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今回よりしばらく私の専門でもある着床の話をして行きたいと思います。皆様ご存じのように、着床障害でお悩みの方は大変多いです。かく言う私も日々の診療で頑固な着床障害に対して奮闘努力の連続です。「何でこんなきれいな胚盤胞が(子宮に)着かへんねん!」と毎日のように心の中で叫んでいます。「こうなったら気合いでくっ付けるしかない!」と思ったりすることもあります。事実、われわれの業界では「一球入魂」ならぬ「一胚入魂」という言葉があります(といっても多くのドクターは知らないですが)。
こんにちは少し間があいてしまいまして…すみません私はふだん胚培養士外来を担当しています。胚についての詳しい説明だけでなく、新しい技術や体外受精(ART)に興味のある方、ステップアップでそろそろ考えている方へのスケジュールや胚発育の説明などARTに関してはなんでもお話しています。そこで一番多い質問が『仕事を続けながら体外受精を受けられますか』妊活を始める時にも漠然とした不安を感じながら来院される方も多いと思います。最近は社会全体が妊活を応援する雰囲気になってきているので、職場
あだちチャンネルで、いよいよ足立病院生殖医療センターからの情報発信が始まることになりました!!名付けて、「こうのとりチャンネル」。足立病院生殖センターの今を皆さんに知っていただきたいと思います。記念すべき放送第1回は、足立病院生殖センター長・中山貴弘先生と、不妊治療経験者の松本みゆきさん(向日市議会議員)の対談となりました。松本さんの明快な司会に、中山センター長が誠実にお応えする形で、“足立病院生殖センターの診療におけるポリシー”を語っています。ぜひ、ご視聴ください!中山センター
足立病院生殖医療センターのリニューアルをとりあげてくれてます。引き続き、アメニティの向上に取り組んでまいります!
2020年11月17日に行った、「京都のモニュメントをティール&ホワイトにライトアップ!~子宮頸がん征圧に向けたWHOの世界戦略開始記念イベント~」。子宮頸がん予防にまつわるイベントに関しては、当事者である世代の女の子たちが主体的に行動を起こすことが大切と、常日頃考えていました。ちょうど同志社女子大学にもイベント後援に加わっていただいたこともあり、同志社女子大学大学院看護学研究科の皆さんに参加いただきました。その学生さんたちが、第35回日本助産学会学術集会で本イベントの成果を発表され、日本助産
毎週日曜日夜10時〜、私がパーソナリティを務めてKBS京都ラジオよりお送りしている「ハリある暮らし」。今日は、足立病院生殖内分泌医療センター長中山貴弘先生による「精子を良くする生活」です。最近、しばしば通院の方から「先生のところは男性不妊の治療もしておられるんですか」と聞かれます。実は当院は、産婦人科同性能の精子観察用顕微鏡を国内で初めて導入した鍼灸院でもあります。なぜこれを導入したかと言いますと、精子の状態は日々変動が激しく、観察回数が多いほどデータは正確に
こんにちは。今回は『胚盤胞胚のグレード』について書こうと思います。体外受精をこれから受ける患者さんには次のように説明しています。私たちの考える理想のIVFは…卵胞12個くらい発育し卵子を10個採取し8個受精し…元気の良い胚盤胞が3個育って、凍結出来たというのを目指しています…と凍結融解胚移植が3回出来ますね。40歳未満の凍結胚移植妊娠率は約50%ですので、計算上は上手くいくはずです…まず皆さんが驚かれるのが…『10個採取出来ても3個しか育たないのですか』
私は昔々、大学で生殖医療の臨床医として働いておりました傍ら、体外受精の成績を上げるべく、基礎研究も行っていました。ある日、顕微鏡による観察で胚がこうむる酸化の悪影響についての研究をしておりましたところ、衝撃的な現象に気が付きました。それは顕微鏡の光を当てると胚の中(厳密に言いますと細胞質内)の活性酸素がどんどん増えていくという現象です。下の図を見てください。ハムスターとネズミの胚に顕微鏡の光を当てた時に細胞の中の活性酸素が増えるのかどう
こんにちは今日も「よく受ける質問シリーズ」体外受精を受けている方々にとって気になる『胚盤胞期胚のグレード』について書いていこうと思いましたが…あ。でもその前に…『新鮮胚移植か凍結胚移植かどっちがいいの?』という説明もしておかなければ上手く語れませんね。まずは新鮮胚移植、凍結胚移植について説明したいと思います。採卵(卵子を採取)して、そのまま新鮮胚で移植しない方がいい場合は、一旦凍結保存して、翌月以降に移植します。新鮮胚を移植しない方がいい場合とは…①子宮環
こんにちは~今日はよく受ける質問シリーズ『体外受精と人工授精の違い』について書きたいと思います。実際治療を受けている方にとっては今更…という感じだと思いますが、妊活を始めた方にとってはややこしいかと思います。なぜなら響きがとっても似てるから…『体外受精』とは…体外で受精する…卵子と精子が出会って一つになることが受精。IVFって聞いたことありますかinvitrofertilizationの略でインビトロファーティリゼーション…つまり試験管内で受精って
世間では今年もコロナ禍に関係なく入試の季節になりました早々と試験を済まされました受験生の皆様は、合格発表を前にさぞかしドキドキされておられることでしょう。そういえば私もそうでした振り返ると懐かしいですね実はいま、産婦人科医、特に不妊治療に関わる医師にとってはとっても大事な試験の合格発表の時期です。『日本生殖医学会認定の生殖医療専門医試験』すべての診療科のドクターは国家試験に合格し医師免許を取得したのも束の間…その先には各科専門医試験が待っています。医師人生をあきらめていない
前回お話ししました最新型タイムラプス培養庫エンブリオスコープについてその特徴をお話ししていきたいと思いますここ数年来、異常気象による自然災害が多発していますが、体育館などで何世帯もの方が雑魚寝で避難生活をされている姿を見ると心が痛みます。自分だったら我慢できるかなぁ…と思ってしまいそれだけでストレスを感じます。また過去に、避難所でインフルエンザが蔓延したというニュースを耳にしたことがあります。これも当然起こるべくして起こったことではありますが、もしこれがコロナだったら大変なことですね。
臨済宗妙心寺退蔵院・副住職の松山大耕さんをゲストにお迎えし、「ウィズコロナ時代のこころの保ち方ー宗教の果たす役割ー」というテーマでお話を伺いました。現在の社会状況から、急遽WEB対談という形で実施させていただいております。コロナ禍において『こころの平静を如何に保つか』、和尚さんの立場からお話しいただいています。対談のなかで見せる優しい、穏やかな語り口、それに落ち着いた所作、とても癒やされます。人間のいだく煩悩『三毒』など、とても印象に残るお話が散りばめられています。ぜひ、ご覧いただきた
さて、私こと昨年秋口より長らく、具体的には19年間診療を続けて参りました土曜日午後診を辞し『特別外来』なるものを行っております『特別外来って何なん』と思われている方いらっしゃると思います。『VIPみている』『特別料金』との憶測も飛んでおりますが、実は何のことはない「普通の外来」です。皆様の診療待ち時間を少しでも減らすため、治療が複雑で十分な説明・準備時間が必要な方を選んで診察しています。お一人20~30分、長い方で1時間程度の時間を要します。話の内容
こんにちは治療などの話ばかりでなく、ちょっと息抜きとして…私が(あくまで個人的ですよ~)考える当院の我が自慢を時々お話しちゃいます…これもシリーズものとして思いつき次第更新していきたいと考えています。今日は第一弾として、我が培養室の自慢を一つうちの培養室は色々自慢があります何年か前、ある方に…『ここの培養室の雰囲気は日本一だよ』って言ってもらったことありますホントに素敵な職場だと思います(少なくとも私は…思ってます)あまり言うとパワハラになりかねないのでこの
ここにもエンブリオスコープのことわかりやすく書いていますよ
足立病院生殖内分泌センター長・中山先生のブログをシェアします。タイムラプスインキュベーター、すごいシステムですね!時代とともに技術は革新していきます。また、それを使う側の経験値も大切ですしね。以前、足立病院のFacebookに書いた内容、紹介させて頂きますね!FacebookWatchから:医療法人財団足立病院さん足立病院生殖内分泌センターの革新①「タイムラプスインキュベーター」当院では新たなTime-lapsesysytemであるEmbryoScope(Vitrol
皆さま、今どうしても買いたいものありますか~スマホや雑誌の写真を見て、ため息をつきながら…「買いたいナ~」「でも見ているだけでも幸せ」なんて感じた経験ありますよね私も一昨年、仕事道具(生殖医療に関連するもの)で「買いたいナ~」と写真や動画を見ながら思っていたものがありました。それが…『タイムラプスインキュベーター』その中でも最人気のエンブリオスコープ®です。(実はうちの胚培養士長も思っていたみたいです…)「でも高額だし…」「買うとなったら取り扱う胚の個数から
こんにちは~去年から変わったことでお伝えすることを1つ忘れてました全ての培養に関する装置・凍結保存タンクに「アラームシステム」が設置されました培養器・冷蔵庫には元々アラーム付いていましたが…万が一の時に瞬時にスタッフへ知らせが届きます停電だけでなく、凍結保存タンクの損傷や液体窒素の残量など…うちは専属の胚培養士が20名いるのですぐに対応できる環境が整いました万が一は起こったら困ることなので…これはあくまでも念のための保険です。起こらないように祈ります
みなさん、こんばんは。私がパーソナリティを務める「ハリあるくらし」も明日で第15回を迎えます。明日は、足立病院の中山貴弘先生が、妊娠のための生活習慣をお話しされます。毎週日曜日夜10時からKBS京都ラジオをお聞きください。アプリラジコを入れると、タイムフリー機能で、PCでは3日間、携帯では1週間、自由に聞くことができます。なお、京都滋賀地区以外の方は有料です。そして中山先生から、ブログ再開のラインが本日届きました。みなさま、これから注目していきましょう。不妊・婦人科・逆子
コロナ禍において、皆さんいろいろな行動制限をしながら生活されていると思います。そして、今感染拡大が止まらず、毎日更新される感染者数に、先が見えないことへの不安も膨らむばかりです。そんな状況のなか、妊婦さんは、さらに不安やストレスも大きいと思います。ひなたぼっこでも、コロナ禍で出産された方のお話しを聞くことがありますが、家族の面会ができなかった。上の子どもと退院まで会えなかった。立ち会い出産ができなかった。入院してから退院まで一人だった。病院によって対応も違うと思いますが、やむを得ないとは
皆様、少し遅くなりましたが明けましておめでとうございます昨年はコロナ禍での診療体制の縮小、問診・検温やご主人の入室制限などいろいろとご不便をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。とくにご主人が廊下の踊り場で皆様の診察が終わるのをジッと待たれている姿を見るにつけ、改めて「頑張って皆様に妊娠していただこう」と自分自身を鼓舞してる毎日です。ご主人様、私の熱い視線に気が付かれた方おられましたでしょうかまた新年早々、外来改装工事で大変ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。
昨日から採卵や移植が始まりましたより良い環境で胚培養出来るよう、培養士一同精進していきたいと思います。新しい技術も導入していきますよ~本年もどうぞよろしくお願いいたします新年早々、生殖内分泌医療センター改装工事をしております。ご不便をおかけしますでも…ご期待ください春には素敵なセンターへ生まれ変わる予定です待ち時間は短くなるように…そして快適に…カフェでのんびり気分で来院していただけたらいいなぁ…と思います
今年も終わろうとしています。数時間後には新たな一年が始まります。この大晦日の変わり目ほど、人々の心に去来するものの大きさ、違いが様々な年明けはないのではないかと思います。打ちひしがれている人、心折れそうになっている人に、新たな一年に一筋の光が射すことを祈ります。さてラジオ放送の告知ばかりになったこのブログですが、第13回の「首から上特集」について書くのをコロリと忘れていました。失礼しました。偏頭痛、難聴、顔面神経麻痺などをお話ししました。第14回は1月3日(日)夜10時からKB
こんにちは今年の培養は昨日で終了しました~培養室では年末年始は何をするかと言いますと…もちろん大掃除でも一番大切なのは…培養器のメンテナンス。胚を育てる環境を完璧に整えておきます当院で導入しているエンブリオスコープ酸素濃度、二酸化炭素濃度、温度など…そしてカメラのこと…専門のエンジニアの方に来ていただきしっかりメンテナンスしていただきました。年始にはそれ以外の培養器万が一の時のアラームシステムなどメンテナンスに来ていただきますあとは…
こんばんは。一週間が経つのって本当に早い。ラジオを始めてからそう思います。水曜日は隔週で収録と香川の厚仁病院への日帰り出張。日曜日に放送。3日毎にイベント、、、という感じです。気がつけば、もう日曜日。ということで慌てて書いてます。12月13日(日)夜10時からKBS京都ラジオで「ハリある暮らし」第11回放送です。今回は、醍醐渡辺クリニック院長の渡邊浩彦先生との大胆です。じゃなくて、対談です。めちゃくちゃ表情かたいです、私。今回の放送ではこんな決めTシャツを着ています。実は
こんにちは去年から出来るようになった検査です「子宮内膜蠕動運動検査」ぜ…蠕動蠕動とは…筋肉が伝播性の収縮を生み出す運動のこと胚は子宮内膜に着床して妊娠が成立しますところが…着床障害の一つの原因として、着床時期に胚を押し出すように蠕動運動している場合があるということがわかってきました例えば、受精する時期に内膜が奥に向かって蠕動してくれているなら…精子にとっては追い風ですよね胚盤胞期胚が子宮に来た時に外へ押し出す方向の蠕動なら…着床時期に押し出してしま
こんにちは前回のつづき…「顕微授精法」についてです。「顕微授精」とは…精子を卵子に注入しますこう聞くと100%受精するように思いませんかところが100%ではないんです…良い卵子と良い精子が出会ってくれた時に受精しますどちらかに異常がある場合や弱い場合は受精しません。ただ、従来法と違って、卵子の細胞まで入れてあげるので、精子が自力で卵子に入れない場合も受精してくれます。例えば…精子が少ない場合や運動性が弱い場合精巣から精子を採取した場合などです。
皆さん、こんにちは。毎週日曜日夜10時からKBS京都よりお送りしているラジオ番組「ハリある暮らし」、11月8日の足立病院の中山先生のお話から始まり、12月13日の醍醐渡辺クリニックの渡辺先生まで、計6回連続で生殖に関するお話です。明日の第9回は、私中村が勤務する厚仁病院院長の松山毅彦先生にいろいろお話をお聞きします。その病院は香川県にある結構大きな病院です。なぜ京都にいる私が香川県で鍼をすることになったのか、その経緯も含めたお話になります。私が医師の学会に呼ばれて、初めて講演
こんにちは。そういえば…去年はよく勉強会に行きました勉強会に参加すると、色々刺激を受けて…意欲が出ます企業ブースで新製品が出ていたら使ってみたくなったり…新しい取り組みをしたり、データをまとめたり…今年はコロナで学会も勉強会もオンライン…活気のある独特の雰囲気を味わえずです…そうそう、新製品で思い出しました今日は精子について書いてみます精子は受精さえしてくれたらOKあとの発育は卵の力と胚の生命力…と以前は思ってました。ところが最近は精子のDNA