最近、実家に戻って、小さな乗り合いバスが一日に数回、コトコトと走っているのをみると、ある光景を思い出しました。それは子供の頃、乗り合いバスの後ろの座席から時折韓国語が聞こえていたことです。もちろんその頃の私にはそれが外国語だという意識はありません。なんとなく聞こえてくる抑揚が耳に心地よく、ずっと聴いていたのを覚えています。発車を待つバスは同じ抑揚の会話に包まれ、時折、声高に聞こえてきました。言葉はわからなくても、雰囲気は伝わります。電話もない時代、あの時のおばあちゃんやおばさん達は、束の間のおし