映画を彩るというよりも主人公の手傷のような心にそっと手を添える穏やかな風貌でその手の温かみがじわじわと画面へ広がっていくようなひとを世の中では好々爺と呼ぶのでしょう。人生のそれなりの辛苦を掻い潜って(偏屈にもならず因循にもならずに)おおらかな心の構えに至ってうまくいくにしても悪くなるにしても人生とはそんなものだと見据えている小さいながら頼もしい物語の指針です。そういう役廻りを年代ごとに辿ってみようというのが今回のお話なのですが、最初に申しますと40年代はすぐに思い当たり50年代もあのひとこのひと