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【NYランデブー:第2話.天堂担ムーミン】スウェーデンに向かう七瀬を送り出し、成田空港から帰途に向おうとタクシーに乗ってホッと一息ついた途端、絶妙のタイミングで姉貴から電話が入った。「今、見送ってタクシーの中ってところかしら。展望デッキにはいかなかったんでしょう」「何で分かるんだよ。まるで仕組んだみたいだな」「私はそんな暇はないわ。さっきまで目が回るほど忙しかったもの」「姉貴にしては珍しいな」そうは言っても流子は一筋縄ではいかない。電話のむこうで口調が変わった。「
※こちらはドラマ『恋はつづくよどこまでも』の二次創作小説です。冬ソナ創作小説『世界は愛に満ちている』及び連載『連枝の行方』と、ホテリアー『ドンヒョクのいる風景』とのコラボ作品として創作致しました。【NYランデブー:第1話.ロマンチック空港】成田空港国際線第一ターミナル、佐倉七瀬の足取りはいつにも増して軽やかだった。喧騒と行き交う人の真っ只中、スキップは急ぎ足で誤魔化されるだろうし、ハミングしようが誰にも聞こえやしない。だから本当にやってみた。『だって嬉しいんだもの!最高に幸せなんだ
【天堂浬の回想:最終話.あの日の君に】年が開け新しい春が来て高校3年生になった天堂浬(かいり)は本格的な受験勉強に突入した。聖昂学院3年生として、剣道、バスケ、ブレイクダンスの三つの部活動も夏が訪れる前には活動を終了し引退した。浬は第一志望を父の母校でもある順天堂大学医学部とし、安定した合格圏内に位置していた。幼馴染みで同学年である鎌倉高校の海堂光太郎とは、以前のように多くは行き来出来なくなったが、連絡はよく取り合っていた。受験生の日めくりカレンダーは瞬く間に枚数を減らし、一年を終え、い