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最近、中国語のネット上で上海開放大学の教授である鮑鵬山氏の講演が話題となっている。鮑氏は、中国共産党による12年間の国語教育が生徒に何も教えていないとして、「金を巻き上げ、命をも危険にさらす」と強く批判している。具体的な時期は明らかにされていないが、鮑教授は講演中に自分の息子の教科書と自分の父親が使っていた教科書の比較をした。現在の小学校の教科書には、小さな雄鶏や白い兎、大きなスイカ、小さなゴマなどの動物や植物の話ばかりで、これでは文化を学ぶことにはならないと直言している。
創価大学文学部の専門科目「現代日本語文法A」に関連する話題の第2回です。前回は日本語母語話者が現代日本語文法を学習する意義について書きました。日本人にとって日本語の文法知識は必要か?本科目の受講者から日本語母語話者向けの現代日本語文法書を紹介してほしいとのリクエストがありました。本科目では教科書を指定していないため、自学自習に適した文法書を紹介してほしいとの趣旨です。以下に独断と偏見で何冊かを紹介します。少し年代的に古いものも含まれています。それらは最新の現代語の実態を反映して
筑摩書房の現代文Bの教科書所収、森岡正博『「自然を守る」ということ』。2700字余りの評論。これを2コマで終わらせた。1コマ目。副教材の問題集で、評論文の話題とキーワード、対立関係にあるものにマークする練習をした。それを踏まえて、『「自然を守る」ということ』にも同様のマーキングをするように指示。ストップウォッチでタイムを計りながら速読。単に早く読むだけでなく、鉛筆片手にマークをつける。マークをつけながら早く読む訓練。早く読み終わった生徒は、プリントの課題に取りかかる。何も
三省堂『現代の国語』中学1年生(平成28年度版)に、大隅清治『クジラの飲み水』という説明的文章の教材がある。これは、説明文・評論文の典型的な段落構成になっている。私が授業で着目している点をまとめる。【第1段落序論】冒頭が「海には水が不足している。」と逆説的なひと言から始まる。クジラは哺乳類なので海水が飲めない。クジラにとって、海は飲み水が砂漠レベルの乏しい環境である。こういった意外性から切り込むのは、説明文・評論文のあるあるだ。そして、段落の最後に「いったいクジラはどのようにし
高校生から質問された。「『かかり』って、なんで「ラ変」なんですか?」ノートを見せてもらったら、品詞分解が書かれていて、「かかり」の右横に「連語・ラ変」の文字が。どうやら、板書で教員がそう書いたものの、説明がなかったらしい。その生徒には、中3のときに、私が、ラ変は「あり・をり・侍り・いまそかり」とくり返し唱えて覚えさせたから、「かかり」がラ変と言われてもピンとこなかったようだ。「指示語になる副詞『かく』にラ変の『あり』がくっついた『かくあり』が、縮まって『かかり』になったの