昔々、もう20年前なのか30年前なのかも定かではない。ぼんやりとラジオを聞いていると、登山家がアナウンサーを聞き手として話をしていた。パーティを組んで登山中に遭難した話である。冬山で縦走しているような感じだった。5人位で隊列を組んで進んでいるが、苦しくて苦しくて、無理やり必死に頑張っている状況である。そういうときに一人がばったり倒れてしまい、置き去りにするしかなかったという。興味深かったのはその時の登山家の気持ちである。仲間が倒れたときに、苦しかった気持ちがとっても楽になり、元気が出てきたという