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夏休み中だったという事もあって、実家に帰ってからはゆっくりと寛いでいた。少しウキウキしながら…何と言っても今までとは違う。ガチャッ…『おはよう…。』「おはよう。」ぼーっとしたまま寝ぼけた様子で歯を磨きに行くらしい。信じられないくらいむかしと変わらない。翔兄の事を笑えないなぁ…ボサボサな姿だって言うのに可憐に感じるんだから、俺もそうとう逝っちまっているんだろう。『…。』「クスッ…。」じっと俺を見て、下に行っていいのか伺うから、笑って頷きながら後を
妄想です。自己満足のBLです。妄想ですから…智は閉店の準備をしても来なかった…戸締りをしている時も翔は往来する人に目が行ってしまう…どうしたのだろうか?店の電気を消して住宅への階段を上がろうとした時インターフォンが鳴り響く慌てて戸を開けると…智が息を切らし立っていた「遅くなってごめん…待った?「まっ…待ってません」「えっ…だって…お店閉まる時間からもう…30分以上経っていたのに店の電気さっきまで着いてたし…」「たまたまです」「ふふふまっい
全ては、あそこから始まった。秋風が涼しく、でも昼間は日差しがまぶしかったあの日。テレ朝のレッスンスタジオ。初めての出会い。『大野の後ろで踊れ』そう言われて、進んで行った先にいたアナタ。俺より少し背が大きくて、髪はさらさらで、眉はハの字だったけど、クリッとした瞳に長い睫。綺麗っていうのが正解だと思った。なのに、やる気っていうの?ギラギラしたオーラは全然なくって、ふんわりした空気を纏ってて後ろについた俺をチラってみて、少し笑って・・・『名前は?』『櫻井・
三谷祭※マジで無知の人間が書いてます。順序の違い等あるかと思いますがご容赦ください。あらかじめ順不同とさせて頂きます。三谷祭の概要と山車三谷祭(みやまつり)とは元禄時代からの三谷町の産土神、八劔神社と若宮神社の例祭で、試楽祭(土曜)・神幸祭(日曜)の2日間にわたり町内各6区で奉納踊りを行うほか、海に曳き入れる迫力満点の「海中渡御」が行われます。三谷祭で曳かれる山車は「やま」と言い、真ん中に立つ柱を「だし柱」と呼びます。神様の依代の印です。二層一唐破風内輪四面幕で愛知県内外の山車と大き
まだ時間に余裕はあるけど…どうしても気になってチラチラと時計を見てしまう。落ち着かない。『潤さんがマスコミに注目されているのはご存知ですよね?』雑誌によくも悪くも取り上げられていた。最近は会社の今後の事ばかりになっているけど、それでも表紙を飾るって事は、みんなイケメンに興味深々なんだろう。『今のこの時期に男の恋人が発覚したら致命的な事になるって分からないんですか?』多分、さっきのアレ…エレベーターでのを見られてしまったんだろう。確かに浮かれてアンナ事
和也―25カードキーを翔さんに渡すと俺は、夜の港に向かった。智をベッドに運んだ後、俺は、眠る智のガウンを脱がすと、起こさないように、そっと首筋に唇を当てる。赤い痕をひとつ、ふたつとつけていく。俺のものだってしるしならいいのに・・これは、翔さんを試すためのもの・・・海沿いの遊歩道を歩きながら、どうしてもっと早く、智と会えなかったのだろうかと嘆いた。どうにもならないことだよな・・・今頃、翔さんは、見ているはず・・俺のつけた痕を・
翔―46教授が閉めた、ドアの音を聞いてから、俺は診察室に入った。俺を射るように、じっと見詰める和と視線があった。最後に会った時は、幼さが残る顔立ちの、高校3年だったあいつは、今、濃紺のスーツを着こなし、銀縁のメガネがよく似合う、知的で魅力的な青年となっている。俺は、俺が智君の前から消えていた5年3か月という長い年月を、痛いほど感じた。さっき、カーテンの影から盗み見た智君は、いや、もう智君なんて呼べないくらい、美しくて、愁い
和也―33「火傷が深くて、ケロイドが神経を圧迫しています。右手が痺れて、感覚があまりないと思うのですが。本人からの訴えは聞いてないですか?筆を持つのは、厳しいかも・・・」椅子に座った俺に、医師が告げた言葉は、寝耳に水だった。智は、何も言ってない。いや、俺は何も聞かなかった。それどころか、俺は智が描いているところも見ていない。俺は、智のこと、何もわかってなかった。智、おまえ、俺にまで何も言わないで・・どうして、そこまで・・・。何も
翔―48「そうだったのか。智が自分の部屋に、入らなくなった理由がわかったよ。あの、離れに続くドアに、鍵をかけたのも。」俺の話を聞き終えた和は、深いため息をついた後、ボソっと、つぶやいた。手に持ったマグカップは、昔から和が使っている、智君とおそろいのもの。「あのドアからよく、夜中に翔さんを部屋にいれていたよね。」そう、言いながら、和は立ち上げって窓のそばに歩いていった。真っ暗な庭の先にちらちらと見える灯り。「伯父さんたちの
和―33「ごめん、智、手術の日には、そばにいられない。」「和、大丈夫だよ。子供じゃないから。それに命に係わるような手術でもないし。入院に付き添ってきてくれただけで、嬉しいよ。」謝る俺に、智が、ふにゃっと微笑む。10階の外科病棟の個室に、智は今日入院した。明日の午後、手術を受ける。あれから調べたら、この教授は、この世界では名の知れた人で。手術は、予約待ちだという。外来を受診してから2週間未満という、異例の速さで手術が受けられるのは、や
和也―32「あっ」と、いう顔をした俺に、翔さんは、口に指を立てて、制した。翔さんはそのまま俺の視線の先を通り過ぎると、智のベッドの足元に立ってじっと、智の背中を見ていた。「大野さん、この火傷の痕はもう時間が経っているようですが、治療はどうされたのですか?」「事故にあった時に入院して治療を受けただけで、退院してからは一度も治療をしていません。」先生は、智の前にしゃがみ込んで、質問しながら、じっと火傷の痕を見ていたが、翔さんが近づいたのを、
翔―52庭の中にある小道は、昔からある日本家屋の離れと、その先にある、洋館のアトリエに行く道に途中で別れる。暗くて、先はよく見えないが、足音がアトリエの方へ向かう道から聞こえたから、俺はアトリエに向かった。けれど、アトリエは暗かった。玄関のドアをガチャガチャしてみるが、鍵がかかっている。ここじゃない?でも、この先は、なだらかな下り坂になって、海を臨む崖になっているから、行き止まり。海から冷たい潮風が吹きつけて、寒い。おまけに、
和也―312日後、俺は智と一緒に、近くにある大学病院にいた。形成外科専門外来とある待合室。あの夜、智を騙すように返事を得た俺は、智の身体を離すとバスローブを着せて、ベッドに坐らせた。いきなり、突き放すようにキスをやめた、行動が理解できず、とまどう智に、俺は優しく言った。「智、俺は、この痕に囚われている智じゃない、昔の、本当の智が欲しいんだ。だから、治療を受けて治すことを考えて。それから、それからでいい・・か・・ら
翔―53「智君、会いたかった。あの日から、ずっと・・。また、会える日がくることだけが、俺の願いだった。智君と離れて、初めて俺は気が付いたんだ。今まで俺は、ずっと、俺が智君を守っていると思っていた。でも、違った。俺が、守られていたんだね。智君の温かい愛が、俺をいつも包んでくれていた。俺のすることをいつも、優しく見守っていてくれた。だから、俺は自信をもって何でもできたんだってことを、やっとわかった。だから、今度は、俺が智君の支
和―34「和、お願いがあるんだ。来週末、帰ってこられないかな?あの・・僕の誕生日に、一緒にさぁ・・和のお祝いもしない?。和の誕生日には、僕は入院していて、何もできなかったから。だめかな?やっぱり、忙しかった?」電話の向こうの智が、遠慮がちに、誘ってくるけど、会いに行ったら最後、俺は智を連れて帰りたくなる。無言のまま、何も言わない俺に、智が、さみしそうに、言った。「無理だよね。わがまま言ってごめん。あの、大したものじゃ
こんばんは、ざぼんです。今宵も、訪問いただきありがとうございます。パズドラのCMで無表情に踊る智君と、アルバムのSugarの裏声にはまり激リピ中です。ところで、truthおかげさまでもうすぐ最終話です。最後までお付き合いくださると嬉しいです.翔―49俺がいつも、智君の部屋に行くときに使った離れに続く庭に出る、ドア。今夜、そのカギは開いていた。和が開けておいたから。音をたてないようにそっとドアノブを回す。中に入ると、廊下の先、ち
和―35「智、美味しかったよ。智の料理。いつもは作ってないんだろう。俺のために、腕を振るってくれてありがとう。それに、この特製フルーツタルトも、うまいね。あの日、俺の就職祝で作ってくれた、オムライス。あの時、智は、右手が思うように動かなかったはずなのに。今日のと同じくらい上手にできていた。ごめん・・智。俺は・・」食事が終わり、俺達はケーキを食べていた。甘いものが大好きな智だったけど、俺のために、余り甘くないタルトを選んでくれた。「
智くんの部屋のパーキングに車を入れ、迎えに行こうと車を降りると、智くんが俺の車を見つけ手を振ってた。ダッフルコートから白いニットの袖が見えてる。うーーーーー!!萌え袖!!頸にはマフラーを巻いていて、マフラーに顔が埋まってる?なんかもう、可愛すぎる!!あれ?お泊りのって伝えてあるのに、智くんの荷物は、やけに少ない。俺のもとに走ってきた智くんを抱き留め、軽くkissをした。おはようのkiss。真っ赤になった智くんに改めて言う。『おはよう、
カランカラン『いらっしゃいませ~』『こんにちは。おっちゃん・・・じゃなかった、店長、ママさん。』『おぉ、智。』『あら、あら、智ちゃん、いらっしゃい。』『どうだった、今日のオリエンテーションは?』『うまく、登録できたか?』『あっ、はい。それなりに・・・(笑)』笑いながら店内を見まわすと、あれ?いつもよりパンが全然ない。夕方は少なくなっちゃうことが多いけど、それでも、仕事帰りに買っていく人とか、学校の部活が終わって夜食に買う人とかいるか
翔―47月明かりが綺麗だ。何度、来ただろう。まるで自分の家のように勝手知る、この庭。母屋の端、離れに続くドアの横にある、智君の部屋にはよく、この庭を回って訪れていた。ガチャと、ドアを開けると、大した音を立てたわけじゃないのに、すぐにあなたは部屋から出てくる。「翔君、いらっしゃい。お茶の用意しておいたよ。あのね、今日は学校の帰りに、翔君が見たいって言ってたDVD借りてきたよ。一緒に見よう。」ニコニコしながら、俺の手を引っ張るよう