ブログ記事1,768件
『徳興君を高麗王に——』キ皇后の鳴り物入りで出された勅書。玉璽の件で高麗へ赴く折、己が預かり持ってきたものの、直ぐに取り出す事はしなかった。断事官として、当事の外交については、皇帝より決定権を賜っていた。故に、高麗の現王の出方次第で、その勅書をどう用いるべきなのか、変わってくると思われたからだ。大方の予想通り、現王はあくまで対立の道を選ぶという。——青い事だ。名君とは斯くや。民の為、国の為、真っ直ぐに理想を描く。そして、それを成そうと試みる。その一途さは実に美しい。眩しいほど
「指示を待て。俺ひとりで行く」イムジャの異変を知ったあの時。後を追うというトクマンを皇宮へ残し、俺は唯ひたすら馬を走らせていた。イムジャがキ・チョルに拐われた。奴が目指すのは天門。行く先々でかき集めた情報から、確実にイムジャに近づいてはいた。しかし、あと一歩。あと一歩及ばなくて。店の柱に見つけた天界の文字。“괜찮아요”(大丈夫よ)一気に身体中の血が上がる。貴女はこんな時でも俺のことを想っていてくださるのか。俺が必ず行くと。だから待っていると。俺を信じている、と。.
おそようごじゃいます(*^-^*)今日も宜しくお願いします<(__)>明日はお休みなので、テンション高いです(*´艸`)では、早速!!!ANDZから参りましょうwwIGにUPされたミノ画像でごじゃいます。でも、これも結構UPされているものなので、通常のものと反転と二通りご用意しましたwwandz_official(IG)多彩に活用可能な‘𝑹𝑬𝑽𝑬𝑹𝑺𝑰𝑩𝑳𝑬𝑭𝑳𝑬𝑬𝑪𝑬’反転、いっきま~~す!少し顔がきつくなる?それでも
ソウルの夜景はこれで見納めになるだろう脳裏にしっかり焼き付けたごめんなさいさようなら遠くを見て小さく呟いたもう一度天門を潜り出ると見覚えのある石の祠見覚えのある風景を目にして小さく息を吐いた***ここにあの人はいるかしら恭愍王の御代だといいんだけど……とにかく今が何時なのか調べることが先決ねあの人がいない時代ならすぐに天門に戻らなきゃしっかりと笠を被り直し石祠の前から歩き出した
朝が来てウンスが目覚めた時にはすでにヨンの姿はなかったしかしこれまでと違いヨンがずっと自分と一緒に夜を過ごしていると知ったウンスは心の余裕ができたのか鼻歌まじりに朝の身支度を整えていた「ケ〜セラ〜セラ〜」気怠い体もヨンに愛された証だと思うと嬉しく感じるウンスヨンとミンソが四阿で抱擁していたことやチェ家の屋敷でミンソに言われた言葉が時折脳裏を過ったが…あの奥方には申し訳ないけどヨンは私のところに帰ってきてくれるって確かに約束し
もう少しで昼時を迎えようかという刻限、俺達二人は開京の町中を馬で進んでいた。「イムジャ、もういいでしょう」常歩にゆらゆらと揺られながら、大人しく俺の腕の中に収まっているこの方は、聴こえているであろう言葉にも無言を貫いている。「そろそろ機嫌を直して下さい」外衣の頭巾を深く被ったまま、ちらりとこちらを振り返った目元は赤く染まり、唇は小さく尖って不満を訴え掛けてくる。立ち上り続ける花のような香りに包まれながら、俺は今朝の出来事をぼんやりと思い返した。顔を洗う為の湯を器に張り、手拭いと共に部
軍議で大護軍は王様の客人が数日兵営に滞在すると言ったということは先刻大護軍の部屋に居たのはその客人であろうかサンユンは軍議中も先ほど会った女人のことを考えていたあんなに溌剌として笑顔の愛らしい女人は初めて見たそれによき香りが漂っていたきらきらした瞳で凛と俺を見つめ返し微笑んだどちらの御息女であろうか心ここにあらずのサンユンの様子はヨンやチュンソクには直ぐに気づかれた「滞在中は主にテマンが付く無
チェ・ヨンは近くの村の客棧へとウンスを連れて行った。ヨンは店に入るなり店主に一言二言告げると、勝手知ったるというようにウンスの手を引き、店の奥へと誘った。聞けばこの宿はスリバンが営んでいる宿屋のようだ。母屋から中庭に出てると、回廊があり、その先は別の建物へ繋がっている。中庭には色とりどりの花が咲き誇っており、その中には黄色い小菊の群もあった。ウンスはふと足を止めて、しばしその光景に見入った。そんなウンスの気配を感じてヨンも足を止め、ウンスの視線の先を見る。「綺麗ね」「気に
木々の緑も鮮やかな、新芽の芽吹く季節になった。タムがこの世に少しだけ慣れて、私もオンマ業に少〜し慣れた頃。夜中に泣いて起きる事が、ほぼ無くなったタム。おかげで私も、朝までしっかり眠れるようになっていた。(有り難いわ〜)そこで、タムのベッドを子ども部屋から夫婦の寝室へ移し、夜も親子3人で過ごすようになってしばらく。…ふ、と目を覚ますと、じっ…と、タムのベッドを覗き込んでいる人が——「お帰りなさい、ヨンァ。いつ戻ったの?」私は寝ぼけ眼を擦りながら、帰宅した夫の側へ寄った。「少し前
私のあの人…そう呼べるのはあなたしかいないあなたは私の特別な人だから真っ青な空を見上げる時まぶしい太陽に手をかざす時桜の花びらが舞う道を歩く時きらめく星空の下で願いをかける時いつの間にか隣にいて想いに心寄せてくれる人ただそれだけのことなのに胸が高鳴るの目が合えばその黒い瞳に吸い込まれそうになる私の想いの全てが溢れて涙がこぼれそうになるくらいずっとドキドキしてる何年たっても変わらぬ想いがここにある特別な人だから…その大きな身体ですっぽりと抱き締められたら
「日が暮れ始める前に発ちます」そんな俺の言葉に、茶を飲み干して空になった碗を両掌の上で回しながら、イムジャが伏し目がちに小さく呟いた。「そっか…もうここを出なきゃいけないんだ」いかにも残念だといった姿を見て、俺は密かに胸を撫で下ろした。この方に妻問う時、少なくとも我が屋敷に住まう事を嫌い、拒まれるという線は無くなったと見ていいだろう。(俺の元へ留まると、ようやく決心して下さったというのに。何と弱気な事だ…)そう自嘲する反面、油断は禁物だと自らに言い聞かせる。イムジャは高麗の水を飲ん
「旦那様お待ちしておりました」やっとヨンと二人きりになれてミンソは満面の笑みでヨンに話しかけた「何故此処に?其方が屋敷に入ること許した覚えはない」ヨンは明らかに怒りを含んだ口調で告げたがミンソは上目遣いで甘えるようにヨンに答えた「どうしても旦那様のお顔を見たくて父について参りました」ミンソとは真逆に眉間に皺を寄せ露骨に不快な表情を浮かべたヨンこの女人と同じ部屋にいるのは耐えられん胸くそ悪くて吐き気が
「こんなに急なお立ちとは……せめて食事を済ませてから行かれては」住職様が寂し気に勧めてくださる。ヨンが私を待ってくれている——その確信を得て、ここを離れる決意を固めた私は、お寺の皆んなに別れの挨拶をしていた。「今まで本当にありがとうございました。こちらで過ごさせていただいた事、忘れません。本当に、本当に……」「拙僧達もです……ウンスさんが居てくれて、どれほど……まことに、弥勒菩薩様のお導きでございました。有り難い事でした……」住職様は私に向かって手を合わせると、深々と頭を下げる。
己れの鼻先に、イムジャの纏う花の香り……イムジャの行動を予測出来ていた俺は、飛び込んできた柔らかな身体を、驚く事なく受け止めた。“はぐ”というのだそうだ。ただ…愛情表現だけでなく、親愛の情や感謝、慰安の時にもするのだ、というところが、若干気に入らないが。イムジャが俺にする“はぐ”は、まごう事なく愛情……俺は夫ゆえに。他の者とは違うのだ。アン家の客間に居た時から、イムジャはずっとおかしな様子だった。奥方の年はいくつか?随分若いのだろう、と言い出したあたりから、もしや…とは思っていたが。
【少し直接的な表現があります】【原作の雰囲気を大切にされる方にはお勧めできません】「きゃぁっ!ま、待って…!」チェ・ヨンの力強い手に半ば抱え上げられながら、自分の部屋へと引き摺り込まれた。いつもだったら、私が転んだりしない程度の足の運びを意識してくれるのに、今は驚くほどに乱暴な扱いをされている。大きな音を立てて扉は閉められ、足元にはがしゃりと鬼剣が放り投げられた。「…痛っ!」勢いのままに、突き当たりの壁に押し付けられた肩が痛む。チェ・ヨンはまるで逃がさないとでも言うように、私
どうしたら天門が開くのか。あの方は何と言っていた?訳の分からない天界語で、下手くそな文字で何やら書きつけて……。ああ、もっと聞いておけばよかった。あの時皇宮で、いつ開くのかわかったと言っていた。確か、次は67年後だとも……。……………いやそんなには待てるがしかし俺は馬上で溜息を吐き、空を仰いだ。少し離れた後ろから、テマンとトクマンも心配そうに着いてきている。馬に乗れるほどには回復した頃、都から内々に王命が届いた。『護軍チェ・ヨンは戻ってくるように』イムジャが拐われた
「俺は、どうでしたか」私の視線を逃すまじとばかりに、僅かに細められた切長の目が見据えてくる。(オレハ、ドウデシタカ…?)未知の言語で語り掛けられたと錯覚するほど、私の脳は音の響きを捉える事しか出来ない。しばらく咀嚼した後、ようやく昨晩の行為に対する感想を求められているのだと理解した。「ど、どうって言われても…」なんとか絞り出した言葉も、喉に絡んだ上に何の意味も成してはおらず。過去にも、こんなふうに聞いてくる男がいなかったわけじゃない。(私、その時は何て言ったっけ。確か…)『悪く
朝からテマンがやってきた迂達赤の衣を持ってきたのだしぶしぶ迂達赤の衣に着替え髪もまとめたウンスヨンはすでに着替えて少ない荷物をまとめていたが迂達赤二等兵ユ・ウンスの姿を見てにこっと笑い頭をぽんぽんとした何処となく朝から不機嫌そうなヨンだったのでその笑顔に安心しきゅんとしながらももしかして昨日寝ちゃったから拗ねてるのまさかね〜でも今日から兵舎でしばらくできないし…ってやだこんなこと考えちゃうなんて私の方が欲
「ヨンァ。ご飯にしましょ」典医寺の私の部屋の、窓辺に座ってヨンが外を眺めていた。振り向いたその顔には、火傷の痕が残っている。私の技術を持ってしても、元のように綺麗には治せなかった。あれからひと月余り。あの爆破事件で、助かった人、亡くなった人……ヨンのおかげで命拾いしたとはいえ、重臣たちもかなりの重傷だった。イ・ジェヒョンなどは、高齢も重なり未だ床に伏せたままだという。ヨン自身も、繋ぎ合わせた右手がうまく動かせず、今もリハビリを続けている。あの事件で皇宮の状況は大きく変わった。
〝奥方のところに行かないで〟本当の心の叫びははっきりと言えなかったウンスそれでもヨンア困らせてごめんねでもありがとう貴方にとって約束という言葉がとても重いってこと私わかってるだからその約束してくれた気持ちだけで私しあわせよ「ヨンアありがとう!でももし約束を破ったらきつ〜いお仕置きするからね!」ウンスは少し戯けながら嬉しそうに微笑んでまたヨンに口づけたイムジャの仕置きがどんなものかちぃと興味はあるがイムジャを裏切ることはできぬヨンも応え
「〝医仙〟無事帰還の知らせ余も安堵した大護軍チェヨンよまことに大儀であったなんなりと褒美を申せ」宣仁殿で王の前に跪き帰還の挨拶をしたヨンの耳に信じられない王の言葉が聞こえ重臣たちにも動揺が広がった「王様〜大護軍と共に参った女人はまことにあの医仙でございますか?」重臣の一人が問うた「そうじゃ天はこの高麗に再び天人を遣わせてくださったのじゃ」チェ・ヨンの開京到着の喜びは一瞬で消え去りウンス
痛いくらいの動悸をどうにか深呼吸で治めつつ、私は格子窓を開けて、夕暮れ時の冷えた空気を部屋へ取り込んだ。まだ熱を持っているような唇を、そっと指先でなぞってみれば、先程までの様子が鮮明に蘇ってくる。かつて与えられてきたものとは全く違う、熱く苦しいだけの乱暴な口付けだった。それでも今までで一番、剥き出しのチェ・ヨン自身に触れる事が出来たような気がする。(私は結局、あの人なら何でもいいんだわ…)いっそ清々しいほどの諦めの気持ちになって、私は気を取り直し、手早く荷物をまとめ始めた。『三日の間
マンボ姐とペクを連れて賛成事キム家の裏口に着いたイルファ「そんなに緊張しなくても大丈夫だよイルファさん騙すんじゃない本当のことを教えてやるだけさイルファさんは合図だけ送ってくれたらいいよ」「そうだよイルファさんうちらが勝手に喋るからイルファさんは頷いてるだけであとは自分の荷物をまとめてくれてたらいいんだよ」***昨夜急遽チェ家の離れへと移り住むことになったイルファこれまでの使用人部屋とは雲泥
「い、一緒に…一緒に入らない?」緊張のせいで掠れて聞き取れないほど小さく、あまりに情けない声で言った言葉に、チェ・ヨンは意味が分からないとでも言うように聞き返した。「…は?」「えっと、だから。一緒に入らない?って…」「そうではなく」信じられないものを見るような目付きを向けられて、恥ずかしさで居た堪れなくなる。けれどこの人を離したくないと思った気持ちに嘘は無く、一度口に出したからには引き下がりたくなかった。「まだ傍にいたい。だめ?」「良識の範囲内で。俺はそう言いました」手を掴まれ
「今回は罰則を受ける事で収めて頂きたい。すみません、イムジャ」そう言ったきり、チェ・ヨンは黙然と唇を引き結んだ。(これ以上尋ねても、きっと答えは返ってこないわね…)ふと記憶を無くしてしまった件と同様の考えなのでは、と気が付いた。恐怖や不安を与えるであろう出来事が多すぎて、この人自身も私に伝えないという選択をした。きっと今回も、あえてペナルティを受けてまで、私の為に口をつぐんでいるに違いない。それなのに、当の本人である私が無理に聞き出そうとすれば、この人を困らせる事になるだろう。(怪
迂達赤達に喝を入れ、チュンソクに後を託した俺はテマンを呼んだ。思い出した。あの方と、北の地で別れる直前の事だ。北へ進軍しようという今になって、思い出した……すぐ飛んできたテマンに、俺は前置き無しで聞いた。「テマナ、あの時……俺がキ・チョルにやられた時の、俺の荷物はどうした?」「え?に、荷物?」突然の問いに、テマンが目を丸くして固まる。「俺の懐に書簡があったはずだ。覚えてないか?」しょかん……?呟いて黙り込んだテマンが、あっ!と手を打って「あ、ありました!えっと…た、
夜半を過ぎた頃。俺はチュンソクに警護を引き継ぎ、王様の寝所を後にした。あれほど騒々しかった宴もとうに果て、今では屋敷全体が糸を張り詰めたかのような沈黙(しじま)に包まれている。膠着した夜気を震わせるのは、立哨する兵達の身じろぐ気配と時折爆ぜる篝火の音だけだ。行幸啓は明朝からも続く。昨晩に続き、無理をしている自覚はあった。だからこそ例え浮寝であっても、身体を休めておかねばならんと頭では分かっている。しかしチェ家の屋敷を発つ際に見た、あの方の強がりな笑顔が目蓋の裏にちらついて、どうしよ
ヨンの部屋へと戻った私達は、荷造りをしながら明日の算段をしていた。「卯の刻(午前6時頃)には出発します。開京までは馬で参りますが、大丈夫ですか?」「大丈夫。馬とは今も仲良しよ」「王様が、お忍び故に馬で行かれるので。貴女だけ馬車という訳にはいかず……申し訳ありません」蝋燭の灯りが揺らめいて、彫刻のようなヨンの輪郭を照らし出す。「大丈夫よ。それより、貴方もお風呂に行ってきたら?私、部屋から出ずに大人しくしてるから」寝台を整えていたヨンが、チラ、と私を訝しそうに振り返る。「……部屋の
ウンスが寝返りをうった動きで浅い眠りから目覚めたヨン昨夜ウンスを見つけた時を思い出し郡守とジュファンへの烈しい怒りが蘇るとともに自分の手に取り戻せたときの安堵感は計り知れなかったそしてウンスがまた自分を受け入れてくれた喜び気持ちが昂って夢中で抱いたが思えばウンスは必死で声を堪えていただが昨夜はウンスも今までになく俺を求め何度も応えてくれたこの兵営にあまり兵は残っていなかったがそれでも巡回している以上気づいた奴もいただろ
「ねえ、本当にそこで待つの?」私が何度もしつこく問いかける言葉に、チェ・ヨンは仏頂面で頷いた。「万が一貴女に何かあった時に、少しでも近くに居なければ守れません」湯殿の前で番をすると言って聞かないこの人は、鬼剣を携えたまま、冷えた廊下に腰を下ろす。「そこに座ってられると、急かされてるようで落ち着かないんだけど…」チェ・ヨンは私の事を、言い出したら聞かない女だと思っている節があるようだけれど、私から言わせれば、この人にだけは言われたくない。「じゃあ、貴方がお湯を使っている間はどうするのよ