隠しておいてはいけない事なので、同僚に相談したが顔色は土気色になっている。やってしまったことを嘆いてみても同僚の手代もどうしたらいいかわからず、ありのまま旦那に申し上げた。主人は信じられず、普段は上戸で酒に飲まれるようなことはない。ほんの少し飲んだだけで訳が分からなくなり、大切な金を盗られたのか落としたのやら分からないという。結局、酔って落としたことにして、横領したのではないかと身元引受人を呼びつけ謹慎処分にした。この無くした金額分を稼いでこないと、表ざたにして命をとるぞと厳しく言いつけた。身元