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春寒●●○○●●◎眼界田園雪解辺○○○●●○◎紅梅疎影暗香伝●○○●●○●竹籬幽径動詩興●●○○●●◎恰好春寒在我前しゅんかんがんかいのでんえんゆきとけるほとりこうばいのそえいあんこうつたふちくりゆうけいしきょうをうごかすあたかもよししゅんかんわがまえにあり仄起七言絶句韻目=下平声一先韻字=辺、伝、前
読み方しゅんかいせいこうびだんそうばいあらたなりいっぺんのじょうかいじざいのひとさんけいやふうかんしょくさりほうしんうごかんとほっしてすでにはるをしょうず平起こり七言絶句の平仄と押韻この詩の韻目は上平声十一真です。韻目というのは一句、二句および四句の末尾に押韻知る際の韻のグループのことをいいます。ここでは上平声十五に分けられた韻目のうち、十一番目の「真」という韻目に属する文字を使わなくてはならないのです。韻目
修二会「お松明」を漢詩仄起こり七言絶句で表現しました。寒くて真っ暗な東大寺二月堂。そこに僧が担いだ長い竹の束で作った松明が駆け回ります。大きな火の玉が回転し、火の粉が堂の下まで舞い散ります。闇夜に舞う火の粉は幽玄そのもので、夜空の寒気と相俟って厳粛な気分になります。この漢詩は起句の二字目が仄字ですから、仄起こり七言絶句の公式で作詩することになるのです。その公式に当てはめて作ったのが上記の漢詩です。押韻は起句、承句、結句の末尾に施します。「央
失敬な招喚/河出書房新社¥1,296Amazon.co.jp久々のゴーリー絵本。相変わらずの、シュールなブラック絵本です。訳は、柴田元幸。原文の下にきちんと韻を踏んで訳した日本語が、左ページに。この韻にこだわった分、内容が分かりにくくなってるかな。でも、訳者あとがきには、「正確」な散文訳が載せられていて、そこは抜かりありません。そして、右ページには、もちろんモノクロの線画です。悪魔来りて宙に舞いスクィル嬢に蹴り見舞い。蹴り入れられた後、悪魔とダンスしたスクィル嬢。そ
『休符』其の、差を孕む思考の錯誤にただ浮かぶように気づきなさい此の、まだ何者でもない無為の静寂にただ柔らかに解けなさいあなた以前あなた以後足跡奏でる音の譜に愛の一符を押韻してゆくいつも、沢山のご縁をありがとうございます。私の原点『感謝心経』い
七言絶句・五言絶句の漢詩は、ただ単に漢字が7字4行、5字4行並んでいる訳ではないのです。漢詩の熟語を詩語といいますが、詩語には意味のまとまりとしての区切りに意味があるのです。すなわち、七言絶句の漢詩では、起承転結それぞれの句が2字・2字・3字という詩語が使われるのです。始めの2字、次の2字そして最後に3字が単独で意味を持ち、それがお互いに関連して文節を作っていくのです。漢詩を読む場合、そのように詩語の区切りを意識するとある程度理解が進
漢詩の絶句とはどんな形式なのでしょうか。よく聞く漢詩の言葉に五言絶句とか七言絶句とかの用語がありますね。果たして絶句とは一体どういうもものでしょうか。広辞苑によると次の2つの説明があります。①漢詩形の一つ。四句から成る。1句が五言または七言から成る(まれに六言のものもある)。六朝の民歌に源を発し、唐初に確立。盛唐に至って盛行。②話の途中で言葉に詰まること。演劇の台詞(せりふ演説などで、中途でつかえて言句が出ないこと。「突然の知らせに……する
新しい年、平成31年が明けました。心配された天候も前夜から晴れ渡り、元旦は微風快晴という素晴らしい状況で迎えることができました。例年のことながら家族の健康と幸福を願い、先ずは氏神様に初詣を済ませました。正月を迎えて考えた七言絶句の漢詩をご紹介したいと思います。歳朝(さいちょう)●●○○○●◎古往今来情義真(こおうこんらいじょうぎしんなり)○〇●●●○◎欣欣和気在風塵(きんきんたるわきふうじんにあり)○○●●○○●
新年をあえて「美しい月」からスタートさせてください。実は12月、書道家の高須番長にわたしの名前(美月)をリクエストしたところ、「構想、稽古、清書」に1週間かけて、クリスマスに仕上げて下さいました。上のは「草書」で、行書もあります(こちら)。続いて、わたしの好きな新年のあいさつをご紹介します。曜日と韻を踏む形容詞をア~カから選んで、かっこに入れてください。"IwishyoutohaveaSweetestSunday,(1)Monday,(2)Tuesda
さきほど除夜の鐘を聞きながら新しい年、平成最後の三十一年を迎えました。振り返れば年々時が経つのが早くなり、正に走馬燈のごとしです。皆さんはいかがでしょうか。年越し時に漢詩の創作に駆られる思いを述べてみました。これは除夜の音を聞きながら作詩したものです。この詩の意訳はおおよそ次のとおりです。「大晦日の夜更け、遠くで除夜の鐘の音が聞こえ、寒さも一段と身にしみてきました。物静かな深夜、雲間から覗いた月の光が窓辺に差し込んでいます。最近の憂いに年
年の瀬も押し迫り一年を振り返るとき、やり残したことや後悔する出来事も多々ありますが、反対に思わぬ僥倖に恵まれ満足を感じたこともあります。一年一年ではそのような反省を繰り返してきた訳ですが、若いときからずっと書いてきた日記を眺めるとき、大きなスパンでの変化も見てとれます。こんなことは誰でも体験することと思いますが、歳を重ねると歳月の移り変わりにそれなりの重みを感じるのです。この詩はある年の師走に心境を謳って作ったものです。清白無心(せいは
平成30年もあと数日で終りを迎えます。俳句、短歌でも同じことが言えるかと思いますが、世の中の行事や自己の感情を詩に託すことも多いのではないでしょうか。ここでは、年末の心境を漢詩で表してみたいと思います。形式は七言絶句のうち、平起こり式で作ってみました。平起こり式とは、起句の第二字目が平字であることからそのように呼ばれ、平起こり式の公式に則って文字を配置していくことになります。平起こり七言絶句の公式(起句)△○▲●●○◎(承句)▲●△○▲●
のんびりと山道をうんてんした。
漢詩には季節を入れ込むことがたくさんあります。いわば、俳句の季語のようなものですね。簡単な文字「秋」に注目して、詩語を考えたいと思います。ここでは、季節感を醸すという詩語ではなく、そのものずばり「秋」の文字を用いた詩語を選んでみたいと思います。まず平字の詩語を集めて見ます。「秋」という字は平字(○)ですから、二字目に秋の字を用いた詩語はすべて平字の詩語ということができるのです。いくつかを並べてみます。平字の詩語というのは二字目が平字であればよく、一字目の
漢詩ブログを一休みして今日は音楽会で気分をほぐしました。びわこフィルハーモニーオーケストラの演奏会が滋賀県栗東市の「さきら」で行われたのです。曲目はご覧のとおりですが、第20回というだけあってなかなか良い音を聞かせて貰いました。曲目のうちシューベルトの「未完成」は、いまでは交響曲第7番となっているのですね。私が持っている数枚の古いレコードはすべて第8番なのです。楽譜の発見順序などで番号付けが変わることがあるのですね。圧巻はチャイコフスキーの交
平字の二字詩語仄字の二字詩語ことしは気候不順で猛暑の次は台風襲来と、本当にたいへんでした。ようやく秋を迎えましたが、関東地方は塩害で木々が枯れてきたとニュースで報じていました。どうやら暴風が海の塩を運んできたそうです。風が当たった方の葉が枯れ落ちていました。でも来年以降に影響は無いとの専門家の意見でホッと救われました。ところで秋は詩語が豊富なため、漢詩を作るときはたくさんの言葉が使えて本当に便利です。しかし、二字の詩語は平
七言絶句の平仄式押韻の説明七言絶句の漢詩は起承転結の各句をつなげた四行詩ですが、その内容には細かい規則が適用されているのです。まず七言絶句の漢詩がどの平仄式で作られているかの確認を行って、押韻の使われている文字を調べていきます。この場合、同じ韻目(韻字のグループ)から選ばれていることが必須条件となります。さらに公式による平仄が各々適合しているかを見ていくのです。そのような手順の説明はテキスト本のみでは、かなり分かりづらい
手作り本「漢詩創作の手引」本の中身・作詩の方法本の中身・有名漢詩の分解漢詩を作るのは難しいとか、煩わしいとか思われているようですが、そういった先入観を払拭させるためにはどうすればいいかと常々考えていました。それには分かりやすい教本作りが必要との結論に達し、手作りで本作りに取りかかったのです。平成平成26年の正月のことでした。やっとできあがったのが同年8月でこれを初版としました。その後、もっとわかりやすくという思いが募り、大
漢詩の絶句は次の形式を持ちます。五言絶句は一行が五字で四行。文字区切りは二字と三字。七言絶句は一行が七文字で四行。文字区切りは二字と二字と三字。これらの三字のところをさらに一字と二字、あるいは二字と一字のように分解することができるのです。その際に文字の種類、平字か仄字か、それをどう配置するかが問われる訳です。また、決められた位置の文字がが押韻されているかなどの決まり事が問われます。このような規則はたいへん煩わしいと思うのですが、どの世界にもルールがあること
仄起こり式の七言絶句の公式漢詩の言葉の句切りは二字、二字、三字という単位で意味を考えます。まず、公式をみると、起句の二字目が仄字(●)なので、これは仄起こり七言絶句の漢詩ということになります。この式での記号は、平字を○、仄字を●、変えることが許されるのが△▲で表しています。平字のうち韻を踏む(押韻)ところは、便宜上◎で平字しているのです。このように、言葉の区切りごとに平字と仄字を順番に組み合わせて公式が作られていることが分かります。
ライム(Rhyme)て聞いたことがありますか?英語では歌や詩でよく現れるものでいわゆる「韻」のことです。以下、"SuperstarSongs2"(mpi松香フォニックスp.59)より引用します。ライミング(Rhyming=押韻)『2つ以上の単語を比べた時最後の強勢(アクセント)のある母音以降の響きが全く同じものを「韻を踏んでいる」といいます。綴りは同じとは限りません。(例bed-head-saidstar-ja
漢詩「城山」の押韻と平仄起句の二字目「軍」は平字ですから、この詩は平起こり七言絶句の漢詩ということになります。押韻を確認してみましょう。韻目は上平声十五「刪」(サン)で、その中から「還、間、山」の字が韻字として使われているのです。押韻は起句、承句、結句の末尾に置かれています。では、平仄はどうでしょうか。各句の区切りは原則二字,二字,三字となっています。この漢詩「城山」の平仄を調べて記号を並べてみたのが、上に示したものです。この中で
七言絶句「城山」西道仙孤軍奮闘破囲還(こぐんふんとうかこみをやぶってかえる)一百里程塁壁間(いっぴゃくのりているいへきのあいだ)吾剣既折吾馬斃(わがけんはすでにおれわがうまはたおる)秋風埋骨故郷山(しゅうふうほねをうずむこきょうのやま)(訳)孤立して闘った我が軍は、漸く血路をひらき鹿児島まで辿り着いた。幾山河を越えて城山まで帰還したのだった。しかし、すでに剣は折れ、馬も斃れてしまった。もはや我が志も尽き、これまでと覚悟はでき
押韻の確認西郷隆盛の漢詩の押韻を確認してみましょう。韻を踏む(押韻)個所は、第一、二、四句の最後の七文字目となるのです。第三句の転句は押韻せず、最後の文字は必ず仄字と決まっているのです。この詩では、起句の三文字「後先無し」の「先」、承句の三文字「再生の縁」の「縁」、そして結句の三文字「墓前に哭す」の「前」という文字が韻字ということになります。
「月照墓前作」の平仄(意訳)「月照と隆盛が二人で相約して海中に身を投じたのは、同時であって後先はなかった。しかるに自分のみ再び生き残るとは思いもよらぬことであった。振り返れば十有余年の夢となってしまった。今は只、空しくあの世とこの世を隔てている墓前で慟哭するのみである。」西郷南洲の漢詩「月照墓前作」の押韻と平仄の検討この詩は起句の二字目「約」が仄字ですから、仄起こり七言絶句ということになります。押韻は起句、承句、結句の末尾に配置され
漢詩が完成すればそれぞれの規則の当てはまっているかを検証しなければなりません。いわゆる推敲ですね。規則の間違いがないかを確認することと、併せて、詩の内容が意図したようになっているかの点検を兼ねることになります。そこで、標題「一天鶴鳴」の押韻と平仄を検討します。起句の二字目「脈」が仄字であるので、この詩は仄起こり七言絶句ということになるのです。その公式は次のとおり。○は平字、●は仄字、△▲は平仄はどちらでもいいもの、◎は押韻個所の平字で表します
「鶴の恩返し」の転句漢詩の導入部といえる起句では、命を助けて貰ったところに嫁いで過去を回想するシーンを句にしました。それを受けた承句で、深夜まで機織りして恩人の為に尽くす場面を句にしたのです。さて、転句は大きな場面転換が必要です。そこで、始めの二字を「動容」(どうよう・●○)とし、次の二字は「露顕」(ろけん・●●)としました。そして、終りの三字はいくつかの候補がありました。まず、「凄寒日」(せいかんのひ・○○●)、次に「相思杳」(そうしは
「鶴の恩返し」の承句起句の続き!起承転結の第二句目の承句を作ります。命を助けられた恩義のある与ひょうの嫁いだつうは、与ひょうのために価値ある織物を作ることにしました。織っている姿を絶対見ないように頼んで、機織り(はたおり)を続けました。実はつうは自分の羽を抜いてきれいな布を作っていたのです。もちろん、与ひょうはそんなことは露ほども知りません。以上の内容を承句に当てることにしました。承句の平仄は次のとおりです。○は平字、●は仄字、◎は押
鶴の恩返しの漢詩創作オペラ「夕鶴」のストーリーに基づいて漢詩を作ります。先ず第一句である起句を検討していきます。過去に命を助けられたことがある鶴は、人の姿になって恩人の与ひょうの妻となりました。それは大雪の日に傷を負って動けないところを与ひょうが見つけ、手当てをして山に返してくれたからです。起句は命を助けられたことを、つうが回想する場面としました。この漢詩は仄起こり七言絶句の公式を使います。文字の区切りは原則、二字、二字、三字で考えます。
完成した後半の浦島伝説の漢詩・押韻最も重要な規則の押韻の文字は、下平声七陽の韻目の中から選びました。・平仄二四不同は完璧でした。二六対に外れた転句は、「挟み平」の特例により二六対より優先されるのでこれも許されました。・挟み平この詩は挟み平の特例を用いた漢詩となりました。・孤平の禁七言絶句の漢詩では四字目の平字が仄字に挟まれることは許されないので、変更方法を考えました。「戻」は仄字●なので、平字の「帰」を使って、孤平の禁をクリアしたのです。・書き下し文