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芹乃は粛清に来てから市場で野菜売りの手伝いをしていたが、丈之介が鍔を作っていることもあって、鍛冶屋町に用事を頼まれることがあった。鍛冶屋町は独特の匂いがあった。刀鍛冶の源じいの孫である芹乃は、若くして亡くなった父も刀鍛冶で、生まれた時からこの懐かしい匂いの中で育ったのだ。何度か鍛冶屋町に足を運ぶうちに、芹乃は自分で打ってみたい、と思うようになった。そして、ある日ついに刀鍛冶の弟子入りをしたいと申し出た。もちろん、誰も相手をしなかった。女に刀鍛冶が勤まるとは思わなかったからだ。
時は少しばかり遡る。兵衛・葵・洸綱が粛清(しゅくせい)にたどり着いた時、もう桜が咲き始めていた。洸綱は町外れに手ごろな家を借りて、子供を集めて算術などを教え始めた。来良(らいら)にいた時も、同じことをして生計を立てていた。また兵衛はその手伝いをしながら、時々望む者に太刀の手ほどきをしていた。葵もお針子の仕事を少しもらえるようになった。それぞれができることをしながら、機をうかがっていた。「兵衛、わしの太刀もおまえの太刀も、打ち直してはどうだろうか」「太刀をですか」洸綱は自分の
今回、前日の思いつきだったのにラッキーな事にキャンセルが1つ出たとのことで、兵衛さんに迎え入れて頂きました。残念な事に、鱧しゃぶは、前日予約とのことで今回は、鮎づくし!!胡麻豆腐上になったわさびのピリッとした感じと甘みがとてもいいアクセントマスと鱧と湯葉オリジナルの出汁割り醤油がとても美味しい😋一夜干しの鮎の椀鮎の笹焼きうなぎのあんかけご飯は生柚子胡椒が、良いアクセントに天ぷらも塩を一振りで、素材そのものの美味しさが引き立ちました。お素麺は、氷室素麺何と粋な器
窓から見える空が真っ青で、今日はいいお天気こんな週末はどこかにお出かけしたいような・・・今日はこんな暑いお天気の日のお出かけにぴったりのカフェを先日の貴船の「ひろ文」さんの涼し気な流しそうめんの続き・・・『絶品‼️清流の中の川床「流しそうめん」と貴船神社七夕笹飾(ひろ文)』今日も1日お疲れ様でした今では見なくなったレトロなポストの直ぐ側の朱色の鳥居の階段の先にある貴船神社8/15まで行われている「七夕笹飾りライト…ameblo.jp流しそうめ
「この書き付けは三つ口の者が読むことがあっても誰のことかわからぬよう、涼原の名が入っておりませぬ。しかし、もし葵殿がよそに嫁いだなら、婿殿の姓が書いてあっても良いのではないですか。葵殿は女子です。他家に嫁げば、もう涼原の人間ではありません。三つ口の伯父御の娘の嫁ぎ先までは探索しないのではないでしょうか」だからどうだというのか、と大悟は思った。菊之介は息をはずませている。「それを、兵衛、と名のみ書かれているのは、まさに涼原の血筋の証し。年の頃からいっても、丈丸兄上が兵衛と名
「息子?伯父御には娘がひとりでしたよね。人違いかあるいは」菊之介は言葉を切った。「もしかしたら、丈丸兄上ではないでしょうか」「それそれ、俺もそう思ったのだ」「しかし、三人とも生きているなどと、都合がよすぎるような気がしますが」その時ロンが帰って来た。「菊之介、おじさん、もう家にいない。年明けて、どこかに行ったらしい」「年が明けてから。では、もうずいぶんまえのことではないか。それがほんとうに伯父御なのか、調べる必要がありますね」早速菊之介は大悟らを伴って、伯父がいたらし
「この書き付けは三つ口の者が読むことがあっても誰のことかわからぬよう、涼原の名が入っておりませぬ。しかし、もし葵殿がよそに嫁いだなら、婿殿の姓が書いてあっても良いのではないですか。葵殿は女子です。他家に嫁げば、もう涼原の人間ではありません。三つ口の伯父御の娘の嫁ぎ先までは探索しないのではないでしょうか」だからどうだというのか、と大悟は思った。菊之介は息をはずませている。「それを、兵衛、と名のみ書かれているのは、まさに涼原の血筋の証し。年の頃からいっても、丈丸兄上が兵衛と名を変
丈之介の鍔細工は思いのほか売れた。昔、桔梗に作ってやった鍔が、実は丈之介の最初の作品だった。あのいくさの前で、お守り代わりに作ったのだが、今はそれが芹乃との生活の支えになっている。大悟やあの娘・菊葉、光の龍、と気がかりなことは尽きなかったが、今の丈之介にはどうすることもできなかった。*********************来良の冬は雪が少なく、温かく過ごしやすかった。東の新城と気候があまり変わらず、菊之介は時々城での生活を思い出した。幼き日、母と義姉・桐紗と遊んだ雪
「息子?伯父御には娘がひとりでしたよね。人違いかあるいは」菊之介は言葉を切った。「もしかしたら、丈丸兄上ではないでしょうか」「それそれ、俺もそう思ったのだ」「しかし、三人とも生きているなどと、都合がよすぎるような気がしますが」その時ロンが帰って来た。「菊之介、おじさん、もう家にいない。年明けて、どこかに行ったらしい」「年が明けてから。では、もうずいぶんまえのことではないか。それがほんとうに伯父御なのか、調べる必要がありますね」早速菊之介は大悟らを伴って、伯父がいたらしい家
「しかし敵に襲われたわけでもないのに、なぜ龍の紋章は現れたのでしょう。それに鍔と太刀まで呼応するとは」もちろん大悟にもそんなことがわかるはずがなかった。また、彼らから、一里も離れていないところに、兄・兵衛がいるなどと知る由もなかった。そして、兵衛・大悟・菊之介の三兄弟は、お互いの存在に気付くことなく離れていくのであった。甘露は新城とほぼ大きさを同じくする城下町だった。渡来人の村・サライに近いせいか物の流通が盛んで商人たちも数多く店を出していた。菊之介達はとりあえず甘
菊之介一行の甘露への道筋は、まさに戦いの連続だった。山を歩いても森を歩いても、待ってましたとばかりに妖怪や人間の追手が襲ってきた。それでもロンのカンフー、大悟の弓、菊之介のカンフー交じりの太刀捌きで、なんとか切り抜け、西へ西へと進んだ。森をぬければ甘露、というところまで来て大木に身を寄せると、もう甘露の町が見えた。「甘露だ」ロンが顔を紅潮させた。初めての見知らぬ町に期待と不安が入り混じったような表情だ。菊之介も大悟も町の方を眺めた。その時だった。突然菊之介の胸と、大悟の
「しかし敵に襲われたわけでもないのに、なぜ龍の紋章は現れたのでしょう。それに鍔と太刀まで呼応するとは」もちろん大悟にもそんなことがわかるはずがなかった。また、彼らから、一里も離れていないところに、兄・兵衛がいるなどと知る由もなかった。そして、兵衛・大悟・菊之介の三兄弟は、お互いの存在に気付くことなく離れていくのであった。甘露は新城とほぼ大きさを同じくする城下町だった。渡来人の村・サライに近いせいか物の流通が盛んで商人たちも数多く店を出していた。菊之介達はとりあえず甘露に
菊之介一行の甘露への道筋は、まさに戦いの連続だった。山を歩いても森を歩いても、待ってましたとばかりに妖怪や人間の追手が襲ってきた。それでもロンのカンフー、大悟の弓、菊之介のカンフー交じりの太刀捌きで、なんとか切り抜け、西へ西へと進んだ。森をぬければ甘露、というところまで来て大木に身を寄せると、もう甘露の町が見えた。「甘露だ」ロンが顔を紅潮させた。初めての見知らぬ町に期待と不安が入り混じったような表情だ。菊之介も大悟も町の方を眺めた。その時だった。突然菊之介の胸と、大悟の右腕
兵衛は後ろ向きのまま「いや、いずれ義父上からこの話が出ることを、覚悟していただけだ」と言い、振り返ると「どうしてもいやなら、断っても良いのだぞ」と続けた。葵は兵衛に見つめられてまた赤くなった。「い、いやだなどど言うてはおらんではないか。ただ驚いただけだ」葵はぷいと横を向いた。雪の少ないこの地方にも、うっすらと雪が降った日、兵衛と葵の祝言がひっそりと三人だけで行われた。「世が世なれば涼原の跡取りとして、盛大に祝ってもらえるものを」洸綱は口惜しがったが、若い二人の門出には
来良(らいら)の冬はもう近くまで来ていた。年が明ければ、兵衛は十七、葵は十六になる。洸綱(たけつな)は時が近づいてきたのを感じていた。ある日、兵衛(ひょうえ)と葵(あおい)を揃えて呼んだ。「父上、改まって何の話ですか」葵はいぶかしげに言うと、神妙に座っている兵衛にも目を移した。「良いから黙っておれ」洸綱に言われて、葵はいつもと違う空気に不安を感じた。兵衛は先ほどから静かに正座している。「話というのはほかでもない。おまえ達も年が明ければ十七と十六になる。年明け
兵衛は後ろ向きのまま「いや、いずれ義父上からこの話が出ることを、覚悟していただけだ」と言い、振り返ると「どうしてもいやなら、断っても良いのだぞ」と続けた。葵は兵衛に見つめられてまた赤くなった。「い、いやだなどど言うてはおらんではないか。ただ驚いただけだ」葵はぷいと横を向いた。雪の少ないこの地方にも、うっすらと雪が降った日、兵衛と葵の祝言がひっそりと三人だけで行われた。「世が世なれば涼原の跡取りとして、盛大に祝ってもらえるものを」洸綱は口惜しがったが、若い二人の門出には十分
来良(らいら)の冬はもう近くまで来ていた。年が明ければ、兵衛は十七、葵は十六になる。洸綱(たけつな)は時が近づいてきたのを感じていた。ある日、兵衛(ひょうえ)と葵(あおい)を揃えて呼んだ。「父上、改まって何の話ですか」葵はいぶかしげに言うと、神妙に座っている兵衛にも目を移した。「良いから黙っておれ」洸綱に言われて、葵はいつもと違う空気に不安を感じた。兵衛は先ほどから静かに正座している。「話というのはほかでもない。おまえ達も年が明ければ十七と十六になる。年明けを待
7/26今回の旅行の最大の目的地伏見稲荷大社へちょうど3ヶ月前の4/26『花わずらい』発売日に由紀乃ちゃんが歌唱奉納と鳥居を奉納された伏見稲荷大社に参拝しました幸運なことに、訪れたのが一時的な雷雨の後だったので暑さもちょっぴり和らいでいました参拝して…千本鳥居を進みますあった〜『市川由紀乃』由紀乃ちゃんが奉納された鳥居とツーショト由紀乃ちゃんの願いごとがすべて叶いますように…京都でのお宿はいつもの会員制ホテル🏨夕食はイタリアンのコース京都でイタリア
「わしもおまえを実の息子と思うておる。わしには娘の葵しかおらぬ。わしの跡は、この涼原洸綱(すずはらたけつな)の跡取りは、兵衛、おまえなのだぞ」「はい、わかっております」それから、と言おうとして洸綱は口をつぐんだ。それから葵と夫婦(めおと)になって涼原(すずはら)の家を盛り立ててほしい。洸綱はそう思いながら、口にするのをやめた。それはまだ早い。もう少し後でもいい。いずれ兵衛も葵も自分の運命に気づくであろう。それが逃れられないものであれば、今から言うことはないのだ。
これより時は少しさかのぼり、北燕山より西の来良(らいら)の地。目隠しされ、兵衛はちょっと驚いた。「葵だな」すっと手が離れ、横にぷーっとふくれた葵の顔が覗き込む。「なあんだ、つまらない」「ほかにいないだろう、こんな真似するのは」葵はひょいと跳ねて木刀を持った。「さあ来い。勝負だ!」兵衛は笑いながらゆらりと体を動かすと、起き上がって手元の長い杖を拾った。「えい!」正面から葵が打ち込んできた。ひらりと躱し、兵衛はツイと枝先を振り下ろし、葵の鼻先にひたりと止めた。「あ
昨日の、凍結路転倒。の、5分前に、貴船大神社、奥宮さまで、虹色の、朝日を浴びながら、「どうか、凡凡を、救って下さい。身代わりでも、何でもします〜」と、お願いした後、中宮、結社さま入り口で、転倒してる。その後、本宮さまで、節分厄祓い御祈祷を、お願いする予定だった。気のせいでなく、昨日から、凡凡は、発作が出ていない。室内で、はしゃぎ回っても、ハアハアカッカッカッと、座り込んでいたのが、起こらない。少しだけ、息苦しそうかな?が、あるくらい。昨年9月から、ずーっと、心
この日は、17時半にタクシーに乗ってホテルを出発し、18時前に「奥貴船兵衛」に到着しました。お料理は、ハーヴェストオリジナルセットコース「渓流会席」をいただきました。ドリンクは、自然の中で余計なものが入っていない水が飲みたくなったので、富士ミネラルウォーターを頼みました。イタドリの胡麻和え、川鱒と鯉のお造り、帆立真丈のお椀、鮎の塩焼き、アマゴや賀茂茄子の天ぷら、万願寺と鰻の氷室そうめん、ちりめん山椒御飯、黒糖わらび餅と果物、ハーブティーなど、大自然の空気と一緒にいただいたので
ぺくちに、流動食を作り続けて、1ヶ月半。野菜のポタージュスープを、工夫していたら、ヒポクラテス・スープに、行き当たり、レシピを見ると、ヒポクラテスの時代、2500前のギリシアには、明らかに、無かったであろう、トマトや、ジャガイモが、材料にあり、なーんだ、ヒポクラテス看板商売なだけか?と、ガッカリして、ヒポクラテス全集2000ページ読破し、ヒポクラテス処方箋スープを、片っ端から、作ってみている。感動したのが、『メロンスープ』あまりにも、簡単で、気抜けします。✴︎メ
私は、許さない!ことを、思い出していたら、止めどなく、際限もなく、溺れそうだ。気分転換に、シャッフルダンスの練習をして、汗ダラダラになって、座り込んだら、本が、ベッドから滑り落ちた。『奇跡のコース』だ。また、何か言いたいらしい。落ちて、開いていたページが、、、「闇を隠すことなく光に差し出せ。私に、任せろ。世界は、過去そのもの」とか、言っている。あっ、キモッと思われると思いますが、『奇跡のコース』って本、生命宿ってます。。。間違いなく。。。で、なるほど〜と、
記憶の中の京都を自分のグーグルフォトの中で遡って懐かしんでいたら今夜のマツコ&有吉かりそめ天国でアルコ&ピースの平子さんが閑臥庵で普茶料理を食べているのを見て私も食べたこと思い出しましたまさに、同じ普茶料理を画面で見てこちらはなんちゃって栗閑伏庵はとても素敵な庵でこんな静謐なところでお食事できるなんて夜になると幽玄な雰囲気も色濃く私が行ったのはもう、ずいぶ
今朝から、お付き合い、35年になる、先輩トシちゃんが、ご来京です。資生堂ザギンザ勤務時の先輩。まったく、使いものにならない私を、電卓の使い方から、教えてくださいました。いまだに、ムラキッ!と、呼ばれ、ハイッ!!と、起立してしまう感じ。世界イチ、頭が上がらなくて、世界イチ、緊張する相手です。性格は、真逆。好みも、違う。食というか、先輩トシちゃんは、アルコール大好き。私は、和洋中スウィーツ大好き。なのに、お互いを、面白がって、妙に、気が合う。毎晩毎晩、電話で、
母の、葬儀会場が、東京都お墓町と、呼びたくなるような、とてつもなく広い、墓地のど真ん中だった。なるべく、離れた場所のホテルに滞在したり、なるべく、長居をしないようにしたり、した、けれど、お通夜、お別れ会、親族との会食と、同じ、墓地内の火葬場併設の施設だった。オバケ、連れてきてるなぁぁぁ〜は、わかっていた。叔母ちゃまの時と、同じ感覚だから。即身成仏できる魂は、霊道が、四十九日間、開くそうな。叔母ちゃまは、即身成仏できた!と、オバケ界で、噂になるらしく、成仏したいオバ
亡き母の写真と一緒に、信楽、ミホミュージアムへ、お花見へ。満開を少し過ぎた桜が、見事!シルバーのトンネルからの桜、噂にたがわぬ、息を飲む美しさ!その足で、奥貴船『兵衛』さんへ。母のお誕生日・陰膳を。『兵衛』さんが、何日もかけて支度して下さいました、20種類もの山野草のお鍋〜ぜんぶ、手摘みですって、、、泣ける、、、島根県から取り寄せて下さった、野生猪のお肉〜ぼたん鍋、猪肉3枚目で、かるく、目眩がしましたが、それから、憂鬱が、抜けたかも!母へ、3歳のゲンちゃんが、