ブログ記事8件
夏の傑作を教えてください、ねんてんさんが日頃愛誦している句を、という質問です。たとえば三宅やよいさんの次の句など、愛誦しています。傑作です。蜜豆を食べたからだに触れてみてかちわりをキスした口へほうりこむ駆けて来るプールの匂いとすれ違う蜜豆の句は体が蜜豆になった感じ。この句を知って以来、蜜豆を食べた人に触りたくなって困っています。かちわりの句はなんとも元気なキス!あこがれます。プールの句、泳いで帰る子どもの匂いなのでしょうが、子どもがプールになっているみたい。以上の3句、句
雨である。早くも入梅である。で、晴れた日の有岡城跡。JR伊丹駅を降りるとすぐそばにこんもりとした緑。武将荒木村重が伊丹城を改修してつくられた有岡城。後に織田信長に攻められ落城。名城として名高いらしい。いつもこのヨコを通りながら今度こそちゃんと調べようと思いつつ・・・。馬跳びの背がばらばらに春日射す三宅やよい春愁やかってこの地にフジテレビきゅうこトルコからさっき来たふりヒヤシンス坪内稔典うららかにどーにも呆けはとまらない沈脱あのタコ
昨日は風が強かったですね。自転車置き場の自転車が横倒しになり、なんやらかんやらが飛んでいました。私も季語「春嵐」で句を作りましたが、その前に「増殖する俳句歳時記」から「春嵐」の句を紹介いたします。春疾風聞き間違へて撃つてしまふ作句者は野口る理さんです。「春疾風」は「春嵐」の子季語。鑑賞は以下。春の突風はかなりのものだ。気象協会が出している『季節と暮らす365日』によると「初春は春と冬がせめぎあい、日本付近を通る低気圧は発達しやすく、風が強まる」とある。春疾風は寒
千里中央の新しいビル「千里都」。二階の広場のツリー。千里中央といえば、万博直後にできた商業施設セルシーが有名だが老朽化のため先年、営業を停止。いま無人のビルだけが残っている。このセルシーでは、休日、いまで言うアイドルたちのショーやテレビ中継が行われ、賑わっていた。れいわ新選組代表の山本太郎氏のショーを見た覚えがある。「猫街6号」を読むが中途半端なままだ。決着をつけようと思う。それほど大袈裟なことではないが気になった作品があってそれを紹介、発表してなく心残りな
ままこのしりぬぐひきつねのかみそりとすごい俳句があったものです。「ままこのしりぬぐひ」と「きつねのかみそり」は植物名です。キツネノカミソリについてはぞっこん飯島晴子さんのこの句👇きつねのかみそり一人前と思ふなよに出会ったとき調べて知っていました。どなたが命名したのでしょうか。確かにキツネ色ではありますが、なぜカミソリ?すごい名前ですね。この句は自分に言われているようで、「とんでもない。思っていませんとも」ってい
山椒の木を見つけた。中学校の外塀の誰もが見逃しそうな場所で青々と繁っていた。1枚、葉を取って匂いを嗅ぐとすっきりした空にぴったりの香りが広がった。向日葵に平時を知らす鳩時計赤石忍パトカーの後部座席に鶴が居る散骨は牡蠣の美味しい季節にて近江文代蛇衣を脱ぐ日の帯状疱疹部屋ごとに老人がいる一茶の忌三宅やよい老犬の顎が外れる永き日を「猫街」5号を読むとタイトルをつけたが正直なところ読めていない。難しいのだ。ここに挙げた3
近代俳句の主要な舞台は雑誌、新聞、色紙(短冊)、句碑でした。現在、これらの時代が終わろうとしている、というのが私の見方です。結社誌も角川書店「俳句」などの商業誌も、今では俳句という表現の切っ先(先端)を担っているとは思えません。新聞俳壇はとっくにアマチュアの趣味の場になっています。色紙や句碑はまさに時代遅れのしろものです。と言いながら、私も新聞や雑誌を主な舞台にして活動しているのですが。では、新しい俳句の場はどこにあるのでしょうか。インターネット?いや、そうとも言えないような気がし
今日はクリスマスイブです。(※これをアップするのは25日付です)▸スーパーにロブスター並ぶ聖夜かなと思わず詠んでしまいましたが、スーパーは(毎年のことだけど)クリスマスも正月も一緒に来ていてやたら華やかです。ケーキあり、餅ありで。そんなとき池田澄子さんの句に出会ったのです。▸冬の蚊のさびしさ大工ヨゼフほどドキッとしますよね。ヨゼフさん、父親ですらないのですから…。この句の解釈は三宅やよいさんです。今日は
夏の花のイメージのサルビアがあちこちで咲いている。冬を彩る植物といえばポインセチアなのに。同じ赤色なので、今年のクリスマスはサルビアでいくか(笑)ブルースブラザーズの蝉の穴ねじめ正一天高く赤軍支持の乾物屋この2句を見て、びっくりした。「猫街4号」のねじめ正一さんの作品。いまはなき?ブルースブラザーズと赤軍。とくに赤軍には大丈夫?と心配する。そんな中、花野には第一第二駐車場ねじめ正一火を噴いて案山子飛ぶ飛ぶ案山子の日これらを読んで
■菊の話菊ってお好きですか?私は、大輪の菊はどうもなんですが、小菊は好きで、菜園の隅にも実家からもってきた小菊を植えています。写真の白い小菊は、2年半くらいまえに苗を購入したもの。ところがこの苗、翌年は咲かずに(菊が咲かないってあり得ない…)今年ようやく咲いてくれたのです。どんなに待っていたことか。それで写真は、「やっと…、やっと会えたね💛」という感動の一枚なわけなのです。(そうは見えないでしょうが…)で、どうして翌年咲かなかったかといえば、伸
裏窓の明るく広く散る紅葉まじないのかかった船に白鳥来ふわふわのおが屑小春日の匂いマフラーの巻き方変えてジュース飲むくんくんのクン立ち止まる冬すみれこの作者は、現在、俳句グループ「猫街」のリーダーである。彼女との付き合いはずいぶん長くて、今ではすっかり身内の者という感じになっている。で、身内の者として今回の新作を見ると、彼女の代表作「右京から左京に渡るホッカイロ」ほどの大胆さやユーモアを感じない。取り合わせの二者が近すぎる気がする。たとえばおが屑と小春日はあまりにも近い。やよいさん
ワタナベのジュースの素です雲の峰三宅やよい池田澄子さんはこの句に触れて、「いかにもの粉末のオレンジ色が目の前にちらちらする。『雲の峰』は、暑さを愉しむ健康、その幸せを現す。」と書いている(『船団の俳句』本阿弥書店)。私はこの句を思い浮かべると、ただちに野球に熱中していた中学時代に帰る。そして、でかいやかんでワタナベのジュースの素を溶いている輪の中に自分を見いだす。今日の句は句集『玩具帳』(2000年)にある三宅さんの初期作品だ。その後、彼女は「蜜豆を食べたからだに触れてみて」「右