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PGT-Aについては、自身の施設で実施していないと生殖医療に携わる医師や培養士の方々もよく分かっていない部分があると思います。そこで、今日は、PGT-Aはどのような方に対して効果があるのか、ということを解説したいと思います。大前提として、単にふんわりと、PGT-Aは妊娠率を上げるとか上げないとか、生産率が上昇するとかしないとか、流産率を下げるとか下げないとか、色々言ったたりするわけですが、こうした場合は母集団や検査の目的を定めない議論に何の意味もないです。大切なのはどういう方のどういう場合
みゅぅです今日はBT23、6w0dです。出血や高熱など、色々あったんですけど…具合悪くて更新出来ず😭忘れずに書いておきたいと思います。○5w3d異常な眠気◯5w4d出血(500円玉3枚分の薄い赤〜茶オリ)やや気持ち悪い時がある◯5w5d出血(500円玉2枚分の茶オリ)やや気持ち悪い時がある、喉の調子悪い、痰◯5w6d(昨日)出血止まる起きたら声かすれて微熱。痰が出る、呼吸が浅い、目頭が熱い。1日中辛くて夜38.5度中々辛い1週間でした💦主人は症状は違えど37.5〜
胚移植のスケジュールにおいて、一度決定している移植日程を、あとから別の日に変更したい、というご希望や、あとから変更することはできるのか、というご相談を時々いただきます。今日はこれについてお話したいと思います。【ホルモン補充周期の場合】ホルモン補充周期の場合、移植日は、月経から〇日目、ということではなく、黄体ホルモン製剤(当院の場合はルトラールやウトロゲスタン等)を始めてから、初期胚なら3日後、胚盤胞なら5日後になります(紛らわしいので着床の窓がズレているケースはここでは触れませんが、各論
排卵してしまったのでしょうか、というのは外来で時々聞かれる質問です。排卵の兆候として皆さまがお感じになるのは、「おりものが増えた」「お腹が痛い」「(排卵誘発中の場合など)お腹の張りがラクになってしまった」などです。では、これらは本当に排卵の兆項なのでしょうか。「おりものが増えた」は、体内のE2(エストロゲン)が増えたことを反映しています。卵胞発育→E2増加→排卵、という流れがありますので、おりものが増えたあと排卵という流れは間違いではありませんが、排卵と直接関連があるわけではなく、あ
様々な治療の甲斐があって、無事に妊娠されたあとも、不安は尽きないことでしょう。エコーの時、診察の時に、皆様口々に「大丈夫ですか、順調ですか」とご質問されます。実際には妊娠中の発育は個人差が大きいのですが、意外と知られていないのは、体外受精児の妊娠初期の発育は、自然妊娠のそれと比べて数日程度(筆者の個人的な主観だと3~4日)遅めに見えることが多いことです。体外受精児が小さいというよりも、週数算定上の差なのかも知れません。ちゃんととったデータではありませんが、現場の実感としては、胎嚢(G
QBT10でhCG50台という低hCG値により、1週間後に再判定となりました。以前に稽留流産を経験していることもあり、どうしても心配で、同じ状況だった方々のブログをついつい検索してしまいます。私がいくつか見たブログでは、判定日に低hCG値でもその後妊娠継続できている方は、年齢が若い人達で、40代では見つけられませんでした。毎日たくさんの患者さんに接しておられる松林先生の感覚で、40代で判定日に低hCG値でもその後妊娠継続して出産されている方の割合はどれくらいですか。せっかくの陽性判定とはいえ
みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズも、今日で第7回となりました。バックナンバーもぜひご覧ください。月経中にみられる、ある程度大きな卵胞のようなものを、「遺残卵胞」という言い方をすることがあります。今日は、この「遺残卵胞」について解説いたします。日本産科婦人科学会刊行の産科婦人科用語集には、「遺残卵胞」という言葉はありません。というのも、「月経中にみられる、ある程度大きな卵胞のようなもの」は、実際には、色々な内容の
みなさん、こんにちは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズ、今日も番外編です。体外受精においては、自然周期、低刺激、高刺激等の方針があります。中には完全自然周期とか中刺激という用語を使う場合もあります。意外かもしれませんが、これらは、各クリニックあるいは医師が独自に表現・分類しているだけで、「こういうものを低刺激といいましょう」とか、「こういうのを中刺激といいます」という共通の明確な定義はありません。例えば、クロミッドだけを内服
本論文は、モザイク胚および異常胚のTE細胞は高頻度でアポトーシスが生じていることを示しています。HumReprod2024;39:709(スペイン)doi:10.1093/humrep/deae009要約:2019〜2022年にPGT-A(NGS+SNP)を行った43組の夫婦から提供していただいた64個の胚盤胞(うちモザイク胚27個)を対象に、総細胞(DAPI+)、TE細胞(GATA3+)、ICM細胞(GATA3-/NANOG+)、アポトーシス細胞(カスパーゼ3+orTU
腸内細菌叢に詳しい、京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学講座教授「内藤裕二」先生のお話を紹介します。医師協Mate2023;336:7(日本)要約:日本の14〜101歳の男女1,803人の糞便を遺伝子解析し、腸内細菌叢を次の5つのタイプに分類しました。多い菌種食事の特徴健常者の割合タイプAルミノコッカス高蛋白、高脂質食4.9%タイプBバクテロイデスバランスの良い三大栄養素26.6%タイプC
以前のブログで、理論上ではこうであるというようなことは必ずしも実測統計と一致しない(理論が実態を忠実に示すとは限らない)、ということを説明しました。理論的にはこうなるはずなんだけど、実際にには、そうではない、ということは医療に限らず世の中いくらでもあります。もちろん、実測統計も、その統計の取り方によって簡単に結論がフラフラしますので、実測統計が常に真実というわけでもありません。例えば、吉野家と松屋はどっちが美味しいか、セブンイレブンとファミマはどっちが人気があるか、スーパードライと一
みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズも、今日で第12回となりました。こんなご時世は勉強がはかどる、今夜も「生殖医療解説シリーズ」をよろしくお願いします。まずは、おさらいですが、日本産科婦人科学会は、次のように定めています。「生殖補助医療の胚移植において、移植する胚は原則として単一とする。ただし、35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立であった女性などについては、2胚移植を許容する。治療を受ける夫婦に対して
外来診療において、もちろん、陽性のお話しばかりたくさんできれば一番いいのだが、妊娠率が100%でない以上、どうしても陰性のお話しもすることになる。その中で一番聞かれるというか、ほぼ必ず聞かれる質問は、「なぜ着床しなかったのでしょうか、何が悪かったのでしょうか」ということである。過去記事「原因を知りたい」についても色々書いたが、原因を究明することは必ずしも容易ではない。もちろん、明らかに途中のホルモン値がよくなかった、融解後の胚の状態がよくなかった、移植後に高熱を出した、子宮内膜が薄かった等
たまには(?)マジメなお話を。今日は胚移植のお話です。胚移植は、今までの諸検査、卵巣刺激(排卵誘発)、採卵、授精(受精)、そして凍結融解を経て、生殖医療の集大成です。胚移植は、する側もされる側も緊張する瞬間ではないかと思います。では、胚移植は果たして難しいのでしょうか。胚移植の難易度に関連する要素としては、1)医師の技術(経験数)2)医師の技術(その医師のセンス、上手さ)3)患者さんの子宮の状態4)医師と患者さん(の子宮)の相性5)その施設が用意している胚移植のカ
こんにちはちょっといろいろあって、しばらくブログ書く気になりませんでしたリプロ東京11回目採卵周期のつづき(この周期が、メンタル的に落ち込みました・・・)D21ゴナール・セトロタイド継続D24診察、採卵日決定(6つの予定)D29採卵⇒刺したのに、途中でやめて、オペ室では特に説明なし。⇒診察室で、”1つは取れましたが、他は排卵済みだったようです。”⇒(別のCLで排卵済みを経験したことあり、その際には刺す前に分かっていたので)”刺す前に分からないんですか?”
★37~38歳不妊治療経過を記録します★●2018年4月不妊治療開始はらメディカルでポリープ掻爬、採卵2回、移植3回で①陰性、②化学流産、③化学流産全て4AAの卵●2019年4月リプロ東京へ転院(BCE検査に向け①ビブラマイシン服用)●2019年5月リプロで5個採卵→4個受精→4個凍結(4AA×2、4AB×1、G2×1)BCE検査で慢性子宮内膜炎陽性になり治療開始(②シプロフロキサシン&フラジール服用)●2019年6月
Q原因不明不育症のため、免疫グロブリン、ピシバニール、プレドニン等は経験しましたが、それでも残念な結果になった為、今回はそちらは触れずに質問させてください。数回流産経験がありますがいつも妊娠後のE2が低いです(黄体機能不全ですが、自然周期の方が妊娠後の数値がまだマシな為、自然周期での妊娠が多いです)。E2値BT7‥150BT14‥448BT21‥430BT28‥415BT35‥370ちなみにBT7の判定日にE2が低いということで、ウトロゲスタン1日2錠→4錠へ、プロギノーバ
みゅぅです判定日ブログには沢山のいいねとお祝いコメント頂きましてありがとうございました😭✨✨✨✨✨ここからは胎嚢確認、心拍確認が大きな壁です‼️頑張って行きます‼️さて本日はBT165w0dでリプロ通院日です。1週間長かったですー💦💦💦緊張の胎嚢確認…最近の症状はこんな感じ。⚫︎鼠蹊部辺りを引っ張られるような感じ(片方ずつ)⚫︎胸の張り、乳首のスレ(日による)⚫︎トイレが近いで、本日5週に入ったからか水下痢の腹痛と呼吸が浅い、軽い吐き気、軽いクラクラ。これってつわりなの?
Q二段階移植を予定したダクチル服用についてリプロでは移植日から飲むことになっているようですが、通院先では二段階移植ということもあってか黄体ホルモンの開始日から飲むようにと言われています。①そこまで早くから飲んだ方がいいのか、それとも移植日2、3日前からとか当日からとかいつから飲んだ方がいいのいうのはあるのでしょうか。②リプロでは二段階移植の場合は、初期胚移植日から飲むのでしょうか。③もし黄体ホルモン開始日など早めから飲んだ場合、移植結果にマイナスに影響することはあるのでしょうか。以
NIPT登場後、NIPTは、「採血だけで分かる」「お腹に針刺したりしない」「赤ちゃんにもリスクがない」「精度が高い」ということで、大きく話題になりました。では、NIPTの実際の流れはどういったものなのでしょうか。NIPTを受けるきっかけは様々ですが、ご夫婦の希望で自発的に受ける場合と、他の出生前診断(母体血清マーカー検査やコンバインド検査、超音波検査等)で異常があったり年齢が高い等、検査を受ける理由付けが高いと思われる場合があります。NIPTは妊娠9~10週くらいから受けることもできま
Q28歳で結婚、現在35歳、妊娠治療歴約3年、PCOS2019年1月採卵、56個卵回収、成熟卵41個、32個顕微授精、初期胚凍結12個、24個継続培養→胚盤胞15個凍結。移植①(4AA)→陰性移植②(4AB)→7w流産(心拍確認前)で手術移植③(4AB)→7w流産(心拍確認前)で手術夫婦染色体異常無し2回流産のため、PGT-A5個実施し、正常胚2個移植④(5BB正常胚)→陰性移植⑤(3BC正常胚)→陰性ERA検査→着床の窓にズレあり(19:00~25:00が最適)→
みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズも、今日で第9回となりました。バックナンバーもぜひご覧ください。今日は、黄体ホルモンについて解説します。黄体ホルモンは、いわゆる天然型黄体ホルモン(プロゲステロン)と、合成黄体ホルモン製剤(黄体ホルモン類似物質)に大別されます。血液検査で測定できるのは、このうち天然型黄体ホルモン(P4)のみです。ちなみに、いきなり脱線しますが、なぜ、天然型黄体ホルモンがP4というかについては、エ
皆さんこんばんは。今日から、妊娠後解説シリーズと題して、産科的なことも解説していこうと思います。「いやいや、これから妊娠しようと思っているところに、気持ちを乱すことを書いてくれるな」と思われるかも知れませんが、いつか来るかもしれないその日になって、あれこれ急に心配になる方も少なくありませんので、内容に注意しながら色々お話していこうと思います。今日は、妊娠週数の数え方についてお話します。基本的なことのようで知っているようで知らないことと思います。まずは産科診療の歴史からひも解いて
4月のアクセス数ベスト10の記事は次の通り12021.5.13「☆hCGの増加率が低い場合」22022.5.19「Q&A3301判定日のhCGが低いです」32024.4.19「Q&A4002凍結卵子41個で思うような結果が出ません」42024.4.4「Q&A3987妊娠15週、子宮内胎児死亡でした」52024.4.9「Q&A3992胎児発育がゆっくりです」62024.4.17「睡眠と妊娠」72024.4.21「Q&A400443歳、流産3回」8202
Q40代半ば、顕微授精で3年間不妊治療中過去に、稽留流産1回(判定日のhCG98)、化学流産1回(お休み周期で妊娠に気がつかず、D30での確認判定でhCG9.7)を経験しています。それ以外の移植ではhCG0.0で陰性でした。その後、転院して自然移植周期で初期胚2個(8G1+12G2)を移植した際に初めて、hCG4.7という微妙な数字が出ました。現在通っているクリニックでの陽性判定はET10でhCG>5.0です。自然周期移植の際に、排卵トリガーでhCG10000単位を打っていますが、
みなさん、こんばんは。ふと、生殖医療解説シリーズを半月も書いていないことに気づきました。最初からこのブログをお読みではない方もおられると思いますが、このブログは一定の更新頻度を守るのではなく、筆者が心から書きたいと思った題材ができた時に書き始め、納得のいく記事ができた時だけアップする、というスタイルで行きたいのです。が。半月はちょっと長いです。これでは読者離れしてしまう。どうしよう。ということで、今日はニーズな高そうな題材に挑戦してみました。過去記事でも類似記事は書きましたが、今日の題材は
「生理が来ない」というのは、一般婦人科で最もよくある質問の1つです。無月経とは、通常、おおむね3ヶ月生理が来ないことを言います。婦人科学的には、生理が遅れることはさほど珍しいことではなく、最終月経から3ヶ月以内の場合は生理が遅れているだけで病的とまでは言えない、、、のですが、とは言え、生理が遅れれば、どうしたらよいだろう、どうしてだろうと心配になるものです。私たちは、生理が遅れたという患者さんを診た場合、まず最初に妊娠しているか否かの判断を行います。私たちが産婦人科医になって最初に厳
昨日に続いてこんばんは。前編はこちらホルモン補充周期と自然周期の凍結胚移植はどちらが妊娠率が高いかさて、昨日は、実は結論を出さないまま、その方に合った治療方針を選択するべきだ、とだけ書いて、結論を書いておりません。やや題名を変えて、結局どうしたらよいのか、ということについて、それぞれのメリット・デメリットをもとに考えてみましょう。①ホルモン補充周期・利点、得意ポイント卵胞発育や排卵日を一切気にしなくてよい(何しろ排卵しない!)黄体機能不全を気にしなくてよい日程
Q39歳PGT-Aにて得た3BCの正常胚を移植し無事陽性判定をいただいたのですが、hCGが高すぎて喜べず不安な日々を過ごしています。BT14βhcg6832(胎嚢5.9mm)BT16胎嚢7.8mm、卵黄嚢確認までできているため、子宮外妊娠は否定できそうです。胞状奇胎の所見は見られていませんが、一卵性双生児の可能性と共にまだ経過観察中です。血中hCGは個人差が大きく、双子や絨毛疾患を除外できれば、高いのは良い事と聞きますが、ネットで自分で探せる範囲ではあまり見かけない高値なの
始まりがあれば終わりがある、不妊治療には様々な終わり方があります。理想は無事に妊娠出産し、欲しいだけ出産してやり切って治療を終結するパターン。1人でよいという方から、4・5人目を治療する方まで様々です。1人目は出産できたが、2人目治療でうまくいかず、様々な理由で治療断念という方もおられます。子育てをしながらの通院は、時間的な制約も大きく、また経済面では治療費の工面自体はできたとしても、(夫婦だけの時は節約しながら治療もありだが)できるかどうか分からない2人目のために目の前にいる子に十