とある小さな漁港。日焼けして仕事をしている男がいる。男の名は森脇耕一(上川隆也)。彼が乗る漁船が横付けされた岸壁に一人の少年と女性が駆け寄る。少年は耕一の息子・耕平(鎌田拓充)、女性は妻の和代(羽田美智子)だ。今は幸せなこの家族に予想だにしない出来事が起こったのは3年前のことであった。耕一は、住宅販売会社の優秀な営業課長であった。彼を始めその仲間たちの頑張りで、新築の住宅が完売した。会社で完売祝いの簡単な打ち上げの席上、常務の沢入勝治(清水章吾)が言う。「君は我が社の財産だ!」と。そこまでは、彼