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今回はチュニジアで出逢った装飾を紹介します。タイトルを「チュニジア編」としているけれど、ズグラフィートを探してチュニジアまで行ったわけではないのです。ベルギーにはまだ飽きていません!世界のズグラフィートを見に行こう!と動き出したわけでもありません。「ベルギーのズグラフィート」の商業出版を目指し、活動してきて、たまたま知り合った方々とのご縁でチュニジアにたどり着いたのでした。↑美しい壁。こういう朽ちかけに弱いです。私がズグラフィート好きだからか、似たよう
今回は文字を描いた壁画のある家を紹介します。「リキュール&ワイン」の文字とそれを囲む花、ペイズリー矢印、色使いから装飾家ポール・コーシーの作品だとわかりますね。これはTumblrで公開したとき、私の予想に反してとても反応がよくて驚いたものです。ポール・コーシーの作品だから、アール・ヌーヴォーだから、ズグラフィートだから、さまざまな理由があると思うけれど、どんな理由であれ「ズグラフィート、目に留まってよかったね」と、心の中で壁画に話しかける想いでした
今回はズグラフィートのある家の「裏側」について書いていきます。これまでに紹介した家はどれも通りに面した表側、そうなると住人でなければなかなか目にすることのない裏側は一体どうなってるの?と気になる人もいるのではないでしょうか。ブリュッセルの街並みはこんな風に約6mの間口で、隙間なく装飾的な外観の家が通りにぎっしり。カフェレストランから大使館になった家として紹介したデルーン・ハウスは、家の裏側にもズグラフィートがありました。これって実は、とても珍しいことなんです。
今回はデルーン・ハウス(Delunehouse)を紹介します。大使館が集中しているルーズベルトという通り沿いで私の目をひと際引きつけたのは、このブルー系色と金箔で彩色された壁画でした。外壁にレンガをつかった間口6mほどの家が通りの端から端まで隙間なく並んでいるのをよく目にするブリュッセルですが、街の中心部を離れると塀で囲われた戸建てが現れます。私が訪れた2014年春、こんな風に看板が取り付けられていて人っ気のない寂しい雰囲気でした。取り付けられ
今回は今年の干支にちなんだ図柄を描いた壁画を紹介します。とは言っても、イノシシの図柄にはまだ出逢ったことがなく、本でも見たことがないのです。それでもどうにか今年の干支に関係したもの!をと思い、「イノシシを家畜化した」動物であるブタの壁画を取り上げます。↑これはベルギーで唯一出逢えたブタ。よく見ると、ブタの目に生気を感じません。ほかに描かれているものに目をやると、描画面を横切るフェストゥーン(花綱文)のような図柄はソーセージに見えませんか?そうなるとブタは丸
新しい年を迎えても、ズグラフィートで描かれた壁画のことを想いながら過ごす日々を嬉しく思っています。年明け早々嬉しい出来事がありました。昨年始めたインスタグラム(@kaori_sgraffito)に投稿した画像がKrakówMiastemSgraffitoさんのインスタグラム(@k_m_sgraffito)に載ったのです!@k_m_sgraffitoでは"Beautifulsgraffitodecorationeveryday."と書いているとおり、毎日ズ
今回はワーヴルで出逢った壁画を紹介します。ポール・コーシーの作品とわかる色づかいと図柄、バルコニー下にあるズグラフィートは、メダリオンのなかに彼の作品として私はまだ見たことのなかった図柄の1つである犬を見ることができました。小さな街でまだ見たことのなかったズグラフィートに出逢えて、私は嬉しさも一入でした。私が訪れたときは閉まっていたけれど、内装がどうなっているか気になるところです。ブリュッセルにはズグラフィートのある家が4000~5000軒残っていると言われて
今回はオステンドで出逢った装飾を紹介します。オステンドはベルギーのリゾート地、私がこれまでに訪れたベルギーの街のなかで駅に着いて磯の香りがしたのは今のところオステンドだけです。ベルギーで見た初めての砂浜と海。砂浜に面してこんなに高いマンションが建ち並んでいます!!砂浜を背に、街の中心へ向かう道の途中にこんな家がありました。オステンドにズグラフィート技法で描かれた壁画と出逢わなかったな、と思っていたところに現れた家。この時点ではまだ、「ブリュ
今回は現代の壁画を紹介します。ベルギー各地で「壁画さがし」をしている私ですが、さがしているのは「ズグラフィート」という技法で描かれたフレスコ画です。建物の壁を見上げながら歩いている私は、地元の方にはいろんな想像をされるようです。地元の方らしきおじさまに「そこにあるよ!」と指さして教えていただいたので、見てみたら植物の仮面を描いた壁画でした。ハッセルトの街中で出逢った壁画の一種。残念ながらズグラフィートではありません。正直、正面の壁のデザインを見て、「
今回はハッセルトで出逢った壁画を紹介します。ハッセルト(Hasselt)という街の名前を聞いたことがなくても、気にしないでください!ベルギー人も知らなかったんですから!!ウィキペディアによるとハッセルト(Hasselt)は、ベルギーの商業都市。リンブルフ州の州都で、(中略)。そう、ハッセルトはベルギー11州都の1つなのです。この街で壁画さがしをしようと思ったのは、すべての州都を制覇しようと思ったからでした。ブリュッセル以外の街ではたいてい「この
今回はアントワープで出逢った壁画を紹介します。先日、知人が企画した1泊2日の「帆船の旅」に参加してきました。「21世紀の帆船で、時を巻き戻す航海」というタイトルに魅かれて、すぐに申し込んだんです。帆船に乗るのはおそらく初めて、船内に寝泊りするのもハーネスを着けるのもマストに上るのも、もう何もかも初めてで緊張したり、コワいと思うこともあったけれどとっても楽しい1泊2日の旅でした。そんな旅をして翌日から私にとっては死語になりつつあった筋肉痛で、腕や肩が痛
今回はナミュールで出逢った「かわいい家の装飾」を紹介します。ベルギーでズグラフィート(掻き落し)という技法で描かれた壁画をさがす旅をしていた私は、地元の方と知り合えるAirbnb(民泊)をよく利用していました。そこで地元の2人組みにベルギーでおすすめの場所を聞いたら、まず「アルデンヌの森」をすすめられ次に彼らがあげたのがナミュールだったんです。「ナミュールはステキだよ」というので、その街へ行くことだけでも楽しみになっていました。そうして出逢った壁画がこちら。
今回はルーヴェンで出逢った「かわいい家の装飾」を紹介します。ルーヴェンという町を知っていましたか?私が23歳でひとり旅したとき、旅の情報はホステルでの夕食の時間やドミトリーでのさまざまな国籍の旅人たちとの会話からでした。当時の私はルーヴェンを知らなくて、ベルギーはブリュッセルとアントワープ、ゲント、ブルージュの4都市しか行きませんでした。でも旅人のなかにはルーヴェンをあげる人がいて、その理由は「最古の大学があるから」だったんです。ベルギー・フランダース
今回はリールで出逢った壁画を紹介します。ベルギーのアントウェルペン州にリールという街があって、Lier(蘭語)またはLierre(仏語)と書きます。ベルギーは多言語国家なので、街の名前も通りの名前も少なくとも蘭語と仏語で書かれています。今回の壁画は定番の図柄クジャクです。かわいいイラストのように描かれたクジャクを囲む枠のレンガは、クジャクの羽根に合わせてこんなカタチにしたのでしょうか?建物の外観全体を見ると、枠は装飾のなかでもアクセントになってい
今回はアルロンで出逢った「かわいい家の装飾」を紹介します。アルロンてドコ?聞いたことないという方、私も壁画さがしでベルギーの州都を制覇しよう!と思わなければ、きっと知ることもなかっただろうし行かなかったかもしれません。でも行ってよかった!!こんな珍しい壁画と出逢えたから。それはブリュッセルにもありそうだけれど、まだ出逢ったことのないデザイン。海の生きものの図柄は基本的に数が少ないのに小さな街で出逢えて、興奮を抑えられませんでした。ここで子どもと魚の関係にも注目
今回は日本でのことを書いてみようと思います。というのも、「(日本の)古民家にベルギーの壁画を描かせてもらえないか古民家を管理している人に持ち掛けてみよう」という友人の言葉に「その手があった!」と思ったらワクワクして仕方がなくて。日本の古民家にベルギーのカラフルな壁画があったら・・・物珍しさから足を止めてくれる人がいるかも!デザインはベルギーの壁画が浮世絵の影響や着物の型紙を参考にしているように、この地域を描いた浮世絵を描くのもいいな。近い将来
今回は隣りあう瓜ふたつの姉妹のような壁画を紹介します。下絵を1つ用意してそれを反転させて、色の組合せを変えたらできあがり!▼左側の家▼右側の家どちらの子がタイプですか?描かれている図柄に決定的な特徴がなくても、これはこれまで何度も登場している売れっ子装飾家ポール・コーシーの作品の匂いがします。彼の作品が気になる方はこちらをご覧ください!①【途絶えた技法】復活のキッカケはこの家でした。②宿泊しながら修復中の壁画を見てみよう!③ブリュッセルにはない宗教
今回はモンスで出逢ったベルギー版「銭湯」を紹介します。ベルギーにも公共浴場があったんですね!嬉しいことに外壁の壁画には波をイメージしたうねる線と、ブルー形の色で施設の用途にあわせたデザイン。壁画を探していなければこういう施設があったとは知らずにモンスを去っていたと思います。この施設を紹介するサイト「routeyou」のLesanciensbains-douchedeMonsによると、1870年から1871年に水道が整備されたものの各家庭ではまだシャワーをは
今回はディナンで出逢ったかわいい家の装飾①を紹介します。この街では出逢った1軒目は出窓の左右でそっぽ向いた女性たちが印象的。ブリュッセルだと見つめあっていることが多いので、そっぽ向いているのは外からやってくる悪魔(または敵)から家をまもるためかもしれません。謎です。一方、駅と街の中心部をつなぐこの橋にはおなじ方向を向いたサクソフォンたち。左右にはさまざまなペイントがされたサクソフォンのオブジェが整列していて、なんとなく橋の向こう側へ行きたくなります。こ
今回はメゾン・ドレ(MaisonDoree)を紹介します。訳すと「黄金の家」、その顔となる壁画がこちら!イスラム調のデザインとこの色使い、中央の直線とそれを囲むしなやかなライン、ブリュッセルではまだ見たことのない壁画。これを見たくてシャルルロワに到着してすぐ大雨のなか待ちきれずに見に行き、つぎの街へ移動する前にもう一度見に行ったほどでした。この家はシャルルロワ観光局のHPで紹介されています!壁画が、という訳ではなく、アール・ヌーヴォーデザインの建築とし
今回はトルネイで出逢った家の壁画を紹介します。この家のインパクトは今でも忘れられません!建設当時の家主さんはきっと熱心な信者だったのだとはじめは思ったのですが、よく見れば宗教色はゼロだとわかりました。放射線を放つ太陽のような物体にはφ(ファイ)、β(ベータ)、ξ(クシー)とギリシャ文字が並べて書かれています。ラテン文字でこれらはph、b、oと表すことができ、「phbo」で何か意味があるのかと思ったのですが意味はないようでした。ギリシャ文字が書かれている
今回はアントワープで出逢った12使徒を描いた壁画を紹介します。私が「かわいい家の装飾」として紹介している壁画は、アール・ヌーヴォーデザインが流行していた時期にブリュッセルで色彩豊かな壁画装飾として家々の外壁を飾るようになります。アール・ヌーヴォーといえば、宗教色のないことが1つの特徴です。なので、ブリュッセルで約1400軒撮影してきて、今回紹介するような宗教画は見たことがありません。X(エックス)十字が描かれているので、彼は「聖アンドレ」。壁画を担当したの
今回は「ホテルシャモン(HotelShamon)」を紹介します。イークロという街、聞いたことありますか?私はこの街に縁があるのか2回訪れました。というのも、1回目はこのホテルを知らず、収穫なきまま帰って来たんです。イークロに行きたがる私は、ベルギー人にとって不思議だったみたい!それはブリュッセル中央駅のチケット窓口でのやり取りが物語っていて、私:「イークロへの往復チケットをください」駅員:「なんで?」私:「なんでってなんで?」駅員:「観光で行かないよ」
今回はベルギー各地で出逢った「かわいい家の装飾」を紹介します。ズグラフィートという技法で使われる色は本来2色だったけれど、ブリュッセルで色彩豊かになって主に家の外壁を飾る壁画として19世紀~20世紀初頭にかけてつくられました。それは当時建てられた建物の5%ほど、今でもブリュッセルだけで4000~5000軒は残っていると聞いて多いまたは少ないと感じるかは人によって違ってくると思います。本でこの技法がブリュッセルから各地へ広まったと知って、私はベルギー各地へ足を運ぶこ
今回は壁画を修復して1年経った家を紹介します。この壁画を初めて見たのは10年ほど前で、ずっと修復されないままでした。ブリュッセル滞在中に必ず立ち寄る書店の1つがちょうどこの家の斜め前にあり、書店へ行くたびにこの壁画を見ていました。修復前が気になる方はこちらへ。メダリオンの中に描かれているのは月桂樹、落ち着いた色使いに縁の金箔が効いています。この家が建てられた当時、近くに月桂樹の木があったのだそうです。その木の下に近所に住む人たちが集まって食事をしたり
今回は建築家エルネスト・ブレローの作品を紹介します。覚えていましたか?ブレローは以前、「落ち込むイヌ」、その隣で白鳥は何してる?―子どもの頃にみた場面―で紹介した建築家。そんな彼が1900年から1902年の間につくったのが、ヴァンデルスクリック通り(rueVanderschrick)にずらりと並ぶ壁画のある家々なのです。キノコの傘のような枠には定番の太陽とケシ、そこに白い鳥、雲、山、左右の小ぶりな枠にも雲が描かれています。あの人のあの作品と思い浮かばなくて
今回は建築家オクターヴ・ヴァン・リッセルベルゲ(OctavevanRysselberghe)の作品を紹介します。「ズグラフィート(掻き落し)」という技法がベルギーで再発見されてから、家の外壁装飾として最初に採り入れたのはゴブレット・ダヴィエラ伯爵(LecomteGobletd'Aviell,1846年-1925年)の家で1882年のことでした。女性が手に持っているのはダウジングの道具、以前ほかの壁画にも登場していましたね。気になる方はこちらへ私が頼
今回は黒く塗りつぶされてしまった様子の「かわいい家の装飾」を紹介します。黒一色に塗って目立たないようにしても、この「かわいさ」までは変えられません!ここには色んな人種の女性たちがそれぞれ民族衣装を身に着けていて、ポーズをとっているような人もいれば生活の一場面を切り取られたような人もいます。着物姿で結った日本髪にはカンザシをさして手には番傘をもった女性は、目をアーモンド形にして日本かアジア系の顔っぽく描いたのかもしれませんね。この壁画を初めて見たときは、
今回はこれまでに取り上げた家の外観を見て行きましょう!特にベルギーの色彩豊かなズグラフィートを産んだブリュッセルの家に注目したいと思います。●建築家・装飾家の家―色々な要素を詰め込んだ外観―「建築家の家」と聞くとそれだけで期待値が高まるのではないでしょうか?これまでに紹介してきた建築家の家はこの2軒で、外観に使われている素材・装飾・要素はほかの家に比べて凝っているし挑戦したんだなぁと思います。①建築家で装飾家ポール・コーシーの自邸(建築家としてよりも装飾家
今回はゲントのセント・ピータース駅の駅舎にある駅ならではの壁画を紹介します。目に飛び込んでくるのは見たことも無い規模の壁画、もしかして天井も?「かわいい家の装飾」といっているけれど、実は家以外の大きな建物にも装飾として使われているんです。なかでもゲントのこの駅舎の内装には、私がこれまで見たなかで圧倒的に面積の広い壁画が描かれています。1つ目の画像と向かいあう壁にもこの通り!ベルギー第3の都市ゲントの主要な駅は1837年に建てられた南駅(S