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児童相談所は様々な役割がありますが、医師としては通所されている子どもさんの診察や面接、親御さんとの面接、各種診断書や手帳の発行にまつわる診察、一時保護されている子どもさんの診察や対応の助言等々、多岐に渡ります。医師は常勤のこともありますが、地域によっては非常勤のことも多いかもしれません。児童相談所にも様々な職種の方がおられまして、その方達から色々と学ぶことも大変に多いです。特に、子どもさんのケースワーク、福祉的な支援・援助については、色々なアイデアを持っておられます。また、福祉制度の仕組み
やり方は様々ですが、一つのケースをじっくりと検討します。大抵は、まず事例提供者が事例の概要をプレゼンしていきます。この、発表のために事例をまとめるというプロセスだけでも勉強になります。文章にしてみたり、過去のカルテや資料を読み解いていると、自分が忘れていたことや、新たな事実を発見したりすることもあります。事例提供者がプレゼンをして、細やかな事実関係などを事例提供者に確認して、その後ディスカッションが始まります。時間も限られている場合、事例提供者が聞きたいこと(診断的な評価なのか、治療のこと
外来の診察を見学させてもらいますが、なるべく多くの指導医の診察を見学すると良いと思われます。初診は予診等をする機会もありますが、忘れちゃいけないのが再診の陪席です。初診の時に予診に入った患者さんを経時的に診察していくのも良いと思いますが、中々難しいことも・・・再来診察で、どのように患者さんを評価して、方針を立てていくか、というのは、結構重要です。最初の頃は、受け持ち患者さんも多くはないので、時間をかけて考えるゆとりもありますが、患者さんの数が増えてくると、そんな余裕がなくなってくることもあ
最近は早期に発達特性を指摘されることが増え、早期から療育が開始される子どもさんも増えてきています。療育の理論的背景は、行っている機関でも様々なようです。行動療法、トークンエコノミー、応用行動分析、発達特性に応じた環境調整、TEACCH(TreatmentandEducationofAutisticandrelatedCommunicationhandicappedChildren)、感覚統合療法等々・・・。最近は早期から介入するような療育プログラムもあります(Early
こどもの友人が、見学先の病院で言われたこと。「君はマイペースだからハイパーな病院でもハイポな研修できるよ」ハイパー、ハイポって普段の生活では使わない言葉ですよねぇ。ハイパー=忙しいハイポ=ゆるいって感じ?友人は、マイペースってすぐに見破られるほどだったんですね。笑っちゃいました。こどもは見学先に、高校の先輩がいらしたそうで、お昼おごってもらっちゃったと喜んでいました(単純)その先輩に「君と話してると後期研修医と話してるみたいで楽しい」と言われた、とリップサービ
薬物療法を行う際の大前提として、治療関係はとっても重要です。まずは治療関係を構築することに努めましょう。説明は丁寧に、時間をかけて子どもの患者さんの場合、養育者の方に説明して、理解していただくことが重要ですが、子どもさんに対しても、発達段階や理解の度合いに応じて、わかりやすく説明する工夫が必要です。そのためには、子どもさんが今自分の状況をどう理解しているか、というところから始めると良いと思います。そして、そういったことと薬物療法の効果との関連を説明したりします。「そっか、そんなら〜はお薬
子どもさんは単体で存在しているわけではなく、家庭、学校、地域等のつながりの中で生活しています。したがって、子どもの心の臨床では、地域の様々な機関との連携が重要となってきます。病院によっては精神保健福祉士さんが、地域連携やケースワークを担当してくれるところもあるかと思います。より良い連携のためにまずどんな地域の機関があるかを知っておくのは重要です。教育、福祉、医療等々・・・これらの機関の状況は刻々と変化します。例えば、A病院児童精神科は、少し前までは受診予約が1ヶ月程度だったのに、今は3
支持的精神療法とは、文字通り患者さんを支えるような関わりで、日常の臨床場面で幅広く取り入れられている技法です。私の周囲では、実は支持的精神療法って最強の精神療法なのでは、という説もあったりします。受容、共感、傾聴などの基本的な治療態度は、子どもさんの場合でも同じかと思います。ただ、子どもさんの場合は、成長・発達段階に応じて、適宜修正する必要が出てきます。3歳の子に対する受容的態度と、15歳頃で思春期心性もある子に対する受容的態度は、同じでよいところと、そうでないところがあるのかな、と思った
ある程度の人数の子どもさんを対象におこなう精神療法です。Yalom(ヤーロム)の集団療法の治療要因の考え方(11個あって、ふむふむ、という感じです)は参考になります。臨床現場では、子どもさんを対象にしたデイケアで取り入れられていることがあります。入院治療の一環として行われることもありますが、昨今は入院期間が短縮していることもあって、継続的に実施することが難しくなっているところもあります。色々なやり方がありますが、一つには同じような年代、問題を抱えた子どもさんを集めておこなう方法があります
箱庭に玩具を置きながら表現してもらう技法です。就学前や小学校低学年くらいの子どもさんですと、箱庭遊びになることもあります。砂場で遊ぶのと一緒の感じでして、遊戯療法に近いかもしれません。思春期年齢くらいになると、目的を説明して導入したりします。箱庭では治療者の存在が重要とされており、その意味や役割については様々に考察されています。箱庭自体にも癒しの効果はあると思いますが、やはり治療者がそこにいる、ということが重要です。日本に箱庭療法を導入・普及したのがユング派の河合隼雄先生ということも
認知行動療法は認知と行動に介入していく技法です。認知行動療法で大事なのは、まず治療関係をしっかり構築すること。これは他の技法でも同じではありますが、認知行動療法は治療者と子どもさんと親御さんの共同作業ですので、安定した治療関係が必要不可欠です。認知行動療法で用いられる介入技法は様々ですが、説明するときには子どもさんにわかりやすいように、イラストを使ったり、身近にあるものなんかで例えながら(信号や天気なんかはよく使います)実施するとよいようです。また、認知行動療法は認知と行動に焦点を当
子どもの心の臨床では、子どもさんだけでなく、家族全体をみていく視点が重要です。家族療法とは家族を対象にして精神療法的にアプローチしていく手法です。家族療法にも様々な技法がありますが、普段の臨床で使える家族療法的な視点を紹介します。まず、最も基本的となるのは、家族構成員を知ることです。いわゆる家系図とかジェノグラムといわれるようなものを作成してみると、そこら辺の情報を収集できます。子どもの親や祖父母の世代くらいまで・・・普段何をしているのか、とか、誰が同居しているのか、とか。それを書く過程
遊びを通して子どもと関わっていく技法です。遊戯療法の理論には様々なものがあります。ウィニコットやアクスラインの理論は参考になります。未就学〜小学校年齢くらいまでは、遊戯療法室に案内すると、置いてある遊具や玩具に興味が出て、自然と治療者と遊びが繰り広げられることがあります。中学校年齢くらいだと、自発的に遊びをするということは少ないかもしれません。ある程度目的を決めて、遊びに導入する感じです(気分転換にキャッチボールやろう、とか、息抜きにオセロやってみよう、とか)。遊戯療法、とまではいか
【お知らせ】当科ではスタッフ医師を募集しています。募集要項はこちらです。当科の紹介記事はこちらから。メールでのお問い合わせはhematology@aih-net.comまでお願いいたします。こんにちは。2年前に飯塚病院血液内科を卒業して都内で勤務している卒業生のYです。ご無沙汰しております。この度、血液内科専門医試験に無事合格した報告と、試験の振り返りをしたいと思います。血液内科専門医試験の受験には、症例レポートが必要です。私は飯塚病院を卒業する直前に作成しました。スタッフK先生
最近は総合病院で入院病床のあるところは減ってきていると言われています。一般の総合病院精神科では成人の患者さんがメインですが、子どもの患者さんの入院治療を行うこともあります。ただ、あまり低年齢ですと、大人の患者さんの中で入院治療を行うことは難しい印象です。総合病院における子どものこころの医療は、からだのケアを行いながらこころのケアができるという点が大きな特徴です。小児科や内科の先生と相談しながら治療をできるのは大変心強いです、もちろん、こころの症状がメインのケースの入院治療を行うこともあります。
年齢、性別などで分類されているところもありますが、児童思春期年齢全般の患者さんが入院しているところもあります。病棟ではなく、ユニットのところもあります。子どもの患者さんだけが集まって治療できる環境のメリットに、子どもの集団の力があると思います。子どもって、大人が言わずとも、自然と集まって、遊ぶようになります。そういう場で、癒され、元気をもらっていきます。それだけで治療になったりします。特に、入院してくる子たちは、皆同じような体験をしてきたり、悩みを持っていたりします。そういう子同士で交流で
精神療法(あるいは心理療法)は、基本的には心理士さんがやる病院が多くなり、医師が自分でやるということは少なくなってきたかもしれません。実際の診療場面では時間は限られていますので、じっくりと時間をかけた精神療法というのは難しいかもしれません。ただ、精神療法的な視点を持っていると、短時間の診療であったとしても、それを応用して治療に生かすこともできます。自分が実際に精神療法をやったことがあると、患者さんに、どんな精神療法が向いているか、どんな注意が必要か、というのがイメージしやすくなり、心理士さんへの
児童精神科の指導医から、「診察室で待っている時の様子も診断や治療の参考になるから、なるべく自分で患者さんを呼ぶといいよ」、と教わりました。待合室で、座って待っている時の表情や、雰囲気。さらに、「診察が終わった後、診察室から出ていく時の様子も、さりげなく見てみるといいよ」とも教わりました。診察が終わって、どんな雰囲気になっているのか・・・どちらも、さりげなく、というところが重要です。医師が待合室の患者さんをジロジロみてたら、患者さん達も何事かと気になりますよね。さらっと、そよ風のようにやりましょ
子どもに安心感を与える接し方として、CCQという考え方があります。Calm(穏やかに)Close(近づいて)Quiet(静かなトーンで)気持ちを穏やかにして、近づいて、声のトーンを抑えて、接するというイメージでしょうか。子どもの心の臨床でも、この考え方は重要かなと思います。一つずつ検討してみると・・・穏やかに自分が穏やかな気持ちで対応していると、相手の気持ちも穏やかにする効果があるようです。皆さんも御経験ないでしょうか・・・?近づいて物理的な距離というだ
研修機関の医療体制や研修方針によっても異なりますが、研修は大きく外来と入院に分けることができます。外来の研修は、最初は予診をとることから始まることが多いでしょうか。施設によっては、事前に予診票を送付しておいて、当日持参していただきます。それ以外にも、母子手帳や学校の成績表等を持参いただいて診察の参考にします。主訴、治療歴、生育歴、家族歴、病歴、現在の症状・・・・。予診は本診察ではないので、限られた時間で、要領よく聞いていく必要があります。自分が病歴をまとめてカルテに記載する時間も考えておく
子どもの心の医療に関連する学術団体を集めてみました。色々ありますね。子どもの心の医療に携わっている医師も、大抵は、自分の基本の専門領域である小児科学会か精神神経学会に所属されつつ、あとは自分の興味のある学会に所属されるようです。学会によっても雰囲気が異なりますので、ホームページなどを参考にしてみてください。あくまでも印象ですが、学会に小児とついている団体(小児精神、小児神経、小児心身)は、小児科の先生方が多い印象(※個人の印象)。日本児童青年は精神科医と、教育関係、子どもの医療福祉に携
小児科、精神科、それぞれのバックグラウンドがある医師同士で、お互いの診療科の経験と、子どもの心の診療との関連について話題になったことを挙げてみます。精神科医からみた小児科医・普段の診療、健診等で、たくさんの子どもと接してきた経験があるので、子どもとの関わり方が上手。特に低年齢の子どもさんの診察に長けている。親御さんとの関係構築も上手。ある小児科の先生は、聴診器を当てる時、さりげなく母親の顔もみて、不安になってないかな、困りごとはなさそうかな、と、母親の気持ちの変化にも気をつけるようにして
【お知らせ】当科ではスタッフ医師を募集しています。募集要項はこちらです。当科の紹介記事はこちらから。メールでのお問い合わせはhematology@aih-net.comまでお願いいたします。11月の終わりから1.5ヶ月間、血液内科をローテートしました、専攻医のOです。将来は腫瘍に関わる仕事がしたいと思っていることもあり、血液内科での研修をさせていただきました。短い間でしたが、この研修で様々なことを経験することができました。その中でも印象的だったことを、2つに絞って書かせていただこう
子どもの心の臨床というのは、医療の中ではサブスペシャリティー領域に位置づけられております。基本となる領域は精神科と小児科になります。実際に働いている方も、小児科や精神科をやっていた(またはやっている)方が多い印象です。初期臨床研修終了後に子どもの心関連の後期研修に進まれる方もおられます。その場合でも、研修過程で精神科や小児科の研修をされる方が多いようです。実際の診療は、児童精神科、小児精神科などの診療科で、子どもの心を専門にやっている先生もいますが、地域によっては小児科医や精神科医として勤務し
今のところ、内科や外科のように、どこの地域でも簡単に研修できるというわけではありませんが、国内には専門的な研修を提供している機関があります。梅干しの会のTwitterでは、インターネットで公表されている情報を元にして、全国の研修情報についての簡単な紹介をしています(実際の研修内容や研修期間、研修可能かなどについては、御自分で直接問い合わせていただく必要があります)。研修機関によっては見学を受け付けているところもあるようです。実際に自分の目で見てみるのも大事ですよね。インターネットには公表さ
当院ドクターカーの正式クルー(独り立ち)のステップ後期研修プログラム1年目JPTEC、MCLSなどのシミュレーション教育後半にドクターカー口頭試問(活動基本、安全、地理など)これに合格するとセカンドとして同乗研修開始後期研修プログラム2年目正規クルーの指導をセカンドとして多く経験後半にドクターカー指導医と同乗を重ねて最終チェックを受けて正式クルー(独り立ち)後期研修プログラム3年目正式クルーへの修練独り立ちしてからも多くの経験を積
こんばんは外科医妻×内科医夫の外科医妻ですブログ始めてから早1ヶ月ちょい🌱毎日更新頑張っていたのにバタバタしすぎて昨日更新できませんでした今日ももうこんな時間だ⏰専攻医(初期研修医を終え、科を決めて1年目の医者)がだんだん疲れが溜まってくる時期で病んだりしてないか気にかけてあげるようにと上司からのお達し病まないように気をつけてあげてって簡単に言うけれどそう思うなら専攻医達に仕事押し付けないで下さい自分達でできる雑用は個人個人でやって下さいというかそんなこと気
こんにちは。4月から3年目Drとして初期研修で救急を回った病院で絶賛救急研修中です。6月までの予定です。初期研修医から人工呼吸器のレクチャーをしてほしいと要望あり😂昨年、救急Drに田中竜馬の人工呼吸器の本を読み合わせしてもらった。おんなじようにやってみようと言われたけれどかなり自信がない…でも教育が自分を一番成長させるだろうし教えることが苦手だからこそ頑張りたい…イメージして練習しておこう。読み合わせはこちらの予定🔻🔻🔻Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理
今日は当直明けで休み明日も当直の振休で休みということで、勤務開始そうそう、2連休獲得し車で一時間半、祖父母のところへドライブ🚗どこにも行けないからこそ、会える人に会えるうちに会っておきますを最近の読了はこの二つ。初期研修医中に読了し、後輩指導のためにスライドにでもまとめておくことが目標でしたが、3年目の4月最初にやっと読了。入職したばかりの初期研修医向けにスライドを作成しようと思います!竜馬先生の血液ガス白熱講義150分Amazon(アマゾン)1,776〜6,
こんちは。本日3/30、学生ぶりの長い春休みも終わりが近づいて来た。この休みの間にしたことは①引っ越し/家具揃え今まで実家暮らしだったので、とうとう実家をでて隣の県にやってきた。今年27歳にして初めての一人暮らし。ニトリで新大学生や新社会人の隣でワクワクしながら買い物をした②勉強初期研修のうちに心電図の勉強を腰を据えてすることができなかった。三月の勤務の合間に、一年目の研修医と一緒に心電図パーフェクトマニュアルの読み合わせを循環器内科Drに頼んだが、私は2回参