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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。まず、トラフの解析の方法を整理してみます。☆トラフ(気圧の谷)は周囲と相対的に低圧な領域をいいます。基本的にはその領域は500hPa等高度線では曲率の大きな部分を結んだ線として解析することができます。☆トラフは低気圧の中心を起点として解析することが多いです。ここから曲率の大きな部分を結んでいって延ばしていくときに注意すべき点はトラフがあるのは正渦度域ですので負渦度域にトラフを解析しないことです。延ばした先に、正渦
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図について問題文の冒頭に説明があり、「北半球中緯度において水平方向にも高度方向にも一様な西風が吹く場があり、ある波動がこの場に重なった状況を考える。」とし、さらに「図は、そのような状態における東西方向の鉛直断面図で、等圧面pおよびp+Δp(Δp>0)の高度を細い実戦で、気圧の谷の軸を太い実線で示している。」とあります。ここで、pとp+Δp(Δp>0)がわかりにくい方は、例えば、p=500、Δp=200
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1・問2(3)今回は、図5(下)の地上気圧・降水量・風12時間予想図を用いて、太破線で示されている地上の気圧の谷付近で予想されている地上風の分布の特徴について気圧の谷の両側の違いに着目して述べよ、という内容の問題を考えてみます。まず、前回の問題編でも少し述べましたが、地上の気圧の谷を挟んでこの付近の南西側と北東側の風向・風速を示す矢羽のデータに着目しようにも、そのデータが乏しく、したがって、矢羽
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(a)(b)まず、気温について考えてみます。二つの等圧面間の高度差のことを層厚(そうこう)とよんでいるんですが、実は単位面積あたりの気柱で考えた場合、Aの等圧面間の気柱の重さとBの等圧面間の気柱の重さは同じになります。それでは、AとBの気柱の重さは同じなのに高度差、つまり層厚に差が生じる原因は何かといいますと、気温の違いによるものです。A付近では層間の空気密度が小さい、つまり空気を構成する気体の分子が活発に飛び交
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問2(1)トラフの解析の問題につきましては、これまでも何度か採りあげました。今回の問題も解析の基本的な方法を交えて考えてみます。解析は正渦度域で等高度線の曲率の大きな部分に着目して行います。今回のケースは一見わかりやすそうに見えて十分にトラフが深まってなく不明瞭な感じですので、正渦度の強い領域で、正渦度の極値、すなわち+141×10-6/sや+141×10-6/sを参考にして記入しますと、下の図の
こんばんは。今回の一般知識は、大気の力学についての問題です。本文の下の東西鉛直断面図のようになっている場合、気圧の谷の軸と南北方向の熱輸送について述べられた本文中の下線部は正しいと判断できるかどうか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。27日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。今回は、前問の本文中にある下線部の部分、「低気圧は、その後も発達が予想される。」の根拠を問う内容の問題です。問題では、24時間後の11日9時以降に予想される地上低気圧と500hPaトラフの関係について発達に最も寄与する500hPaのトラフの図5における位置を明示して述べよ、という少し細かい指示で解答が求められています。24時間後以降も発達が予想されると言えるのはなぜかも含めて次回一緒に考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験1・問3※記事中の問題文及び図表
新年あけましておめでとうございます。本年も当ブログ「てるてる風雲録」をよろしくお願いいたします。第55回気象予報士試験がいよいよ今月に控えていますので、元日から早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2・問1(4)今回は、図5の気象衛星赤外画像において、破線で囲っている雲域に関連して300hPaトラフを解答図に記入する、という作図の問題です。これまで54回を数える気象予報士試験で300hPa天気図にトラフを作図するという問題は多分なかったっと思いますが、
こんばんは。今回は前回の続きで、図5の気象衛星赤外画像において破線で囲った雲域について、この雲域の成因に関連する300hPa面のトラフを解答図に実線で記入する、という作図の問題です。トラフの解析の要点を押さえながら次回、2021年の元日から一緒に考えてみたいと思います。今年も当ブログ「てるてる風雲録」をご覧いただきありがとうございました。2021年は素敵な1年になりますよう、お互いに頑張りましょう。どうぞ良いお年をお迎えください。第54回試験・実技2・問1(4)(解答用紙)解答用紙
こんばんは。今回の一般知識は、大規模な大気の運動から、温帯低気圧の発達についての問題です。問題では、中緯度の温帯低気圧が発達し、その発達過程が終了した段階における特徴について(a)~(c)の文の正誤を判断する形になっています。さてどういう特徴が現れるか、問題を解きながら次回一緒に考えてみたいと思います。第54回試験・一般知識※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。10月1日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1今回は、図2(下)の500hPa実況天気図に太線で描かれているトラフが、図6(上)の12時間後の29日21時にはどこに移動しているのか、5580mの等高度線と交わる経度を1°刻みで、またその間の移動方向を8方位で、移動の速さを5ノット刻みでそれぞれ解答せよ、という問いです。まずはじめにこの問いを解答するにあたって図6(上)を用い、予想されるトラフの位置を解析してみることにします。トラフの解析の際
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・一般知識(a)「一般気象学」p183の「温帯低気圧の発達の模式図」を見ながら考えてみることにします。図の上段が500hPa面天気図、下段が地上天気図を表わしており、また図の左側から、発達の初期段階を「第1期」、中央の発達期を「第2期」、右側の発達過程が終了した段階を「第3期」として表わしています。また図中において、塗りつぶしで表している範囲を寒気、ドットで表している範囲を暖気、500hPa面の低気圧と地上低気圧