このときに己の非を悔いて同僚や友人に助けを頼み、二貫目を集めてきて借りて店の使い込み分を補填して、今から心を改めて婬酒を控えて油断なく奉公すればその身を無事にきちんと務めればいいのに、主人の金を使うのではなく両替だと言い張る。小人の過ちは必ずかざるという古語のように、この二貫目[1]の埋め合わせのために、小判市で失敗して五貫目にしてやられ、銭の相場の変動で三貫目の損をする。そもそも二貫目の損失埋め合わせのはずが、様々な目に遭って二十貫目から三十貫目に損失が膨らみ、ついには自慢していた親に迷惑をか