源氏物語「総角(あげまき)」④ 薫の君、匂宮を中の君にと企む。そして大君と再び実事なく夜を明かす
薫の君は「今夜という今夜は、誠に恥ずかしくて身投げでもしてしまいたくなります。しかし、八の宮が、お見捨てし難く思いながら姫君を遺して行かれたおいたわしさをお察しすると、私は出家する事も出来ないのです。匂宮などは、臆面も無くお手紙を差し上げているようですけれど、ああいう御身分のお方を。。と、私など無視して望んでいらっしゃるのだ、とようやくわかりました。こんな馬鹿な私の事は、もう決して他の人に話さないで欲しい」と、恨み言をおっしゃって、いつもより急いでお帰りになるのよ。女房達は「どなたの為にもお気
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