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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・一般知識(a)「一般気象学」p183の「温帯低気圧の発達の模式図」を見ながら考えてみることにします。図の上段が500hPa面天気図、下段が地上天気図を表わしており、また図の左側から、発達の初期段階を「第1期」、中央の発達期を「第2期」、右側の発達過程が終了した段階を「第3期」として表わしています。また図中において、塗りつぶしで表している範囲を寒気、ドットで表している範囲を暖気、500hPa面の低気圧と地上低気圧
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図について問題文の冒頭に説明があり、「北半球中緯度において水平方向にも高度方向にも一様な西風が吹く場があり、ある波動がこの場に重なった状況を考える。」とし、さらに「図は、そのような状態における東西方向の鉛直断面図で、等圧面pおよびp+Δp(Δp>0)の高度を細い実戦で、気圧の谷の軸を太い実線で示している。」とあります。ここで、pとp+Δp(Δp>0)がわかりにくい方は、例えば、p=500、Δp=200
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(2)①問題文を整理してみます。いま、300hPa面のRS間の平均高度は9240mで平均気温が-40℃、PQ間の平均高度は9600mで平均気温は-33℃であることがわかっています。つまり、RS間とPQ間を同じ300hPa等圧面に揃えたときの平均気温を比較している状態になっています。問題では、これを今度はPQ間の平均高度における平均気温を、RS間の平均高度の高さの9240mを基準に揃えたときのPQ間の平均気温の値がどうなる
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(1)問題の冒頭では解答に際し、細かく指示されていますので、見落とさないように注意が必要です。マーカーペンなどで忘れないよう、チェックするなどで習慣付けましょう。①まず図1の気象衛星画像を見てみます。中国大陸から日本の東海上に延びている帯状の雲域ですが(1)の冒頭にあります通り、10の倍数で解答することに注意しますと、「北緯30°に沿って」ということになります。①30②南西諸島付近に着目しますと、可視画像・赤外画像と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技2・問3今回の問題は赤外画像による雲型の判別ということで、簡単に判別の方法を振り返ってみます。(気象衛星センター1999「気象衛星画像の解析と利用」p15図2-3-1雲型判別ダイアグラムに加筆)赤外画像について、図では縦軸方向に見て、雲域が下層になるにつれ暗く、逆に上層になるにつれ明るく写ることが示されています。すなわち、雲頂温度が高く、雲頂高度が低い雲ほど暗く写り、逆に雲頂温度が低く
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・問2・(1)(1)③の考察で初期時刻の2日21時と3日21時の500hPaトラフの解析をしたときにお分りになった方もいらっしゃるかと思いますが、もう少し詳しく3日9時と4日9時についても500hPaトラフも解析してみました。まず、初期時刻の2日21時の低気圧と500hPaトラフとの位置関係を見ますと、低気圧は日本の南にあるのに対して、500hPaトラフは地理的に中国東北区に位置しており、両者がまだかなり離れています
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。図に示されている、気象衛星赤外画像・850hPa気温解析図・500hPa高度解析図をある日の12時・21時・翌日の6時にそれぞれ並べ替えて、過程の中間にあたる「ある日の21時」に対応する3種類の図の組み合わせはどれですか、という問題ですが、3種類を同時に見ながらだとややこしいので、種別に見ていった方が早そうです。(気象衛星赤外画像)赤外画像から見ていった方が温帯低気圧の構造の変化がどのステージからどうなっていくのかがわかりやす
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技2・問2初期時刻の2日21時から4日9時にかけての日本海西部の低気圧とトラフTの動きを、低気圧中心は青の×、トラフTを赤の線で示してみました。この4枚の図を追跡ながら見てみますと、トラフTは、2日21時には、低気圧から北西に離れていたところ、時間が経過するにつれて次第に南下しながら4日9時には低気圧のすぐ西側に接近していることがわかります。したがって、今回の問題は、トラフ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(a)(b)まず、気温について考えてみます。二つの等圧面間の高度差のことを層厚(そうこう)とよんでいるんですが、実は単位面積あたりの気柱で考えた場合、Aの等圧面間の気柱の重さとBの等圧面間の気柱の重さは同じになります。それでは、AとBの気柱の重さは同じなのに高度差、つまり層厚に差が生じる原因は何かといいますと、気温の違いによるものです。A付近では層間の空気密度が小さい、つまり空気を構成する気体の分子が活発に飛び交
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問2今回は、図6、図8および図1、図5を用い、「」図6(下)の枠を抜き出した解答用紙に前線を記号を付して記入せよ、という内容の作図問題を考えていきます。まず、「図1、図5を用い」というところで、初期時刻の17日21時で図5の850hPa面の気温分布に図1の地上低気圧の中心とその低気圧に伴う前線を重ねたものが上図になります。これによりますと、地上低気圧の中心から延びる寒冷前線は、6℃~12℃
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技2(図6左下)(図7左下)①図4左上の2日21時の関東付近の降水域のその後の予想について、図6左下(3日9時)と図7左下(3日21時)の地上気圧・降水量・風の各予想図を見比べてみますと、降水域は3日9時から3日21時にかけて、ほぼ停滞か、やや西進する予想であることがわかります。したがって
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技2・問2(1)まず、4日21時に予想される低気圧に伴う寒冷前線に対応する等温線ついて考えてみます。前線の解析には、等温線集中帯に暖気側(南縁)に着目して決めることが重要な要素の一つになっています。そこで、図9(右下)の図を見てみますと、等温線が3℃ごとに引かれていることに留意して、特に東経140°付近では9℃の等温線の北西側は等温線が相対的に混み合っているのに対して、9℃と12℃の等温線の間隔は広いことから
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技2・問2(2)(図9右下より、6℃の等温線に沿って解析した前線)図9の4日21時に予想される低気圧の中心位置を基に850hPaの前線を6℃の等温線および風向も参考にしながら解析してみました。次に問題文にあります通り、北海道付近の走向に着目しますと、前線は、16方位でほぼ南‐北の走向となっていることがわかります。よって、走向は南‐北(北‐南)ということになります。では。
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(a)温帯低気圧は、熱帯低気圧(台風)のような水蒸気の凝結による熱エネルギーの放出による発達ではなく、南北の温度傾度による位置エネルギーから運動エネルギーに変換することによって発達します。図はそれを模式的に示したものですが、始めは左側の図で寒気と暖気が仕切られています。これをゆっくり取り除きますと、寒気は空気密度が大きい、つまり重いため暖気の下にもぐり込んでいき、暖気は逆に空気密度が小さい、つまり軽いため上昇していく状態が真ん
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験2・問2今回は、初期時刻から24時間後の8日9時の実況の地上天気図(図11)も用いて、初期時刻で同じ8日9時の数値予報の予想(図9)と比較して、相違が見られるとし、図11における本州の南の熱帯じょう乱および北陸付近の低気圧について、図1の初期時刻における台風、もしくは問1(4)③で解析した850hPa面の前線との関連をそれぞれ述べよ、という内容です。まず、(2)③を振り返ります。僕の答案では、「85
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1今回は、問題文がややこしいので、問題文の内容を改めて整理してみます。本問で対象となっているのは日本海に予想されている低気圧、すなわち問1で初期時刻に本州付近にある台風です。この台風が温帯低気圧に変化しつつある状況であることを示唆する特徴を図6を用いて・500hPaでは-6℃および-9℃の等温線に着目し中心付近の気温の変化について35字程度・700hPaでは乾燥域に着目して中心付近の湿数の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・一般知識(a)低緯度帯の大気下層では、北緯・南緯30°付近から赤道付近に向かう東よりの風(貿易風)が収束して赤道付近に熱帯収束帯が形成されています。ここで収束した空気は上昇して対流圏界面で発散し、北緯・南緯30°付近で下降するという空気の循環が起こっており、主に南北方向に熱を輸送しています。この空気の循環のことを「ハドレー循環」とよんでいます。したがって、「東西方向」とする下線部の内容は誤りということになりま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(a)(気象庁HP:知識・解説>気象衛星・気象観測>ウィンドプロファイラ「データの見方の例前線の通過」より)上図の2015年5月12日の市来(鹿児島県)のウィンドプロファイラの観測と12時の地上天気図の例を使って考えてみます。12時の地上天気図では薩摩半島にある市来はすでに寒冷前線が通過した後であることがわかります。そこで、寒冷前線が市来をいつ通過したのか、ウィンドプロファイラの観測で見てみますと、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1・問1今回は、初期時刻(14日21時)の12時間前にあたる14日09時の地上低気圧の位置の緯度・経度を図1の情報に基づいて求めよ、という内容です。12時間前の地上低気圧の位置を求める方法を上図に示してみました。問1(1)①で触れましたように、地上低気圧は東北東に20ノットで移動しています。まず、12時間前の位置を求めるにあたって、このノット(KT)がどういう単位なのかを押さえておく必要があります。
こんばんは。今回は、問2(1)②で考察した本文の下線部「3日9時以降、低気圧の移動方向は北北東に変化し、3日21時以降、移動の速さは速くなると予想されます。」という部分について、その要因と考えられる500hPa面トラフと低気圧との関連の時間的変化がどうなっていくのかという問題です。一見、要因・根拠を考える問題のように見えますが、よく読みますと低気圧の移動と500hPaトラフの深まり・浅まり及び低気圧との位置関係の経過の特徴を解答する問題であることがわかります。さてどんな特徴が見
こんばんは。日本代表が勝って、元気をもらったところで、一緒に考えてみたいと思います。問1まず、解答に使用するワードのうち、「曲率」と「Ciストリーク」について確認してみたいと思います。・「曲率」雲域Pは、図1の朝鮮半島付近で前線が、少し極側に凸状となっているキンクに対応しており、雲域Qは北海道付近にある低気圧に対応しています。いずれも対流圏下層において南から暖かく湿った空気が流れ込みそれが極側に向かって上昇し、厚い雲域が極側に膨らんでいる形となっています。このことは、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問3今回は、図7(上)の地上気圧・降水量・風12時間予想図について低気圧の進行方向前面にあたる関東地方の、地上気圧の分布の特徴およびその分布と関連する大気下層の気温分布の特徴を図8(上)850hPa面、図9の925hPa面に着目して述べよ、という問題です。この問題では、2つの「特徴」について40字程度で解答しなければなりませんので、どちらについても過不足ないよう解答に盛り込む必要があります。そこで問われてい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)温暖前線の模式図とある任意の地点Aにおけるエマグラム(状態曲線)を載せてみました。温暖前線では、寒気の上を暖気が滑昇している構造をしていますが、寒気の上にいきなり暖気があるわけではなく、接している部分には転移層(遷移層)という部分があります。この部分の温度分布はどうなっているかを右側の地点Aにおけるエマグラムで見ますと、下層では寒気、上層では暖気がありますので、高度が高くなるにつれて温度が高くなっ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識(a)「一般気象学」p183の図7.4の『温帯低気圧の発達の模式図を見ながら考えてみます。温帯低気圧の発生・発達に結びつく約数千km規模の偏西風帯の波動のことを「傾圧不安定波」とよんでいます。この傾圧不安定波がもしも起こらないとしますと、ジェット気流を挟んで赤道側では吸収する太陽放射エネルギーが宇宙空間へ出ていく地球放射エネルギーよりも大きくなるため大気の温度が上昇しようとする一方、極側では逆になり大気の温度
こんばんは。前回の続きを考えてみたいと思います。(2)図3(上)の500hPaの高度・渦度解析図に基づき、図1で日本海にある低気圧の地上中心の上空500hPa面における正渦度移流の方向を16方位で答えなさい、ということですが、正直、「えっ?」っていう感じですね。「正渦度移流の方向」を求める問題はこれまでなかったような気がします。でも、落ち着いて考えますと、まず地上の低気圧の中心を図3に写しますと、ほぼ、正渦度の極大値、+240(×10-6/s)付近になります。次に正
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)(b)まず、「一般気象学」p192、図7.24『冷気が暖気の下にもぐりこみ、位置のエネルギーが減ることを示す模式図』を見ながら考えてみます。温帯低気圧の発生・発達に結びつく約数千km規模の偏西風帯の波動のことを「傾圧不安定波」とよんでいます。この傾圧不安定波がもしも起こらないとしますと、ジェット気流を挟んで赤道側では吸収する太陽放射エネルギーが宇宙空間へ出ていく地球放射エネルギーよりも大きく
こんばんは。今回は、図6(下)、図7(下)において12時間後までに日本海中部で新たな低気圧が発生し、その後急速に発達する予想であることについての問題です。今回の①ではまず、12時間後と24時間後におけるこの低気圧から見たトラフAとの最短距離とその方向を求める内容の問いについて次回、一緒に考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1・問2問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。25日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技2・問2(1)それでは、順にaから求めていきます。a:緯度10°は600海里ですので、これを図上で測りますと,微妙な個人差はあるかもしれませんが、僕の場合は32mmとなりました。2日21時すなわち初期時刻までの24時間の移動距離を図上で測ってみますと、1日21時~2日9時は13mm、2日9時~2日21時は14mmで計27mmとなります。したがって、600×27÷32=506.25、50の倍数での解
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)まず本文では、日本海北部の低気圧に伴う雲域について、「中心付近には中下層の雲渦がみられ、その北側にはバルジ状の厚い雲域がある。」とあります。文の後半にある「バルジ状の厚い雲域」が存在していることから、日本海北部の低気圧は発達期またはそれ以降の閉塞期(最盛期)のいずれかに絞られてきます。さらに、今度は水蒸気画像に着目しますとわかりやすいのですが、低気圧の中心に向かってその後面から暗域が入り込ん
こんばんは。今回は、図9の4日21時における低気圧に伴う寒冷前線が、問1(1)④で考察した、つまり初期時刻における850hPa面の9℃の等温線に対応している寒冷前線の北側に新たに形成されると解釈されることについて、4日21時の寒冷前線に対応する850hPa面の等温線の値及び寒冷前線が新たに形成されることを示す特徴を図9(右下)の図から等温線と鉛直流に着目して答えなさい、という問題です。前回の④と同様、一見、理由・根拠を解答するのかな、と思いましたが最後まで読みますと今回も特徴を述