双葉山の連勝が始まった昭和11年春。場所前の焦点は何だったのか。当然と言えば当然だが場所前の関心は双葉山には向けられてなかった。ここが他の連勝記録と全く違う特異な点と考える。この場所武蔵山が横綱に昇進。玉錦の一人横綱が3年半ぶりに解消され東西に横綱が揃った。男女ノ川も横綱をかける場所とみられ上位陣の充実ぶりに期待がかけられた。当時の雑誌にも黄金時代の到来、役員の努力が報われたと賛辞が添えられ、春秋園事件での大打撃からようやく復興といえる区切りの場所であった。むしろこの後武蔵山男女ノ川は引き立て役