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ツイッターのフォロワー様から紹介いただいた本。1991年出版。奥泉氏の作品は以前「シューマンの指」を読んで以来で、まさか再び読むことになるとは夢にも思っていなかったが、実に重厚で、しかも戸惑いから覚めない不思議な読後感を味わうこととなった―。『奥泉光/「シューマンの指」』先日ブックオフで衝動買いした小説2冊のうちの1冊。実は再度の購入となる。作家・奥泉光(1956-)が2010年に執筆したミステリー作品。シューマン生誕200…ameblo.jp僕のツイッ
新潮社2020年8月発行2020年10月3刷305頁2010年頃の東京将棋に魅入られ、頂点を目指し、深みへ潜った男・夏尾は鳩森神社で不詰めの図式を拾って姿を消しますプロ棋士を目指したものの年齢制限で奨励会を去り、現在は将棋ライターとなっている主人公・北沢は美貌の女流二段・玖村と共に夏尾の行方を追って北海道の廃坑を訪れます彼がそこで見たものは幻の棋道会の驚くべき地下神殿でした将棋を少しは知っているほうが楽しめる謎解きミステリーで、将棋というスパイスを効かせた奥泉
奥泉光の「グランド・ミステリー」は第二次世界大戦・真珠湾攻撃の最中に謎の死を遂げた士官を巡るミステリー・・・ですが、ミステリー、SF、戦記・・・といろんな要素が詰まった小説です。大傑作。その中で、登場人物の婚約式があり、そのお祝いのスピーチを来賓の一人がするのですが、戦時中ということで「なぜ戦争は起きるのか」ということについて、クリスチャンであるその人の考えが語られます。詳しくは、是非!小説を読んでいただきたいですが、なぜ人は争うのか・・・というと、「より良い世界を作るために」
確かに2人の対話によって、今まで全く知らなかった旧約聖書がどんなものであるか、ちょこっとだけ分かった。そもそも新約聖書というのができたので、それに対する言葉として「旧約」になったにすぎない、イスラエルの教えであること。神は人間の所業の酷さに一度は洪水を起こし、箱舟に乗せたつがいのみ救って、もう一度やり直させた。そしたら相も変わらず人間は同じことをする。でも今度はあきらめた、許した、、、なんていい加減な(笑)神様も絶対ではないみたい。人間が神に愚痴を言う、なんて記述もあるようで。
ゲームにはあまり縁のない生活を送ってきました。代々あまりゲームに興味ない家系のようで、囲碁将棋などする家族、親戚もいませんでした。なので囲碁・将棋にプロフェッショナルがいるというのがピンとこず、遊ぶことが仕事なのか・・・というイメージを持っておりました。その認識を新たにしたのは、漫画「ヒカルの碁」と「3月のライオン」を読んだ時。特に「3月のライオン」は主人公・零の孤独な境遇と相まって競技の厳しさが伝わってきて、「遊びじゃなくて、体というより脳を酷使するスポーツ選手っていう感じな
BOOKデータベースより「究極の将棋ミステリが放つ、命懸けの勝負と謎、そして衝撃のどんでん返し!「魔の図式」が22年の時を経て、いま蘇る――。第69期名人戦の最中、詰将棋の矢文が見つかった。その「不詰めの図式」を将棋会館に持ち込んだ元奨励会員の夏尾は消息を絶つ。同業者の天谷から22年前の失踪事件との奇妙な符合を告げられた将棋ライターの〈私〉は、かつての天谷のように謎を追い始めるが――。幻の「棋道会」、北海道の廃坑、地下神殿での因縁の対局。将棋に魅入られた者の渇望と、息もつかせぬ
将棋に関する小説はとても興味があって色々読みましたが、私的ベストはフィクションよりも大崎善生さんのノンフィクション「聖の青春」、「将棋の子」が占めていました。フィクションでは柚月裕子さんの「盤上の向日葵」が良かったですが、本作はそれを凌駕して将棋小説(フィクション)ベストになったかな。初夏、名人戦の最中に詰将棋の矢文が見つかった。その「不詰めの図式」を将棋会館に持ち込んだ元奨励会員・夏尾は消息を絶つ。将棋ライターの〈私〉は、同業者の天谷から22年前の失踪事件との奇妙な符合を告げら
次回(4/21)「文芸漫談」公演のチケットの発売が始まりました。詳細はこちらでご確認ください。https://www.k-kikaku1996.com/work/bunman/index.html文芸漫談シーズン6www.k-kikaku1996.com
倫理法人会が作成しているカレンダーがある。今日のページを開いたら写真のページだった。この文言を読んで「確かにそうだなあ」と思った。石にも命が感じられる。昔、ある芸人が河原で拾ってきた石に名前を付けて毎日話しかけるという話をしていた。そして情が移ってしまい、手放せなくなったそうだ。自分のやっていることがおかしいと思い、ある日河原に行って石を捨てた。でも後ろ髪を引かれる思いがしてすぐに戻ったとのこと。絶対見つからなさそうだけど、石が何がしかの存在感をアピールした
今年も残りあとわずか。年末らしく、今年を振り返ります。今年の大きな変化は、Kindleを使ってみたこと。劇的に読書ライフが変わったぜ!とまではいかないのですが、スペースを気にせず本が買えること、セールなどが割と頻繁なことはやっぱり大きい。「これまで何となく気になってたけど読みそびれてた本」が半額になってる時の高揚感はやばい笑年末も、セールでまとめ買いしたあの本この本を読んで過ごします♪本のジャンルとしては、お勉強系の本をまあまあ読めたかな。冊数としては少ないけど。鎌倉時代に
phaさんの『がんばらない練習』という本を読んでいたら、どうやらphaさんはブログ記事がきっかけで作家デビューを果たしたらしいと知った。小説を書くのはしんどい。でも、ブログぐらいなら、今の自分でも書けるかも。と思って、パソコンに向かっている次第である。と言っても、毎日家で本を読んでいるだけなので、書くことはない。そもそも、私は毎朝モーニングページを3ページ書いているのだ。それとは別に読書やライブ参戦などの記録はTwitterに書いてるし。なので、このブログに書くことは何もない。昔奥
先日まで1週間くらい家のWiFiが不調でネットに繋がらず。U-NEXTとかYouTubeとかテレビで見られなかったので、その分久しぶりに読書に時間かけられました。「ノヴァーリスの引用」/奥泉光読了です。久しぶりに内容も一文一文もしっかり重さのある本を読んだ気がします。最後は頭がクルクル回ってく感覚。すごい文章の力だなって。軽い本ばかり読んでいるこの頃に久しぶりの重量。だからなかなか進まなかったけどでも面白くて3冊並行していたけどやっぱりこれを選んで少しずつ読んで
お待たせいたしました。「文芸漫談」次回公演のご案内です。今回のお題は、夢野久作『ドグラ・マグラ』です。公演日■2022年11月12日(土)開場■19:00/開演■19:30/終演予定■21:00料金■2,500円(前売・当日共)全席指定席会場■北沢タウンホールTEL.03-5478-8006世田谷区北沢2-8-18チケット発売日■2022年8月20日(土)10時より※今回はチケットぴあ、イープラスでも発売します。詳細は下記URLでご確認ください。https
26.雪の階下奥泉光友人、寿子の死の真相を探る惟佐子。惟佐子と一緒に真相を探る『おあいてさん』の千代子。千代子の気持ちで本を読んでいた。惟佐子にはついていけなかった。惟佐子は好き勝手に行動し千代子はなかなか真相にたどりつけないように思えた。千代子と蔵原のことは応援して読んでいた。天皇機関説、2.26事件と歴史を調べつつ読んだ。図書館本を優先し中断をしつつだったので、次はまとめて読みたい。
24.雪の階上奥泉光昭和初期の華族の娘、笹宮惟佐子が主人公。行方不明になった親友、寿子が富士の樹海で心中したことに疑問を抱く。その謎を探っているときに新たな死が。下巻へ。明治の文豪が書いたような雅やかな文章。目を泳がすようには読めない。じっくりじっくり味わって読んだ。いったいどんな真相が隠れているのだろう。
「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」シリーズです。ゆるキャラの恐怖桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3[奥泉光]楽天市場1,870円なんだか学生にいいようにあしらわれている桑潟准教授。表題作は学生に混じってゆるキャラコンテストに中の人として参加するクワコーの受難です。その後もクワコーには無理難題が押しつけられますが、持ち前の適当さで乗り切っていきます。(一応)大学が舞台なので、教育関係の時事ネタも盛り込まれています。アカデミックの裏側というか、「モリカケ
みんなの回答を見る先日6月8日は、シューマンの誕生日であった。ツイッターの「#シューマン生誕祭」では今年も多くのツイートが寄せられた。僕もいくつかツイートしたし、初の特別(妄想)対談記事もUPできた。一年前にUPしたこの記事もまた、シューマン・ウイークにふさわしいものである。内容や文体もさることながら、何よりも作者のシューマン愛が随所に感じられるのが嬉しい。ただ、村上春樹の場合と違って、他の作品を読んでみたいとまで思えなかったのは、おそらく作者のせいではあるまい―。
武田泰淳の短篇集「目まいのする散歩」(中公文庫)をよんだ。三読め、くらいか…。今回がいちばんおもしろかった。なんのどこをよんでいたのやら…と呆れた。にしても、なぜにいまどき武田泰淳の「目まいのする散歩」なのか?話せば長くなるので割愛するが、戦後派作家たちの換骨奪胎をスタイルにしている奥泉光が関係しているのはまちがいない。きっかけは奥泉光である。武田泰淳は1971年、59歳で脳血栓を患う。右手が不自由になったので愛妻・武田百合子さんが口述筆記を行う。「目まいのする散歩」は、その産
初、奥泉光。恩田陸の蜜蜂と遠雷、と東野圭吾を無理矢理掛け合わせたような感じ。音楽の描写が多かったけど、個人的には蜜蜂と遠雷の方が良かったし、ミステリー的な要素も東野圭吾の方が好み。最後に駆け足でネタバラシみたいになっていたが、何となく軽く読み終わってしまった。悪くは無いし面白かったが、少々物足りない。といった感じ。今度シューマンは聴いてみようと思った。
※※この本を読んで一言※※奥泉光さんの趣味を生かした作品なのかもしれませんが・・なんかいろいろもったいないと思える作品でした。次は奥泉さんの本格ミステリーをぜひ読んでみたいです。※※※※※※※※※※※※※※※(注意:この「シューマンの指」をこれから読もうと思っている方は、このブログには「シューマンの指」を読み終わってからお立ち寄りいただいた方がよろしいかと思います。予備知識が一切ナシのほうが「シューマンの指」を10倍楽しめますから!)奥泉光さんの作品を読むのは初めてです。
最近読んだ小説「シューマンの指」。奥泉光さん、お初だったのですがこの作品が2010年に初版発売と知って、まず、驚きました😲なんていうか、序盤からフランス文学の翻訳本みたいな文体なんです。明治&大正の日本の純文学にも似ています。が、ストーリーが面白いのでグイグイいけます。ラストのゾッとするような展開は、紛れもなくTHE平成のミステリー小説です。あまりの衝撃に、読み終えてすぐに再読しましたよ。で、その後はただただシューマンが聴きたくなって、その人生が知りたくなって…調べ尽く
中公文庫2020年12月初版発行解説・加藤陽子多層的な歴史を文学の力で描く人上巻383頁下巻413頁昭和10年(1935年)華族の娘、笹宮惟佐子は富士の樹海で陸軍士官とともに遺体となって発見された親友・寿子の心中事件に疑問を抱き、調べ始めます富士で亡くなったはずの寿子が、なぜ仙台消印の葉書を送ることができたのか寿子の足どりを追う惟佐子と探偵役の幼馴染、千代子の前に新たな死が…天皇機関説をめぐる華族と軍部の対立、急死したドイツ人ピアニストと心霊音楽協会穢れた
奥泉光「雪の階(きざはし)」読了しました。時は昭和10年。「お姫様(おひいさま)」と呼ばれるような華族の娘がヒロインです。彼女が友人の心中事件に疑問を持つことから始まる壮大な物語。華族、政治家、軍人、記者、音楽家、尼僧…多彩な登場人物が入り乱れて、先の読めないストーリーに引き込まれます。絡み合って謎が解けないまま、二・二六事件へと向かい…ともかくヒロインが、美しくて知的で、圧倒的に魅力的!囲碁が強くて数学が好きなおひいさま、って!探偵役の幼なじみは、女性カメラマン