中小企業という言葉は、わたしにとって縁遠い言葉であった。それもそのはず、わたしは就職もせず、ずっと芝居をやっていたから企業という組織から最も遠い世界一で生きてきたも言える。そんな風に生きてきて、いったいどうやって食ってきたのか、自分でもよくわからないところがあるのだが、劇団を解散して、わたしが主宰してプロデュース公演をするようになって、この言葉はずっと身近になった。プロデュース公演は毎回、常に一回こっきりの集まりとは言え、集まってくれた俳優たち=従業員に給料を払うからである。言ってみれば、わたし