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今回のお話は本編1章⑩「ニアミス」の続編です。こちらを復習して入ると、読みやすくなります。※本編未読の方には、ネタバレになりますのでご注意ください。11年目のSONNETスピンオフ空白の時①★★★――ダーリン・・、まだお休みにならないの?そのとき部屋の中から声がした。聞かれたくなかった。俺は返事をせずに、そのまま部屋の中に戻った。「――何を見ていらしたの?」車椅子の車輪が、滑らかな動きで近づいてきた。後
★★★4-17「そろそろ劇場に行く準備を始めないと―・・」時間の経つのも忘れておしゃべりに花を咲かせていた二人は、ようやくアフタヌーンティの守備範囲を超えていることに気が付いた。「今夜のドレスはもう決まっていて?」エレノアの問いかけに「いえ・・まだ、、ドレスはたくさんあるんですけど・・」キャンディは眉を八の字にした。キャンディはこのジャンルが苦手だ。シカゴではいつもこの役はアニーが担当してくれた。「それなら一緒に選びましょうか?コーディネイトは得意なの。お手伝いさせて」キャンデ
★★★4-21アルバート達と殆ど入れ替わる様にして、ハムレットの出演俳優たちが続々と会場に姿を現した。真っ先にお偉方へ挨拶に向かう一行。その様子を遠巻きに観察している招待客達。その視線を阻むように、テリィは挨拶が済むや否や移動を開始した。タイミングを誤ると一斉に囲まれ、逃げ場を失うからだ。(キャンディ達はどこに・・)おとなしく壁の花に収まっているはずがないと思っていたが、案の定花の蜜に寄ってくるように、キャンディの周りには、目障りな蜂が一匹、二匹、三匹。(ちっ、油断も隙もないな・・
★★★4-20「シカゴのアードレー家と言えば、アメリカでも屈指の大富豪。国王と同じ出入り口を使うなんて普通じゃないと思って警備関係者に確認したら、どうやら正真正銘アードレー一族の総長のようだ」アメリカの事情には明るいミセス・ターナーの説明に、劇団員は固唾を飲んで耳を傾ける。「それが今あそこでダンスをしている人物なんですね?」「ほら、出入口付近にアタッシュケースを持った黒服の男がいるだろ?あれは凄腕のSPか秘書だね」ミセス・ターナーが指をさす方向に一同は一斉に刮目する。パーティ
★★★3-14キッチンには、先刻ジェイが届けてくれた食材がにぎやかに並んでいた。「すぐ作るわね。待ってて」キャンディは慣れた手つきでエプロンをつけ、髪をリボンで結い上げて夕食の準備に取り掛かる。エプロンはジェイが結婚祝いにとプレゼントしてくれた、と言えば聞こえがいいが、お店に陳列してあった品をジェイが横領したと言った方が近いだろう。鼻歌を歌いながら野菜を切り始めたキャンディの肩に、背後からテリィが顔を乗せた。「何を作るの?」キャンディはハッとした。(この体勢・
開園してま〜す夏です!!先ず、反省まさに、おっ猿通りです。読み込みのあささを痛感し、再度、付け足しました。五月も後わずか……。(ハイ、まだ春でしたね)でも、まだスッキリしません。あのひとあの人Anohito......ThatPerson??【あの人】彼の人代名詞三人称の人代名詞話し手・聞き手から離れた人をさす女性から自分の恋人や夫をさしてもいう《キャンディキャンディファイナルストーリー》“あのひと”には、特別な意味が込められ
開園してみます約2年前(2021年11月5日)に投稿したものの、ずっと保存していたブログを改編してみました。私には“厄日がある”と、今年1月にブログを書きました。2年続けて“同じ日”に、負の出来事がありました。そして、少しのズレはあったものの犠牲になってくれたものがありました。頑張って接着剤で直しました。しかし、それでも2023年没った物愛用していたタブレット没日:2023年4月23日“厄日”に白羽の矢をたて、当日近日には難を逃れたものの、やはり没
いつも私の拙い物語を読んで下さってありがとうございます💕『永遠のジュリエットvol.30』の中で、テリィは全てを捨てて、ふたりで遠いところへ行こうとキャンディに言います。⬇️『永遠のジュリエットvol.30〈キャンディキャンディ二次小説〉』港から帰ってきたキャンディは、まっすぐに屋敷の母屋にある大広間にむかった。屋敷で一番広いその部屋は仮設病院の病室として使われていて、年齢や怪我の度合いが異なる…ameblo.jp遠いところへ行く➡️結婚しよう、です💕でも、キャンディは、すぐにそ
テリュースとスザナ二人は何を思い暮らしていたのか空白の十年を描いた短編です11年目のSONNETスピンオフ空白の時②※本編未読の方にはネタバレになります。ご注意ください。★★★真夜中近くになって、ドアをノックする音が部屋に響いた。「――スザナ、どうしたんだ?」特に何も思わず、車椅子のスザナを部屋の中へ招き入れる。初めて見るナイトウェアだな、と思うより先に、いくらマイアミだと言っても二月にその薄着はどうなのか、と感じたぐらいで、それが自分
★★★3-15二階には三部屋あった。ニューヨークの家と同じだ。使われた形跡のある階段に近い部屋は、おそらく前のイギリス公演の時にテリィが使ったのだろう。きれいに整頓された残りの二部屋にも、一通りの家具が揃い、ベッドメイキングも施されていた。中央の部屋は他の二部屋に比べて比較的大きく、テリィの部屋とは内側のドアでつながっている。自然の流れで、キャンディの部屋は独立した端の部屋になった。遅い夕食を終えたテリィは、大量の書類が入った封筒を抱えて立ち上がった。「この書類、明日提出しなくちゃ
★★★2-17「―・・キャンディ、俺・・イギリスへ行くんだ」「・・え、また?この前行ったばかりよね?随分頻繁にあるのね」「・・いや、公演じゃなくて、――いや、公演だな。・・実は昨日でストラスフォード劇団を退団したんだ。今度イギリスの劇団で芝居をすることになった」突然の告白に、キャンディは一気に混乱する。「・・・イギリスに、帰るって・・言っているの・・?そうなの!?」頷くようなテリィの動作に、キャンディはショックを隠し切れない。「どうして!?どうして今になって・・。こんなにアメリカで
永遠のジュリエットvol.33を更新しました💕↓永遠のジュリエットvol.33〈キャンディキャンディ二次小説〉|キャンディキャンディ二次小説『永遠のジュリエット』茜色に染まる冬の街道を駆ける馬車。キャンディは、通りすぎていく窓の外の景色を見ていた。派遣されたトゥールーズの病院で、www.candycandy.site貴重なみなさまのお時間の中で、拙い私の物語へご訪問くださり、ありがとうございます。深く深く感謝しています。この二次小説を書く時、いつも心にあるのは、『少女の頃に、な
開園してたみたいで〜す五月です誕生日ですキャンディと、アニーと、アーチー❤の🎉だから……今日は“私の”アーチーについてですでも、なんで?ばっかりです漫画にしかない!!なんで??二歳年上のお兄さん、アリステアが亡くなって一人哀しくバグパイプを吹く初登場!?ママとパパスペイン語、⭕りましぇ〜ん無くなっちゃった!!なんで?ねぇ、なんで?ファイナルストーリーでは無くなっちゃった大好きな、大好きなエピソード(36話よみがえっ
★★★6-5キャンディと一緒に現れた人物を見て、椅子から勢いよく立ち上がったのはイライザだ。「―!!テリィっ!!・・・どういうこと!?」「イライザ、まぁ座って。今から紹介するから」アルバートは間髪入れずに一声掛け、着席を促した。大きなテーブルを囲むように親族十数人が座っている。上座に今夜の主役である二人が、その両隣にアルバートとエルロイ大おばさまが着席していた。「僕の大切な養女キャンディスとテリュース君のお披露目会へようこそ。既にお気づきの方もいるようですが、彼は私などより遥かに名
開園してみましょう粋なりΣ(・∀・;)としましたねm(__)m比べてみた漫画のタイトルなのですわたしが死んだ夜曽根まさこ著の漫画講談社なかよし1979年1、2月号掲載ネタバレになってしまいますがあらすじをお伝えしないと比較ができないのでm(__)m主人公は一卵性双生児のクレアとエバ。子供の頃からライバル意識が強い。高1の時、エバに高3のレインというボーイフレンドが出来るが、クレアには教えなかった。街なかで、レインがクレアをエバと間違えたことから、エバとレイン
★★★4-19割れんばかりの大歓声で幕は閉じ、劇場全体が揺れているようにさえ感じた。シェークスピア四大悲劇の中で最も長編のこの戯曲は、デンマーク王国の若き王子ハムレットの復讐劇。国王である実父の突然の死、義父になった叔父への憎悪、実母への不信感、友人の裏切り、恋人との別れと不慮の事故死。怒涛の絶望の中で狂人を装いながら生き方を模索する王子ハムレット。複雑で繊細な心を持ちながら、時に大胆で国民からの人望も厚い孤高の存在。そんなテリュース・グレアム演じるハムレットの圧倒的な存在感に、観客の
★★★7-14人もまばらなピッツバーグ行の夜行列車。出発時間が遅いためか、乗客達は席に着くなり次々と眠りについていく。「やっぱり君が窓側に座ってくれ。どうも落ち着かない」キャンディはなぜこの期に及んでテリィがそんなことを言うのか見当がついた。「あなたって意外と単純なのね。さっきの若い夫婦を見てそう思ったんでしょ?」キャンディがにたりと笑うとテリィはぐっと口をつぐんだので、図星だったようだ。(・・この列車なら大丈夫そうね・・熟年の男性ばっかりだわ)「君も寝ていいよ。俺はこれを読みた
2024年キャンディ生誕祭に合わせアメンバー限定記事から一般公開に切り替えました。ついでに、再編集&加筆しました。お楽しみください∻☆・∻☆…∻☆・今日は、フォロワーのmomokoさんが考案した顔文字をご紹介したいと思いますmomoちゃんは、若いんです。おそらく我らの娘のような年齢です。でも、確認はしていません。でも、momoちゃんの母が我らと同じ年代なのでmomoちゃんは若いという事だけ、念頭に入れましょう。なにやら、若さに
考察前のつぶやき「あのひとのことは、はじめから曖昧にしようと決めていました」下巻336これはファイナルのあとがきに書かれている、原作者名木田先生の言葉です。これを『どちらともとれるように書いた』と解釈する人がいるようです。そう思いますか?この言葉だけ見ると、そうかもしれません。なので「文脈」を見てみます。後に続く言葉を紹介します「あのひとが誰かをきちんと描くには、長い物語が必要なのです。あのひとを明かしてしまうと、長年の読者たちの夢を奪うことになるか
★★★4-23「フハっ・・―、ハハハッ・・!」深夜のリビングに笑い声が響く。帰宅してもまだ笑いが収まらないテリィは苦しそうにお腹を抱えている。「ククっ、俺たちが駆け落ちだって!?どうしてそんな話になるっ」お酒も入っているせいか上機嫌だ。「どうして否定しなかったのよ!あんな風に答えたら、まるで本当みたいじゃないっ」真相を確かめようとクリオが伝説の内容をキャンディ達に話した時、それはたぶん俺たちの事だ、とテリィは可笑しそうに答えたのだ。「噂なんていい加減なものさ。大げさだったりねつ造
勝手に次期アードレー家大総長について考えてみた今回は、(誰にも頼まれちゃいませんが)勝手に次期アードレー家大総長について考えてみたことを書きたいと思います。現在のアードレー家大総長は、ウィリアム・アルバート・アードレーの、アルバートさんですね。アルバートさんの前の大総長、先代もウィリアムで、アルバートさんのお父上、ウィリアム・C・アードレーでした。アードレー家は何より血筋を重んじると、アルバートさんの手紙に書いてありましたし、さらには大総長は、『直系のウィリアム』でなければならない
★★★3-12門がある場所から、常緑性の広葉樹に囲まれた道を車で移動する。童話に出てくる魔女の家かお菓子の家でも現れそうな雰囲気。「・・本当にこの先に家があるの?」「あるよ、マリーアントワネットの隠れ里、ハムレットって感じかな」ブルーベルの鮮やかなブルーの花が、木の根元を埋めるように一面に咲き誇っている。五月祭の頃学院の森にも咲いていた花。レイクウッドの草原にも咲き乱れていた―「・・・初めて来た感じがしないわ・・」「ブルーベルの花言葉、知ってるか?」さも知っていると言うよう
★★★4-15一緒に住んで分かったことがある。テリィはかなりの読書家だ。帰宅が早い日は、夕食が済むなりカウチで読書に耽っている。「ふぁぁぁ~、・・おやすみなさい。先に休むわね」「あ、ごめん、もうこんな時間か。直ぐ行くよ、部屋で待ってろ」仕事と家事で疲労困憊のキャンディは、『直ぐ』を一秒も待てない方が多かった。雨の休演日は、ひねもす書斎に籠っていることもあるテリィ。先週は古語辞典を片手に難読そうな古書と格闘していたが、青天の今日はそんなことは無さそうだ。「テリィー!テリィー
よく無事だった…私は単行本をもう持ってなくて、キャンディの密航エピソードは全く覚えてない。ファイナルストーリーによると、キャンディはこのエピソードをテリィに話すつもりだったと再会する前は言っていた。再会してやっと話して聞かせたキャンディ。大笑いしながら聞いていたテリィ。自分を追い密航までして海を渡った愛しい人に、そんな危ない目に遭わせたのだと気づいた時、彼はもしもの事があったら…とか、やはり置いてくるんじゃなかったとか色んな思いがよぎったのかも。そんな胸の詰まるような思いで抱きし