「洗濯しなきゃ」涙が乾いて少し痒くなった顎を手の甲で擦っていると、自分の声が微かに耳に届いた。ベッドから降りようとしたが、脳は手足を動かす指令をうまく出せず、立つ事なく足はグニャリと曲がった。床に手をついて俯いているとカチカチと秒針が進む音が頭に響く。ジンジンと痛む頭に神経を集中させて(一、二、三、四、五、六……)と、しばらくカウントしてから、少し冷静になったタイミングで手足に力を入れて立ち上がる。うまく動かない体を洗面所まで運ぶと、もう何度も洗い直した洗濯物を洗濯機に入れて回した。ひどく無表情