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ヒチョルが約束の場所、日本式料亭に着くと個室にはもうチャンミンが待っていた。「すみません、遅れまして」「いいえ、キム室長。私もちょうど今来た所です」チャンミンは、血の気のないヒチョルの顔色を見て驚いた。さすがにここ数日、寝る間も惜しんで奔走していたか…。ヒチョルは席に着くと、料理に手を付ける前に話し始めた。「もうご存じかと思いますので、単刀直入に申し上げます。是非チョン家のお力を貸していただいて、マスコミの報道を押さえて頂きたい」「キム室長、分かっていると思いますが…そ
「あのね、ユノ兄…」シートに体を預け、窓の外ばかりを見ているユノ。それでもグンスは体をねじり、ユノに体を向けて話した。「ユノ兄、僕…アメリカに行かされるかもしれないんだ…」「アメリカ?」「ガンホ兄に、僕がゲイだってことがバレた。ガンホ兄は僕をアメリカに追いやるつもりだ」「いいんじゃね?アメリカで暮らすのも悪くないんじゃないか?」「い…一緒に行かない?」「は?」「お金の事は心配いらないよ!ホラ見て!」グンスは、父に貰った10億ウォンが入った通帳をユノに見せた。
あらかたの撮影は終了し、次の日も夜の撮影だけだったため、今日はみんなで思う存分美味しい料理やお酒を堪能することにした。「おっつかれ~」メンバー達を始めスタッフも揃い、中打ち上げが始まった。ジェジュンは、皆にお酒を配ったり、スタッフと談笑しながら料理を取り分けたりして、こまごまと動き働いた。「ジェジュンさんも座って!飲んでください!」テフンは、思ったよりよく働いてくれたジェジュンに、お酒を勧めた。「いやぁジェジュンさんに来てもらって本当に助かりました。ジェジュンさんが来てく
次の日、朝食の為レストランに降りると、ユチョンとジュンスがコーヒーを飲んでいた。昨夜は熱い夜を過ごしたのだろう、ユチョンは「やぁおはよう!」とキラキラした笑顔を見せ、隣でジュンスは気だるげに肘をついていた。「おはようございまーす♪」元気そうなジェジュンの姿を見て、ユチョンはアレレ?と思った。もしかしたら今朝は起きて来られないのでは?と思っていたから。「え?ユノ兄…?もしかして、まだ?」「うるさい!今、段階を踏んでいる所だ!」旅行に来てまでもヤらないなんて、ユノ兄はよ
「ユノやーイロナ~(起きて)ん~?」眩しい朝日が白いカーテン越しに、部屋いっぱいに入ってくる。眠っているユノの真上から顔をのぞき込む、可愛い恋人。ユノはすかさずジェジュンの体を抱き寄せ、素早くシャツの中に手を潜り込ませた。「も―ユノ、今日は打ち合わせでバンクーバーに行くんじゃなかったの?」「あ、そうだ」ユノは起き上がり、チュッとジェジュンにキスをした。「朝食出来てるから。早く食べて♡」「うん」寝ぐせ頭のままダイニングに向かうと、テーブルでモリモリ朝食を食べて
爆弾を落としたジェジュンは、結局そのまま眠り続け、疲れていたのか、起きたのは次の日の夕方になっていた。「あー!!せっかくのOFFがぁ…」三か月ぶりのOFFを一日寝て過ごしてしまい、頭を抱えるジェジュンに、ユチョンが水を持ってきた。「ハイ、ジェジュン兄」「あ、あぁ…ユチョンありがとう。チャンミンは?「出かけた。たぶんジュンスと」「そっか」ユチョンはジェジュンの隣に座ると、フンッと鼻息を荒くした。「ん?どうした?ユチョン」「…昨日の事、覚えてるんだよね?ジェジュ
10日にお知らせするつもりが、Twitterでフライングしてしまったので。←PC音痴こちらでもお知らせします。「キョウルの妄想小説別館」です。キョウルの妄想小説別館ユンジェ小説書いています。5人出てきます。妄想小説です^^kyouru9.blog.fc2.com詳しくはまた明日。新しいお話「星に願いを」を2話分アップしてますので。どうぞよろしくお願いします。
僕の小さな願いも、神様は聞いてはくれなかった。ジェジュン兄が高3になった時、ユチョン兄の持病が悪化した。今まで薬で何とかなっていた病気が、輸血をしないとままならなくなった。ただ、輸血さえ出来れば普通の生活が送れるのは、幸いだった。だけど、その血液は特殊な血液だった。ユチョン兄の血液型はRH-のAB型。そしてE抗体がマイナスである事。この血液は、100万人に一人という血液で、外から入手することは困難を極めた。ただ、ジェジュン兄がユチョン兄と全く同じ血液であったことか
ジュンスは部屋に帰り、風呂から上がったユチョンに尋ねた。「ねぇユチョン、18でヒートが来てないってどう思う?」「は?18?そりゃ遅いだろ。なんか問題があるんじゃねーか?誰の事だ?」「ジェジュンだよ。まだ来てないんだって」「一回診てもらった方がいいかもしれねーなぁ。連れてってやれよ」「うん。一緒に行ってくれる?」「はぁ?何で俺が…」結局ジュンスに押し切られたユチョンが、オメガ専門の病院に連れて行ってくれることになった。「すみませんユチョンさん」「別に。ジュンスがうるせ
病院にジェジュンを連れて行き、手当てを受けさせる。ガラスで切った足には、包帯が巻かれているが、大事には至らなかった。ジェジュンは安心したのか眠ってしまい、頬に付いた青あざを見て、再びユノの怒りに火がともる。チャンミンが来て、ジェジュンの痛々しい様子に眉をひそめた。「ユノ兄、ジェジュンは?」「大丈夫だ。目が覚めたら家に連れ帰ってくれ」「行くんですか?」「あぁ。二度とこんな事させない」「分かっているでしょうが…一応あの人は、あなたの母親だという事を忘れないで」「うるせぇ」
おはようごじゃいます~‼昨日までずっと雨が続いてて更に寒くて急に寒くなったから何を着ていけばいいのかわからないそんな毎日でしたが、やっと今日、晴れた~✴少しは暖かいといいなー。(寒いの大嫌い)大興奮だったユノがくれたカルティエ爆弾💍少し冷静になってから考えるとますますガチなんだなと思わせてきて、リアルすぎて震える!!!オソロな上に、ウエディングリング💍なんて、マジで隠す気ないんですかね??この二人。ユンジェがガチだってずっと思ってきたし、二人の幸せをずっと願ってきたし、ジェ
打ち合わせにユノのオフィスに顔を出したチャンミンが、珍しく携帯と睨めっこしている。「なんだ?」ユノが画面をのぞき込むと、犬ぞりレースの動画を見ていた。「知りません?カナダでは毎年犬ぞりレースが行われるんです。僕がカナダにいた頃はまだ子供で参加できなかった。いつか参加したいと思っていたんです」「お前、カナダ行くのか?」「…アナタのそういう鈍い所…はぁ~…ジェジュンさんに同情しますよ」「は?ジェジュン?」「ジェジュンさんに頼まれたんですよ、カナダで仕事をするかも
※このSceneをもって、このお話は未完で終わります。詳細はこちらをお読みください。いらっしゃいませ。お越しいただき、ありがとうございます。はじめにお読みください。https://yunjaelica.blog.fc2.com/blog-entry-1.html♕-D-U-E-T-Scene30.SwelteringNight–熱帯夜#21-D-U-E-T-Scene30.SwelteringNight-熱帯夜#21-Yun
僕たち3人は、身を寄せ合って暮らしていたが、一つ、困ったことがあった。「おーチャンミン、なんか食うもんあるか?」ズカズカと家に入ってきたのは、ドンジン叔父さん。僕の父さんの弟だ。ドンジン叔父さんが、僕たちの身元引き受人になってくれたから、未成年の僕達は一緒に暮らせている。でも僕は知っている。ドンジン叔父さんが、僕たちの身元引受人になってくれた代わりに、ヒョンが保険金のいくらかを、叔父さんに渡したって事。ユチョン兄は、この叔父さんが大嫌いだった。ドンジン叔父
「ジェジュン~これどこに置けばいい?」「あぁコッチ!その段ボールはバスルームに置いてー」「はいよ~」「ありがとうジュンス。あとでご飯作るから食べて行ってね」日曜日の朝から、引っ越し作業にいそしんでいたユノとジュンスとジェジュン。ジェジュンはユノの指示通り、新居で運ばれて来た荷物の荷解きをやっていた。日当たりの良い一階の部屋で、もうジェジュンが階段で苦しむことはない。ユノの荷物は驚くほど少なく、特にキッチン用品は皆無だったので、キッチンにはジェジュンが買ってきた荷物が溢れてい
「行ってきます」「行ってらっしゃい。車には気を付けて」チャンミン兄とは、あれ以来ユノの話はしていない。顔には出さないがずっとチャンミン兄は怒っているし、いまでもユノの事は認めていない。でも、僕が心療内科で倒れたことを、チャンミン兄は気にしているようだ。忙しくて仕事を抜けられなかったチャンミン兄は、自分の代わりにユチョン兄を迎えに行かせたことが悪いと思っていのか、あまりその事について触れてこない。僕はあの日、とても頭が痛かったけど、薬を飲んだ事で調子は戻っていた。今までな
物心ついた時から、僕はオメガ専門の保護施設にいた。ここには捨てられたオメガの子供達が30人ほど、国の支援金で暮らしている。アルファに無理やり襲われ出来た子供、生まれた子供がオメガだったため捨てられた子供、番解除が出来なくて処理されたオメガの子供…。オメガ保護法が出来てから、捨てられるオメガの子供は減ったが、それでも時々つれて来られる。僕がどういう経緯でここに来たのかは分からない。ただ分かっているのは、僕が「捨てられた子供」という事だ。園長は僕たちに言う。「養子に行くのが、君
ドラマの撮影は最終話を残すのみとなっていたが、放送は中盤に差し掛かったあたり。世間でも話題のドラマの二人とあって、バラエティーも情報番組も、もろ手を挙げて二人を歓迎した。初めに出た情報番組で、ジェジュンはユノが言った意味をすぐ理解することになった。「今話題のドラマ、ユアンとミョンから、ユンジェカップルのお二人が来てくれています!」司会者の大歓迎する声に、ユノ兄が前に立ちゆっくりと司会者に向かって歩く。ユノ兄の今日のいで立ちは、なんてことないグレージュのパンツに白いシャツ
「私の話を最後まで聞いてもらえますか?」それからシンドンは、どれだけジェジュンが美しい透明感を持っているか、長年スカウトを仕事としてやっているが、こんな事は初めてで嬉しくて仕方が無かったから、たまたま見舞いに来ていた病院にも拘らず、声を掛けてしまった、と力説した。ジェジュンはくすぐったそうに、時折ヒチョルに視線を送り、それでもちゃんと聞いていた。「私…この企画にかけてきたんです。このモデルには絶対ジェジュンさんがハマるって。やっと私にも運が向いてきたかなと。実は、お恥ずかしい話
ユノは電話を握り締めていた。ジェジュンからの電話はなく、ユノがかけなおしても全くでなくなった。おかしい…絶対何かあったんだ…!立ち上がり、うおおおと走り出したユノの腕をチャンミンが掴んだ。「ちょっと!どこ行くんです?撮影始まりますよ!」「悪いチャンミン!非常事態だ!俺は行く!」「非常事態って…まさか、ジェジュンさんに何かあったんですか?」「説明している暇はない!俺は行くから!」チャンミンの手を振り切り、ユノは猛ダッシュで走り出した。チャンミンはチッと舌打ちす
ユチョンは高校を卒業し、家の近くのカフェでアルバイトを始めた。料理を覚えるため、厨房にも入らせてもらっているようだ。夢が出来たことで生き生きと毎日を送るユチョンは、楽しげで元気そうだった。そんなユチョンを、ジェジュンもチャンミンも嬉しそうに見ていた。チャンミンが2年生になったことで、受験への準備が始まった。毎日遅くまで勉強をするチャンミンの為に、ジェジュンは夜食を作ったり、健康を気遣ったりとより一層チャンミンに構うようになった。ユチョンも仕事には慣れてきたとはいえ、アルバ
ジェジュン、お誕生日おめでとう!って事で、今日・明日はユンジェおとぎ話をお送りします♡キツネの兄弟のチャンミンとジェジュンが住む山に、今年も寒い寒い冬がやってきました。山は白い雪で覆われ、冷たい風が吹き、川も凍ってしまいました。ある朝、子ぎつねのジェジュンが巣穴から顔を出すと、キャーと叫びました。「チャンミン兄!おめめに何か刺さった!」慌ててチャンミンが、ジェジュンの目を確認しましたが、何も刺さってはいませんでした。「何も刺さってはいないよ。大丈夫」
「約束がありますので…」何とかそれだけ言って、コーヒーショップを飛び出した。『昨日はクラス会だったんだろう?その後誰の所に泊まったんだね?』部長の言葉は、いくら鈍いジェジュンでもわかった。誰の所に泊まったって…俺が家に帰らなかったことを知ってるって…それって…。動揺して立ち止まったジェジュンの携帯が鳴った。見ればチャンミンの文字。ジェジュンは茫然としながら電話に出た。「も、しもし…」「ジェジュンさん、忘れ物をしてましたよ」「あぁ…そ、う…また…こんど…
ちょっとした用事があり、母校の大学を訪れたヒチョルは、慣れ親しんだ懐かしいキャンパスを歩きながら当時の事を思い出していた。同期のシンドンと仲良くなり、夢を語り合ったあの日。俺たちのロールモデルは「シムチャンミン」だった。大学在学中に起業し成功をおさめ、それを足掛かりに多様な事業を展開する。シムチャンミンは俺たちにとって、憧れの存在であり、雲の上の人だった。すると、この大学にシムチャンミンの弟が入学してくるという噂を聞きつけた。俺とシンドンは、シムチャンミンの弟を探した。
シムハギュンは、イトゥクが入れたお茶を一口飲んで話し始めた。「ジェジュンの母親は10代でジェジュンを産んだ。だがそれは望んだ妊娠ではなかった」ジェジュンの母親キムミヒは10代で妊娠しジェジュンを産んだ。ジェジュンの父親である男は、妊娠を知ると逃げてしまい、ミヒは一人で子供を産んだ。身寄りもなく10代の母という事で、産んだ子を養子に出すかどうかを迫られたミヒだったが、産まれたばかりのジェジュンを手放すことは出来なかった。ミヒは、一人でジェジュンを育てる決心をした。「だが現実
ジェジュンが退院したのは、事件後数週間後だった。せん妄も治り、脳波にも異常は見られなかったが、以前の事もあり、定期的に通院するよう言い渡された。ジェジュンは会社に復帰したが、地方の子会社に移動を言い渡された。それは左遷を意味している。納得がいかなかったが、会社の言い分は問題を起こしたのは部長とジェジュン二人という事になっており。喧嘩両成敗のような扱いに、ジェジュンは不満を覚えた。あんなに優しかったチーム長も、何一つかばってくれなかった。「いい人だと思ったんだけどな~。あ
ソラが帰り、ほどなくしてヒチョルから電話があり、チユンソクに代われと言われた。ヒチョルの大げさな声が、電話口から聞こえてきた。「チユンソクさん、ズルいじゃないですか!僕だってチユンソクさんのお家にお邪魔したいですよ!今から行っていいですか?」ヒチョルはそう言って(大ウソ)駆けつけてくれた。ヒチョルが来た事でご機嫌になったチユンソクは、最初の苦い顔はどこへやら、とても嬉しそうな顔になっていた。「おい、キムヒチョル!彼は良い!よい青年だ。しっかり育ててやれ」正直ソラを帰す
夜9時を回った頃、会社にはもう数人しか残っておらず、ジェジュンはそろそろ帰ろうかと思っていた。その時、ジェジュンの携帯にジュンスからメールが入った。『ジェジュン兄、ユノ兄どこ行ったか知らない?連絡が取れないんだ』ジェジュンは嫌な予感がし、すぐジュンスに電話した。「ユノがいなくなったって?」「分からない。店に来ないし連絡ないし、電話も繋がらない。ユノ兄、絶対に無断で店休んだりしないんだ。遅れる時も絶対に連絡くれるから…心配で…」「家には行ったの?」「まだ…。僕も仕事あるし
おかしい…。ジェジュンが帰ってこない。また転んでいるのかと思い、施設に向かって走ったが、そこにはシムさんもジェジュンもいなかった。「ジェジュンは?シムさんは?もう行っちゃったの?」洗濯物を畳んでいるおばさんに尋ねた。「シムさんはちょっと出てて…すぐ帰って来ると思うけど?ジェジュンはユノと遊んでいたんでしょ?」「ジェジュンが帰ってこない。あげたいものがあるって言ってたけど、帰ってこないんだ!」「えぇっ?」ユノは確信していた。絶対におかしい、きっと何かあったんだ!