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不動産の価格は、一般に、(1)その不動産に対してわれわれが認める効用(2)その不動産の相対的稀少性(3)その不動産に対する有効需要の三者の相関結合によって生ずる不動産の経済価値を、貨幣額をもって表示したものである。そして、この不動産の経済価値は、基本的にはこれら三者を動かす自然的、社会的、経済的及び行政的な要因の相互作用によって決定される。不動産の価格とこれらの要因との関係は、不動産の価格が、これらの要因の影響の下にあると同時に選択指標としてこれらの要因に影響を与えるという二面性を持つも
2.最有効使用の判定上の留意点不動産の最有効使用の判定に当たっては、次の事項に留意すべきである。(1)良識と通常の使用能力を持つ人が採用するであろうと考えられる使用方法であること。(2)使用収益が将来相当の期間にわたって持続し得る使用方法であること。(3)効用を十分に発揮し得る時点が予測し得ない将来でないこと。(4)個々の不動産の最有効使用は、一般に近隣地域の地域の特性の制約下にあるので、個別分析に当たっては、特に近隣地域に存する不動産の標準的使用との相互関係を明らかにし判定することが
第1節価格を求める鑑定評価の手法不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還元法に大別され、このほかこれら三手法の考え方を活用した開発法等の手法がある。(解説)不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法、収益還元法の三手法である。また、これら以外でも、開発法、賃料差額還元法、借地権割合法等の手法があり、詳細は各論で説明する。Ⅰ.試算価格を求める場合の一般的留意事項1.一般的要因と鑑定評価の各手法の適用との関連価格形成要
Ⅲ借地権付建物1.建物が自用の場合借地権付建物で、当該建物を借地権者が使用しているものについての鑑定評価額は、積算価格、比準価格及び収益価格を関連づけて決定するものとする。この場合において、前記借地権②、ア(ア)から(キ)までに掲げる事項(定期借地権の付着している宅地の評価に当たっては、(ア)から(ク)までに掲げる事項)を総合的に勘案するものとする。(解説)借地権付建物の鑑定評価は、建物が自用の場合と建物が賃貸されている場合に分類される。建物が自用の場合は、自用の建物及びその敷地の鑑
第3節不動産の鑑定評価このように一般の諸財と異なる不動産についてその適正な価格を求めるためには、鑑定評価の活動に依存せざるを得ないこととなる。(解説)不動産は一般の諸財と異なり特徴がある。そして不動産の価格も一般の諸財と異なる特徴がある。それ故、不動産の適正な価格を求めるためには専門家としての不動産鑑定士の鑑定評価が必要となる。不動産の鑑定評価は、その対象である不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示することである。それは、この社会における一連の価格秩序の中で、その不
(2)同一需給圏同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいう。それは、近隣地域を含んでより広域的であり、近隣地域と相関関係にある類似地域等の存する範囲を規定するものである。一般に、近隣地域と同一需給圏内に存する類似地域とは、隣接すると否とにかかわらず、その地域要因の類似性に基づいて、それぞれの地域の構成分子である不動産相互の間に代替、競争等の関係が成立し、その結果、両地域は相互に影響を及ぼすものであ
第1章不動産の鑑定評価に関する基本的考察不動産の鑑定評価とはどのようなことであるか、それは何故に必要であるか、われわれの社会においてそれはどのような役割を果たすものであるか、そしてこの役割の具体的な担当者である不動産鑑定士に対して要請されるものは何であるか、不動産鑑定士は、まず、これらについて十分に理解し、体得するところがなければならない。(解説)総論第1章は、①不動産の鑑定評価とは何か、②不動産鑑定評価はなぜ必要なのか、③社会における不動産鑑定評価の役割は何か、④不動産鑑定士に要請