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イラクサのスープのことがどうしても頭から離れず、小松菜で作ってみました。(これはイラクサのスープ。私の作った小松菜スープは、ゆで卵の代わりにサバ缶を入れてあり、レンズマメもしっかり入っています)。ニンニクを潰して赤唐辛子とオリーブオイルで炒め、そこに小松菜を刻んで放り込み、しなっとしたらしばらく冷ましてミキサーにかける。その一方で、この前、土産にもらったオレンジ色のレンズマメ(ランティーユ)を水につけておいて、それを土鍋で煮る(前の日が水炊きであったので、その残りのスープで煮ようということ
今月末に放送の収録が2回あり、どちらも大掛かりなものなので、そこに他の仕事が被らぬよう、必死にいろいろとやっていました。26日締め切りの原稿を16日に書くとか・・・そのおかげで、収録には余裕をもって参加できそうで、ほっとひと息。フリーランスで働くということは、「休みなし」と同義です。私の場合。ですので、去年も一日フルに休んだことは一度もなく、今年もそうです。12月31日までびっしり予定がつまりそう。せいぜい、どこかで4時間ほど纏めて休んでマッサージを受けたり、スーパー銭湯に着かるぐらい。あ
独りで仕事をしていると、自分のせいで往々にして失敗します。今日も、公演に出かけようとしたらチケットがない・・・確かに受け取ったはずなのに・・・慌てて探すが見つからず、主催者さんに電話をかけて、平謝りに謝ってから、席番を再確認してもらって場内へ。しかし、そんなアクシデントであたふたしてたどり着いたものの、公演自体は素晴らしく、音楽雑誌さんからご依頼の年間ベストテンに入れることを決定。何位になるか、いま、粛々と考え中です。さてこの日、公演終了後に帰宅しながら、「今後、チケットを失くさないように
友達からメールが来て「ある航空会社の機内誌の記事に、岸さんが普段言っておられるのとは違う読み方(フランス語の固有名詞)が出ていた・・・」という意味の連絡がありました。本当は、そういうのは知らされたくはない。なぜなら、「専門家なので、間違いを見つけたら訂正しないといけない」から。執筆者の機嫌も損ねるだろうし、ディレッタントの書いたものにそもそも関わりたくはない。だから、「日本語は読みません。オペラの研究に必要なものはアルファベットと音符なのです」と毎回どこでも必ずお話しするのでした。それで、
かのベルリオーズがロシアに招かれて赴いた時、サンクトペテルブルクでこの老巨匠を出迎えた音楽家たちの中に、若き日のチャイコフスキーがいました。チャイコフスキーは語学に長けていたことから、彼が代表して仏語でスピーチし、ベルリオーズに敬意を表したといいます。大作曲家同士は、出会うべくして出会う。イタリア人のレスピーギも、10か国語ぐらい解したという語学の達人。若き日のレスピーギも、はるばるサンクトペテルブルクまで赴き、当時の管弦楽法の大家と尊敬されたリムスキー=コルサコフと面会。リムスキー=コル
一般社団法人国際総合芸術研究会(WCARS)の運営委員さんから、「ムーミンに出てくるフローラの・・・」という発言が出て、しみじみと、世代差を感じました(!)。★WCARSについてはこちらをご覧くださいhttps://wcars.or.jp昭和38年生まれの私は、アニメのムーミン、ノンノン、スノークといった名前でこの物語を知っています。また、原作の童話シリーズもずっと読んでいたので、そちらでは「ノンノン」ではなく、「スノーク家のお嬢さん」という書き方をされていたことも。フローラというのは、
フランス語でいうなら《サンソン・エ・ダリラSamsonetDalila》です。METライブビューイングを観に行き、楽しみながらいろいろ思いを巡らしていました。私は19世紀のフランス・オペラの専門家なので、この演目を観る回数も、解説する回数も、批評する機会も結構多いのです。日本でも数年前、演奏会形式で見事な上演がありました。音大の学生たちのコーラスが、集中力の塊で歌いだした瞬間を、忘れることはできません。北米で観た上演では、第2幕終了後の幕間で、グロッケンシュピール奏者が必死になって
先日、あるオペラ公演の批評を書くことになり、客席に早くから座っていましたが、私は普段、キャスティングを全く気にせずに伺うので、誰が出演するのか、だれが振るのかなど事前に把握しないままでした。そして舞台の幕があいて・・・ある有名演目でしたが、指揮者のテンポ運びがそれは素晴らしく、「こんなに上品な進め方をしてくれるとは本当に嬉しいことだ!」と感嘆していました。休憩時にプログラムを開いてみて驚き。勿論、知っているお名前でしたが、この公演を境に、この指揮者さんへの印象ががらりと変わりました。こういう
東京フィルハーモニー交響楽団が演奏会形式で取り上げたボーイト作の歌劇《メフィスト―フェレ》。批評を書くことになっていて(先ほど書き上げて送信したばかりです)、それ以外にも特別な仕事を仰せつかっているので、そのために、フルスコアの楽譜を借りてきました。実は、うちにも元から《メフィスト―フェレ》のフルスコアを所蔵しているのですが、見比べるまたとない機会と思い、出版社のレンタルスコアをお借りしたというわけです。この下に載せた画像が、うちで所蔵しているもの。フルスコアが2種類あっても、それぞれ決
講演会に来場いただいている方から、「2月下旬の鑑賞ツアーについて参加を検討中なんですが、何で締切が11月末と早いんですか?」という問い合わせを貰いました。旅行会社さん曰く「ロシアはヴィザ取得が必要で、ぎりぎりお待ちしても、12月下旬ぐらいには締め切って、ヴィザ申請しないといけないんです」とのことでした。まだ、人数に余裕がありますから、引き続きご検討中の方、締め切りを過ぎても関係なく、12月中旬ぐらいまでに、改めてご連絡頂ければと思います。続いて、他の質問です。「鑑賞ツアーはヘルシンキとサ
昨晩7時ごろ、大至急の仕事依頼というものが来ました。普段お世話になっている編集さんからで、よほど困っているのだろうと思いつつ、引き受けました。しかしながら、その時私は大変な頭痛に見舞われていて、薬を飲んだばかり。仕事の内容は歌とピアノのコンサートで、ピアノ曲が7つもあるというもの・・・1500字から1600字で、という指定でした。締め切りまで4日間ほど。なんでそんなの、もっと早くに誰かに依頼しないのか?と思いつつも、間に入っている編集さんも至急の依頼を受けて私の名前を出したわけなので、
仕事の関係で久しぶりにミュージカルを観に行きました。帝劇に入るのも久しぶり。配役は花總まり、ソニン、田代万里生、原田優一、吉原光夫、彩吹真央、彩乃かなみ他の皆さん。ミュージカルはやはり、基本的に音響が大きいな・・・オペラの1.5倍はあると体感。この『MA』、展開が速く、テンポ良く見ていられます。王妃マリー=アントワネットと庶民の娘マルグリット・アルノーが異母姉妹という設定だけ、「そんな安易な!」とは思いましたが(!)、それ以外はいろんな面で納得しました。特に感じ入ったのは、「なぜその
この前、一般社団法人国際総合芸術研究会(WCARS)の運営委員会を拙宅で開いた際、運営委員になってくれた方の一人が、私の仕事部屋の天井近くを指さして、こう言いました。(WCARSに関しては、https://wcars.or.jp/#page1をご参照下さい。入会お待ちしています)「あの紺色の背表紙の楽譜は、何なんでしょうか?なぜか気になる(!)」それは、紺色の背表紙ではなく、ボロボロになった昔のスコアを紺色の製本テープで止めてあったものなのですが、取り出してきてびっくり。私も、存在すら
昨晩、夢に出てきたので・・・日本語をしゃべっていたのも可笑しな話ですが(!)ベルリオーズのオペラのピアノ伴奏譜を弾いてみると、ダントツで「弾きにくい」のです。それはまさしく、ベルリオーズが異能の人であったという証です。彼は木管楽器から出発した人で、ピアノがそれほど上手ではなかった。でも、それだからこそ、楽想の湧き方が、ピアノ上手の作曲家たちとは根本的に異なっているのです。一言で纏めるなら「音が、音型が散らばる、もしくは飛んでいる」のです。繋がりよりも突出感。そこに一つの独創性が存在します。
JulieDorus-Gras(1805-96)。19世紀のオペラ界に耀いた大ソプラノの一人です。この複姓の苗字、Dorus-Grasについては、現代フランス人は「ドリュス=グラ」と発音します。Grasという苗字が最後のSを発音しないので、対比の意味からか、DorusのSは発音する傾向にあるのです。彼女はベルギー人であり、生まれたときの名前はJulie-Aimée-JosèpheVanSteenkisteと蘭語系のものでした。しかし、苗字が長すぎたのか、フランスで活躍するならフ
この前、あるオペラ公演で、カーテンコールの際、指揮者が、プリマドンナを差し置いて、舞台袖まで演出家を呼びに行きました・・・余りの暴挙に目を剥きました。「貴方は実力ある人だけれど、そういうことを人前でやると、理解者は増えないと思うな・・・」私が、心から残念に思った瞬間です。将来的にこの指揮者さんへのインタヴューの依頼が来た場合、受けるかどうか迷うだろうな・・・多分、断るだろう。プリマドンナの気持ちを考えると、こちらの方がいたたまれないよ。まったく。さて、別のある日、オペラの制作発表記者会見が
海外の都市で、私自身が良く知っている街となると、まずは、駐在していたロサンゼルス界隈、続いて、訪問回数のダントツに多いパリになります。ロサンゼルス界隈(ハリウッドとかサンタモニカ、オレンジカウンティ等含む)は、車で行き来する場所であったので、歩いた記憶は殆どありませんが、車窓から眺める風景が、地区によって激変するさまに目が吸い寄せられました。当時、治安、安全ということをしきりに感じたものです。一番通ったのはタワーレコードの2店舗。ハリウッドとトーランスにありました。12時近くまで開いている
日本航空関連のJALカードが出している会員誌『AGORA』を毎号楽しみに読んでいますが、11月号の特集はとりわけ興味深いものでした。この表紙はトルコのカッパドキア。小林廉宜氏の撮影とのことです。さて、その目次ですが、特に私の目を惹いたのが下記の項目です。エストニアの首都タリンの駅前市場のレポートニューヨークの地下鉄特集瀬戸内の豊島へのアートな旅コウノトリ但馬空港の「丸ごと空港体験」ロトで文化財修復~フランス靴磨きニューウエーブどのページもじっくり目を通し、いろいろ記憶に
オペラとバレエの海外鑑賞ツアーのお知らせです。2月下旬から3月にかけて、ヘルシンキでマスネの《タイス》(オプショナルツアー)、サンクトペテルブルクでアダンのバレエ《ジゼル》を観劇します。ご興味ある方は、日放ツーリストのホームページをご覧ください。http://www.nippo-tourist.co.jp/kaigai-tour/helsinki_190224.html☆☆☆外国語学部でオペラ史の授業をやっていると、「どこの言語でどんなオペラが作られているか」に常に関心が向くようになり
ビートルズの〈レット・イット・ビー〉の和音連打の前奏部をチェンバロが弾きだしたとき、「あれ、結構合うジャン!」と嬉しくなりました。楽器の由来や特性を知る一方で、新しい音を知る思いがして非常に面白かったのです。試みはどんどんやった方が良い。試行錯誤から拓かれる道もあるでしょう。ちなみに、演奏者の方の「チェンバロはドイツ語」という紹介を耳にして、自分でも調べ直しましたが、イタリア語では本来Clavicembaloという楽器名が正しいのだそう。それを短くしてCembalo。バロック期のドイツでは
新宿で遅くまで用事がかかってしまい、終電にすら乗り遅れる・・・思わず「すら」と書いてしまいましたが、京王線も小田急線も零時50分過ぎまで終電があるというのに!歩いて帰ろうかな…久しぶりに…と思いながらさっさと歩きだしたところ、最近よく見かける、新しい形のタクシーが信号待ちをしていました。「この車両って、身体障碍者の人優先なのかな?」以前から勝手にそう思っていたので、実際に乗せて貰って、運転手さんに話を訊いてみました。「この車両は、トヨタの『ジャパン・タクシー』という新型モデルなんです。う
見終わって一言。いやー、もう、びっくり。オペラ界もうかうかして居られない。オペラ研究家にバレエを評する資格はないのですが、舞台の色彩の鮮やかさ(ボブ・クロウリー)、ダンサーの活力(振付はクリストファー・ウィールドン)、音楽(ジョビー・タルボット)の雄弁さ-プロコフィエフを彷彿とさせる部分とロマンチックなメロディとが上手くバランス取れています-に加えて、ニコラス・ライトの台本が見事。序幕的なシーンで「あれ、アリスの話にちょっとしたラブストーリーを混ぜ込むんだ・・・」と思ったけれど、
海外旅行で楽しみの一つは、やはり、その土地ならではの食べ物でしょう。今回のフィンランド&ロシアのツアーでは、特にサンクトペテルブルクでの食事について、添乗員さんが「任せて下さい!今まで、何度かツアーをさせて頂いた際は、全員のお客様から大好評でした」と太鼓判を押してくれました。また、ヘルシンキの方では、私の友人(国際総合芸術研究会の理事さんです)がこの5月に一泊したばかりで、彼曰く「ディナーからおやつまで、どこで何を食べても本当に美味しかった!」とのこと。まあ、食にうるさい人ならではの「店選び
「フィンランドと言えば、ムーミンの国。フィンランド語系住民とスウェーデン語系住民が共存する、森と湖の国」「ロシアと言えばピロシキにボルシチ。チャイコフスキーの《白鳥の湖》やムソルグスキーの〈はげ山の一夜〉」小学生の頃の私は、こんな風に捉えていました。『ムーミン・シリーズ』の著者トーベ・ヤンソン女史が、スウェーデン語系のフィンランド人であると本のあとがきに書いてあったので、「一つの国に、言葉が異なる人々が共に暮らす」という状況を知ったのです。確か、ヤンソンさんは日本のテレビ番組にも出演したこと
一般社団法人国際総合芸術研究会(WCARS)の設立記念大阪講演会で、質疑応答の際に、とても興味深い質問が出ました。「オペラは最近原語上演が主流で字幕でいつも観ていますが、ミュージカルはなんで訳詞上演が主体なんでしょうか?」私の口からオウム返しに出た回答は次の通りです。「ミュージカルはセリフの分量が凄く多いので、ネイティヴでない人々が原語の台詞を大量に喋るという上演スタイルになった場合、ミュージカル俳優さんたちが相当に困るんだろうと思います」オペラの場合も、台詞入りのスタイルのものがありま
羽田空港発6時半の飛行機に乗るためには、3時半に起床して4時半に家を出るというスケジュールです。だから、いろんな動作が緩慢になる。眠すぎて。さきほど、ラウンジ内で簡単に朝食をとって、右手にビールグラス(トマトジュースを飲んだので)、左手に食べたもののパッケージを持ってごみ箱のところに行こうとしました。すると女性の係員の方が「お持ちしましょう」と言って近寄ってこられた。思わず、「いえ、自分で」と答えてしまいました。袋にも入れていないごみのパッケージを、人に手渡したくはない。あと、自分が
オペラ史では、フランスの自然主義の旗手と謳われ、文人ゾラの台本によるオペラを幾つも世に送った作曲家、アルフレッド・ブリュノー(1857-1934)。私はこれまで、彼のオペラ《嵐》やオラトリオ《ラザール》の音源評を担当したことがあり、これからも少しずつ紹介してゆきたい作曲家です。独特のドラマティックな響きを持つ創り手です。この前、オペラ・コミック座にグルックの《オルフェとウリディス》(ベルリオーズ版)を観に行ったとき、ホワイエに飾ってある胸像の中で、ブリュノーのところだけ、前に飲食業者の機材が
無料説明講演会のご案内です。企画監修:NHK文化センター岸純信氏と行くヘルシンキ、サンクトペテルブルクバレエ《ジゼル》鑑賞ツアー~オプショナルツアーオペラ《タイス》ご鑑賞プランも魅力!~上記ツアーに関して、90分ほどの説明講演会を2部構成でお届けします。まず前半は、ツアーでご覧になれる演目《ジゼル》、《タイス》とヘルシンキとサンクトペテルブルクの音楽史における存在意義について。続いて後半では、こういった鑑賞ツアーの面白さや注意点などを、わたしがイン