」の図を見ながら考えてみます。本文にあります、「数kmから10km程度」の水平スケールの大気の運動
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識数値予報を計算するとき、積分時間間隔(時間ステップ)をより小さくすればするほど予報の精度はよくなるのですが、その一方で計算量が多くなってしまうことで、計算時間が膨大になってしまい、予報作業において実用的でなくなってしまいます。そこで、大気の流れの速さ(波の位相速度)と格子間隔との関係の中で、精度を維持しながら、安定的に計算が行えるだけの積分時間間隔(時間ステップ)を求める必要が出てきます。この安定的
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識まず、ア〜ウの鉛直分布の細実線で示されている、「飽和相当温位」とは何か、簡単に触れておきたいと思います。ある空気塊が水蒸気で飽和していると仮定して求めた相当温位のことを「飽和相当温位」といいます。例えば、ある空気塊の相当温位と飽和相当温位との差が小さいほど、その空気塊は飽和に近いことを表しています。(a)本文で「およそ6時間後に周辺でダウンバーストと思われる突風が観測されている。」とあることから、発達した積乱
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)まずはじめに、北日本では平年より気温がどうだったか。北日本付近に着目しますと、オホーツク海からカムチャッカ半島付近へ等高度線が大きく蛇行していることがわかります。これは偏西風の流れが南北に大きく蛇行しており、この図が7月上旬の旬平均の天気図であることから、このような現象が1週間前後かそれ以上続いたことを表わしています。この現象のことを「ブロッキング」または、「ブロッキング現象」とよんでいます。そしてこの大
こんにちは、リキュウコートです。#197今回も動画の解説を行います。今回の動画は、ブラックソリッドカラーの「雨染み除去」の模様です。※№134の動画でご確認下さい。いつものディーラーより依頼を受けたものですが、いつも電話で概略の説明を受けるのですが、新車から4年程経過したブラックソリッド塗装で、新車時にガラスコーティングを施している車の磨きであると説明がありました。症状は?との問いに、ボディ全体が雨染み状態であり、磨きを行っているお店で相談をしたが「絶対に完全な
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。まず500hPa高度・渦度解析図の見方を簡単に説明しますと、「500hPa高度」とは、高度が何メートルのところで500hPaの気圧となるかを等高度線で結んで表現しています。実線は60mごと、太実線は300mごとに引かれています。500hPa高度が高い部分は高圧部、逆に低い部分は低圧部となります。一方、「渦度」というのは大気の流れの回転するありさまを数値化して表現した量をいいます。図の網かけ域は反時計回りの回転を示す正渦度域で北半
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)本文の初めの「擾乱」とは、とくに気象学では「気象擾乱」とよぶ場合もあり、水平規模が約10km程度の雷雨をもたらす積乱雲から台風、さらに大雨をもたらす温帯低気圧などの総観規模のスケールまで、一般的に大気が乱れる現象のことをいいます。(気象衛星センターHP:2015年10月10日03UTC赤外よりトランスバースラインの例(矢印))次に、本文を読みますと、「北側に広がる上層雲が急速に発達し、北縁に
こんにちは、リキュウコートです。#181今回も動画の解説を行います。今回の動画は前回の動画(№118)の続きで、クイックコート剤にて不純物を除去したパネルを用い「傷消し能力検証」を行います。※№119の動画でご確認下さい。検証を行うパネルに汚れ(不純物)があると、純粋な傷消し能力の検証が出来ないので、不純物を除去したパネルを使います。これまでも2000番のペーパー傷を消すという能力検証を行って来ましたが、あくまでも使用するコート剤(マルチコート剤)の能力検証でし
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識まず初めに、「天気予報ガイダンス」について、簡単に概要を述べておきたいと思います。(気象庁予報部数値予報課:ガイダンスについて〜近年の特性と降⽔量ガイダンスの改良〜p5より)天気予報ガイダンスの目的は大きく2つあり、一つは①「天気翻訳」、もう一つは②「誤差修正」です。①天気翻訳数値予報において数値予報モデルの各格子点の物理量が計算された結果、予測値すなわち数値予報プロダクトが出力されるわけですが
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、数値予報プロダクト(天気予報ガイダンスに加工される前の格子点値)の利用にあたって留意すべき事項について述べた文の正誤を判断する内容の問題です。天気予報ガイダンスに加工される前の格子点値、すなわち数値予報モデルの計算によって得られた段階で、これから予想天気図などに加工される前の段階における予想値のことを「数値予報プロダクト」といいます。それでは(a)から見ていきます。(a)数値予報プロダクト
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識(a)本文にあります通り、梅雨前線を維持している水蒸気輸送には、一方では、インド洋からチベット高原の南側を流れる湿った南西風(インドモンスーン)が梅雨前線に流れ込んでおり、もう一方では、太平洋高気圧の縁辺の沿って湿った南風が梅雨前線に流れ込んでいます。これら2つの湿った空気の流れによって大量の水蒸気が輸送されることにより梅雨前線が維持されています。したがって、本文の内容は正しいということになります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)今回は、本文を読みながら、空欄部分を考えてみます。まず、「ジェット気流うのうち、高緯度側に位置し、(a)hPa高度付近に中心を持つものが寒帯前線ジェット気流である。」とあります。(C.DonaldAhrens著古川武彦監訳椎野純一・伊藤朋之訳『最新気象百科』丸善2008p277図10.9を基に作成)図1の高度に着目しますと、高度が低いところで北極付近および沿海州、サハリン、オホー
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識(a)本文にあります通り、実際の大気中における総観規模の現象に対しては、コリオリ力と気圧傾度力が釣り合う地衡風平衡近似がよい精度で成り立っているのですが、あくまで近似的であり、完全に釣り合っているわけではありません。実際には、わずかに両者のバランスが崩れているため、大気の移動方向や移動の速さといった大気の流れが生まれているわけです。したがって、コリオリ力や気圧傾度力の変化を予測する必要が出てきます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、霧について、地上気象観測における「霧」の定義とは何か、霧の種類の中で、放射霧・上昇霧・移流霧はそれぞれどのような機構で発生するのか、という内容です。早速(a)から見ていきます。(a)大気中に浮遊しているごく小さな水滴や塵などの微粒子が浮遊していますと光がその中を通過する際に散乱してしまうため、遠くまで届かなくなることにより、視程、すなわち水平方向の見通しが悪くなります。この中で、本文にあり
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識(a)「数値予報モデルの系統誤差」の例として、「モデルの地形表現の不完全さ」によって生じる誤差が挙げられます。これによって生じた降水が多めに出たり、あるいは少なめに出たりといった一定の条件の下での傾向が規則的に現れる誤差について、原因が特定できるため、天気予報ガイダンスでは補正することができます。一方、初期値の誤差に起因する誤差、例えば、台風の進路予測の位置のズレや、前線の位置のズレといった時間的
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識初めに、図の夏のモンスーン期(6月〜9月)の200hPa及び850hPaの流線関数の平年値の読み方から簡単に触れておきますと、各図の下の凡例に着目しますと、青色が濃くなるほど負の値で反時計回りの流れ、北半球では低気圧性循環(南半球では高気圧性循環)が強くなり、逆に赤色が濃くなるほど正の値で時計回りの流れ、北半球では高気圧制循環(南半球では低気圧性循環)が強くなることを示しています。(a)これを踏まえてチベット
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識(a)全球モデル(GSM)とメソモデル(MSM)の降水予測結果が異なる要因として、水平格子間隔の違いによる、地形性降水の違いや、データ同化に用いられる観測データの違いが挙げられるところまでは正しいのですが、今回の問題ではその後の、「積雲対流過程などの物理過程の違い」が2つのモデルの予測結果の違いに影響するかどうかというところで、これまでのパラメタリゼーションに関する過去問題よりも踏み込んだ内容となってい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(気象庁HP:各種申請・ご案内>報道発表資料>令和2年報道発表資料>東京レーダーで二重偏波気象レーダーの運用を開始しますより)気象庁では2020年3月から二重偏波気象ドップラーレーダーの導入が始まっています。二重偏波ドップラーレーダーでは、水平方向と垂直方向に振動する電波を用いることで雲の中の降水粒子の種別の判別、降水の強さを正確に推定することができるようになっています。これによって現在の降水の面的分布
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、北半球の偏西風帯におけるジェット気流について、亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流の2種類のジェット気流の特徴や前線帯との対応などに関する問題です。早速、(a)から見ていきます。(a)まず初めは、ジェット気流の風速が下流ほど強くなっている領域、すなわち、ジェット気流が加速している領域と、ジェット気流の風速が下流ほど弱くなっている領域、すなわち、ジェット気流の風速が風下ほど減速している領
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)台風は上陸しますと、地上との摩擦が増大し、また海面からの熱と水蒸気の供給が大きく減少することから、眼が不明瞭化し、軸対称性も崩れてくる形で衰弱していきます。赤外画像ではその衰弱期にある台風が示されていますが、依然として東日本を中心に白く写っている領域が見られます。赤外画像では、地表面や雲から放射された地球放射を捉えて、その放射量を測定することによってステファン・ボルツマンの法則(I*=σT
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識「指定河川洪水予報」とは、河川の増水や氾濫などに対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、気象庁が国土交通省または都道府県の機関と共同して、あらかじめ指定した河川について、区間を決めて水位または流量を示した洪水の予報のことです。(気象庁HP:指定河川洪水予報「指定河川洪水予報の標題」より)指定河川洪水予報の標題には、氾濫注意情報、氾濫警戒情報、氾濫危険情報、氾濫発生情報
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識(a)まず初めに、「北極振動(AO:ArcticOscillation)」とは、北緯60°を境にしてその南北の領域において、高気圧と低気圧とで逆の関係になる現象のことをいいます。図Aですと、北緯60°以北の北極域で高気圧が見られる場合、逆に北緯60°以南の中緯度域で低気圧が見られるという関係となり、この場合を「負の北極振動(AOマイナス)」、またこの逆で北緯60°以北の北極域で低気圧が見られる場合、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(a)「その地点の気圧(現地気圧)」は、その場所よりも上にある空気柱の重さに等しく、標高が高いところほど気圧が低くなります。もし、現地気圧のまま天気図を解析しようとしますと、その標高が高いところで常に低気圧になってしまうことが起きてしまいます。このため、気圧は本文にあります通り、その地点の気圧(現地気圧)と気温の値および気圧計の平均海面からの高さを静力学平衡の式と気体の状態方程式に基づいた換算式に代
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)アンサンブル予報の概要につきましては、前回の問題編で触れましたが、メソアンサンブル予報についてさらに補足しますと、メソアンサンブル予報(MEPS)は、メソモデル(MSM)の予測に対して信頼度や不確実性などの情報を付加することを目的に運用されているシステムです。水平方向の格子点間隔は5km、鉛直方向の格子点間隔は76層で、予測の実行頻度は1日4回(00時、06時、12時、18時UTC)で39時間先ま