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アメリカ精神医学会が発行する「精神障害/疾患の診断・統計マニュアル(DSM)」は精神医学のバイブル的な存在です。現在は2013年に新しく改訂され、DSM-5になっています。今回は世界中で広く使用されている本マニュアルを通じて、心の病気の基礎知識を詳しく解説していきます。アメリカ精神医学会が発行する診断マニュアルは、世界中で広く使用されている、言わば精神医学のバイブル!アメリカ精神医学会が発行する「精神障害/疾患の診断・統計マニュアル(DSM)」は精神医学のバイブル的な存在です。この
脳波は脳の電気的活動の記録で、脳の活動の様子が大まかにわかります。精神科では、比較的よく行われる検査で、睡眠発作や、てんかんなどの診断に役立ちます。脳波を取ったことはありますか?皆さんは、ご自分の脳波を取られた事がございますか?頭に怪我をされたり、てんかん発作などの既往がなければ、あまり脳波を取る機会はないかと思いますが、精神科では、てんかんなどとの鑑別のため、脳波は比較的多く取られています。脳波に異常が現れるときとは?まずは、脳波とは?について簡潔に解説していきます。電極を
心の病気の病名で、例えば「○○障害」と聞くと、その病名自体から何か深刻なイメージを覚えてしまう場合もあるかもしれません。心の病気に対する病名は、いったいどのように理解しておくと良いものなのでしょうか。誤解を防ぐポイントなども詳しく解説していきます。現われている症状がうつ病と診断できるものであれば、うつ病と診断される冴えない気持ちが日常レベルを超えてしまえば、うつ病の可能性も出てきます。その際、脳内の不調のメカニズムが何であれ、現われている症状がうつ病と診断できるものであれば、うつ病と診断
家族が家族として機能しない「機能不全家族」になれば、家庭は心安らぐ場所ではなくなり、人は心の拠り所を失ってしまうのではないでしょうか。その後遺症は深刻です。今回は機能不全家族を詳しく解説していきます。家庭はその人の心の基盤となるものもし機能不全になってしまった場合、次の世代にもそれが連鎖しやすいという傾向があります。家族はその人がその人であるための大切な基盤。人生で時に訪れがちな逆境の時、家族の暖かい笑顔や励ましは困難に立ち向かう大きな支えになります。しかし、そんな心の支えとなる家
自分が自分ではないような感覚を覚える事は時に誰にでもあります。この「離人感」が顕著になれば、解離性障害にあたる可能性もあります。今回は離人感に関連する心の病気も含め、詳しく解説していきます。心が体から離れ、少し高い位置から自分自身を見ている……といった離人感心身が疲れきった時など、日常でも現われ得る現象です。しかしそれが深刻化した場合、解離性障害にあたる可能性もあります。家でピアノを弾いていた時、あたかも自分ではない誰かの演奏を聞いている感覚がした…。自分が自分ではないような「離人
感情が不安定になる意外な原因とは?感情に不安定な傾向が強まれば、安定した対人関係を維持する事は難しくなるでしょう。他者との間に円滑な対人関係を築いていくことは、社会生活を送る上での基本的な要素ですが、その土台にあるのが自分と親との関係です。人は生まれてから、はじめて構築する人間関係が自分の世話をする親との関係です。乳幼児期のまだ物心がつく前の時期でも、自分が親から世話をしてもらえれば、笑顔になるものです。その時、子供の心の中では親は「良い」存在になっています。反対に自分が親の世話を欲し
パーソナリティは十人十色とはいえ、「猜疑心が強すぎる」「感情が不安定すぎる」といった傾向はあまり人から好まれないものです。今回は、こうしたパーソナリティ的な問題が生じるメカニズムを詳しく解説していきます。自分はいったいどういう人間なのか?思った以上にはっきり認識できていないことかもしれません。その一つが「心の防衛機制」です。パーソナリティは人それぞれとはいえ、「猜疑心が強い」「感情が不安定」といった傾向は、あまり人から好まれないでしょう。もっとも、こうした傾向はその人の属する社会や文化
ひどい嘘、頻繁な嘘は、その人の人格のせいではなく、心の病気の症状である可能性があります。一般的に「嘘つき」と思われてしまう行動を取りやすくなる心の病気として、反社会性パーソナリティ障害、認知症、アルコール依存症、解離性障害、虚偽性障害などが挙げられます。それぞれについて詳しく解説していきます。性格のせいではないのかも…嘘をついてしまう病気とは信頼関係を壊してしまう「嘘」。度を越えた嘘が多いような場合、パーソナリティ障害など心の病気の可能性も視野にいれる必要があります。程度の差こそあ
喪失体験とうつ病の類似点、相違点大切な人を喪失した事による抑うつ症状は、うつ病と類似点も多いもの。例えば、気落ちは冴えず、寝付きが悪くなった、食欲もわかず、そして、以前、楽しめていた事を全く楽しく感じられない……。こうした症状は一般に喪失の2か月以内に出現するもので、故人を思い出した時など、故人に関連した事をきっかけに現れやすいもの。一方、うつ病で現われやすい、自分の存在価値を否定するようなネガティブな観念、日常生活における活動エネルギーの低下、そして自殺願望といった深刻な症状は、喪失
人間の知能を測る尺度として、世界中で広く使われている、IQについて詳しく解説していきます。自分の得意分野を一生懸命に地道に頑張っていく良い成績を上げるには、IQは高いに越した事はないと思いますが、やはりIQの数字などは気にせずに、自分の得意分野を一生懸命、地道に頑張っていくのが一番だと思います。知能とは、いったいいかなるものなのでしょうか。ひと言で言うのは難しいことだと思いますが、人間が精神活動をする際、知能は不可欠なものですよね。例えば、相手の要求にすばやく対応できるよう、相手
今回は心の不調の現われであり、また日常生活でよくある失敗の原因の一つ、焦りへの対処法を、精神医学的側面から詳しく解説していきます。焦ってはいけないと分かっていても…日常生活において、時に心の不調を意識する時もあるかと思います。例えば、朝からイライラが止まらず、他人のちょっとした仕草や物言いに腹を立ててしまう。そんな時は仕事や勉学の能率は落ちやすいものです。とはいえ、周りからは常にそれなりの結果を求められ、プレッシャーが強い状況も少なくないかと思います。それでも「いざ、やりさえすれ
ストレスに強くなるポイントとしては、ストレスに対して受身になるのではなく、積極的にコントロールして行こうという姿勢が大切です。最近、風邪を引きやすい?免疫力が低下した原因はストレスかも!?最近、「ふー」とため息を付いてしまった瞬間はありませんでしたか?人生はストレスが一杯でどうしようもないですが、ストレスから逃れることは不可能であり、家庭や職場などで次から次へとストレスはやってきます。付き合っていくしか道はないのですが、付き合い方を間違えてしまうと、まずい(時には非常にまずい)結果
良い人、悪い人、勝ち組、負け組……。物事に白黒をはっきりつけるのが好きな人は多いものですが、このような二者択一的な思考には、心の病気につながる危険が潜んでいます。詳しく解説していきます。二者択一的思考の罠にはご注意を!「最高」の相手が突然「最低」になってしまった時は、怒りを投げつける前に、まずは深呼吸をしてみましょう。物事に白黒をはっきりつけることを、楽しんでしまうことはないですか?例えば、良い人・悪い人。いけてる・いけてない。勝ち組・負け組。私たちは色々な物事をつい2つに分け
思考パターンに歪みがあると、感情や意欲に問題が生じ易く、また感情や意欲に問題が生じていると、歪みが拡大してしまう悪循環が生じやすく、うつ病、不安障害など心の病気につながりやすくなります。意識に潜んでいる歪んだ思考パターンは気分や感情に問題を起こしやすい気分や感情はその時、何をどんな風に考えているかに大きく左右されますが、物事の受け止め方には、同じ出来事を楽観的に受け止める人もいれば、悲観的に受け止めてしまう人もいるといった具合に個人差があります。こうした違いはその人の思考パターンから生
心のセルフケアの基本心のセルフケアには、音楽を聴いたり、ちょっと腹が立った時は深呼吸してみるといったように、リラックスのテクニックがありますが、「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉の如く、肉体の健康法と重なる部分も多いです。以下に幾つかポイントを挙げてみます。・規則正しい食生活を送るもしも、アイスクリームだけといったように、偏った食事の日がある人は、注意が必要です。心の病気の原因は脳にあります。脳が問題なく働く為にはカロリーだけでなく、ビタミン、ミネラルといった栄養素を体の中に取り入
心の病気を予防するためには、心のケアを行うことにより、心の病気に対する抵抗力を身に付けることが大切です。心のセルフケアには、肉体の健康法と重なる部分が多くあります。心のセルフケアはいざという時に心の病気への抵抗力を高める毎日リラックスできる時間はありますか?心のセルフケアはいざという時に、心の病気への抵抗力を高めます。うつ病、不安障害、拒食症など心の病気が増加傾向にある現在、その予防に対する関心は高まって来ていると思います。心の病気の発症には、多くの場合、辛い事が起きたり、環境が
『この人変っているなぁ』と思うことはありますか?変わっていると言っても、内向的で人とあまり交流のない人、感情の激しい人、また自我意識が強く、常に皆の注目の的にならないと気の治まらない人、暴力的な反社会的な人、人間性に欠けロボットみたいな人など様々です。●なにが問題?家族など周囲の人間関係がおかしくなったり、職場でも上手くいかないなど、社会的機能が低いことです。本人は自分が変わった行動をしているとはあまり自覚がないので、周囲の人、配偶者や家族の人が見かねて、相談に来るというパターンが多いです
集中力が落ちた時、原因ははっきりしていますか?集中力が落ちても、その原因がはっきりしていれば対策は取りやすいもので、「疲れている」、「眠気が強い」、「お腹が減った」ときなどに集中力が低下するのは当然です。しかし、注意が必要な集中力低下の原因として、ストレスが挙げられます。物事に集中するためには適度な心の緊張が不可欠ですが、慢性的に心が緊張状態に置かれると、血液中のストレスホルモンのレベルは上昇し、心身が疲れやすくイライラ感も増すので、集中力は低下しやすくなります。こうした時に集中力を高
「物事に集中できない」は精神科で良くある訴えの一つ。大事な時に集中できなかったといった事があれば、その後の人生にも響いてしまうかも知れません。集中力低下のよくある要因や、心の病気との関連性について解説していきます。集中できないという悩みはよくある訴えのひとつ仕事や勉強の能率を決めるのは集中力ですが、大事なときに限って不足してしまうことがあり、その原因を知ることが第一歩です。「物事に集中できない」という悩みは、精神科でよくある訴えの一つで、特に集中すべき時に集中できない事はありがちで
三つ子の魂、百までの如く、人の性格の多くの部分は小児期に形成されますが、何の記憶もないはずの生後18ヶ月までの期間も、成人後のパーソナリティ障害の原因になる事があります。人の性格を理解する上で重要な口唇期の影響イライラした時に一服。それが止められにくい理由としては、ニコチン依存の他に、口唇期の名残りも見過ごせません。三つ子の魂、百までと言いますが、人の性格の多くの部分は小児期に形成されます。人の気質には「人見知りしやすい」、「他人に頼りやすい」、「新しい事を試したい」など様々な要素
不条理なことも多い毎日を懸命に頑張る中で、「マトモなのは自分だけ!周りの人はみんな心の病気!」だと思ってしまうこと、もしかすると、心のどこかにあるのかも知れません。相手のネガティブな面ばかりが目に付くようになってしまった時の、気をつけるべきポイントを解説していきます。ストレスを上手に発散させて日々を乗り切っていく先の見通せない世の中を懸命に頑張っていく中で、心身が疲れ果ててしまう時があるかも知れませんが、周囲とのコミュニケーションは減らさず、ストレスは上手に発散させて、日々を乗り切って
摂食障害スリムな体がかっこいいと見なされている現代では、ダイエットしてかっこよくなりたいと、誰もが思うかも知れません。しかし、摂食障害は単なるダイエットの行き過ぎではなく、拒食、過食といった摂食行動の異常が現れる背景には、多くの場合で解決困難な心の葛藤があります。摂食障害は、決して軽く見てはいけない病気で、特に拒食症は未治療のままだと、栄養状態が極度に低下してしまい生命が危険です。摂食障害の大部分は女性で、思春期の女性の約2~3%に見られます。解離性障害解離性障害は、意識の解離症状が
心の病気は、環境的・社会的・体質的な要因が組み合わさって発症しますが、中には、発症率に性差がはっきりしているものもあります。心の病気の中には、発症率に性差がはっきりしているものがある家庭や職場などの環境的、社会的な要因や、体質的な要因が組み合わさって発症する心の病気ですが、中には男性と女性の間で、発症率にはっきり差のあるものがあります。今回は、以下の代表的な心の病気の発症率の性差について解説していきます。うつ病統合失調症パニック障害摂食障害解離性障害強迫神経症うつ病
性的発達段階とトラウマここからは、一段階深く精神医学的なお話になり、子育て中の親御さんには、子供の性的発達段階は是非、意識していただきたいところです。性的発達段階とは、著名な精神医学者ジークムント・フロイト(1856~1939)が唱えた概念の一つで、フロイトによれば、人は生まれてからいくつかの性的発達段階を経て、大人へと成長していきます。性的発達段階には、授乳期である「口唇期」(生後18ヵ月頃まで)、トイレ訓練の時期である「肛門期」(生後18ヵ月~3歳頃)、異性への関心が芽生えるエディ
厳しいこの時代、わが子にメンタルが強い大人に育ってほしいと願う親は少なくないようです。ここでは成長してから心の健康を左右すると考えられる代表的要因を詳しく解説し、メンタルの強い子にするには何を心がけるべきかをまとめました。子育て中の親御さんは、ぜひ参考にしてみてください。子どもの心を強くするカギは?お子さんが大人になった時の、心の健康を左右するトラウマ、劣等感、性的発達段階といった事は、子供時代にルーツがある事を親御さんは是非、ご留意ください。「三つ子の魂、百まで」と言いますが、人
親が子を思うのは自然の摂理ですが、時にはそれが行き過ぎてしまった結果、日常生活上、何らかの弊害が生じている場合もあります。こうした時には、子離れをしていく自覚が必要になってきますが、そのためのヒントを今回は詳しく解説していきます。子離れしていくためのヒントいつまでも親離れが出来ない子供は、確かに問題になる時もあるかも知れませんが、その反対も実は真であり、ちょっと前までは小さな子供だったはずなのに、いつの間にか親より背が高くなっていたりと、子供はどんどん成長していきます。実際、「親はなく
心が弱ってしまった人は洗脳されやすい仮にですが、もしも、いわゆる洗脳教育のようなものを受けると、誰でも洗脳されてしまうのかといえば、実は決してそういう訳では無く、洗脳の概念が生まれるきっかけになった捕虜のケースでも、完全に敵国の言いなりになってしまった兵士は、ごく一部だったようです。もっとも、あの無敵の主人公ランボーのような強靭さが自分にない限り、どんな拷問を受けても、絶対に敵の言いなりにならないとは、中々言い切れないのではないでしょうか?拷問というものは、私たちの日常生活の上ではあま
「○○に洗脳されてしまった」というフレーズは、日常会話でも時には耳にする機会があるかも知れません。今回は、この「洗脳されてしまう」とは具体的には、いったいどういう状態を指すのか、また、洗脳あるいはマインド・コントロールを防ぐために知っておきたい事を詳しく解説していきます。マインド・コントロールを防ぐには?何者かに洗脳されてしまう……といった事は、一般的な日常生活では無縁の事だと思いますが、それでも知らず知らずのうち、誰かの言いなりになってしまわないように気を付けておきたいものです。
第一段階に関連する心の病気は、うつ病、統合失調症、依存症!?引き続き、まず最初の第一段階を詳しく解説していきますが、この第一段階は生後18カ月位までの乳児期。もちろんそんな小さな時の事など、誰も記憶は無いはずですが、実はこの時期には、この時期特有の重要な発達課題があります。それは少々哲学的ではありますが、自分を世話してくれる母親を、そして、ひいては自分が存在しているこの世界を信じられるようになる事です。それには乳児の世話をする、一般的には母親の役割が大です。乳児はオナカがすくなど、
人の心理社会的発達は、著名な発達心理学者であった米国人のエリク・エリクソンによれば、生まれた直後の乳児期から8つの発達段階を経て、漸成的に完成していきます。今回は、13歳くらいから21歳くらいまでの青年期(第5段階)における心理社会的発達の意義と、この時期特有のアイデンティティの危機、そしてそれに関連する心の病気並びにエリクソンの理論を元に青年期を無事、乗り切っていくためのヒントも詳しく解説していきます。青年期に自分はいったい何者なのかと、思い悩んだ事を覚えていらっしゃいますか?人の心理