ブログ記事914件
コンサートにお招き頂いて出かけたら、自分の席に別の方が座っておられました。「今日、そういえば、入るときに手荷物検査があったし・・・ああ、裏の人たちが大変なのかも?」そう感じてすぐ受付に戻り、「実は、別の方が座っておられまして・・・」と伝えると、係の人が申し訳なさそうに「お詫びいたします」と仰ってから、「いま、このお席しか代わりにお出しできないのですが・・・」と、2階のバルコニー席というエリアを渡されました。裏の人たちが大変、もっと有体に言えば取っ散らかっておられるのが丸わかりなので、その
ドイツ語のバロック・オペラ《ミリヴァイス》の新しい音源を、以前、レコード芸術さんで批評させて貰ったことがありました。この作品には2つの録音がありますが、私が推すのは2020年収録のPentatoneレーベルのものです。この作品は、「ジングシュピール」と銘打たれていますが、全編とも歌い通されます。いまの感覚でジングシュピールというと、生の台詞入りのドイツ語オペラ。《魔笛》や《魔弾の射手》ですね。でも、18世紀初頭の頃は、楽譜の表紙に「ジングシュピール」と記されていても、「朗唱付きで全編歌い通す
以前「なぜ、バロック・オペラが嫌いなのですか?」と質問されたことがあり、腰を抜かしてしまいました。私はバロック・オペラだけ聴き続けても構わないぐらい、このジャンルが好きなので。イタリアやフランスだけでなく、ドイツ語だとテレマン大好き(《ミリヴァイス》とか)。スペイン語の初期の作品も大好きです。英語は勿論パーセルの作品で。私がオペラに興味を持ち始めたころ、ラモーの大々的な復活劇が始まっていて、ジェシー・ノーマンのフェードル(《イポリートとアリシ》)など、映像で何十回と観たものです(フランスでテ
4月28日(日)の公演を観に行きました。なかで一か所、自然と涙が流れた箇所がありました。思いもよらぬページにおいて。その理由はただ一つ、「この上ない抒情性」が突然に表出したからです。チェネレントラと王子の出会いのシーンにおいて、ある1小節の間合いが素晴らしく、そこで涙がこぼれたのです。王子の言葉とチェネレントラの応答・・・そのとても短い言葉のやり取りを伝える歌声に、二人の思いの量が、静かに凝縮されていました。ひと目惚れってあるなと納得もしました。そして、このやりとりの間合いを支えたの
射手座新月(皆既日食つき)で盛り上がっている12月4日ですが、11月後半から色々なことが起こり過ぎて、目がクルクルキャンディのようになっている青石です。みなさんは、どんな射手座の季節をお過ごしでしょうか?11月から12月になって、だいぶ救われたという感触はあります。月と木星が自分のネイタル太陽(水瓶座26度)の近くでコンジャンクションになったときは、空気を吸っているのに水中にいるみたいで、とにかく即死しそうでした。あれほどアグレッシヴな「気」を宇宙から感じたことはなかったですね。11月は月蝕も
光が丘IMAホールというところに初めて行き、ルイ・シュポア作曲の九重奏曲作品31を聴いてきました。4楽章の構成になっていましたが、第2楽章に当たるスケルツォがかなり大規模な造りに感じられました。このスケルツォ、チェロとコントラバスのみのユニゾンから始まるのがとても良かった!第3楽章に当たるアダージョも、弦の一群と管楽器の一群の対話風の出だしがとても面白かったです。フィナーレ(第4楽章)の颯爽とした感も見事。楽譜を参照してみましたが、そこで驚いたのが1813の作って・・・私は何も予備知識
第1幕第3場の女声合唱です。録音が古いロシアのものですから、コーラスの発声がスラブ式ですね。でも、音楽の麗しさは伝わってきます。なんと清々しいメロディかと思います。https://www.youtube.com/watch?v=Fnc7Lg5gNycもう一つ、最近の演奏(コンサートから)を映像で。楽器の使い方もよく見てみて下さい。https://www.youtube.com/watch?v=mS8d5tjI4yIコーラスの発声がやや素人っぽいですが、それもまた、この曲の質感には合うのか
NHK-FMの『オペラ・ファンタスティカ』を聴いて下さった皆様、本当に有難うございました。この番組枠では、たまに、バロックものの担当が回ってきます。私も自宅でエアチェック(死語なのかも)しながら、一般社団法人の決算資料を作っていたのですが、番組が無事終わって夕食の準備をしていた時、ふと、パソコンの画面に映った動画に目が釘付けになりました。アトピーのとても酷い症状を患っていた青年が、症状改善に成功したという短いものでした。映し出される傷というか、アトピーの症状がとても痛そうで、観ていて本当
1979年の5月に、モーツァルトの《魔笛》のヴォーカル・スコアを全曲読みました。(そのうち半分ぐらいの曲はピアノで伴奏しました)。それからちょうど、45年がたちます。なので、一番古くから知っている作品ではあるわけです。ところが・・・ある日、《魔笛》の全曲解説のご依頼が来ました。昔の名録音の再発売に解説文を新しく書き下ろすというものです。音源を観て「しまった!」と思う。知らない一曲が入っている盤であったからです。というわけで、いろいろ調べて勉強させてもらいました。仕事で勉強させても
音楽之友社さんからお知らせが届いています。ご興味お有りの方は、下記のURLをぜひクリックなさってみて下さいhttps://camp-fire.jp/projects/view/679763?utm_campaign=679763&utm_medium=stepmail&utm_source=report知人から教わりましたが、「クラウドファンディングの良さとは、『支援者を偏らせない』ことに尽きる」のだそうです。★★『レコード芸術ONLINE』クラウドファンディングについてのメディア掲
講演会で紹介するオペラの映像は、日本語字幕が入ったものが最優先になります。ただ、有名作品だと、いろんな映像が出ていますから、選ぶのにかなり悩むこともあります。選ぶポイントとして一番分かり易いのは、「歌手」で決めることですが、「演出」で決める場合も勿論多いわけです。講演会のテーマにも沿って考えます。しかしながら、6月に行う講演会では、オペラの映像としては珍しく、「指揮者」で選択しました。この人ならば、オペラで何を振っても大丈夫、という名手が何人かいて(私の認識内で)、今回は、その指揮者さん