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先日お話しましたアンティーク市「骨董グランデ」で、何に出会ったか、ご紹介させてください。「いや別に、どこで何に出会おうがどうでも良い」ですって?まぁまぁ、そうおっしゃらずにお付き合いください・・・。わたしが骨董市で鼻息を荒くする物は、もうご想像通りなのですけれど、額縁です。ヨーロッパの小物を扱うお店の最奥のガラスケース、その中の一番後ろにあったのがこの額縁なのです。サイズは縦16センチ、横が10.5センチと小さいのに、それはそれは繊細な彫刻が施されています。上
わたしの出不精もすっかり定着してしまって、同じく出不精の友人と「リハビリが必要なレベル」と言い合う最近なのですが、どうにかこうにか出かけてきました。行先は東京ビッグサイトで開催されましたアンティーク市「骨董グランデ」です。今年で第五回だとか。初日(金曜日)のお昼に入場しましたが、まだお客様はまばらで空いていて歩きやすい。ここぞとばかりに練り歩きます。目に入るのは小さい物ばかり。・・・性でございます。▲グリ模様彫刻の御香合。素敵。▲こちらは七宝でしょうか。手のひらサイ
星の指輪入れが完成しました。成城学園前にあるアンティークショップ「attic」さんからのご注文で制作しました。箱義桐箱店製のアクリルガラス入り指輪ケースに、いつものように古典技法で水箔(14K金箔)を貼り磨き、星の模様を点打ちで散らしています。▲加工前の指輪ケース、桐の木地です。18の小部屋があって、それぞれに黒い別珍のクッションが入っています。指輪はもちろんですが、こぶりのピアスも入れられます。お店で使っていただく箱ですので、頻繁に開け閉めするこ
なぜだか分からないけれど、どうにもこうにも嫌な考えのループに嵌ってしまう事があります。そして自己嫌悪したりして。昨今はウェブ上にそんな時の解決法がたくさん紹介されていて、瞑想する、運動する、自分を俯瞰的に見る、そんな自分も受け入れる等々、いくつもあります。だけど、ううむ、そうじゃないんだよ・・・とひねくれ者のわたしは思う訳です。運動したって一時しのぎでしょ(大体運動嫌いである。)、そんな自己嫌悪するような自分を受け入れましょうって、そうしたら、そんな思考回路で止まってしまうじゃ
ご注文で制作したイニシャル小箱ふたつ、ご紹介させてください。サイズはいちばん小さな豆小箱、指輪がひとつ斜めに入る程度のものです。左は純金箔にKとMのモノグラム、右は水箔(14金)にMのイニシャルです。装飾方法はそれぞれ違うのですが純金の方はベースに蔦模様を線彫りし、KとMを黒でペイント。すこしの磨り出しをしてアンティーク調に仕上げました。中は紺色の別珍張り。シックな雰囲気です。水箔のMは、ベースの蔦模様は金と同様ですが、Mと蓋側面の点々をパスティリアで盛上げ
2024年2月のフィレンツェ滞在記、相変わらず忘れたころに再登場です。フィレンツェ滞在時には公私ともに(?)お世話になりっぱなしの友人Lですが、今回の滞在でもLと奥さんCちゃん、そして猫のムジッチェとチョルニのお宅へお邪魔しました。猫を愛でながらビステッカをいただくのです。今回、わたしはベジタリアンCちゃん用にホウレン草の胡麻和えとポテトサラダを山盛り、そして頂き物のシャンパンとアマローネ(赤ワイン)がありましたので持っていきました。アマローネはイタリア北部ヴェネト州名産ワイン
現在フィレンツェに滞在中の友人が、美しい写真を送ってくれました。EREDIPAPERONEBottegad'Arteのショーウィンドウに並ぶKANESEI小箱です。写真のセンスと技術があると、こうも違うのですな…!彼女の配偶者の方はフォトグラファーなので、やはりそんな所もお二人は通じているのかもしれません。あれ、こんなにカッコいい雰囲気に展示されていたっけ?おや、こんな美しい陰影が見えていたかな??実物より良く見えている!?この小箱た
3月30日の土曜日、悲しいニュースに触れました。彫刻家の船越桂さんが肺がんで亡くなったと。展覧会に行ったり制作過程等のDVDを観たり、お父様の船越保武さん共に尊敬する方でした。ご冥福をお祈りいたします。そしてまた、マッシモを思い出したのです。フィレンツェの額縁師匠マッシモは、昨年初秋に体調を崩して呼吸が困難になり病院で検査を受けたところ、すでに肺がんが進んでいて手の施しようがない状態だったとのこと。妻パオラ曰く「とてもアクティブながん」で骨や腎臓、リンパにどんどん転移してしまっ
以前に展覧会用などに作って、そのまま自宅の片隅で眠っている額縁がいくつもあります。本当は展覧会時に販売できれば良かったのだけど、そう上手く行くことも無く・・・長らく冬眠していた額縁たちを、オンラインショップで販売しています。サイズは規格サイズではありませんが、鏡を入れていただくことも可能ですし、もちろん作品の額装として、またお店の展示や什器として、色々と使っていただけると思います。▲piatto-franceseフランスの古いお皿をイメージしたデザイン。▲金焼金箔を貼り
先日お話したように、ノロウィルスに大打撃を受けた我が一家、おかげ様でそれぞれ快復いたしました。わたしもどうにかパジャマを脱ぎ捨てて作業部屋に入った日、納期間近の額縁制作を再開したは良いけれど、あわや大失敗!という瞬間がありまして、いやもう、こんな日は急がば回れ、落ち着いて違うことをした方が良いのです。かと言って気は焦りますし本を読んだりする気分でもない。何かしていないと落ち着かない。「そういう時」のために、制作途中のマイクロ点々打ち小箱がいくつかあります。石膏や金箔が乾く
いたって個人的な事ですけれども、先日ノロウィルスに感染しました。家族のひとりが外食時に感染したらしく(同席した方々も感染・・・)、その後に他の家族も感染、そして最後にわたし。話には聞いていましたけれど、このウィルスの強さにはもう、どうにもこうにも。症状はいわゆる「ノロウィルスに感染した時」そのものでした。お茶を飲むのも恐ろしい。身体中がウィルスを追い出そうと奮闘してくれているのを痛感しつつ寝ているのみ。▲画像は爽やかなフィレンツェの青空いやはや・・・家庭内では気を付ける
カツカレー。#かねせいはるかぜていのmyPick楽天市場おとなの市場見学子どもと一緒に楽しめる[市場研究会2012]1,650円君も市場で働いてみないか。すすめないけど。Amazon(アマゾン)魚市場で働く(なるにはBOOKS補巻)497〜4,850円飯がうまいぞ。楽天市場横浜中央卸売市場から厳選してお届け!ねぎとろたっぷり500g入り【同梱3,900円(税込)以上送料半額、6,900円(税込)以上送料無料※沖縄・離島別途送料1,000円
2023年にペルージャの国立ウンブリア美術館に行った時、誰もいないとても静かな空間で、思う存分に黄金背景テンペラ画を堪能できました。その時に見た数々の作品に登場する聖人や司教など、聖書を持って佇む様子が沢山あるのでした。その人物が誰であるとか、持っているのが本当に聖書なのかどうか等々はさておき、その本の装飾に見とれました。大抵描かれているのはは赤とか青とかハッキリした色の本に金で模様が入って、そうして金具で閉じられているのです。それら絵の「金具で閉じられた聖書」のイメージで作
わたしの額縁師匠パオラとマッシモについては何度もお話しているのですが、もう少しお付き合いください。今回のフィレンツェ滞在で一番に連絡したけれど、なかなか会うことが出来なかったパオラ。週に1~2度、体調の良い午前中だけ動けるとのことで、滞在後半にようやく会いました。小柄でとても痩せていて身体が強くないパオラは、昨年秋から体調を崩していて、今は酸素ボンベを携帯しつつ吸入する生活になっていました。昨年暮に夫のマッシモが亡くなり自分の体調も限界、これが潮時なのよ、と工房を閉じることに決めたと話し
イタリア滞在から帰国してオンラインショップも再開するのを機会に、新しい商品も載せることにいたしました。新作ばかりではなくて旧作もいろいろと。純金箔と純銀箔の双子額縁、かれこれ・・・大変大昔に作ったものです。その頃はエージェント事務所に所属しておりまして、マネージメントを担当してくださっていた方のアイディアでアンティークの布を入れました。な、なつかしい・・・天使の模様が織り込んであるシルクをクッションになるようにして(キルト芯を入れて)ふかふかにしてあります。帰宅後に外し
さて、今回のイタリア・フィレンツェ滞在の目的1はマッシモのお墓参りでしたが、もうひとつの目的は小箱販売継続に向けての諸々でした。昨年2月の滞在時に友人Lに手伝ってもらってようやく辿り着いた「KANESEI小箱販売店代理店」のEREDIPAPERONEへ、納品小箱を担いで行って参りました。フィレンツェ特産工芸品のマーブル紙や革を使った高級文具店の奥の一角にあるガラスケース、そこに我が娘たち(小箱)が並んでおりました。Lが写真に撮って送ってくれていましたが、自分の目で見ると喜
フィレンツェ滞在から帰国いたしました。1か月弱の期間、とてもとても充実した盛沢山の時間を過ごしました。出発前のブログ(1月22日)で、わたしの額縁師匠マッシモが昨年12月に亡くなったとお話しました。今回の滞在でマッシモの墓前にご挨拶することを大きな目標にしていたのでしたが、結局叶えることは出来ませんでした。マッシモの妻でわたしのもう一人の師匠であるパオラは現在体調を崩していて、週に1~2度ほんの少し体調の良い午前中だけ動ける様子です。すでに工房はほとんど使われておらず、見本
「ホカホカマリア様?」でお話したイタリア語の単語「Bagnomaria」(湯煎)のつづき。気になって追及しましたが、ご興味あればぜひ。湯煎は古典技法絵画だけではなく、いちばん使われるのはお料理の分野でしょうか。チョコレートを溶かしたり卵を少しずつ加熱したり。イタリアに料理修行に来られる方も沢山いらっしゃいますので、きっとこの「Bagnomaria」に「はてな❔」と思われた方は沢山いらっしゃるのではないかと期待しております。さて、わたしの手持ちの伊伊辞書をまず引いてみます。
イタリア語を少しご存じで古典技法の経験がある方ならば、またはイタリア料理を勉強なさった方ならきっとご存じのイタリア語単語、それは「bagnomaria」、湯煎という意味です。古典技法で欠かせない石膏地はニカワ液に溶いてありますから、必ず湯煎で温めて液状にして(冷えるとゼリー状になる)使います。▲右上のガラス瓶に石膏液が入っています。普段は冷蔵庫に入れておいて、使う時に湯煎で温めています。下に敷いた紙がびしょ濡れなのは、湯煎して瓶を拭かなかったから・・・。キャンバスや板絵の下
すっかり小箱制作ばっかりね、と思われているかもしれない・・・ですが、こちら額縁も忘れておりません。隙間時間にガサゴソと制作。1700年代イタリアの額縁風のデザインにしました。外側には果物と葉。この果物のリース模様はぜひ一度作ってみたかったデザインなのです。中央にはリボン巻き巻き、端先は・・・これ何と呼ぶデザインでしょう、変形「lumb'stongue」のような。次はボローニャ石膏を塗り磨き、ボーロを塗り、金箔を貼ってメノウで磨いて、ちょいと古色を付けたら完成です。なぁ
シンプルな小箱・・・いや、KANESEI小箱としては、シンプルな小箱が出来ました。こちらも星のような模様を入れてありますが、いつもの青ベースに金の星ではなくて、パスティリアで小さな点々をで集めて盛上げて、その周囲をマイクロ点々を打ってキラキラとさせてみました。蓋の縁はひと回りぐるりとベルト状に一段高くして、格子のようなウロコのような模様が細かく入っています。この写真だと暗くて見えませんが・・・ちなみに箱の下の本は、2023年フィレンツェ滞在時に書店で立ち読みして、時
ウルトラマリンの青をベースに金の星を並べるデザインは、それこそジォットのフレスコ画の頃から(それ以前からかも)ある不朽のデザインでして、わたしも小箱になんども繰り返し入れています。今回は平たい正方形の箱に紋章風に入れてみました。金の部分はすべて純金。いつもの純金箔水押と、星模様と細い線模様は純金泥です。この写真では分かりにくいのですけれど、やはり金泥で描くと絵の具の「金色」とは全く違うのです。輝きが奥深く繊細といいましょうか。描いていて楽しいのはもちろん金泥です。
額縁の修理をしています。作業部屋では天井の蛍光灯の明かりに加えて、手元のライトも使っています。斜光ですと凹凸や傷がより見分けやすくなります。欠けてしまった部分を再形成した時など、特に斜光でいろいろな角度から見る必要があるのです。手の意見をでも最終的な良し悪しを判断するのは、目視ではなくて触覚です。目は疲れた夕方や気分(恥ずかしながら。)で「まぁ良いんじゃないかな」と判断してしまうことがあるけれど、指先の感覚はぶれません。嘘が付けないというか。ここで目の判断に流されてし
以前に「『小箱の同じデザインは二度と作らない』というのはやめた」、つまり同じデザインを再度作ることを宣言(大げさ)しました。今回の小箱も以前に作った模様を技法違いで作ったものです。上の写真が新作。石膏地に模様の輪郭を線彫りして箔を貼り磨き、模様の内側を点々打ちしました。今回の点々はマイクロサイズではないので、よりクラシカルというかルネッサンス風味になったような気がしています。ちなみに以前作った時はこの模様をパスティリア(石膏盛上げ装飾)で入れました。同じサイズの箱
先日BGM代わりにテレビをつけていましたら、ぬいぐるみ作家の方のインタビューでした。ひとつずつ違う手縫いのぬいぐるみは個展でも即完売で、注文も数年待ちだとか。その方のぬいぐるみ購入者は女性や子どもだけでなく、大人の男性のファンもいるそうで、家に迎えたら家族のようにペットのように大切にする方が多いそうです。インタビュアーがその方に「自分で作ったぬいぐるみを手放す(売る)のは辛くないか、思い入れはあるのか?」と聞いたところ、きっぱりと「思い入れはしないようにしています。」と答えていらした
わたしは古典技法額縁制作・修復を自称しておりますけれど、最近は古典技法小箱制作が増えています。まぁそれも時期によるでしょうし、バランスと言いますか、今は小箱のターン、また額縁のターンが来るでしょうし、全く新しいことが始まるかも知れないし、と思っております。小箱についてお話するとき、「ひとつ作るのにどのくらい時間がかかるのですか」というご質問は度々お受けします。もちろんデザインやサイズにも寄るのですが、実は「ひとつだけ集中して作る」と言うことが無いので、ひとつ作る必要時間はわたしにも
最近ようやく完成した小箱は、外側を削った変形型です。いつもの通り箱義桐箱店製の美しい桐小箱を、ガリガリとヤスリで削りました。▲まだ削り途中。箱木の厚さや強度を考慮して、でもギリギリ削れるところまで攻めてみました。この箱は石膏下地を磨き終えて、あとは装飾!という段階でず~~~っと放置、いえ「お昼寝」させていました。なかなか気に入るデザインが思い浮かばない。本当は昨年秋の小箱展に出したかったのですが間に合いませんでした。適当に落書きのようにデザインを考えていて、ある
昨年暮の大晦日間近の日、とつぜんポカッと時間が出来たので、ガサゴソ小箱制作をしていました。純金箔を貼ってさて、メノウ棒で磨きましょう・・・と思った時、手から滑り落ちて折れてしまったのでした。細くてすこしカーブしているので、落とせば折れやすい形ではあるのです。だけど、これと同じメノウ棒を折るのは2回目・・・1本目は留学時に買って、数年後に落として折った。今回のは2011年にようやくフィレンツェに行って買って、また折った・・・。何ということでしょう。古典技法の道具は日本では手に入り
1月24日の水曜日から、フィレンツェに行って参ります。いつもは帰国後にご報告でしたが、今回は先にお知らせしてみることにしました。とは言え、イタリア滞在中もブログは予約投稿いたしますので、変わらずご覧いただけますと嬉しいです。イタリア滞在記はまた帰国後に。(2023年滞在記も中途半端ですが。)大学卒業後すぐに留学したフィレンツェで、一番お世話になったのが額縁工房corniceriadel'agnoloのマッシモ&パオラ夫妻でした。修行先探しに難航したなか、受け入れてくれたのはマッ