病から回復したまひろに乙丸が道長の看病のことを告げた。悲田院で倒れた時の様子が少し蘇ったまひろは道長の面影を思い浮かべながらそっと微笑んだ。いい表情だ。父為時が徹夜で看病した道長のまひろへの思いをただならないと言って、まひろの世話をしてもらおうと虫のいい話をしてきたのに、話にならないと言った時のまひろの表情もよかった。道長が悲田院にやって来たのは、七年前の約束を果たそうとしているのかと思いを馳せていた様子もまたいい感じだった。このあたりの吉高由里子の演技はまひろの成長に合わせたかのように一皮むけ